後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
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平和の祈りと全世界に展開する多数の米軍基地の現実

2017年08月27日 | 日記・エッセイ・コラム
多くの日本人は戦争の悲惨さを知っています。そして毎年、8月になると広島や長崎の原爆の犠牲者の慰霊祭が行われます。
そして8月15日には東京の武道館で天皇陛下、皇后陛下もご出席し、300万余の犠牲者の慰霊祭を行います。
このように全国で慰霊祭をし、平和を祈る8月も間もなく終わろうとしています。
そこで今日はある方から私のブログの記事へ対して頂いた平和への想いをご紹介し、続いて世界にある米軍基地の現実を考えて見たいと思います。
次のコメントは8月20日掲載の「沖縄沖で特攻で大破した空母、駆逐艦など404艦艇と航空機763機に対する評価」という記事に対して恵須さん から頂いた「8月、平和への想い」と題した一文です。
 ===「8月、平和への想い」========================
いつも日記読ませていただいております。浅学な私には分からないことも時々ありますが。すぐに反応ができないこと、毎度のことながらお許しください。今回は特攻隊のこと、そして皆さんのコメントを読んで、私の平和への思いをちょっとは書きたくなりました。
軍部の過ちだったとしか思えない戦争の中で失われた、特攻隊の若い命、信じられないような悪条件の中での絶望的な戦いの果てに消えていった兵士達の命、そして空襲や原爆で失われた無抵抗の国民の命。ともすれば戦績、勇気を讃えることから、過去の戦争を讃えるような風潮がありますが(後藤さんもそこを懸念されておられると思いますが)、失われた幾多の命をもっと悲しみ、そこから学ぶことが私達に課されたことだと思います。人間は戦争の歴史から何を学んだのでしょう。戦争には双方の主張があるのだから善し悪しを簡単にいうべきではないという意見は分かるのですが、国際問題の解決に戦争という手段を使わないということを、世界中が、誓って決めるほかはないと私は思います。
どんどん新兵器を開発してそれが戦争の抑止力になるなどとんでもないことです。大国は、自分のところだけ脅すための(抑止力という言葉で飾って)武器を持って、他の国(自分のところと同盟関係にない国)にはそれを保有することを許さないということを誰もおかしいと思わないのでしょうか?そんな非現実的不戦を唱えて攻めてくる国があったらどうするのだという声がすぐに聞こえてくるようです。
確かに、それがあるから各国の軍備の拡大が止まらない訳ですから。でも、そんなことを繰り返していたら、将来どの国も国家予算の大部分が軍備費用になってしまうのではないのでしょうか?その挙句に国を失い、地球を壊してしまうでしょう。そしていつの世も犠牲になるのは国民です。国民全員が戦争に反対しても国は戦争をするでしょうか?私達は家族や自分を守るために不戦の意思を勇気をもって叫び、祈り続けなければならないと思います。
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この上のような想いは多くの人々が共通して持っていると思います。
8月には日本各地で世界に平和が来ますようにと祈りました。
しかし何故この青く美しい地球に真の平和が来ないのでしょうか?
その原因はいろいろでしょうが、今日は全世界に展開している米軍基地の現実を考えてみます。

1番目の写真は全世界に展開している多数の米軍基地の分布図です。出典は、http://manaoki.seesaa.net/article/388804731.html です。
地図の赤いバルーンは米国領内で、赤いピンは100以上の基地(施設)がある国、黄色のピンは10-99の国で日本も該当しています。そして緑は1-9の基地(施設)がある国々を表しています。基地の定義と数え方が曖昧なので数字は大体の数とご理解下さい。
これを見ると米軍があたかも全世界を占領しているように見えます。1990年頃のソ連の崩壊で米軍基地が昔の共産圏まで広がっているようです。
その米軍の規模は144万人で先端技術に支えられた最新鋭の装備を誇っているのです。
詳しくは、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E8%BB%8D をご覧下さい。
概略を抜粋すると以下のようにまります。

2008年の統計です。現役軍人数:144万人、予備役 149万人で順位は世界第一位だそうです。
そしてアメリカ軍の管轄地域は次のように全世界を覆っているのです。
管轄地域別の一覧;
アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 北米担当
アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 中東担当
アメリカアフリカ軍(USAFRICOM)- アフリカ担当
アメリカ欧州軍(USEUCOM)- 欧州担当
アメリカ太平洋軍(USPACOM)- アジア・太平洋地域担当
アメリカ南方軍(USSOUTHCOM)- 中南米担当

その上、機能別でも組織化されています。
アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)- 特殊作戦担当
アメリカ戦略軍(USSTRATCOM)- 核兵器と宇宙軍とサイバー軍を統括
アメリカ輸送軍(USTRANSCOM)- 戦略輸送を担当

以上のようにアメリカ軍の規模は非常に大きく、そして全世界を管轄しているのです。
その上、最新鋭の装備も持っているのです。写真にその一部を示します。







これらの写真のような先端的な装備を持っているアメリカ軍が世界に展開して駐留しているのです。
以下に一例として中東地域での駐留国の様子を示します。数字は2007年の統計です。

アメリカ中央軍(USCENTCOM)
アフガニスタン〔10,107人〕
(アフガン攻撃から継続。最盛期は約2万人。2006年にNATOに指揮権が移譲
クウェート〔7,097人〕イスタンブール協力イニシアティブ
 イラク〔6,137人〕:パートナーシップ協定
イラク戦争により駐留。最盛期には15万人以上が配置されたが、終戦により大半が撤収した。
バーレーン〔5,894人〕

海軍の第5艦隊が駐留。
カタール〔1,064人〕
中央軍の現地司令部が置かれている。
ヨルダン〔1,834人〕
アラブ首長国連邦〔888人〕
 エジプト〔308人〕
サウジアラビア〔438人〕 、湾岸戦争前後は数十万まで増加したが、現在、主要部隊は周辺湾岸国へ移転。
シリア〔1,103人〕
 パキスタン〔103人〕
レバノン〔96人〕
キルギス〔64人〕:海兵隊
 オマーン〔25人〕:マシーラ空軍基地、スムライト空軍基地に駐留、海兵隊
イスラエル〔28人〕:相互防衛援助協定、主要戦略的パートナー

全世界の人々が真に平和を祈っても地球上を覆う米軍基地があるというのが現実です。
この悲しい現実がある限り戦争が起きる可能性が常にあると考えざるを得ません。
このような現実の中で平和を保つためにはアメリカに根気よく外交的な働きかけを続け可能な限り戦争の実行を避けるようにしなければなりません。それは困難な道です。中国の政策も研究して、中国の動きも考慮に入れるべきです。
日本の平和、そして世界の平和を少しでも実現するためには強く、強く平和の祈りをすることが非常に大事です。
それと同時に国際友好を築くためのあらゆる努力をすることも重要です。そして世界平和を実現するための賢い外交努力も必要です。

もう間もなく平和を祈る8月も終わろうとしています。

今日は皆様とご一緒に、「世界に真の平和が来ますように!」とお祈りしたいと思います。後藤和弘(藤山杜人)

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