Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

Get up with it

2006-04-09 | 今日の「この音」
あいかわらずマイルスを聴いている。
CDでは2枚組の"Get up with it"。
Disc1では、ペットを吹かずオルガンに徹するRated Xが秀逸。
何故、オルガンなのか。
邪悪とさえ言えるその響きは、ひるがえって、ジミー・スミスなどのオルガンジャズに対する皮肉にすら聴こえる。

Disc2は、なにやら能天気とさえ言えそうなCalypso Frelimoで幕を開け、Red China Bluesでは、そのまんまブルースだ。
と言っても、単なるブルースには終わらず、かと言って、ジャズのブルースでもない。

脱線するが、面白いな、と思うのは、Jazz funの人々は、「JazzのBlues」と「RockのBlues」を分けて考えていること。
Robert JohnsonもSunhouseも「RockのBlues」にされてしまう。
ある店でのJazzのセッションに参加した際、「Slow Bluesを」と言われて、そのまんま6/8で叩いたら、「これだからRockの人はBluesを理解してない」と言われ、ムッとしてしまった。
要するに、楽器の歌わせ方が違う、そんなに泥臭く上げたり下げたりしない、とかいった類の注文だったようだが、そやつはMuddyもWolfもLuis Jordanですら聴いた事がないと言う。
ちなみにその時やったのはNobody's Buisnessなんだけれど。まぁ、場違いな場所に入り込んじまった、ってことだろうな。

しかし、こんなことも思うのだ。
近頃は彼の地においてさえBluesは学習し、研究して身につけるものとなっているそうな。それじゃ俺たちと変わらんし、むしろ、認知度としては、我々にとっての祭囃子みたいなものに近いのかもしれない。
マイルスの時代はどうだったのか、勘繰りたくもなるが、少なくとも白人の聴衆をも取り込んでいたJazzの世界においてさえ、Folk Bluesなんざぁ…という意識があったとしたら、どうだろう?
もし、そうであるならば、マイルスはそんな不遜な意識に蹴りを入れていたのではないかな。なんせ、マイルス自体、非常に雑食度の高い人のようだから。

前述の店のお客さんたちをJazz右派とするならば、彼らがエレクトリック・マイルスなんてわからない、と言っていたのには非常に納得がいくな。
反面、あれはJazzを勉強してからでないとわからない、なんて、鼻を木でくくったようなことを口にしていた者もいたが、それこそずれてないかい?

さて、4曲目はBilly Prestonというタイトル。
進行的にはいわゆるR&Bを踏襲した曲調であり、なるほど、と思う反面、どこがビリー・プレストンなんだか、このタイトルにしなければいけない理由があったんだろうけれど。
しかし、とにかくFunky。

あえてライナーノーツ等で確認もせず、細かい情報もなく聴いていると、いわゆる黒人音楽の様々な要素をごった煮にしたような音、と思える。
今だったら、これはPrinceだな。
漠然とではあるが、VooDooという言葉が浮かんでくる。

もう一枚聴いてから、さらに考えてみようかな。