韓国でりんごの主産地と言えば大邱(テグ)を中心とする慶尚北道。
栄州、聞慶、安東、青松、義城、永川と全国的に名の知れた
りんごの産地が目白押しだ。
△慶尚北道のりんご産地(韓国観光公社地図より)
その慶尚北道の地域紙である「毎日新聞」に、韓国のりんご事情を
伝えてくれる記事が掲載されていた。
「紅玉」や「国光」など日本でもかつて有名だった品種を「韓国
在来の品種」と記述するなど、一部に韓国紙一流の(?)不正確な
記述も散見されたが、全体的には興味深く読ませてもらった。
ちなみに「紅玉」や「国光」は、アメリカ原産の品種だそうで、明治
初期に日本に導入されて以来、1960年代にいたるまで、長らく
日本でりんごの主流を占めていた品種だ。
「홍옥(紅玉)」、「국광(国光)」という日本式品種名から類推して、
韓国へは日本経由で導入されたと見るのが自然だろう。
△「えらそうな講釈はやめろ!」
「少なくともオレが韓国生まれなのは
疑いようのない事実だッ!」
(写真とは無関係)
ところで、日本では1970年代以降、デリシャス系品種や「富士」
(アメリカ原産の品種を日本で交配し開発された品種)が生産を
伸ばし始めた。
そして、80年代以降、日本のりんご市場に君臨するようになった
のが、言わずと知れた「富士」だ。
韓国語では「부사(プサ、漢字では富士)」あるいは「후지(フジ)」と
呼ばれている。
さて、それでは韓国のりんご事情について書かれた関連記事を
全文翻訳練習してみる。
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■ 사과에 부는 복고바람…'홍옥' 귀하신 몸 대접
りんごでもレトロブーム...希少品種「紅玉」が最高級品に
(毎日新聞 10月12日)
사회전반에 걸쳐 불고 있는 복고 바람이 과일의 대표격인
사과에서도 예외는 아니다.
韓国社会で大きなトレンドとなっているレトロブームが、果物の
代表格とも言えるりんごでも起きている。
요즘 대구시내 재리시장은 물론이고 거리를 거닐다
보면 가장 많이 눈에 띄는 과일은 사과. 사람들 사이에
널리 알려진 ‘부사’ 일색이지만 운이 좋으면 볼 수 있는
사과가 있다. 바로 새빨간 색깔로 윤이 나고 독특한
신맛으로 저절로 군침을 돌게 만드는 ‘홍옥’이다.
最近、大邱(テグ)市内の在来市場はもちろん、通りを歩いていて
最も目に付く果物はりんごだ。それも有名な「富士」りんご一色だが、
運がよければ目にすることのできるりんごがある。独特の酸味を
持つ艶々(つやつや)した真っ赤なりんごで、見ているだけで
口の中に唾液が湧いてくる「紅玉」りんごだ。
‘홍옥’은 1960~1970년대에 유행했던 사과 품종으로
이젠 거의 자취를 감췄지만 최근 들어 인기를 얻자
농민들이 재배면적을 늘리고 있다. 하지만 묘목이 없는
데다 열매를 맺기까지 오래 걸려 수요에 공급이 따라
가지 못하고 있는 실정.
「紅玉」は1960~70年代に流行し、今ではほぼ姿を消して
しまった品種だが、最近になって人気が高まったため、りんご
農家は栽培面積を広げている。しかし、苗木もない上に実をつける
までには長い時間がかかるので、需要に供給が追いつかない
のが実情だ。
‘홍옥’은 대구가 사과 주산지였던 1960,1970년대 ‘국광’
이란 품종과 함께 대표적인 재래 사과였다. 이러한 30,40년
전에 유행했던 재래사과가 중·노년층들 사이에 어린시절
‘사과서리’의 추억을 떠올리게 하며, 인기를 되찾아 요즘엔
사과 중에서 가장 비싼 '제왕' 대접을 받고 있다. 젊은 층
사이에서도 산도가 강해 시고 새콤한 데다 아삭아삭하고
적당히 달아 한 번 맛을 본 뒤 다시 찾으면서 인기를
더해가고 있다.
「紅玉」は大邱がりんごの主産地だった1960、70年代、
「国光(こっこう)」と並び代表的な在来種のりんごだった(※)。
3、40年前に流行した在来種のりんごが、幼少期にりんご園の
りんごをこっそり盗んで食べた中高年の郷愁をさそい人気が
高まっているのだ。最近では「紅玉」がりんごの中でも最高級品の
扱いを受けているという。若者の間でも、鼻につんと来る酸味が
ありながらも適度に甘く、さくさくとした歯ごたえのある「紅玉」を
一度口にして忘れられなくなり再び買い求める者が増えている。
(※)「紅玉」、「国光」ともにアメリカ原産で明治初期に日本に導入されている。
韓国へは、その日本式名称から考えて日本経由で導入されたものと見られる。
이 때문에 고급과일을 취급하는 백화점에서조차 물량
확보가 어려운 가운데 값도 비싸 낱개 포장 등 소단위로
판매하고 있을 정도다. 동아백화점에서 ‘부사’는 고급사과의
대명사이지만 최상품 기준으로 개당 1천490원 하는 데 비해
‘홍옥’은 2천450원으로 사과 중에는 가장 비싼 편이다. 산지
가격도 10kg 기준으로 4만 원대로 부사(3만 원대)에
비해 비싸다.
このため、高級りんごを扱う百貨店などでも「紅玉」の確保が難しい
状況で、価格も高いので1個単位で包装するなど小分けして販売
しているほどだ。東亜百貨店では、「富士」が高級りんごの
代名詞だが、最上級の「富士」でも1個あたり1490ウォン(約
200円)なのに対し、「紅玉」は2450ウォン(約330円)の値が
付けられており最も高価な部類だ。産地価格も10kgあたり4万
ウォン代(5000円前後)で、3万ウォン代(4000円前後)の
「富士」よりずいぶん高い。
동아백화점 담당 바이어는“홍옥은 부사로 품종교체 하지
않은 영천·영주·문경 등 일부 지역에서 소량 생산되고
있으며, 병충해에 약하고 낙과가 심한 등으로 물량이 적어
값도 비싸다.”고 말했다.
東亜百貨店でりんごの仕入れを担当している関係者は「紅玉は
富士に品種換えしていない永川、栄州、聞慶などの一部産地で
少量、生産されているだけで、病虫害に弱く実がすぐ落下する
などの欠点もあり収穫が少ないので価格が高くなっている」と語った。
(終わり)