最近、中国は宗教政策を緩和していうようで、文化大革命時代のような厳しい弾圧は無くなったようです。宗教団体が愛国的に共産党中央の政策に反対しない限り信仰の自由は認められています。
共産党本部はキリスト教団体を以下の4つの組織に登録させ、指導、監視するという体制をとっています。
(1)中国基督教三自愛国運動委員会:
中華人民共和国政府公認のプロテスタント系キリスト教の世俗的な面での指導機関
(2)三自愛国教会及び中国基督教協会:
中華人民共和国政府公認のプロテスタント系の教会の組織
(3)中国天主教愛国会:
中華人民共和国政府公認のカトリック系統の教会の組織。中華人民共和国政府の指導下にあり教皇の叙任権・管轄を認めず、教皇庁側からは認められていない。
(4)中国正教会:
中華人民共和国政府公認の正教会。中華人民共和国政府に公認された聖職者は近年すべて逝去した。
中国では、カトリック系の公認教会である中国天主教愛国会の信者は500万人、プロテスタント系の公認教会である中国基督教三自愛国運動委員会、中国基督教協会の信者は1700万人から1800万人とされています。
この他に多数の地下教会、あるいはは家庭教会といわれる教会があります。その非合法のキリスト教系の信者は4000万人とも言われています。
中華人民共和国政府はバチカン市国と国交を断絶しているため、バチカンの影響下にある教会を非合法組織として取り締まりの対象としています。
中国国内のキリスト教徒は全部で6000万人以上存在すると言われれますが、その3分の2は非合法の地下教会の信者で、取り締まりの対象となっているようです。(詳しくは、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99をご覧下さい)
尚、中国のカトリックの実情については日本のカトリック中央協議会がかなり詳しい調査をして、その結果を、http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/library/book/hand2007/china.htmに公表しています。
さて表題の大連カトリック教会ですが、それは1926年に日本人カトリック信者、岡大路が建設した建物です。それを現在でも使用しています。中国人の主任司祭がカトリックのミサを毎日あげているのです。
左に写真を示します。
1945年の日本の敗戦と共に日本人は去り、中国人の教会となったのです。その後文化大革命がはじまり、1969年から丁汝南神父は瀋陽近くの村で農耕に従事したそうです。
1980年に丁神父は大連へ戻り、教会は聖心堂と改名され再開されたそうです。1989年から郭景成神父に代わり、1994年からペテロ張永哲神父に代わっているそうです。
教会堂は、ほぼ1926年建設当時のままの姿をとどめている。大連市6区内にはこのカトリック教会と、プロテスタント教会が6つあります。
早朝ミサは6:30(月~金)、中国語ミサ:土17:30 日9:00 & 17:00、韓国語ミサ:日11:0(外国人のため)
ミサは、降誕節(クリスマス)、灰の水曜日、聖金曜日、復活節(イースター)、昇天日、聖霊降臨日など重要な祝日にも行なわれる。
詳しくは、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%80%A3%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E6%95%99%E4%BC%9Aをご覧下さい。
自分がカトリック信者なのでついカトリックのことだけ詳しく書いてしまいました。
しかし現在の中国では仏教も儒教も道教もイスラム教も復活し、その勢いが大きくなってきました。
その詳しくは、http://hongliu.net/Article_Print.asp?ArticleID=1951をご覧下さい。
さて中国の現在の宗教を総括すると、人口13億人の10%の1億3000万人くらいが仏教、イスラム教、儒教、道教、キリスト教などを信仰しているようです。
そして宗教に関心のある人々が増え続けているという趨勢です。
これはロシアにおいてロシア正教が復活し、その勢いが増しているのと同じような現象です。
宗教を悪用せず、正しい信仰を持って謙虚な中国人が増加するようにと祈って、この記事の終わりといたします。(終わり)