Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

「子どもは子ども」では育たないこと

2006-10-31 | 子どもの視線・親の気持ち
先週土曜日は、娘が通うダンス教室の発表会。
通い始めてはや6年が経過し、発表会自体も6度目ともなれば、これこそ勝手知ったる他人の家、何処でどんな問題が噴出するか、ほぼ予想がつく。
ついでに今回は、プロのジャズメンにまじり、俺までドラムで出演予定だったため、ほとんど楽屋での控えとなり、それはそれで面白い光景に遭遇できた。

① 男性の楽屋
ここにはドラムの後藤おさむさんやサックスの田辺信男さんなどのおじさん(失礼)軍団と共に、高校生かな?Hip Hopクラスの男の子達、そして小学生の男の子達が押し込まれた。
高校生達が小学生の面倒をよく見てくれていて、非常にうれしい光景。
こいつらほとんど初対面だろうに、たいしたもんだ!
やはり、小学生の「子ども集団」には、中学生・高校生程度の「お兄さん・お姉さん」という存在が非常に大切であり、そのような「異年齢集団」でこそ、子どもは成長できるもんだと、再認識。

② 女性の楽屋
廊下を挟んで男性楽屋の真正面。
さすがに入れなかったけれど、声はしっかり聞こえてくる。
すると、いつもならメイク等のために入っているうちのカミサンたちが、早々にぞろぞろと引き上げてくる。
(俺)「速いねぇ?」
(カミサン)「違うんだよ、誰かシラナイけれど『私がやりますから、結構です!』って、追い立てられちゃったのさ」
(俺)「はぁ?それって、誰?知らないんだけど?」
(ここでもう一人のお母さんが)「私たちも知らないんだけど、代表の人から頼まれた、って言ってますよ?旦那さん、聞いてませんか?」
(俺)「…シラネ~。ま、やってもらえば?」
(4,5人が異口同音にペチャクチャ)「…だってねぇ、朝からエプロンして気合入ってるし」「挨拶もないし、あれ、誰?」「出てけって言われちゃぁねぇ…」
(俺)「はいはい、わかりました。じゃ、俺も一緒に行くからさ、皆さん、受付の準備でもしましょうよ。」

…ところが。
ここで子ども達の面倒見役を買って出た女性(どうやら今年初参加の女の子の母親だったらしい)が、後に思いも寄らぬ抗議を受けることになろうとは!

大方の子ども達の最初の順目はタップダンスだったが、実はウチの娘はタップは習っていないので出ない。
そのかわり、大人のクラスでHIPHOPを踊ることになっていたので、10数人いる子ども達の中で、一人だけ全く違う衣装でスタンバイ。
女性の楽屋から素っ頓狂な声が聞こえた。
「あら~◇◇ちゃん、何でそんな格好してるの?ダメじゃない着替えなきゃ~!」
「え?いや、私、ヒップホップ出るからいいんです!」
「子どもがヒップホップだなんて、私聞いてないわよ!衣装まだもらってないの?だめじゃない、なにやってるのまったくも~!」
どたばたどた…ばたん!(と、男性楽屋のドアが開いて、ウチの娘が顔を出した)
「くま~、あの人何とかしてよ~」
「どしたの?」
「勝手に仕切ってて、困るんだよね~」
「そうみたいだけど、自分で何とかしろよ。話してわからなけりゃ、蹴りいれてもいいぜ」
(ここで、それまでの経過をじっと聞いていたおじさんジャズメン4人が大爆笑)
「わかった。なんとかするよ」
(おじさん4人)「がんばれよ~!」

実は、この教室では、いままでそのような面倒見役はおらず、母親達は子ども達のメイクが済むと早々に引き上げることにしていた。
手取り足取りのステージママをやっても、楽屋に人ばかり溢れて他の劇団員の邪魔になるだけだ、という判断をする人が多かったためであり、また、そうしないと、子ども達が自主的に動こうとしなくなるとも考えていた。
踊りだけうまくなっても、通わせる意味はないからね。
ところが、今回面倒見役を買って出た方は、どうやら一から十まですべて面倒を見るのが当然と思っているらしい。
どうやら、そちらのご家庭は、バレエ教室に通わせ、どこぞのオーディションに受かって週2回程度都内で公演に向けたレッスン、そしてこの教室、という忙しさ。
そりゃぁ、ステージママ全開だな(とはいえ、初対面の大人に名乗りもせずに「私が仕切りますから結構です」ってのも珍しいけれど)。
その調子で、勝手な仕切りを豊富に入れてくれていたので、現場が大混乱。
喜んでいたのは本人のみ、という有様。

一方、うちの娘に限らず、以前から所属している数人の子どもたちは、そういった親達の意図を知ってか知らずか、発表会では自分達で判断して行動するもの、と覚悟を決めてきているので、むしろそういう人がいること自体に思い切り違和感を覚え、ずっこけてしまったらしい。
そして再度、今度は女の子3人+男の子1人で俺のところにやってきた。
(男の子)「あのおばはん、誰?」
(俺)「知らん」
(娘)「まだ騒いでるよ、はっきり言って邪魔」
(6年生の女の子)「あたし達だけでできるんだけどな、って言っても、相手にもしてくれない」
(4人揃って)「…なんとかして!!」
(おじさん4人+俺)「あららら~!」(大爆笑)

5、6年生の子ども達は、この教室に複数年以上お世話になっているから、先生方や劇団員の皆さんに対しても、既にはっきりとした自己主張ができるようになってきている。
だから、子ども達の認識とその面倒見役の方の指示との食い違いがあれば、5、6年生の子ども達が、自主的に、全体の仕切り役をやっていたスタッフの方に判断を求める、という場面があり、さらに混乱に輪をかけていたが、そのことにも5,6年生は申し訳なさを感じていた。

で、正直言えば、俺はそんな様子を見て、非常にうれしく、そのやり取りを本気で面白がっていたのだが。
俺自身は、子どもを子ども扱いしない、と言うか、子ども達も自己責任において判断して行動させる、というここの教室の主旨に賛同して、娘を預けているのであって、この様子についても、子どもたちの自主性、あるいはプライドが育ってきたことを示す事例と捉え、いい成果(面白い効果?)が現れているなぁ、と単純に喜んでいた。
特に5,6年生の子ども達は、昨年度までの経験も踏まえ、上級生が下級生の面倒を見ながら「子ども集団」を形成できるのだ、自分達で発表会に参加できるのだ、なんならメイクだってやれるぜ!ということを、懸命に主張している。
こんなに喜ばしいことがほかにあるだろうか?
って、わからない人もいるんだよね。「子どもは子ども」と思ってしまう人が。

(娘)「…くまが何にも言ってくれないんだったら、自分らで何とかする!」
(俺)「そうしな。イベントに穴をあけなければ、何やってもいいから」
(6年生の女の子)「とりあえず、シカトしとこうよ、うざいから」
(娘)「聞くだけ聞いてあげて、はいはいって言っとけばいいんじゃない?(男の子に向かって)いいね!」
(男の子)「…うん」

この時点でおじさんたちは涙目。

その数分後のこと。

「あんたたち、出番でしょ~!」
「あと5曲後です」
「舞台袖に行って待ってなきゃだめじゃないの?」
「舞台袖狭いから、出ている人の邪魔になりたくないんです」
「子どもなんだから言うこと聞きなさい!」
「前にそれで怪我した子がいるんです!」
「劇団の人だって、子ども達には気をつけるわよ」
「…(ひそひそ)…じゃ、廊下で柔軟でもしてようか~?」
「………×××」

おじさんたち+俺は、涙流しながら腹抱えて笑い転げました。


四谷天窓~そして次回は11月30日(木)

2006-10-18 | LIVE情報
昨夜、初めて出演した四谷天窓。
壁はほとんど木材で、ダークブラウンに統一。
ステージ背景の壁面だけ石材になっていて、単純に生音がよく聞こえる感じ。
客席の奥の方は座敷(というか板の間)になってて、丸いちゃぶ台が!
これで裸電球でもあれば…焼酎が妙にはまる。
寝そべりたくなるような、アットホームな空間でした。

出音については、石の壁のおかげか、ジャンベがとんでもなく鳴るため、翔君のギターとヴォーカルのみマイクを立て、当方は生音。
ブラシを使う曲だけマイクで拾い、リバーブをうっすらかけてもらった。

1曲目 Hey!Mr.
2ビートというか8ビートというか、とりあえず軽快な曲。
初めてライブでやった曲だけど、破綻なくウォーミングアップ。

2曲目 Everybody wants
ちょっとラウル・ミドン風のギターがかっこいい、ファンキーな曲。
大分こなれてきました。
こなれついでにアドリブでブレークポイントが通常1回のところ2回に増えたり、ジャンベソロが入ったり。
メインのリフとジャンベのフレーズがシンクロしてきたのが嬉しい。
ジャンベソロの時、ミュートしながら指だけで「ぺたぺたっばさっ」みたいなフレーズを入れたんだけれど、これは音量の問題もあり、ちょっと研究が必要だ。

3曲目 Ready go
これも何度も演奏しているが、これまでになくゆったりしたテンポだったので、最初ちょっと戸惑った。
しかし、空間が多ければ、それだけ鳴り物的には遊べるわけで…。

4曲目 Feel like
翔君がワイゼンボーンに持ち替えてジャム的に展開。
曲の構成と基本的なパターンは決めているんだが、ギターソロのバッキングは毎回違うことをやっている曲。
今回はちょっと音を詰め込みすぎたかも。

5曲目 ららばい
”今日もおわり~さ~、リラックス、リラックス”という歌詞の通り、6/8のゆったり・まったり~な曲。
ブラシでこすり、フィルではジャンベのエッジにブラシをぶつけて、反動を利用して「ばさささささ~」みたいな音を出したり。
トラッド志向のジャンベ奏者が見たら多分大激怒するだろうなぁ。
店の方々にも「そんなことする人、見たことないよ」と言われちゃいましたが。

ま、7時スタートってことでお客さんも少なかったんだけれど、他の出演者の皆さんや、お店の皆さんのおかげで楽しく演奏できました。
ついでに、我々の後に出演予定だったハルミさんという女性ミュージシャンに逆ナン?され、急遽ごいっしょすることに。
ちょっとはっちゃけた演奏をしてしまいましたが、うけてたからまぁいいか。

そして、早速次回予定も決定。

11月30日(木)場所は再び四谷天窓です。

通勤ラッシュと小学生

2006-10-15 | 子どもの視線・親の気持ち
5年生になる娘が、校外学習だとかで科学技術館とNHKの見学に行って来た。
この行事では、交通手段は鉄道を使い、現地集合現地解散となっている。
このため子ども達は5人程度の班ごとに駅などに集合し、自分達で路線を調べ、電車に乗り、地下鉄に乗り換え、目的地にたどり着く。
なかなか微笑ましい。

…んだけど、考えてみれば、朝のラッシュ時に100人以上の子ども達が分散して電車に乗り込んでくるのだ。
通勤客から見れば「招かれざる客」。
おかげでこんなことがあったそうだ。

その1
大手町までの千代田線内。
娘達のグループは女の子3人+男の子2人。
一番大きい子で160センチ弱あるが、満員電車の中では皆大人たちの肩のあたりに頭が埋もれ、外が全く見えない。
そこで、今何処にいるのかを確認しようと、全員が一番小さい子に声をかける。
実は小さい子の方が人の隙間から窓が見えるため便利なのだ。

「今何処の駅?」
「見えないよ!」
「しっかりたたねえからだろ?」
「たってるよ、これでも!」
「大手町で乗り換えだからね。」
「ぅわかぁってるってば!」

すると、脇に立っていた学生風の男性が声をかけた。
「僕も大手町で降りるから、一緒に降りようか」
大手町に着き、人の波とともに子ども達はホームに吐き出された。
波が去った跡の蟹のようにホームに残る子ども達&お兄さん。
突然、ある男の子が号令をかけた。
「せいれーつ!!」
「え~ここでやるの~?」
「いいから並べって!」
「(全員で)ありがとうございました~」
きょとんとしたお兄さんはうつむきがちにこう言って去ったそうだ。
「こちらこそ、ありがとう。」


その2
大手町で東西線に乗り換えた子ども達。
今度は列車内に若干余裕があり、これ幸いとばかりに最重量級(150センチ・70キロ)の男の子が腰を降ろした。

少年A「やぁっと座れたぁ、もう疲れたよ」
娘「ったく、朝っぱらから疲れたなんて、情けないね~。」
少年A「うるさいなぁ、俺は長い時間立っていられないの!」
娘「デブだからね、おまえ。周りの人に迷惑かけんなよ。」
少年A「何ぃ?がみがみうるせーんだよ、オバサン!」
この時、少年Aの隣席に鎮座していたロマンスグレーの会社員。
眉間にしわを寄せつつ沈思黙考?と思いきや、肩がかすかに上下動するとともに、何かを我慢するように鼻の穴が大きく広がること数回。

娘「言っとくけどねぇ、ウチは3月生まれだからクラスで一番若いんですぅ!ウチがオバサンならあんたはジイサンだろ?」
少年A「うるっせぇババァ!黙ってろ!」
娘「ったく、大人気ないジイサンだねぇ。」

ここに至り、隣席のロマンスグレー氏の口元が決壊し、爆笑モードに突入。

「キミ達が御爺さん御婆さんなら、私は化石みたいなもんだね。」

涙ながらにそう言うロマンスグレー氏。するとそれまで事態を静観していた少年Bが一言。

少年B「じゃ、俺が発掘してやるよ!」
一瞬たじろいだかに見えたロマンスグレー氏、すかさずこう切り替えした。

「じゃ、綺麗にしてね!」

これには少年少女のみならず、周囲の通勤客も爆笑していたとか。


10月17日は四谷天窓でやります、叩きます。

2006-10-14 | LIVE情報
10月17日(火) 19:00 st ¥1000

中村翔(with さかいり@ジャンベ)

at四谷天窓(Acoustic Live & 焼酎 Bar)
 〒169-0075
   東京都新宿区高田馬場3-4-11 BaBa hatch 3F
               03-5338-6241
http://www.otonami.com/tenmado/map/index.htm

以前は四谷にあった天窓が、高田馬場に移転。
でも店名は四谷天窓。
初めて出る店です。
実は、店側から知らされていないので、出演順とかわかんないんですよ。
ただ、初めて出る店だし、しょっぱなの可能性もありますね。
その場合は7時からなんだろうけれど、とはいえ、HPでは二番目に表記されているので、7時30分くらいかなと。
結局のところ、7時にはお客様にご入店していていただきたいなぁ、と思う次第でありんす。

皆様、何卒よろしくお願いします。

コラ+ピアノ+ジャンベ&ギタ

2006-10-14 | 今日の「この音」
artist : KORA JAZZ TRIO
title : KORA JAZZ TRIO

コラを使ってジャズ?
色物などではない。
最少人数の編成、しかし、繰り広げられる音の空間は無限だ。
コラとピアノがよく絡み、絹のように繊細なメロディを紡いでいく。
また、ギタとジャンベを駆使したムサ・シソコ氏のリズム展開は、まさに職人技。
いわゆる民族楽器をトラディショナルではないフィールドで自在に歌わせているが、それもまた、伝統的技術に裏打ちされたものなのだろうな。
アフリカと言うより、カリブ海域のビートのようにも聞こえる。
カリプソやメントのように素朴、でも熱い。

気持ちいい、としか言いようのないこの音世界。
これがコラ・ジャズ・トリオの1作目。
パート2もほぼ同様の方向性。

あ~ギタ欲しい。

チャーリー・パーカーの「ナウズ・ザ・タイム」のみカバーで、それ以外はオリジナルだそうだが、カバーも違和感なく他の楽曲に溶け込んでいる。
ピアノって打楽器でもあり、コード楽器でもあり、非常にポリバレントな楽器なんだなぁ、と痛感させられる。

しかし、こういう音源を聞いていると、伝統って何だろう?と思う。
ジャズにせよカリブ海域の音楽にせよ、奴隷貿易の所産。
アフリカの伝統音楽との類似性は言わずもがなだ。
ルーツがあるから、各地に散らばった子孫を集めるとどこかしら似たような顔立ちだったりして、なんとなく安心感が生まれる。

では、翻って、われわれ日本人はどうだろう?
お祭り囃子からなにを生み出したのか?
大瀧英一は音頭やってたけれど…。


ガーナ戦!

2006-10-03 | サッカーよろずごと
ガーナとの親善試合を控え、日本代表が招集された。
その中に、ジェフ千葉の若者、水本裕貴がいる。
追加召集された青山同様、年代的には北京を目指す人材。
しかし、オシム監督の胸中では、さらにその先を見据えた強化対象選手なのだろう。

思い起こせば昨年6月のワールド・ユース、初戦でオランダの左サイド・クィンシー・オウス・アベイーにずたずたにされた日本DFラインの一角を担っていたのが彼だった。
あの時、ファウルまがいのチェックを入れた中村北斗を切れた腰みののように引きずりながら突進するクィンシーに、ほとんど動く障害物のように振り切られていた水本だったが、オランダでの経験にとてつもないショックを受けたようで、帰国後、雨後のたけのこのように実力を伸ばし、ここ最近はJリーグに所属する外国人選手に対しても、ほとんど1対1で負けなくなってきた。

そういう意味では、この時期、ガーナのような身体能力が高く、しかも組織プレーにも秀でた(アフリカ的には)守備的な、それでいて爆発力のある、緩急の落差の激しいチームとの対戦が、今後の彼の成長にもたらすものは多い。

それは、今回召集された青山も同様のこと。

オシムは「古井戸から見ていく」旨の発言をしているが、だまされちゃいけない。
彼がやろうとしていることは、少なくとも守備陣に関して言えば、トルシエ以上にドライな世代交代だ。
闘莉王を脅かす存在がなければ、戦術的には単調なものとなってしまう。
これまでの宮本中心のDFラインがそうだったように。

また、そういう意味では、左サイドが手薄だなぁ。
がんばれ駒野!
そして、彼を脅かす選手が出てこないものか。