後藤和弘のブログ

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中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

驚異的な昭和新山(2)有珠山噴火の完璧な予知と完全避難の成功

2014年12月10日 | 日記・エッセイ・コラム
この地球上で起きる現象を考えると自然の悠久さが感じられます。つまらない争いや戦争を繰り返している人間の愚かさが身に沁みます。自然のことを考えていると自分もその一部に溶け込んでその悠久さが心を豊かにしてくれます。幸福感につつまれます。
火山の噴火も人智を超えた不思議な自然現象です。
そこで昭和新山を生んだ有珠山の火山の歴史をもう少し調べてみました。
有珠山は、北海道・洞爺湖の南に位置する標高737mの活火山です。山頂は有珠郡壮瞥町にあり、山体は虻田郡洞爺湖町、伊達市にまたがっているます。
支笏洞爺国立公園内にあり、昭和新山とともに「日本の地質百選」に選定され、周辺地域が洞爺湖有珠山ジオパークとして「日本ジオパーク」と「世界ジオパーク」の両方に認定されています。ジオパークとは地質変動が明快に目で見ることの出来る珍しい場所です。地球の地質学の上で非常に興味深い場所です。世界遺産とは違った意味で重要です。
この有珠山は何度も噴火を繰り返してきました。 江戸時代以降では、 寛文噴火、 明和噴火、 文政噴火、 嘉永噴火、と続きました。そしてそれ以後は、 明治噴火 、昭和新山生成の 1944年 - 1945年噴火 、 1977年 - 1978年噴火 、2000年噴火と約30年周期で噴火を続けてきた火山です。特に2000年噴火は規模が大きかったので下にその写真を示します。
写真の出典は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%8F%A0%E5%B1%B1よです。





http://tatsuno.cocolog-nifty.com/photos/funka/photo.htmlより上の3枚。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%8F%A0%E5%B1%B1より上の1枚。
この有珠山の噴火は事前に群発地震が起きてから爆発するという経過をとったので人間が避難する時間的余裕があるのが特徴でした。したがって学校などの建物や国道の破壊という大規模な損害は起きましたが、人命が犠牲になることが少なかったのです。
特に2000年に起きた大噴火は完璧な予知と安全な避難で特筆すべきものでした。2000年の3月27日からの火山性地震が連続し、その分析や断層の探索により近日中の噴火が予知され、3月29日には気象庁から緊急火山情報が出されたのです。これを受けて壮瞥町・虻田町(当時)・伊達市の周辺3市町では危険地域に住む1万人余りの避難を噴火までに実施し、完了していたのです。
通常、緊急火山情報は人命に関わるような噴火が発生することを知らせるものであり、噴火前にこれが発表されたのは初めての例だったのです。
有珠山には350年前から噴火の記録があり、そのデータ蓄積の多さから比較的「噴火予知のしやすい火山」であること、噴火を繰り返す周期が短く、かつ一定で、地域の住民の多くは前回、前々回、中にはそのさらに前の噴火を経験していたのです。
有珠山の周辺市町のハザードマップの作成や、普段からの児童への教育などがなされていました。
噴火直前には、北海道大学有珠火山観測所が144時間以内に噴火すると予告し、その予告から143時間目に噴火した。この噴火予測の正確さは驚くべきでした。
2014年(平成26年)現在、国道230号は地盤の隆起によって水没したが、従来の西側に2本のトンネルを掘り、最短距離で内浦湾に抜ける新ルートが建設されました。虻田洞爺湖ICも新ルートの国道に接続する形で移設され、不通区間の道路も整備され復旧したのです。
さて有珠山の噴火が正確に予測された事実は大変な火山科学の進歩でした。しかし噴火の前に群発地震を起こさないでいきなり爆発する火山もあることを忘れさせてしまったのです。最近、御岳山で前兆の地震が全く無いままいきなり爆発し、多数の貴い人命が失われたのです。
人間は浅慮です。科学の限界を忘れると大災害が起きるのです。それは御岳山の噴火だけではありません。福島の4基の原発の爆発を予測した人は誰もいなかったのです。
科学の限界を知り、自然の悠久さと偉大さに心すべきと思う今日このごろです。次回は有珠山周辺の世界ジオパーク認定と「ジオパーク友の会」の活動について書いてみたいと思います。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
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2 コメント

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有珠山噴火に想う (ごうさん)
2014-12-10 11:01:33
有珠山噴火の記事を拝見し、2000年の噴火の際、距離的に少し離れてはいたが、室蘭に勤務していた時だったので鮮明に記憶しており、確かに自然の脅威を身近に感じたものである。毎日の地鳴り・振動を伴う噴火には、山の近隣の方々の恐怖は如何ばかりだったか、直近の御嶽噴火でも良く解った。幸い、北大岡田教授を中心とした事前避難勧告が適切であったのが、不幸中の幸いだった。
有難う御座いました。 (後藤和弘)
2014-12-10 13:12:19
ごうさん、

コメント有難う御座いました。

そうですね室蘭にはごうさんのお勤めでした新日鉄もありますし、日本製鋼所もあり、有珠山が近かったので地鳴りや群発地震、そして噴煙が大変だったと思います。
しかし人命が失われなかっただけでも幸いでした。予知と避難の成功は歴史的に素晴らしいことと感心しています。
有難う御座いました。後藤和弘

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