ヨーテボリ市は1999年から「国際環境賞」を設け、環境問題解決や持続可能な社会発展への取り組みにより大きな活力を与えるために、スウェーデン内外においてこの分野で貢献があった人や団体に賞を贈っている。ヨーテボリ市とともにいくつかの企業がお金を出し合い、毎年計100万クローナ(1600万円)を贈呈する。
授賞式の会場である『Storan』前に並べられたPrius
今年は、日本のトヨタが誇るハイブリッド・カーPriusが選ばれ、その開発に「ユニークで、目的意識を持ち、決定的な貢献をした」という理由で、
Takehisa Yaegashi氏(Toyota Technical Development Corporation)
Yuichi Fujii氏(Panasonic EV Energy Co.Ltd)
Takeshi Uchiyamada氏(Toyota Motor Cooperation)が受賞した。(出席は最初の二人のみ)
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さて、日本から受賞者の方が遥々来られる。それに、スウェーデン新政権の環境大臣Andreas Carldrenも出席する、という。なので、今日の授賞式典を覗いてみたい。しかし、関係者でもメディアでもない者が入れるのか? それを問い合わせるべく、主催関係者に電話をしてみる。
しかし、どういうわけか、私の掛ける問い合わせ電話が最初にたどり着いたのは、何を血迷ったのか、環境大臣の広報秘書の携帯。「ウチは賞の授与はするが、開催自体はヨーテボリ市なので市に聞いてくれ」との返事。しかし、興味深いことに、この会話の途中、携帯が途切れたり、特急X2000の車内アナウンスが背後で聞こえていたから、ちょうどこの時、環境大臣はヨーテボリに向かって移動中だったことが分かった。大臣とあっても飛行機を使わず、「環境マーク」つきの鉄道で来るとはさすが環境大臣!
その後、繋がったのは、今回の賞の審査委員長の携帯。彼が言うには、私でも授賞式に潜り込めるということ。ちなみに、この審査委員長は、環境の分野では有名な人で、かつての首相Göran Perssonのアドバイザーだったとか。
こんな人と携帯で気軽に会話ができてしまうところがスウェーデンらしい。夕方から行われた授賞式のほうは、ヨーテボリ・オペラ座からオペラ歌手もよばれ、声楽のある和やかな式典だった。受賞者のうち出席された日本人2人は、プリウスの技術や開発までの苦労を英語で紹介。それに対し、ヨーテボリ・シャルマシュ工科大学のもと学長で、今はヨーテボリに大きな工場を構えるVolvoのトラック部門の技術部長を務める教授も記念講演。Volvoのトラック・バス・ゴミ収集車もあと数年すればハイブリッドになる!と、闘争意識(協力の意思表示?)を燃やしていたのが面白かった(確かに、彼のいうように、発信と停車をこまめに繰り返すバスやゴミ収集車こそ、ハイブリッド技術を適用すべきかもしれない)。
授賞式後、場を後にする聴衆に逆らい、ステージへ。そして、受賞者の一人、八重樫氏にあいさつをさせてもらう。それから、今日午後、電話で話した前首相の環境アドバイザーとも直接あいさつ。肩の力の抜けて、とても話しやすい人だった。それから、ラジオのインタビューを終えたばかりの環境大臣Andreas Carlgrenともあいさつをし、Lycka till med miljöarbete(環境への取り組みを頑張れ)とささやかな声援を送る。
通りがかりのジャーナリスト?に撮ってもらった
有意義なひとときだった。
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このヨーテボリ市の「国際環境賞」。過去の受賞者を見てみると、
2005年 アフリカ・ルワンダのMaraba生産者協同組合。社会的・経済的・エコロジー的に持続可能な方法でコーヒー生産を行う、という先駆的な活動。
2004年 Joan Bavaria (USA)、Tessa Tennant(イギリス)。投資会社や投資信託基金を設立し、これを通して、企業が経済的責任とともに社会的・環境的な配慮を行うことを促進した。
2003年 Hans Ek(スウェーデン)、Wolfgang Feist(ドイツ)。太陽熱と体温を利用した省エネ屋内暖房システムの開発。
2002年 Gro Harlem Brundtland(ノルウェー)。持続可能な発展に向けた、斬新的でビジョンを持った活動
2001年 Forest Stewardship CouncilとKRAV(スウェーデンのエコロジー食品の認定機関)。前者は木材製品、後者は食品・農産物のエコロジー認定機関
2000年 Geoffrey Ballard(カナダ)
燃料電池の開発とその応用
などだ。技術開発の分野もあれば、2005年のように生産者の社会的・エコロジー的取り組みに注目したものもある。
ちなみに選考基準は、以下の点を満たす商品やサービス、新技術らしい。
・資源利用を効率化したり、再生可能な原材料やリサイクルを奨励するもの
・ある分野での問題を解決し、さらに、それが技術革新やシステム転換につながる可能性を持つもの
・問題解決に向けてのプロセスを動かすもので、ヨーテボリ地域、及びそれ以上の地域で意味を持つもの
・世界規模で公正・正義の改善に貢献するもの
らしい。
授賞式の会場である『Storan』前に並べられたPrius
今年は、日本のトヨタが誇るハイブリッド・カーPriusが選ばれ、その開発に「ユニークで、目的意識を持ち、決定的な貢献をした」という理由で、
Takehisa Yaegashi氏(Toyota Technical Development Corporation)
Yuichi Fujii氏(Panasonic EV Energy Co.Ltd)
Takeshi Uchiyamada氏(Toyota Motor Cooperation)が受賞した。(出席は最初の二人のみ)
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さて、日本から受賞者の方が遥々来られる。それに、スウェーデン新政権の環境大臣Andreas Carldrenも出席する、という。なので、今日の授賞式典を覗いてみたい。しかし、関係者でもメディアでもない者が入れるのか? それを問い合わせるべく、主催関係者に電話をしてみる。
しかし、どういうわけか、私の掛ける問い合わせ電話が最初にたどり着いたのは、何を血迷ったのか、環境大臣の広報秘書の携帯。「ウチは賞の授与はするが、開催自体はヨーテボリ市なので市に聞いてくれ」との返事。しかし、興味深いことに、この会話の途中、携帯が途切れたり、特急X2000の車内アナウンスが背後で聞こえていたから、ちょうどこの時、環境大臣はヨーテボリに向かって移動中だったことが分かった。大臣とあっても飛行機を使わず、「環境マーク」つきの鉄道で来るとはさすが環境大臣!
その後、繋がったのは、今回の賞の審査委員長の携帯。彼が言うには、私でも授賞式に潜り込めるということ。ちなみに、この審査委員長は、環境の分野では有名な人で、かつての首相Göran Perssonのアドバイザーだったとか。
こんな人と携帯で気軽に会話ができてしまうところがスウェーデンらしい。夕方から行われた授賞式のほうは、ヨーテボリ・オペラ座からオペラ歌手もよばれ、声楽のある和やかな式典だった。受賞者のうち出席された日本人2人は、プリウスの技術や開発までの苦労を英語で紹介。それに対し、ヨーテボリ・シャルマシュ工科大学のもと学長で、今はヨーテボリに大きな工場を構えるVolvoのトラック部門の技術部長を務める教授も記念講演。Volvoのトラック・バス・ゴミ収集車もあと数年すればハイブリッドになる!と、闘争意識(協力の意思表示?)を燃やしていたのが面白かった(確かに、彼のいうように、発信と停車をこまめに繰り返すバスやゴミ収集車こそ、ハイブリッド技術を適用すべきかもしれない)。
授賞式後、場を後にする聴衆に逆らい、ステージへ。そして、受賞者の一人、八重樫氏にあいさつをさせてもらう。それから、今日午後、電話で話した前首相の環境アドバイザーとも直接あいさつ。肩の力の抜けて、とても話しやすい人だった。それから、ラジオのインタビューを終えたばかりの環境大臣Andreas Carlgrenともあいさつをし、Lycka till med miljöarbete(環境への取り組みを頑張れ)とささやかな声援を送る。
通りがかりのジャーナリスト?に撮ってもらった
有意義なひとときだった。
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このヨーテボリ市の「国際環境賞」。過去の受賞者を見てみると、
2005年 アフリカ・ルワンダのMaraba生産者協同組合。社会的・経済的・エコロジー的に持続可能な方法でコーヒー生産を行う、という先駆的な活動。
2004年 Joan Bavaria (USA)、Tessa Tennant(イギリス)。投資会社や投資信託基金を設立し、これを通して、企業が経済的責任とともに社会的・環境的な配慮を行うことを促進した。
2003年 Hans Ek(スウェーデン)、Wolfgang Feist(ドイツ)。太陽熱と体温を利用した省エネ屋内暖房システムの開発。
2002年 Gro Harlem Brundtland(ノルウェー)。持続可能な発展に向けた、斬新的でビジョンを持った活動
2001年 Forest Stewardship CouncilとKRAV(スウェーデンのエコロジー食品の認定機関)。前者は木材製品、後者は食品・農産物のエコロジー認定機関
2000年 Geoffrey Ballard(カナダ)
燃料電池の開発とその応用
などだ。技術開発の分野もあれば、2005年のように生産者の社会的・エコロジー的取り組みに注目したものもある。
ちなみに選考基準は、以下の点を満たす商品やサービス、新技術らしい。
・資源利用を効率化したり、再生可能な原材料やリサイクルを奨励するもの
・ある分野での問題を解決し、さらに、それが技術革新やシステム転換につながる可能性を持つもの
・問題解決に向けてのプロセスを動かすもので、ヨーテボリ地域、及びそれ以上の地域で意味を持つもの
・世界規模で公正・正義の改善に貢献するもの
らしい。