沖縄から盟友M氏がやってきて、さっそく昼間っから安酒を飲みたいとのリクエストがあり、こういうときに「城南地区の赤羽」と評される蒲田はいろいろと役に立つ。
一軒目は新しく蒲田にできた晩杯屋。センベロの聖地大井町の名店
しかし東京は暑いっすねーー沖縄のほうが涼しいですよ。
まったくだ。東京の夏を無事に乗り切るには、こうした大衆酒場のような逃げ場が必要不可欠だ。
ゴビゴビとサワー類を飲み干し、レバフライを噛みちぎりメートルを上げる。
二軒目、線路際の以前からちょっと気になっていた台湾家庭料理屋
店のなかを覗くと小さなカウンターとテーブル席が2つのみ。
女が揉み手しながらやってきた。
「はいはい、わたしはまりちゃん。みんなのともだち。料理はなんでもおいしいから、まりちゃんにまかせて。まりちゃんを信じて」
おお。カモテス島のココナツワイン売りを彷彿とさせるすばらしさ。
外の看板メニュウの料理名の読みかたからまずわからないうえに、不思議なおかしみのある店主のごあいさつ。
なんなら店名からして何と読めばいいのかわからない。
「店の読み?ああ、お店の名前か、だったらそれはシライルね」
二度と思い出せないような名前だが、店に入るとコレがまたすごかった
混沌という名のカウンターに座らせられると、頼んでもいない料理が次々と出てくる。
メニュウはない。すべてはまりちゃんのおすすめを信じるシステム。
マコモダケの炒めとシジミの老酒漬けが絶品だったり、まりちゃんはショーケースの中に入っている謎の瓶詰めの匂いを(強制的に)嗅がせるけど食べさせてはくれなかったり、後ろに座った若いカップルが俺たちおっさんに話しかけてきて、それが台湾人男とナンパされた日本人女で、日本語は台湾人の方が上手だったりした。
肉圓(バーワン)というジブリアニメで見たことのある食べ物がでてきて
一見、片栗粉的な小籠包だが「とろとろ」と「もちもち」の中間くらいの食感の餅の中から突然、肉汁ブシャー。
口内で肉の踊り子たちが一斉に舞うと、脳内では数千人の僧侶が読経を始め、その声明に思わずとろけそうになる。
「何これ、美味い!」と言おうとしたが、口から発せられたのは
「ニャオラン、フギェー-ー」だった
うまいものを食ったとき人は絶句するといい、それは俺も何度か経験があるが、
圧倒的な美味いものを食べると、ひとは盛りのついた猫になることを今回初めて知った。
紹興酒のボトルを空け、たらふく食って一人2,000円。すばらしい。
3軒目はガード下のバーに入った。カウンターにはこれまた「まり」という名札をつけたバーテンダーがいて、まりさんおすすめのバーボン飲み放題1時間1860円というのをやり、学生のように飲みまくり案の定、失神した。
まりという名のバーテンに失神させられたのはこれで二度目だ。
気がつくと家の階段の踊り場だった。
時計を見ると10時半で、その日はクライアントと11時に春日部で待ち合わせなのだが、俺は様々な経験を積んだ大人だから瞬時に言い訳
「玄関で蝉が脱皮して・・」
「猫が破水した」
「双子の僧侶が街で・・」
「気がつくと分倍河原にいて・・」
などを思いつき、ひと安心。鼻歌交じりでベランダのサボテンに水をやった。
・
一軒目は新しく蒲田にできた晩杯屋。センベロの聖地大井町の名店
しかし東京は暑いっすねーー沖縄のほうが涼しいですよ。
まったくだ。東京の夏を無事に乗り切るには、こうした大衆酒場のような逃げ場が必要不可欠だ。
ゴビゴビとサワー類を飲み干し、レバフライを噛みちぎりメートルを上げる。
二軒目、線路際の以前からちょっと気になっていた台湾家庭料理屋
店のなかを覗くと小さなカウンターとテーブル席が2つのみ。
女が揉み手しながらやってきた。
「はいはい、わたしはまりちゃん。みんなのともだち。料理はなんでもおいしいから、まりちゃんにまかせて。まりちゃんを信じて」
おお。カモテス島のココナツワイン売りを彷彿とさせるすばらしさ。
外の看板メニュウの料理名の読みかたからまずわからないうえに、不思議なおかしみのある店主のごあいさつ。
なんなら店名からして何と読めばいいのかわからない。
「店の読み?ああ、お店の名前か、だったらそれはシライルね」
二度と思い出せないような名前だが、店に入るとコレがまたすごかった
混沌という名のカウンターに座らせられると、頼んでもいない料理が次々と出てくる。
メニュウはない。すべてはまりちゃんのおすすめを信じるシステム。
マコモダケの炒めとシジミの老酒漬けが絶品だったり、まりちゃんはショーケースの中に入っている謎の瓶詰めの匂いを(強制的に)嗅がせるけど食べさせてはくれなかったり、後ろに座った若いカップルが俺たちおっさんに話しかけてきて、それが台湾人男とナンパされた日本人女で、日本語は台湾人の方が上手だったりした。
肉圓(バーワン)というジブリアニメで見たことのある食べ物がでてきて
一見、片栗粉的な小籠包だが「とろとろ」と「もちもち」の中間くらいの食感の餅の中から突然、肉汁ブシャー。
口内で肉の踊り子たちが一斉に舞うと、脳内では数千人の僧侶が読経を始め、その声明に思わずとろけそうになる。
「何これ、美味い!」と言おうとしたが、口から発せられたのは
「ニャオラン、フギェー-ー」だった
うまいものを食ったとき人は絶句するといい、それは俺も何度か経験があるが、
圧倒的な美味いものを食べると、ひとは盛りのついた猫になることを今回初めて知った。
紹興酒のボトルを空け、たらふく食って一人2,000円。すばらしい。
3軒目はガード下のバーに入った。カウンターにはこれまた「まり」という名札をつけたバーテンダーがいて、まりさんおすすめのバーボン飲み放題1時間1860円というのをやり、学生のように飲みまくり案の定、失神した。
まりという名のバーテンに失神させられたのはこれで二度目だ。
気がつくと家の階段の踊り場だった。
時計を見ると10時半で、その日はクライアントと11時に春日部で待ち合わせなのだが、俺は様々な経験を積んだ大人だから瞬時に言い訳
「玄関で蝉が脱皮して・・」
「猫が破水した」
「双子の僧侶が街で・・」
「気がつくと分倍河原にいて・・」
などを思いつき、ひと安心。鼻歌交じりでベランダのサボテンに水をやった。
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