怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

献身利用した労働搾取

2017-02-05 08:13:59 | ニュースから
育休制度もままならない時期の話。
乳飲み子を抱えて右往左往していたお母さん先生がいた。
泣きそうな彼女を救ったのは、その学区域の商店街だった。
「先生。ウチの子を学校でみてくれるんだから、赤ん坊は店で見てあげるよ。大丈夫。安心していっておいで。」
そういってくれたという実話。

昭和的と感じることなのかもしれないけれど、教育界の文化を育ててきたのは、そういったことなんじゃないかと思っている。

だから教師は、ボランティアで民生委員のような仕事もやり、およそ学校教育とは関係のない仕事もやり、同時並行で教育活動も豊かになっていったのではないだろうか。

40人学級制度の中で、世界のトップクラスを維持しているのは、何も塾や家庭学習のおかげだけとはいえないだろう。

底支えをしてきている学校制度は、そう捨てた文化じゃない。

「昭和、昭和」とバカにした言い方をしていないで、「ヘイセイ」はどうなのだろう。
ボランティア教師は人柱になっていくだけなら、こんな悲惨な「ヘイセイ」はいらない。

倒れていく教師を救うのは自助努力ではない。
それは、「子ども食堂」が、子どもの貧困を根本から救う手立てでないように、だ。


無論、教師になったやつが悪いという自己責任論は筋違いなのでこの流れには通用しない。

文科省は、
(1)教師1人あたりの児童・生徒数を先進諸外国並みに適正化するべきだ。
 すでに低学年の35人学級において、異口同音に効果が認められている。
 30人学級にすれば、大成果が上がることは見えている。

(2)仕事を精査し、効率化するための施策と予算を出せ
 くだらないとまではいわなが、対費用効果が低すぎるICT技術に金を使っていないで、まずはもう少しローコストの通知表は無論、出席簿、要録などは早急に電子化せよ。
 教師にゆとりが生まれれば、授業改善もしやすくなる。
 集金活動に関しては、公費化するか、少なくとも引き落としを支えるようにするべきだ。

(3)部活動のみならず、定刻に仕事が終われないようにする仕組みを持つものを廃するべき。
 地域の部活コーチとしてのリソース扱いは、もう止める。
 少なくとも、勤務に影響が出る時間にはやらない。
 朝部活、放課後部活などもってのほかだ。

(4)週5日制度の適正化をせよ。
 今や最低でも月に1日は学校のせいで潰れるのだ。
 もともと地域に時間を預けるとして始まった制度をひっくり返してどうする。
 子どもの遊び時間を確保努力して世界トップになっているフィンランドを念頭に、授業時間も減らせ。
 小学校の英語やパソコンは家庭学習でやれ。(業界団体に儲けさせる施策はやめろ)
 道徳の教科化なんて、日本会議系の人以外、だれも望まない。やめろ。



私は労働組合員ではない。
民間にいたこともあったが、普通に教師になったものだ。
ただ、この現場に入ってみたら「ブラック企業だった。」ということだ。
だから、私も相当の恨みつらみのようなものはある。
(だからこういったブログをやっているのかもしれない)

私の周囲にも過労で病気になったりや死に至ったりしている人がいるし、そういった人たちが、せめてこの流れを変える人柱くらいにはならないと、報われないと思うのだが、それは言い過ぎか。


以下、公開部分のみ引用。

先生のゆとり、どうつくる? 「献身利用した労働搾取」

 教員の忙しさをどうとらえ、どう解決するか。連合のシンクタンク「連合総研」が公立小中学校の教諭を対象にした実態調査をもとに都内でシンポジウムを開いた。研究者たちは現状と解決策をどうみたか。

 連合総研の調査では、小学校の教諭が職場にいる平均時間は、朝7時31分出勤~夜7時4分退勤の11時間33分、中学校は朝7時25分~夜7時37分の12時間12分だった。単純比較できないが、同総研の07年の民間労働者のデータと比べると小学校の方が2時間18分、中学校が2時間57分長かった。

 目立つのは部活動の負担で、運動部顧問の48%が朝7時半前に出勤、50%が夜8時以降に退勤していた。文化系の部活はそれぞれ27%、45%だった。

 長時間労働で家庭生活も犠牲になりがちだ。「必ず」「だいたい」毎日、家族全員と一緒に夕食をとるのは小39%、中33%で民間労働者の52%を下回った。月~金曜日の平均睡眠時間は小6時間6分、中6時間4分。読書は小で14分、中で13分だった。

 教諭が労働時間短縮への学校の…