スキャンダルなどで環境党の閣僚が二人辞任したのを受けて、ロヴェーン首相(社会民主党)は社会民主党と環境党からなる連立内閣の部分的な改造を実施。そして、新しい内閣を発表した。
辞任した二人というのは、環境党の党首の一人であり、環境大臣(兼 副首相)であったÅsa Romson(オーサ・ロムソン)と、住宅担当大臣であったMehmet Kaplan(メフメット・カプラン)。そのため、空席となったこの2つのポストの補充を行うことが、今回の内閣改造の大きな目的であった。当初は、社会民主党のロヴェーン首相が2つのポストのうちの1つを環境党から社会民主党に取り戻して、自党の党員を充てるのではないかとも噂されたが、環境党は2つのポストを維持することになった。
環境大臣には、現職のマルメ市議会議員であり市の執行部のメンバーでもあるKarolina Skog (カロリーナ・スコーグ)が、そして、住宅担当大臣には現職の欧州議会議員であり、環境党の党首をかつて務めたことがあるPeter Eriksson(ペーテル・エリクソン)が抜擢され、就任した。
また、社会民主党所属であり戦略・未来問題および北欧協力担当大臣は、これまでの活躍があまりなく、また、自分の側近を選ぶ際の政治任用のあり方がメディアで批判されたこともあり、別の社会民主党所属の政治家に代えられた。新たに閣僚に就任したのは、Ann Linde (アン・リンデ)。彼女はこれまで、内務担当大臣であるAnders Ygeman (アンデシュ・イューゲマン)の副大臣を務めてきた。
ところで、この組閣に伴って、大臣の担当領域の変更や省の再編も行われた。例えば、先ほど触れたAnn Linde (アン・リンデ)はEUおよび通商担当大臣という新たなポストに就任し、戦略・未来問題および北欧協力担当大臣というポストは廃止されることになった。また、難民問題がスウェーデンにとっての大きな課題であることを踏まえて、法務大臣のポストに移民担当大臣という役職が加わったし、労働市場大臣のポストには難民自立支援担当大臣という役職が加わっている。また、エネルギー担当大臣はこれまでは環境省の管轄であったが、首相府に移管された、
環境党所属で、これまで国際援助担当大臣を務めてきたIsabella Lövin(イサベラ・ロヴィーン)は、先に触れたÅsa Romson(オーサ・ロムソン)が党首を辞任したあとの党大会で、環境党の党首の一人に選ばれることとなった(環境党は二人党首制を採用している)。複数の政党が連立で政権を構成する場合、第2党の党首が副首相というポストを兼ねるという暗黙のルールがあるため、前回の組閣(つまり2014年9月の選挙後の組閣)では党首であったÅsa Romson(オーサ・ロムソン)が副首相を務めることになったが、今回もそのルールが適用された結果、Isabella Lövin(イサベラ・ロヴィーン)が副首相を今後、務めることになった。
以下には、新しい閣僚の一覧を示すが、新たに任命された閣僚は赤字で、そして、担当領域が変更した大臣は青字で強調している。
また、ニュースでは新たな閣僚にばかり注目が集まっていたが、実は隠れたところで、農林水産省が廃止されて、産業省に統合されたのである。
【 首相府 】
首相
Stefan Löfven (ステファン・ロヴェーン)
社会民主党 58歳
省間コーディネーションおよびエネルギー担当大臣
Ibrahim Baylan(イブラヒム・バイラン)
社会民主党 44歳
【 財務省 】
財務大臣
Magdalena Andersson (マグダレーナ・アンデショーン)
社会民主党 49歳
金融市場・消費担当大臣(財務副大臣)
Per Bolund (パー・ボールンド)
環境党 44歳
民生担当大臣
Ardalan Shekarabi (アルダラン・シェカラビ)
社会民主党 37歳
【 外務省 】
外務大臣
Margot Wallström (マルゴット・ヴァルストロム)
社会民主党 61歳
EU・通商担当大臣
Ann Linde (アン・リンデ)
社会民主党 54歳
国際発展協力・気候変動担当大臣(兼 副大臣)
Isabella Lövin (イサベラ・ロヴィーン)
環境党 53歳
【 法務省 】
法務大臣(および移民担当大臣)
Morgan Johansson (モルガン・ヨーハンソン)
社会民主党 46歳
内務担当大臣
Anders Ygeman (アンデシュ・イューゲマン)
社会民主党 45歳
【 環境省 】
環境大臣
Karolina Skog (カロリーナ・スコーグ)
環境党 44歳
【 産業省 】
産業・技術革新大臣
Mikael Damberg (ミカエル・ダムベリ)
社会民主党 44歳
インフラ担当大臣
Anna Johansson (アンナ・ヨーハンソン)
社会民主党 44歳
住宅・デジタル化担当大臣
Peter Eriksson(ペーテル・エリクソン)
環境党 57歳
農林水産担当大臣
Sven-Erik Bucht (スヴェン・エーリック・ブクト)
社会民主党 61歳
【 教育省 】
教育大臣
Gustav Fridolin (グスタフ・フリドリーン)
環境党 33歳
高校・知識向上担当大臣
Aida Hadžialić(アイーダ・ハジアリッチ)
社会民主党 29歳
高等教育・研究担当大臣
Helene Hellmark Knutsson (ヘレーン・ヘルマルク・クヌートソン)
社会民主党 46歳
【 労働市場省 】
労働市場大臣(および難民自立支援担当大臣)
Ylva Johansson (イュルヴァ・ヨーハンソン)
社会民主党 52歳
【 文化省 】
文化・民主主義大臣
Alice Bah Kuhnke (アーリス・バ・クンケ)
環境党 44歳
【 防衛省 】
防衛大臣
Peter Hultqvist (ペーテル・フルトクヴィスト)
社会民主党 57歳
【 社会省 】
社会保険大臣
Annika Strandhäll (アニカ・ストランドヘル)
社会民主党 41歳
子供・高齢者および男女平等担当大臣
Åsa Regnér(オーサ・レグネー)
社会民主党 51歳
国民健康・医療およびスポーツ担当大臣
Gabriel Wikström (ガブリエル・ヴィークストロム)
社会民主党 31歳
【 過去の記事 】
2014-10-05: 社会民主党・環境党連立、ロヴェーン内閣の発足
辞任した二人というのは、環境党の党首の一人であり、環境大臣(兼 副首相)であったÅsa Romson(オーサ・ロムソン)と、住宅担当大臣であったMehmet Kaplan(メフメット・カプラン)。そのため、空席となったこの2つのポストの補充を行うことが、今回の内閣改造の大きな目的であった。当初は、社会民主党のロヴェーン首相が2つのポストのうちの1つを環境党から社会民主党に取り戻して、自党の党員を充てるのではないかとも噂されたが、環境党は2つのポストを維持することになった。
環境大臣には、現職のマルメ市議会議員であり市の執行部のメンバーでもあるKarolina Skog (カロリーナ・スコーグ)が、そして、住宅担当大臣には現職の欧州議会議員であり、環境党の党首をかつて務めたことがあるPeter Eriksson(ペーテル・エリクソン)が抜擢され、就任した。
また、社会民主党所属であり戦略・未来問題および北欧協力担当大臣は、これまでの活躍があまりなく、また、自分の側近を選ぶ際の政治任用のあり方がメディアで批判されたこともあり、別の社会民主党所属の政治家に代えられた。新たに閣僚に就任したのは、Ann Linde (アン・リンデ)。彼女はこれまで、内務担当大臣であるAnders Ygeman (アンデシュ・イューゲマン)の副大臣を務めてきた。
ところで、この組閣に伴って、大臣の担当領域の変更や省の再編も行われた。例えば、先ほど触れたAnn Linde (アン・リンデ)はEUおよび通商担当大臣という新たなポストに就任し、戦略・未来問題および北欧協力担当大臣というポストは廃止されることになった。また、難民問題がスウェーデンにとっての大きな課題であることを踏まえて、法務大臣のポストに移民担当大臣という役職が加わったし、労働市場大臣のポストには難民自立支援担当大臣という役職が加わっている。また、エネルギー担当大臣はこれまでは環境省の管轄であったが、首相府に移管された、
環境党所属で、これまで国際援助担当大臣を務めてきたIsabella Lövin(イサベラ・ロヴィーン)は、先に触れたÅsa Romson(オーサ・ロムソン)が党首を辞任したあとの党大会で、環境党の党首の一人に選ばれることとなった(環境党は二人党首制を採用している)。複数の政党が連立で政権を構成する場合、第2党の党首が副首相というポストを兼ねるという暗黙のルールがあるため、前回の組閣(つまり2014年9月の選挙後の組閣)では党首であったÅsa Romson(オーサ・ロムソン)が副首相を務めることになったが、今回もそのルールが適用された結果、Isabella Lövin(イサベラ・ロヴィーン)が副首相を今後、務めることになった。
以下には、新しい閣僚の一覧を示すが、新たに任命された閣僚は赤字で、そして、担当領域が変更した大臣は青字で強調している。
また、ニュースでは新たな閣僚にばかり注目が集まっていたが、実は隠れたところで、農林水産省が廃止されて、産業省に統合されたのである。
【 首相府 】
首相
Stefan Löfven (ステファン・ロヴェーン)
社会民主党 58歳
省間コーディネーションおよびエネルギー担当大臣
Ibrahim Baylan(イブラヒム・バイラン)
社会民主党 44歳
【 財務省 】
財務大臣
Magdalena Andersson (マグダレーナ・アンデショーン)
社会民主党 49歳
金融市場・消費担当大臣(財務副大臣)
Per Bolund (パー・ボールンド)
環境党 44歳
民生担当大臣
Ardalan Shekarabi (アルダラン・シェカラビ)
社会民主党 37歳
【 外務省 】
外務大臣
Margot Wallström (マルゴット・ヴァルストロム)
社会民主党 61歳
EU・通商担当大臣
Ann Linde (アン・リンデ)
社会民主党 54歳
国際発展協力・気候変動担当大臣(兼 副大臣)
Isabella Lövin (イサベラ・ロヴィーン)
環境党 53歳
【 法務省 】
法務大臣(および移民担当大臣)
Morgan Johansson (モルガン・ヨーハンソン)
社会民主党 46歳
内務担当大臣
Anders Ygeman (アンデシュ・イューゲマン)
社会民主党 45歳
【 環境省 】
環境大臣
Karolina Skog (カロリーナ・スコーグ)
環境党 44歳
【 産業省 】
産業・技術革新大臣
Mikael Damberg (ミカエル・ダムベリ)
社会民主党 44歳
インフラ担当大臣
Anna Johansson (アンナ・ヨーハンソン)
社会民主党 44歳
住宅・デジタル化担当大臣
Peter Eriksson(ペーテル・エリクソン)
環境党 57歳
農林水産担当大臣
Sven-Erik Bucht (スヴェン・エーリック・ブクト)
社会民主党 61歳
【 教育省 】
教育大臣
Gustav Fridolin (グスタフ・フリドリーン)
環境党 33歳
高校・知識向上担当大臣
Aida Hadžialić(アイーダ・ハジアリッチ)
社会民主党 29歳
高等教育・研究担当大臣
Helene Hellmark Knutsson (ヘレーン・ヘルマルク・クヌートソン)
社会民主党 46歳
【 労働市場省 】
労働市場大臣(および難民自立支援担当大臣)
Ylva Johansson (イュルヴァ・ヨーハンソン)
社会民主党 52歳
【 文化省 】
文化・民主主義大臣
Alice Bah Kuhnke (アーリス・バ・クンケ)
環境党 44歳
【 防衛省 】
防衛大臣
Peter Hultqvist (ペーテル・フルトクヴィスト)
社会民主党 57歳
【 社会省 】
社会保険大臣
Annika Strandhäll (アニカ・ストランドヘル)
社会民主党 41歳
子供・高齢者および男女平等担当大臣
Åsa Regnér(オーサ・レグネー)
社会民主党 51歳
国民健康・医療およびスポーツ担当大臣
Gabriel Wikström (ガブリエル・ヴィークストロム)
社会民主党 31歳
【 過去の記事 】
2014-10-05: 社会民主党・環境党連立、ロヴェーン内閣の発足
Twitterでみた情報としては環境党はムスリムに寛容で党勢拡大に寄与したが民主主義の意義と環境問題に関心を払わない人材が増えているとのことですが、どうなのでしょう。そうなると再教育が必要でしょうから時間がかかりそうですが。
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/4d2dda841674c7a714f8dce370f52d8e