Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

割り算とポリリズム

2006-12-23 | ダトトパ教本(ネット版)
先日、ありがたいカキコミを頂いたので、そのアイデアを採用。
このところまとめているジェンベの奏法やら、これに基づくリズムの解釈について考察した内容を「ダトトパ教本」としてシリーズ化します(決定)!


○ 表記パターン凡例
 高音 Slap = S
 中音 Ton = T
 低音 Bass = B
 休符 -


 (1) BTTBTTBTTBTTBTT―
 (2) S―TS―TS―TS―TS―T―
 (3) S――SS―TTS――SS―TT

前回は(1)を元に発展させてみた。
今回は(2)で考えよう。
多分このフレーズは、まさにウォーミングアップのためのフレーズ。
秘めたる意図はスラップと中音の叩き分け、だと思うんだが、多分、空間把握、タイム感の持続、みたいな面もあるように思う。
ともかく、「パントパントパントパントパントン」と聴こえるこのフレーズ、どう叩くと気持ちよくなれるか?
まず、簡単に「右パン-左ト右パン-左ト~」としてやってみる。
感覚的にはスキップをするような感じ、ただ、右半身でつっかえつっかえ・・・かな。
これは楽にできるだろう。
試しに1年生の娘をカホンに座らせて、カホンでやらせてみたら・・・あれま!
「とんととんととんととん~。」
できちゃった。
では。
「右-右左-左右-右左-左~」ではどうだ?
「・・・たっかとっこたっかとっこ~」。
げ!これもできちゃった。しかも「っ」って休符にゴースト入れてるし・・・おいおい!
さっきよりは大分揺れるけれど、どうもこの方が休符を意識できるみたいで、休符を確かめながら叩いてることがありありと。
たどたどしくても、先程よりもスキップ感は格段に上だ。
あんまりやると手が痛くなるので止めさせたけど、これくらいは何とかなるもんなんだな。

ところで。
ジェンベに戻して、再度考察。
(2)の休符をTで埋めて叩くと上記の(1)、つまり前回のパターンに近くなる。
BがSに変わっただけ、掌の平行移動がない分、むしろ手順的には楽。
ただし、指先での叩き分けが必要だから、非常にいい練習になる。
また、全部埋めて叩くことで、小節の長さというか(アフリカンだから小節って概念はないのかも)、ひとかたまりの時間の感覚、タイム感が掴めてくる。
ここで、再度(2)に添って音符を抜いてみる。
手順は埋めていたときと同様にして、叩かないときはゴースト的に腕を振ると、左右それぞれがスラップ―中音の繰り返し、つまり下記のような動き方になる。

右 S―T―――S―T―――S―T―
左 ―――S―T―――S―T――――
  1―――2―――3―――4―――
※数字は便宜上入れたクリック。4拍子としてカウントしている。

手順はどうあれ、一定のフレーズが叩けたら(とりあえず憶えたら)、このように一度休符を全部埋めて叩いてみて、再度抜いたフレーズに戻る、という方法をとってみると、どれだけ間があいているか?ということをある程度正確に身体で感じることができるはずだ。
重要なことは、時間と空間を感じること。
休符とは休みではなくて、無音。
音を出さないこともグルーヴのキモだ。

次に。
(1)におけるベース音同様、スラップをアクセントと考えると、クリック的なカウントとアクセントはずれていって帳尻を合わせるように同期し、またずれて・・・の繰り返し。
ところが、アクセントのずれに気を取られると、このフレーズは叩けない、従って、音楽にならない。
このため、リズムキープのために、クリック的なタイム感を「感じながら」叩く必要がある。
問題は、どこで「感じる」か?

右 S―T―――S―T―――S―T―
左 ―――S―T―――S―T――――
  1―――2―――3―――4―――

これを見ると、1拍目は「パントパ」、2拍目は「ントパン」、3拍目は「トパント」となり、2拍目のアタマのみ休符。ここがグルーヴのキモだろう。
足で1,2,3,4と踏みながら、「パントパ (ん)トパン トパント パントン」と声に出してみるとわかりやすい。

さて。
慣れてきたところでもう一つ。
こいつの4拍目(パントン)を消してしまう。
すると、

右 S―T―g―S―T―g―
左 ―g―S―T―g―S―T
  1―――2―――3―――

となる(gはゴーストモーション)。
一見3拍子だろうか?
ところが、左右の手順をカウントしてみると、ゴースト(休符)含めて12ある。
そこで、スラップをアタマとして解釈すると(下記)

右 S―T―g―S―T―g―
左 ―g―S―T―g―S―T
  1――2――3――4――

これは4拍子、シャッフルだ。
例えばSOLIなどはこれに近い。

djembe1 ♪―♪♪――♪―♪♪――♪―♪♪――♪―♪♪――
djembe2 ♪――♪♪♪♪――♪♪♪♪――♪♪♪♪――♪♪♪

このdjembe1のアコンパニマ(=パートごとのパターンのこと、アコンパと略されることが多い)は、3連系のアフリカン・トラッド(それもマリンケ族関連かな)によくある手順だそうだ。
3連かな?と思ったら、「パントパン パントパン」と入れば何とかなることが多いらしい。
しかし、これにしても、1つの区切りの中に単純に3連譜が4つ納まっている、と言う解釈では音楽的に貧弱だ。
実際、SOLIのアコンパには、「ドンンントンンンパンンン」という、大きな3連をかぶせるものもあると、先日の練習会で耳にした。
これを先ほどの1のアコンパに乗せると、

♪―――♪―――♪―――♪―――♪―――♪―――
♪―♪♪――♪―♪♪――♪―♪♪――♪―♪♪――

となる。
声にすると、「パントパ ンンパン トパンン」となる。
これって、さっきの「パントパ (ん)トパン トパント」とそっくり。
やはりここでも2拍目のアタマがキモだ。
こうなってくると、4拍子だとか3拍子だとか、そんなことはどうでもよくなってきて、とにかく、一つのフレーズがある一定の時間枠に収まっているんだ、という事実だけがあることに気付く。必要なのは時間と空間の把握だ。
たまたまそれが偶数拍によって構成されているのか、3を基本とした奇数拍で構成されているかの違い。まさにポリリズム。

3連系のリズムはこういう解析がしやすく、また、意識的に大きな偶数を感じたり、小さな偶数のフレーズに分割したりすることで空間を表現できるので、非常に参考になる。
しかし、もしかすると、4連譜系として紹介されることが多いリズム(KUKU,SINTE,DJOLE,TOROその他もろもろ)も、ドゥンドゥンバなどの横太鼓のフレーズを解析していくと4×8×3とかで1サイクルになっている場合があるのかもしれない。
おもしろいぞ。

本当は、小学校の算数なんて、こうやって音楽室でやればいいんだよな~。

告白

2006-12-20 | ダトトパ教本(ネット版)
とっても情けなく、恥ずかしい話。

昨夜のジェンベ練習会にて。
千葉から駆けつけてくれたカツくんという上級者が、おもむろにこんなフレーズを叩き始めた。

右左右左右-右左:右左右-右左-左:右左~
STTTS-ST:TTS-SB-B:STTTS-ST:TTS-SB-B:
※「:」は便宜上入れた小節区分

こんな風に聴こえた。
実は、彼は左利きである。
にもかかわらず、右から入っているように聴こえたのでなんか不思議だったんだけど、周囲に教えるためにわざとそうしているのかと思ったほど自然。
しかも、フレーズの最後にウラでベース音が2回入って、なんかファンキー!こりゃいけます!!ってなかんじですぐに追いつき、おぉできたできた!カツくんも親指立てて「Good!」ってやってくれたし・・・な~んて喜んでいたら、その曲が終わるところで全く合わず、字余りみたいに音を出してしまった。
なんで?????

練習会終了後カツくんに質問したところ、本当は下記だったことが判明!

右-右左右左右左:-左右左右左-左:右左~
B-BSTTTS:-STTTS-S:B-BSTTTS:-STTTS-S:

なんと、裏表(左右)がひっくり返っていただけではなく、小節のアタマが違ってた。
結果的に、その差1.5拍分。
ねじれの位置みたいな現象。

・・・なっさけねぇ~・・・このパターンの名前も、ギニラデと言っていたか、キリラニだったか、もう忘れてるし。
既に痴呆が始まっているのか?

でも、なんかに使えそうだな、これ↓。
STTTS-ST:TTS-SB-B:STTTS-ST:TTS-SB-B:

いただきまっす。

リズムの構造についての勝手な解釈と実践案

2006-12-14 | ダトトパ教本(ネット版)
先日の音フールでやってたパターンが結構面白かったので、そこからどう広げられるか、ちょっと考えてみた。
ジェンベの音を、高音 Slap = S、中音 Ton = T、低音 Bass = B と表記すると、その時のパターンは下記のような按配になる(・=休符)。

(1) BTTBTTBTTBTTBTT・
(2) S・TS・TS・TS・TS・T・
(3) S・・SS・TTS・・SS・TT

手順は「右左右左右左右左右左右左右左右左」。
遅れて参加したら叩いていたパターンなので、その意図については全く聞かなかったけれど、多分、打面上における掌の平行移動の感覚を憶えるためのパターン(1)、スラップと中音の叩き分け(2)、そして恐らくマリンケ族に非常にオーソドックスなパターン(3)。
ウォーミングアップ用として、いい教材だ。

さて。
上記(1)を、例えば子どもに教える場合、どう説明するのがわかりやすいのだろう?
このパターンはベース音がアクセントになっているため、「ダトトダトトダトトダトトダトトン」と聴こえる。
最初のBTTは「右左右」、次は「左右左」と交互に繰り返し、BTTを5回やったら一つ抜く。
手順的にはこれがわかりやすい説明だろうと思う。
機械的に「右⇒左⇒右⇒」と腕を伸ばせばよいのだから。
しかし。
「いきなりこんなアヤトリみたいな動きはできません!」と言って引いてしまう場合もあるだろう。難しいと思うことで、その先の楽しい空間を垣間見ることが出来ないのは淋しい。
あるいは、ただ機械的に動くことに終始し、特に音楽的な感動を覚えないかも。
ならば。
せっかくだからグルーヴの面白さをほんのちょっとでも感じることができれば、どんな子でもすぐ「リズムの虜」になるだろう、なんて勝手なことを思ったりもする。
そこで。
頭のBだけにして叩いてみると、下記のようになる。
  
アタマのB: B・・B・・B・・B・・B・・・

これだと、「右~左~右~左~右~~」となって、リズムだけはわかりやすい。
あとはこの「~」をなんとなく惰性でもイイからTで埋めれば、出来上がりだ。
そしてグルーヴ。
基本はリズムキープ。
そこで、カウベル等で「1,2,3,4、」と頭打ちのリズムを刻んであわせてみる。要するにカウント。

 1・・・2・・・ 3・・・ 4・・・  
 B・・B・・B・・B・・B・・・

すると、このBの音は、カウントより少しずつ前にずれていき、カウント4までの間に5回出てくる。シンクロするポイントはカウント1及び4。
アクセントが前のめりになって、ジャストに戻る、あるいは弛緩と緊張の繰り返し。
あるいは、④から①にかけての時間は安息のひと時、次の安息の時間までは不安な時間と受け取ってもいい。

 ①・・・2・・・3・・・④・・・①・・・2・・・3・・・④ 
 B・・b・・b・・ b・・B・・・ B・・b・・b・・ b・・B

つまり、これがこのパターンの肝。不安なベース音は「b」にしてみた。
これを感じながら、少なくとも「ドン2~3~ドンドン2~3~」というふうに、①と④を叩くことができれば「あ・・・気持ちいい」となるのではないか?
この「ドンドン」だけやる子と、カウントを取る子と、「ダトトダトト・・・」とやる子の3つに分けるといいんだろうな。
んじゃ、次は、みんなが「ダトトダトト・・・」とやっているところで「1~2~3~ドン1~2~3~ドン1~2~」というふうに④だけ入れてみるってのはどうだろう?

って、多分、ここまでは比較的わかりやすいだろうな、子どもにも。
問題は次。
2と3だけ入れるのはどうだろう?
これをパターン化するとこうなる。

1・・・ ②・・・③・・・ 4・・・ 1・・・②・・・③・・・ 4・・・
B・・B・・ B・・B・・ B・・・ B・・B・・B・・ B・・ B・・・
BTTBTTBTTBTTBTT・ BTTBTTBTTBTTBTT・

カウントは②と③だけカウベルで入れる。
こうなると、カウントではなく、立派なフレーズだ。むしろ、2段目のアタマのBだけ叩いてるのがダサダサになるから、何か変えたくなる。
似たようなパターンでは下記。

 1・・・2・・・ 3・・・4・・・
 B・・B・・B・・・B・B・・・

言わずと知れたIKO-IKOのリズム。Bo-beatだ。
これがもっとセカンドライン臭くなると、

 1・・・2・・・ 3・・・4・・・
 B・・B・・B・ B・・B・・B・

となる。これを上記にはめると、立派に行進できそう。
んじゃ、次はカウベルにシンコペ入れようか?・・・な~んて、まだまだ広げられそうだな。
ここから先は、面白すぎるから週末にでも子どもたちに考えさせようっと。


次回「パターン(2)S・TS・TS・TS・TS・T・」に続く予定。


音鳴らし@FOOL CAFE~vol.2

2006-12-10 | ダトトパ教本(ネット版)
昨夜は音鳴らし@Fool Café.vol.2。
今回はざっと20人以上が参加し、大盛況。

前回は千葉ジャンベ・アフリカンズ等で活躍中のカツくんが刺激的にいろいろやってくれたんだけれど、今回はなんと、メタル・ギニーから高木さん&よっしーさん、イエレーからクニハルさん(だったよな?あれ、名前をど忘れ)&えーっと、名前聞きそびれた横太鼓の方(すんませ~ん)、の4方+オトさんというドレッドの方と、たたずまいだけで圧倒的な人々が参加し、途中は高木さんのワークショップ状態で3拍子のsoliの練習。
そこに加えてその奥様方?のアフリカンダンスまで飛び出し、そりゃもうてんこもりもり~!のアフリカン・ナイトになってしまった!!
なんつったって、ドラムセットにも応用が利きそうなフレーズ満載の横太鼓に脱帽。
な~んか笛みたいな音が聞こえるなぁと思ったら、3本の横太鼓が絡んだことで発生した倍音の渦。
まるでメロディのような倍音の固まりがソロフレーズを導いてくれているようなんだけれど、なかなか捕まえきれず、四苦八苦。
でも、これは凄い、おもしろい、やばい。
はまりますよ、どっぷりと。
しばらく抜けられんな、これは。
で、例によって、昨夜気付いたこと・感じたこと等等等分析してみた。


○ リズムのアタマは何処?

Soliという3拍子のリズムをやったとき、頭を見失う人が続出。
なんでや~?という理由なんだが、まず、ジェンベのパターン自体は、
♪・♪♪・・♪・♪♪・・(譜面1)
だけだったから、シャッフルの簡単なやつだ。
ところがそれをいつ始めるかで混乱。
ブレークが、トゥルットゥルッタッタトゥタトゥってな感じだったかな?ちょっと3には聴こえない、というか、少なくともすぐさまカウントをとれるフレーズではなかったのだ。
慣れちまえばいいんだろうけれど。
ただ、このフレーズ、後半のタッタトゥタトゥってところは、ツーバスドラムでドッドタドドドッドタドドってやるのと一緒だね。
ただし、スクエアな3拍子ではなく、訛りがあるから「?」となる。
そして曲が始まると横太鼓がまた複雑に絡む。
単純に頭だけ入れているもの、シャッフル的に刻むもの、思い切り二拍三連的なフレーズと突っ込み気味な三連符の連続をするものがせーの!で絡み合って謳いまくるんだけど、そのうち一番低音のドゥンドゥンが面白い。
♪・♪・♪・♪♪・♪・♪♪・・・・・・・・・・♪(譜面2)
という感じのフレーズを繰り返す。
♪♪・♪・♪♪というところが「ちょっと間抜けな感じかな?」などとメタルギニー高木氏は言っていたが、いんやどうも、これがくせものなんだよきっと。固まり自体はループするけれど、固まりの中にスリップビートが入ってるんだから。
また、上記譜面2の最後の音(24拍目)はまた頭に戻って一拍目とつながるから、二連符となる。
♪♪・♪・♪・♪♪・♪・♪♪(譜面3)
つなげると、この二連符は定期的に出てきているのではなく、最初は5拍おいて、次は3拍おいてでてくるわけで、三拍子系のビートであるためウラオモテがひっくり返るのではなく、「なんかずれている」っていう感じになり、いきなり迷子になるのだ。
いろいろ調べてみると、ドゥンドゥンのパターンに限らず、ジェンベの場合にも、こういう前のフレーズとつながっているもの、言い換えれば、一拍目の前にオーナメンション・ノートみたいなやつがくっついているケースが多いみたい。それは4系も3系も同様。
おもしろいねぇ。
ついでに、前述の高木氏に加えオト氏という方が譜面3のようなアコンパニマを叩き始めた。譜面1&2と並べるとこうなる。
♪・・♪♪♪♪・・♪♪♪♪・・♪♪♪♪・・♪♪♪(譜面3)
♪・♪♪・・♪・♪♪・・♪・♪♪・・♪・♪♪・・(譜面1)
♪・♪・♪・♪♪・♪・♪♪・・・・・・・・・・♪(譜面2)
迷子になった参加者が叩いていたのは中列の譜面1。
これは引っ張られるね、前後に。
大きな波と小さな波に揺さぶられる感じだろうか。
いわゆるシャッフルの原初形態なのかもな、こういうのって。譜面3はいわばオブリだね。
また、サンバなんかでも感じることが多いんだけれど、一拍目の前というか、前の小節の3拍目もしくは4拍目のウラからビートが始まっていて、実はグルーヴ(というか時間なのかも)ってヤツは、ずーっと流れっぱなしでそこかしこに存在していて、演奏者はそのいずれかにちょこっと間借りさせてもらっているだけなんだな、な~んて感じる。
流れっぱなしのグルーヴなら、ウラもオモテもアタマもシリもな~んにも関係ないね。
ただただ気持ちイイだけ。


○ 指の感覚

前回の音フールの後、演奏時の姿勢と肩甲骨から先の関節の回転に意識するようにしたところ、我ながら音が変ったことを実感している今日この頃。
しかし・だが・しか~し!
スラップの抜けが今イチなのだ。まだまだなのだ。気に入らんのだ!
それは楽器の所為?
いや、違うね。己の未熟さ故よ。
だってだってだって、俺のジェンベ叩いて、カツくんもタクミくんも、昨夜は高木さんも、俺とは全く違う、しまった・まとまった・パキッという音を出していたのだ。
ジェンベ叩き始めて半年足らずのこの俺が、現時点において彼らに比肩しうるほどの音を出せるはずはない。俺がやると、なんかまとまりがないのだ。
でも悔しいのよね、あれが出せないってのは。
昨夜、途中休憩時、ふと目が合ったオトさんに手招きされ、オトさんのジェンベ、そして高木さんのジェンベを叩かせてもらったんだが・・・けっこうべろんべろんなのにパキッと鳴る。聞けば皮の張り方からしてちょっとコツがあるそうな。なんだよ、やっぱ楽器か?な~んて思うのは思い上がりというもの。
どうも、革をぬるま湯に浸して、腐る直前まで持っていってから、紐で締める前にめいっぱい伸ばして、ひっぱって、いじめて、それから張ると、こんな風になるんだそうな。
ま、それは次回革を張り替える際に参考にさせてもらうとして、その直後にオトさんが言ってた何気ない一言にヒントが。
「みんな手のひらなんだよね、最初は。指の第二関節くらいまでは意識が行くんだけど、その先まで行かないと、指先で音を掴んでこないと、トンは鳴らないんだよね。」
ふむふむ。
トン(ジェンベの中音)を鳴らす際、指をそろえて手の平で空気を押し込むように、とか言うけれど、それってつまりは指先の感覚なんだ、と。
それはまぁわかるわな。コンガなんかも近いし。
ではそれをパ!っていうスラップに置き換えると・・・?
次のセットの際、左隣にYeleeクニハルさん、正面にMetal Guineeよっしーさんという願ってもない位置に座り込んだ。
すると、彼らのスラップは指を離している、というより、指を「伸ばしている」。
テイクバックした時点ではトンもパ!も大差ないが、叩く直前に手の平の延長線上より指先が下にあればトン、上に行っていればパ!となる。
トンの場合にはセオリーどおり叩いた後打面と平行に手の平が上がるが(腕ごと跳ね上がる感じかな)、パ!のときは肘を支点とした回転運動が顕著に見られ、かつ指は叩く前と同じような位置にある。
つまり、パ!の時は、手の平から指先まで緊張させ、確実にヒットして指の腹などでミュートすることのないようにテイクバックしているわけだ。
いずれの場合も指先に意識を集中していないと、そうはならない。
なるほどね~。
そこで、肩甲骨から先をぜ~んぶ脱力しつつ、指先だけ力を込めていくと、なんとな~く、パ!の音が変ってきたように思えた。

いやどうも、勉強になりました。

来年はアコースティック・トランスだ~Hotel Morocco

2006-12-05 | 今日の「この音」
artist : Blue Asia
title : Hotel Morocco

久保田真琴氏プロデュースによる、グナワをメインに据えて、鍵盤等による空間の補強を行い、さまざまなリズム(ノルデスチまで混じっている)をブレンドして、これでもか!というくらいぶっ飛ばしてくれるトランス音源。
グナワというと、グナワ・デフュジオンが脳裏をよぎるが、あれは伝統に根ざしたミクスチャー音楽と言われている、こちらは多分もっと正統派(?)のグナワなのかな?・・・と考えて、聴き始めたところで思考を停止した。
そんなカテゴライズ自体、無意味だ。
チャカチャ・チャカチャと耳につく金属性カスタネット=カルカベが、妙な訛りを伴ってグルーヴし、ゲンブリ(モロッコの3弦ギター?)の低い音に合わせて自在にテンポを変えていく。
えぇ~?なによそれ?と、バビロンの住人である私の左脳が悲鳴をあげる。
しかし、グナワ・デフュジオンを聴いたときもそうだったように、気付けばこの屈折した反復ビートに身を委ねている自分がいる。
俺の右脳は大歓迎。訛り具合が妙に気持ちイイのだ。

彼の地におけるグナワ演奏は、ゲンブリ、カルカベ、ハンドクラッピング、そして叫び声というシンプルな編成で、同じビート、フレーズを延々と繰り返すそうだ。
まさにトランス。ねじれたビート感。
このビート感、マリのグリオによるコラを使った祈祷のダンス(映画Feel Like Going Homeに出てきたアレです)のそれにもかなり近い感覚だが、もとはスーダンから来た奴隷によってもたらされたものだそう。
マリとはずいぶん離れているんだけどなぁ。アフリカだ、という先入観による錯覚だろうか。
除霊、あるいは神とのコミュニケーションのため、まさにトランス音楽としてモロッコはエッサウィラ周辺で発達。スーフィズムと深く結びつき、もともと音楽を禁じていたはずのイスラムを変容させてしまった、ということらしい。
ジミ・ヘンドリクスやゼッペリン(多分ジミー・ペイジだな)にも影響を与えたそうだが・・・。

・・・とかなんとか思い巡らしていても、やはり耳はカルカベの音に吸い込まれていく。
パターン自体に規則性はあるが、とにかくふらつき、突っかかりながらも二重三重にグルーヴの輪が回っているかのようなこのビート。

久保田氏が様々な音色で装飾してくれているおかげで、非常に聞きやすくなってはいるものの、その装飾を消し去るくらいの勢いで迫ってくるベーシックなビート感。
彼の手による装飾がなければ、間違いなく飛んでいるな、これは。
あ、もしかして、グローバルなダンス音楽として踏みとどまるための抑止力なのか?久保田謹製の音のカーテンは?

しかし、カルカベ。
欲しいな~。
と思っていたら、いいのがあった。

⇒ http://www.fes-de-morocco.com/books-music.html

親指と人差し指でも演奏できるんだ~買っちゃおうかな~。

船橋「月」(12/3)

2006-12-04 | LIVE情報
11月3日の四谷天窓に続き、昨夜は2006年最後のライブ、場所は船橋「月」だった。
植竹さんという方が主催する「UP」(uetake presentsの略)というイベントに参加したのだ。

さわやかJポップ男女デュオのY♭、青春パンク直球勝負!っていう感じのTest de zero score(みんな零点かい?)、そして過去にメジャーデヴュー経験もありという本格派佐藤あゆみさんという、バラエティに富んだ陣容に、中村翔(+ジェンベ坂入)として参加したわけで・・・。

佐藤さんという女性の弾き語りがなかなかよかった。
本人は「ゼッペリンのファンで~」と言っていたが、ギター自体はキザイアやらいろんな人のエッセンスごった煮で、非常に個性的。
Voもちょいハスキーで、てきとーに黒っぽくて、いい感じである。
なにせ、俺自身がおっさんなので、あまりにさわやかなものや直球のものはいいなと思う反面、気恥ずかしくて落ち着かない。
やはり、黒い部分がないと。

彼女の楽曲は、ちょっと聴きには、これはバンドでやるべき曲ではないか?と思えるものも多いのだが、カホンでバックつける程度すれば、もっと説得力が増すかも。

さて、自分たちの演奏については、まぁ、平均値くらいだろうか。
少なくとも、先日から注意している演奏時の姿勢、左右のバランスについてはだいぶ改善できたように思う。
というのも、「月」の場合、ステージ脇にでかい鏡があるので、横目で自分のフォームをチェックしつつ演奏できたりするのだ。
これはこれで面白かった。

とにかく、これにて本年の私のライブは終了。
新年は1月8日のイベント参加、21日の四谷天窓での中村翔ライブの二つで幕開け。

・・・あれ、どっちもジェンベだよ。ドラムセットはどこへ行った・・・。

12月以降のライブ予定

2006-12-02 | LIVE情報
ライブ予定1

 中村翔(Vo/G)のバックでジェンベ叩きます。

12月3日(日)夜  船橋”月”
  4組中3番目だから、8時過ぎ?もっと遅いか?

1月21日(日)昼間 四谷天窓
  この日はなんだかイベントだそうで、午後1時半までに入店すると、
 ソフトドリンクが飲み放題だそうな。

2月3日(土)夜   四谷天窓
  詳細未定


ライブ予定2

1月8日(祝)昼12:00~ 松戸市民劇場ホール
 ”まつどミュージック・ショー”に出るらしい。
 演目その他、「ジェンベでジャズやりましょか?」という以外、完全に未定。


皆様よろしく~。