プロジェクトに反発する声は、スウェーデンからだけでなく、バルト3国やポーランドからも上がっている。冷戦崩壊以降、ロシアの影響下から必死に脱しようと努力してきたこれらの国々は、ヨーロッパ諸国に対するロシアの影響力が再び強まることを懸念しているのだ。これらの国々は、海底にパイプラインを引くくらいなら、むしろ地上ルートで、つまりバルト3国とポーランドの上を通せばいい、と主張している。ロシアのパイプラインに対する影響力を少しでも持ちたいということだろうか。一方、ロシアがパイプラインを海底に通したい理由のひとつは、まさにこの「他国の影響をなるべく受けない形でガス供給をおこなう」なのだ。(この地上ルート案は、スウェーデン国内の反対派からも主張されている。)
EU内の議論に目を向けると、天然ガスの供給を欲するドイツ・フランスなどの国々と、プロジェクトに反対するバルト3国・ポーランドの間で対立が生じている。EUでまとまった意見形成が困難ということは、国際政治におけるEUの発言力の減少を意味する。この現状を見て、ほくそ笑んでいるのは・・・、そうロシアのプーチン大統領であろう。だから、このプロジェクト自体がプーチンにとっては外交の一つの武器でもありうる。
スウェーデンの現政権の反応はどうか?Carlgren(カールグレン)環境大臣は「この問題に関して、スウェーデン政府は環境影響評価の提出をもとに許可を与えるか否か、の決定権しかもっていない」「環境影響評価が今だ提出されていない段階で、政府として見解を述べるのは望ましくない」としている。
これに対して、野党を始めとする反対派は「環境の観点からベストな選択肢を事業主体が選ぶよう、他の選択肢を含めた慎重な事業計画策定を要求すべき」「この案件は単なる経済事業ではなく、政治的要素も十分に含んできるから、スウェーデン政府はこの案件を国会審議にかけた上で、スウェーデンとしての態度を決めるべき」と反論している。
反対派の指摘によると、スウェーデン政府は環境影響評価を判断し認可決定を下すにあたり、事業者側が環境影響評価を行ったそのルートだけに対して「Yes/No」という判断を下すだけでなく、他の考えられうる選択肢においても同様の評価が行われるよう事業者側に要求することもできる、そして、これはEUの環境影響評価に関する法令に根拠を持つ、と反対声明の中で述べている。
EU内の議論に目を向けると、天然ガスの供給を欲するドイツ・フランスなどの国々と、プロジェクトに反対するバルト3国・ポーランドの間で対立が生じている。EUでまとまった意見形成が困難ということは、国際政治におけるEUの発言力の減少を意味する。この現状を見て、ほくそ笑んでいるのは・・・、そうロシアのプーチン大統領であろう。だから、このプロジェクト自体がプーチンにとっては外交の一つの武器でもありうる。
スウェーデンの現政権の反応はどうか?Carlgren(カールグレン)環境大臣は「この問題に関して、スウェーデン政府は環境影響評価の提出をもとに許可を与えるか否か、の決定権しかもっていない」「環境影響評価が今だ提出されていない段階で、政府として見解を述べるのは望ましくない」としている。
これに対して、野党を始めとする反対派は「環境の観点からベストな選択肢を事業主体が選ぶよう、他の選択肢を含めた慎重な事業計画策定を要求すべき」「この案件は単なる経済事業ではなく、政治的要素も十分に含んできるから、スウェーデン政府はこの案件を国会審議にかけた上で、スウェーデンとしての態度を決めるべき」と反論している。
反対派の指摘によると、スウェーデン政府は環境影響評価を判断し認可決定を下すにあたり、事業者側が環境影響評価を行ったそのルートだけに対して「Yes/No」という判断を下すだけでなく、他の考えられうる選択肢においても同様の評価が行われるよう事業者側に要求することもできる、そして、これはEUの環境影響評価に関する法令に根拠を持つ、と反対声明の中で述べている。