Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

ブーケをトス

2008-12-25 | 子どもの視線・親の気持ち
先日の日曜日は家族総出でお台場のホテルまで遠征し、結婚式に出席。
この日の新婦がカミサンの大学時代の同級生。
彼女は、結婚前のカミサンと一緒に私のバンドのライブを見に来てくれたり、我々が結婚し、娘が生まれた時にはうちに遊びに来てくれたり、こちらも彼女が参加しているモダンダンスの発表会を見に行ったり、彼女がうちの長女の発表会に来てくれたり、さらには私抜きでカミサン+彼女+娘2人でスケートに行ったり、なんだかんだと付き合いがある。昨年度の長女の発表会の時には、新郎同伴で来てくれたっけ。
そんなわけで、すでに彼女にはなついている娘たちも当然のごとく大喜びで某ホテルのチャペルへと乗り込んだ次第。

現場に着いてみると、3フロア程度をぶち抜きにした空間の左右にテーブル席が5つずつ配置され、その奥に円筒形の構造物ど~んとそびえ立っている。
円筒形の壁面中央には踊場があり、こちらのフロアと階段でつながり、さらに左右に階段が伸びて、円筒形の上に出られるようになっているから、きっとそこがチャペルなんだろう。どうやらその向こう側は壁全体が窓になっているようだから、相当明るそうだ。

所定の時間になり、誘導に従って登っていくと、手前に座席があり、一面がど~んと窓!の手前に祭壇が。豪勢な空間だねぇ。後光が差す、っていう仕掛けか。見事なまでに晴れた日でよかったなぁ。

さて。

キリスト教式の結婚式も無事終了し、全員下のフロアに降り、フラワーシャワーをひとしきりやると、残るはブーケトス。
この時、何故か長女が張り切り始めた。
「うちがもらってもいいのかなぁ?未婚の女性って言ってるし、いいよね?」
ま、い~んじゃないの?めずらしいね、お前が積極的になるなんて。じゃ、次女も一緒に行けよ、と、階段を少し上がったところで背を向けた新婦の真正面へと二人を送り込む。
無論、他にもうら若き?女性たちがわらわらわらっと群がってくる。
こちらから見ると、正面に女性軍団、左手に階段、で新婦。長いドレスが階段にまっすぐ伸びている。
少し遅れて、「あたしもいいのかな?まだ大丈夫だよね?」とかなんとか言いあいながら、恐らくは新婦の会社関係者と思しき、比較的カジュアルな装いの女性が2人、長女の背後に立ち、さらに遅れてその左隣に、やはり新婦の関係者らしい、スレンダーな女性が遠慮がちに立った。こちらは非常にフォーマルな袖なしのドレスにショールを羽織った姿だったので、そのコントラストがおもしろく、ついそちらに目が行ってしまう。

と、突然女性たちの歓声が上がった。
ブーケが投げられたのだ。
大きく放物線を描いたブーケは思いのほかゆっくりと落ちてくる。
茎の部分に水分を入れてあるためか、花を上にしてまるで落下傘のようにゆっくりと。
ちょうど集団の中央に落ちる!と思った刹那、逆に集団の中央がせり上がった。まるで集団が触手を伸ばし、ブーケに食いつくかのように。

なんと、長女が両手を思い切り伸ばしながらジャンプしたのだ!

おいおい、何がお前をそこまで駆り立てるんだ?
こっこれは!キャッチするのか?捕っちゃうの?
まじかい?あんた凄いじゃん!


と思ったら、あいつの手に触れたのは花の部分。飛びすぎだよお前!
柔らかな花の部分がくしゃっと変形し、長女の両掌の間をすり抜けるとき、ひらひらとしたリボンが巻かれた茎の部分が長女の眼鏡を直撃!

「ふげっ!」

顔面でブーケを受けた衝撃であごを上げたまま、なんとも情けない表情を浮かべながら落下する長女を尻目に、問題のブーケはさらに後方に待ち構えていた、件の3人の女性の目前に迫る!
あらま~、見事なバックヘッド。
ナイスアシストだねぇ・・・じゃなくて、ブロックして叩き落せよな!


「きゃ~あたしの~!」

こちらから見ていると、スレンダーなフォーマルファッションの女性が一番身長もあり、空中でブーケを補足するかに見えたが、肩に掛けたショールがずり落ちそうになるのを右手で押さえながらの戦いだったので、必死に伸ばした左手は空を切り、ブーケは無事に床まで到達。
あなたは左利き?じゃ、な~んで集団の左側にいたかね?
細長い身体を折り曲げ、必死に床のブーケに手を伸ばした彼女だったが、時既に遅し。
すでに、残る2人のカジュアルファッションが争奪戦を繰り広げていた。
ほぼ四つんばいになっての攻防の後、はたと我に返ったのか譲り合いがあり、結局ブーケを手中に収めたのは、先ほどから「まだ大丈夫だよね?」と意味深な台詞をずっと繰り返していた女性。
「あたし?あたしがもらっていいの?(いいのよっ!)本当にいいの?(い・い・のっ!)あたしのっ!あたしのよっ!!きゃ~!!」
わかってますって。
も~、熱くなんなよ、そんなに。


しかし。うちの長女は納まらない。

「惜しかったよね~、取れたと思ったんだけど。」

いんや、ナイスヘッドだったねぇ。い~ぃアシストでした。

「あそこまで競ったんだし、あの人にアシストしてあげたんだから、うちにもなんか福があってもいいよね?」


・・・・・・・・・んなもん、ねえよ。
それよりも、これからのお前の人生を象徴しているような気がしてならないんだがね。
心配だね、父親としては。

「なによそれ!・・・でもさ、あの後ろにいたドレスの人、暴れすぎだよね?」
これには「そうそう!必死だったんだよ」と珍しくカミサンまで同意する。

なんで?

「だってさぁ、右肩のブラの紐がドレスの肩から落ちちゃったまんまだよ。相当手を伸ばしたんだろうなぁ。」


・・・キミ達、妙なことに気づくねぇ。ところでさぁ。
その、眼鏡についてる葉っぱの破片は何なのさ?