Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

G.Love

2006-04-11 | 今日の「この音」
何を隠そう、俺はごった煮的な音楽が好きだ(って隠してないか)。
ただ、ごった煮とは言っても、その鍋(楽曲)にぶち込まれている具(要素)はいろいろあると楽しい、っていうだけで、ベースとなる「ダシ」の部分(グルーヴ)は、ブルース、ファンク、レゲエなど、黒っぽいものを感じさせてくれないと、ちょっと食欲をそそられない。

そこでG.Love。
この1stアルバムは、とっくに消え去っていたと思われていたOkeyレーベルの復活第一号とかいう話題性もあり、とにかく「黒っぽい」。
「ラグモップ」と自称する、ブルースとヒップホップの交じり合ったスタイルもさることながら、余計なエフェクトを一切排し、あたかも今、目の前で鳴っているかのように聴こえる音作りからは、彼らの真摯な態度が透けて見える。
ドラムに至っては、ベースの音に共振するスナッピーの音まで拾っているのではないか?

それは、トリオでやれる最低限の音づくり、でありながら、非常に計算された「緻密な余白」である。

初来日時の演奏では、G.Love本人はともかく、リズム隊がメロメロだったらしいが、それもまた、このアルバムにおける録音の妙、アレンジの妙を際立たせてくれるエピソードに過ぎないのかも。
その後、2回目、3回目の来日公演を見る限りでは演奏力も上がり、バンドサウンドになってきていたが、2枚目以降のアルバムでは、肝心の音作りからも「余白」が減少し、結果的になんか「普通」になっちまった。
そんな連中が作った奇跡のような一枚がこのアルバムだ。