スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

路面電車の走る町

2005-03-10 20:29:03 | コラム


趣があって快適な町は? と聞かれれば、私は、路面電車の走る町、と答えるだろう。スウェーデンでもかつては多くの町で路面電車が走っていたが、市内バスの普及と共に姿を消してしまった。現在でも残っている町といえば、ヨーテボリ(Göteborg)とノルショーピン(Norrköping)くらいだろうか。ストックホルムには、たしか1路線残っているが、週末や夏に観光客向けに走らせているだけだと思う。

路面電車が走る町は趣がある。バスがゴーッと縦横無尽に走る町と比べて、比較的静かでいて、町に動きがある。静かでいて、早く移動ができる。路面電車は「活気のある静かな町」を作りだしている。

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これまで、ヨンショーピンとヨーテボリ間の国鉄の定期券を毎月買っていたが、県営交通の定期券を買えば、さらに安く通勤ができることを知った。スウェーデンの地方鉄道路線はちょっと複雑で、国鉄(SJ)と県営交通が相互に乗り入れをしている。国鉄が運行する電車もあれば、県営交通が運行する電車もある。私が通勤する区間は、どちらの切符でも乗車することができる。

ヨンショーピン-ヨーテボリ間は2県にまたがっているので、その2つの県営交通の定期をそれぞれで買っても通勤できるのだ。しかも値段は国鉄の定期の7割で、しかも、電車だけでなくてバスや路面電車などの市内交通にも、乗れるのだ。

というわけで、今週から新しい通勤生活が始まりました。これまで、国鉄の定期では乗れなかった路面電車にも、乗り始める。これはかなり快適。朝8時半、ヨーテボリ中央駅前はちょうど通勤ラッシュだ。各方面から電車でやってくる人が、路面電車やバスに乗り換えていく。走る人、早歩きの人。駅前には、各方面行きの路面電車がひっきりなしに走り込んでくる。私も大学行きの電車に乗り込む。気分は都会人。

といっても、東京や大阪とは比べものにならないほど、落ち着いてはいるが。これで、これからは行動範囲がさらに広がる!