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帰ってきた特派員報告

2004年に沖縄移住しteacupブログ開設→gooブログへ引越し

2007-01-30 23:40:28 | 本・マンガ・映画

昨年他界した義父の一周忌のため千葉へ行く。
一泊二日でのタイトなスケジュールのなか、
なんとか仕事もこなしたが、
やっぱり風邪をひいた。

布団にくるまりながらぼーっと読む本は、漫画がベストだ。

今回はイブニングKC『もやしもん』。
農業大学の若きサイエンティスト青春群像漫画だ。
「アルペギルス・フラブス」だの「A・オリゼー」だのといった
様々な菌類がキャラクター化されていてほんわか笑わせてくれるだけでなく、
「L・エドデス」というシイタケ菌の命名由来が「江戸です」からきている、
といった話もあって、へぇ~の連続でまことに癒される。
酒の醸造にまつわる話も多く、
3巻目は舞台が沖縄の泡盛古酒ネタになっていく。
のんびりとしたストーリーを楽しみ、
例の苔むした甕を海に沈めて100年古酒をつくるのもいいかな、
なんて思いながら鼻水をすすりつつ、いつのまにか眠ってしまった。

「のだめカンタービレ」や「動物のお医者さん」
と同じカテゴリーに属するこの漫画は病床にこそふさわしい。
菌たちの「かもすぞ」という声が聞こえてきそうでちょっと怖いけど。

風邪にやられた今、あらためて思う。
耐菌・除菌ブームのこのご時勢は、
ぜったいに間違っている。
大腸菌が1000個いたくらいで食べ物を廃棄してたら、
いつかバチがあたるぞ。

菌に負けない身体をつくるのが先決だろうが。

不二家がんばれ。



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でもやるんだよ!

2006-09-17 00:47:42 | 本・マンガ・映画

映画「男たちの大和」を見てからというもの、
なんとなく角川春樹という男の生きざまが気になっていた。
ちょっとググッってみたところ、
勝新に勝るとも劣らない因果者であることが判明した。
松田優作を土下座させちゃったり
シャブで収監されても検察に屈服しなくてどんどん長引かせちゃったりする、とんでもないピカレスクだったのだ。

「大和」の次の映画はなんと「実録・共産党」。
この見事な振れ幅!(笑)
相当もめているらしいが、それでもやっちゃうんだろうなぁ。
黒澤映画のリメイク権も2本買ったらしい。
目が離せなくなってきた。

角川春樹事務所


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大和

2006-09-10 11:16:01 | 本・マンガ・映画

ふと、刺身が食べたくなったので市場へいってみたが、カラフルな魚たちを見ていたら
なんとなく食欲を無くして、とぼとぼと家路につく。
気をとりなおし今日はDVD「男たちの大和」をみた。(←公式HP、素晴らしい)
製作の角川春樹さん、ずいぶん変わりましたねぇ。
戦国自衛隊の頃とくらべ、枯れた味わいが出ていて良かったです。
よしざるの同級生、長嶋一茂も立派なサムライ顔になっていた。
ここのところ、邦画にはやられっぱなしだったので溜飲がさがりました。

観終わったあと「60年後、こんな国になっちゃって、じいさま達に申し訳ないねぇ。。」
と家人がポツリ。








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のぼるくんたち

2006-08-04 13:24:32 | 本・マンガ・映画

ここ数年探し続けていた、いがらしみきおの老人施設漫画「のぼるくんたち」をようやくゲットした。
業田良家の自虐の詩とともに、俺的泣ける漫画の3指に入る傑作だった。

作中、老人のひとりは言う。
「おまいらから見れば地獄のようにみえるじゃろ」
「しかしボケとる本人は天国にいるようなもんじゃよ」
「もっとも地獄のような天国じゃがの~」

いがらしは80年代にネ暗トピアで一世を風靡した後、「こんなのは男子一生の仕事ではない」と突然断筆した。しかし2年後に「ぼのぼの」でカムバック、そして大ヒット。
近頃の作品では構想20年、執筆4年の「SINK」が恐ろしい。
複雑な作者である。


   ↓のぼるくん、実は柔道の達人

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邦画沈没

2006-07-29 11:09:03 | 本・マンガ・映画

今月の映画ヒットチャート№1の「日本沈没」を観た。
野暮を承知で書いちゃうから、これから観ようかなってひとはこの先読んじゃだめよ。

オリジナル版は小学生の頃に両親に連れられて、大森の場末の映画館で鑑賞済みだった。
それはすごい映画だった。
東宝特撮技術を駆使し、これでもか、ってな悲劇の内容に驚愕した記憶がある。ゴジラ映画に通ずる、街の破壊っぷりもとても素敵だった。
災害に逃げ惑う民衆の姿や爆発・炎上する京浜工業地帯をみて、幼心にゾクゾクするなにかを感じた。

それにしても、大家族&赤貧時代のよしざる家では滅多に映画なんぞみれる境遇ではなかったのだが、なんでまたわざわざ俺にそんな映画をみせたのか、今となっては両親の意図がまったくわからない。
また、ごくごくたまに連れて行ってもらえたのが、猿の惑星シリーズだったのも謎だ。こうなると逆になんらかの意図さえ感じる。
ディズニー映画の存在に初めて触れたのは中学生の英語の教科書で、あのネズミたちがサンリオのキャラクターとばかり思っていた俺は、同級生にずいぶんあきれられたものである。男ばかりの兄弟4人で兄者達から歳の離れた俺にはチャンネル主導権などあろうはずもなかったので、そういった軟らかいものを見る機会に恵まれなかったのだ。(そのかわりアパッチ野球軍などのスポ根ものには詳しくなった。)
この経験が後に多くの禍根を残すことになったのだが、それはまあ置いといて。。

あの名作日本沈没のリメイク版が現代のCG技術をもってしたら、いったいどんなことになっているのかとワクワクしながら映画館に入った。 
で、観た。

で、駄目。

なにがって、ラブが。
もう、上映時間の大半がTVドラマ化している。陳腐な人間ドラマがえんえんと続くのだ。
柴崎コウ扮するレスキュー隊が、避難民でごったがえすテントの中でこんなことを言う。

「ねえ、抱いて。」

・・耳を疑ったが、確かに言った。

これに、草薙君が答える。

「ごめん、今はそんな気になれない・・。」

草薙君、正しい。(爆)
空気読もうよ。テントの外は阿鼻叫喚の地獄絵図だよ。
明らかにTBS(映画のスポンサー)の仕業だ。
無理にラブ方面にもっていくのはやめようよ。隣の女子中学生が、ところどころプッと笑ってて、
関係ないのに俺の耳が赤くなっちゃったよ。

東宝映画が得意とする
沈みゆく大阪城や民衆が逃げまどう渋谷はたったの10秒でおしまい。
単なるTBSドラマに俺は金を払ってしまったわけだ。

そもそもレスキューっていったらあんた、屈強なヒーローでしょうが。
江戸時代でも、め組の人いえば庶民の憧れだよ。
今秋、ハリウッドから「9.11」というレスキュー映画が、勇気と自己犠牲を売りものにやってくるというのに、
こちとら、「ちゅう」である。
情けない。小松左京が草葉のかげで泣いてるぞ。
死んでないけどさ。

ラストのアルマゲドン的な構成にも、ああやっぱり大資本邦画は子供だましだ(この映画はその子供にさえ笑われていたが)、と思ってしまった。せっかくのSF巨編が「どっかでみた」映画になりはてていた。
近頃の邦画には下妻物語のようにすばらしい作品もあるのだけれど、TV系大資本が入るととどうしてこんなんなってしまうのだろうか。
今の子供はラブには厳しいのに。
こんな映画、「こどな」しか喜ばないぞ。

結論。
映画のCMで若いOLが「すごい泣けました~」っていってるようなのは大人と子供は観ちゃダメ。こどなだけ観てればよし。
興行収入減らして、低俗番組を垂れ流すTV関係のやつらに映画まで入ってこさせないようにしなければ。
そしたらもう何にも作られなくなるかもしれないけど、子供に笑われるよりはましだよ。
そして子供には爆発するガスタンク映画を見せちゃだめ。
30年後に、こういう瑣末なネタでも発火する悪い大人になっちゃうから(笑)。

まあ、だからといってアニメなどのあたりさわりのないものばかりをみせたいとも思わないんだけど。
子供にとって、家族そろっての映画鑑賞は大イベント(のはず)でしょう。普段食べられない食事や欲しかった買い物がセットになってくることもあるし、思い出にも残りやすいから、どうせなら映画も強烈にクセのある一生忘れられない位のやつがいいよな、なんて馬鹿なことも考える。
両親も案外そんなんだったりしてな。
今度会ったらきいてみよう。

もはやラブさえ許せないほどに枯れてしまった俺。
日本の沈みっぷりが観たくって映画にいくのもどうかと思うが、こうなったら
「日本以外全部沈没」
に期待だ!
製作は「いかレスラー」の鬼才、河崎実。
期待大である。
沖縄でも公開してほしい。


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