長い出張から戻りました。
暖かい沖縄を期待していたのですが、残念ながらドンヨリとした曇天が続いています。
さて、皆様はジ・エコノミストという英国の雑誌をご存知でしょうか。
特徴を端的に言うと、
(1) 国際経済、政治、文化、思想、科学まで、あらゆる分野をカバー
(2) 自らの立場と主張をきちんと分析し、提示してくれる
(3) 自らの主張に誤りがあった時には、それをきちんと認める
(4) それぞれの記事が簡潔・明瞭で、かつ洞察が深い。
といったところです。
ビル・ゲイツに「私は新聞は読まない。The Economistだけだ」
といわせしめるこの雑誌はじつはただの経済誌ではありません。
文化・宗教、最近は特に科学に力を入れていて、
「オーロラのエネルギーでCO2を宇宙にふきとばそう」
なんていう仰天記事もありやす。
もちろん、トンデモ本のようなオカルトな内容ではありません。
雑誌がどんどん廃刊になっていく昨今ですが、筆力ある編集者が深い洞察力でものを書くと、こうも面白くなるのかと、ちょっと驚きです。
英国ですから、ユーモアたっぷりのコラムもたのしめます。
狂牛病で日本がパニクッていた頃はこんな記事で笑い飛ばしておりました。
確か狂牛病だか口蹄疫だかがヨーロッパで流行ってパニックになり、いまの日本の狂牛病騒ぎみたいなヒステリーが起きていたとき「狂牛病なんかよりはるかに恐ろしい、致死率 100 パーセントのおそるべき症状が発見された。 生命という恐ろしい病気があって、これに罹患すると人に限らずあらゆる有機物すべてはやがて死を迎え、そこから逃れるすべはないことが判明したのである!」(だから十年に全国で一人出るか二人出るかなんていうどうでもいいものに大騒ぎしなさんな)
先進国サミットなんてものは記事になりません。そんなものは低俗なマスコミにまかせておけばいいのです。
もちろん、食品の賞味期限偽装なども決して記事にならない。
だってあれはデンマーク法からきたもので、フランスやイギリスなどEU各国はけっこう反対しているんだよ。
賞味期限つって、ビンテージワインや熟成チーズはどうなるの?ってなもんだよな。
腐りかけの肉が一番美味なのさ、ってな大人な国は腹をこわした消費者にこう言うのです。
「自分の舌を鍛えましょう。腐ったものを食べたあなたが悪いのです」
ごもっとも。
でもね、中国食品、、これは別ものですな。微量な農薬は無味無臭だから。
昨日、赤福の営業停止が解除になりましたが、餃子の農薬混入と、誰ひとりとして被害者がいなかった赤福の製造日偽装が同列に語られてはなりません。
こないだまで「もったいない」を国是にしましょうなんて言ってたマスコミに、舌の根も乾かぬうちに袋叩きにされた白い恋人や赤福はほんとにおかわいそうだよ。
そもそも夏のキオスクで何日も常温で売られている餅をだよ、お客の側がなんの保存薬が入っているかわからないけどそれでもリスクを張って買おうってんだから、一日や二日前のアンコを混ぜたってそんなのほっとけっての。
クスリのリスクだよな。
なら、江戸時代の創業以来つぎ足した自慢の鰻のタレはどうなるんだ、ってなもんでね、いい大人が食い物のことでケンケンしなさんなっての。
飲み屋で出るレバ刺しだって保健所や厚生省も決してOKは出していないそうだけど、おいしいからいいじゃないか。
・・・あぁ、今日は泡盛5杯目でなんだかわけがわからなくなってきました。
だから結論。
いい大人はさ、自己責任でいきましょう。
(創業以来初めての正月休み中の伊勢赤福にて)