Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

マイルスは何を見た?

2009-11-24 | 今日の「この音」
先日購入した菊池成孔氏の「東京大学のアルバート・アイラー」って本を読んでいたら、マイルスの話がわんさか。
そりゃそうだ。Datecourse PentagonなんてまんまOn the cornerみたいだったし。
随分前の文藝別冊のマイルス本に掲載されていたこの方のインタヴューは、とんでもなくマニアックなOn the corner解析で目から鱗!だったんだけど、略語&擬音ばかりで意味不明な箇所も多く、一種のスノッブさを感じてしまい、それ以降、彼の文章を読むことは意識的に避けてきました。
しかし、今回この「アイラー」を読んでみたら、その略語と擬音だらけのインタヴューは出版社側のミスで、譜面等を掲載しなかったために起ったことだったんだそうで。
そりゃ失礼しました。「憂鬱と官能」もこれから買います。

で、マイルスです。
マイルスって言うと中山康樹氏の著作に詳しいわけですが、その中山氏の著作においてもマイルスがモードに移行した契機については、「アフリカの親指ピアノの演奏を聴いたこと」という程度の記述だったように記憶してます。私がそれを読んだ当時はまだジェンベも触ったことがない頃ですので、アフリカの楽器に関する知識は皆無に近く、「親指ピアノ?カリンバとか?」な~んて軽く考えて深く調べることもしなかったので、「親指ピアノ」から推測して、その時マイルスが見たものは東アフリカの演奏家だったんだろうと勝手に思い込んでいました。
ところが。
その時にマイルスが見たものは、なんとギニア・バレエだったんですね。恥ずかしながら、成孔氏の「アイラー」で初めて知りました。西アフリカじぇねぇか!
で、ネット上で探してみたら、これまた恥ずかしながら未読であった「自叙伝」の原文でそのエピソードが出てきました。

I didn't write out the music for Kind of Blue, but brought in sketches for what everybody was supposed to play because I wanted a lot of spontaneity in the playing, just like I thought was in the interplay between those dancers and those drummers and that finger piano player with the Ballet Africaine.

これがその部分。とにかく彼はバレエ・アフリカーンを見たんだと言ってるんですね。
それって、http://www.lesballetsafricains.com/index.htmlですかね?
ここ重要。

「ダンサーたちとドラマーたちとfinger piano playerとの間にあったインタープレイのような自発性に満ちた演奏が欲しかった」とあります。
finger piano ?
これ何?

西アフリカだからイリンバとかチリンバとかムビラとかじゃないね、多分。
ギニアにもタンザニアのイリンバみたいなのがあるとか聴いたことはあるけれど、少なくとも、音量の問題があるから太鼓と一緒にはやらないでしょ?
とするとある程度の増幅器を持ったもの、ってことになる。

ゴンゴマかな?それとも未だ見たことのない楽器?
まさかコラってことはないだろうね。それじゃ話があんまりにもできすぎだ。
知りたいねぇ。
なんか「運命」を感じます。