後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本古来の信仰と神社の歴史

2019年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム
日本の古代の縄文時代や弥生時代は大木や山体を神として祀る原始宗教だったと言われています。集落の人々が集まって神に豊漁や豊作を祈る祭壇や主祭殿が存在していたことが分かっています。

1番目の写真は青森県の三内丸山遺跡を実物大に復元した展示用の公園です。
大型家屋があり、整然と並んだ小型住宅があり、食料貯蔵用の高床式倉庫群があり、祭祀用の神秘的な巨大柱があり、整然とした墓地もあります。それは小さいながら一つの王国のようです。残念ながら文書だけは存在していなかったので、その王国の統治組織や社会階組織は全く不明です。
しかし祭祀のための巨大柱のある場所、居住区の場所、お墓のある場所が整然と分けて存在してある事実をみると高度な文化社会が存在していたと考えざるを得ません。
(写真の出典は、http://www.geocities.jp/tadoru_ono/osaka-49.html です。)
写真の左下に写っている巨大な木柱を組んだ建造物は祭祀用の祈祷檀のようです。

2番目の写真は佐賀県の「吉野ケ里遺跡」の実物大復元展示の写真です。
この遺跡は稲作の始まった紀元前300年から紀元後300年にわたって造営された環濠村落で数多くの建物は堀や柵で囲まれ独立した小王国のような構造になっています。敵の襲撃に備えた堅固な柵や堀で囲まれた小さな王国です。
原始的ながらも中世の城郭都市を彷彿とさせる構造になっています。
この写真の出典は、出典は、http://www.yoshinogari.jp/contents3/?categoryId=10 です。
この遺跡で特に注目すべきは3階建ての立派な主祭殿が存在していたことです。
此処に集落の人々が集まって神に豊漁や豊作を祈る儀式をしたと考えられています。その儀式を司るのは神官のような特殊な能力を持った人だったと思われます。

さて日本の旧石器時代は4万年前から12000年前までの38000年間、縄文時代は12000年前から紀元前300年前までの11700年間、そして弥生時代は紀元前300年から紀元後300年までの600年間と言われています。そしてその後は古墳時代を経て大和朝廷の時代へと続くわけです。

以上のことを思い出しながら先日、府中市の大國魂神社の写真を撮って来ました。
この神社は1900年前の弥生時代に創建されたという伝承があるので行ったのです。先日撮った写真をお送りします。

3番目の写真は拝殿へと導く豪華な門です。

4番目の写真は拝殿前の質素な中門です。

5番目の写真は府中の大國魂神社の拝殿です。この神社は明治維新までは六所大明神と呼ばれていました。明治4年の神仏分離令により六所大明神という名前を現在の大国魂神社と改名したのです。

それはさておき東京で創建が弥生時代までさかのぼれる神社は次のようなものです。
●大國魂神社(府中市宮町)
●根津神社(文京区根津)
この有名な2社は景行天皇41年(111年)創建と伝承されています。
●榊神社(台東区蔵前)
●五条天神社(台東区上野公園)
この2社はその前年(110年)に創建と伝承されています。
以上のことは「東京で一番古い神社」(https://ameblo.jp/manhattan1980/entry-11331387124.html )に書かれています。
そこで日本全国の神社の創建の年を調べました。
その結果は末尾の参考資料に示しました。
ここで神武天皇が即位したとされる年は西暦ではBC660年となることをご記憶してご覧になって下さい。
末尾の参考資料の創建年を見ると何と縄文時代からあった神社も多数あるのです。
とても信用出来ません。
漢字が日本に普及した飛鳥時代や奈良時代以後は文献資料もあるでょうから信用できる創建年も多いと考えられます。
2番目の写真の3階建ての立派な主祭殿が後の神社に次第になって行ってと考えるのが一番無理の無い考え方です。
考古学的な実証が無い限り参考資料の創建年は嘘です。
しかし嘘は嘘として神話のロマンが感じられます。
この神話も日本文化の一部として大切に伝承すべきと私は考えています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料================
神社を創建年代順に並べた 、http://www.buccyake-kojiki.com/archives/1022563363.html
「神代から、神武・神功・継体、そして昭和期まで、一番古い神社は? 」

神社の一覧は数多くありますが、不確定の情報が多いためか、創祀・創建の順に並べた一覧表というものがなかった(本サイト調べ)ので、作成してみました。主な神社に伝わっている由緒の中で、創建年代を抽出して、ソートをかけた結果です。
創建年代が確定している神社はもちろんそれを採用していますが、確定していない場合、各種伝承や資料などを基に、主に下限(この頃までには確実に存在していたはず、という時期)で設定しています。創祀はもっと古い、というものが多くありますが、そこは確定できないので、そうした場合創建ベースにしています。

主な神社には、初詣参拝客が多いこと(発表に基づく、直近のニーズが旺盛)、皇室の崇敬が厚いこと(勅祭が行われていたり、四方拝の宮中行事など)、国幣小社以上の近代社格を有すること、一宮制に連なっていること、二十二社であること、以上複数はもちろん、一つでも合致している神社となります。

神代
オオモノヌシ 大神神社 奈良県桜井市
イザナギ禊ぎ 住吉神社 福岡県福岡市
イザナギ禊ぎ 志賀海神社 福岡県福岡市東区
イザナギ坐す 伊弉諾神宮 兵庫県淡路市
イザナギ坐す 多賀大社 滋賀県犬上郡多賀町
スサノヲの本宮 須佐神社 島根県出雲市
スサノヲ子孫 日吉大社 滋賀県大津市
オオクニヌシと越の国 居多神社 新潟県上越市
タケミナカタ諏訪入り 小野神社 長野県塩尻市
タケミナカタ諏訪入り 生島足島神社 長野県上田市
国譲り時 諏訪大社 長野県諏訪市・芽野市・諏訪郡
国譲り時 出雲大社 島根県出雲市

出雲大社と同時期 熊野大社 島根県松江市
シタテル伝承 倭文神社 鳥取県東伯郡湯梨浜町
天孫降臨 宗像大社 福岡県福岡県宗像市
天孫降臨後 玉祖神社 山口県防府市
神代 地主神社 京都府京都市東山区
神代 籠神社 京都府宮津市
神武天皇以降、BC660年以後
神武天皇の母 貴船神社 京都府京都市左京区
神武天皇東遷以前 宮崎神宮 宮崎県宮崎市
神武天皇即位前6年 都農神社 宮崎県児湯郡都農町
神武天皇即位前3年 枚岡神社 大阪府東大阪市
神武天皇即位前 生國魂神社 大阪府大阪市天王寺区
神武天皇元年 彌彦神社 新潟県西蒲原郡弥彦村
神武天皇元年 鹿島神宮 茨城県鹿嶋市
神武天皇元年 物部神社 新潟県柏崎市
神武天皇元年 安仁神社 岡山県岡山市東区
神武天皇元年 伊太祁曽神社 和歌山県和歌山市
神武天皇元年 安房神社 千葉県館山市
神武天皇2年 日前神宮・國懸神宮 和歌山県和歌山市
神武天皇6年 比々多神社 神奈川県伊勢原市
神武天皇18年 香取神宮 千葉県香取市
神武天皇33年 真清田神社 愛知県一宮市
神武天皇年間 鹿児島神宮 鹿児島県霧島市
神武天皇年間 大麻比古神社 徳島県鳴門市
安寧天皇13年 日御碕神社 島根県出雲市
安寧天皇18年 小野神社 東京都多摩市
孝昭天皇3年 氷川神社 埼玉県さいたま市大宮区
孝昭天皇年間 箱根神社 神奈川県足柄下郡箱根町
孝昭天皇年間 伊豆山神社 静岡県熱海市
孝安天皇15年 八倉比売神社 徳島県徳島市
孝霊天皇9年 阿蘇神社 熊本県阿蘇市
孝霊天皇年間 御上神社 滋賀県野洲市
孝元天皇5年 戸隠神社 長野県長野市
開化天皇3年 調神社 埼玉県さいたま市浦和区
崇神天皇再興 出雲大神宮 京都府亀岡市
崇神天皇元年 火雷神社 群馬県佐波郡玉村町
崇神天皇元年 六所神社 神奈川県中郡大磯町
崇神天皇7年 武蔵御嶽神社 東京都青梅市
崇神天皇7年以前 仁壁神社 山口県山口市
崇神天皇7年 賀茂御祖神社 京都府京都市左京区
崇神天皇7年 石上神宮 奈良県天理市
崇神天皇8年12月29日 方違神社 大阪府堺市堺区
崇神天皇9年 廣瀬大社 奈良県北葛城郡河合町
崇神天皇10年 秩父神社 埼玉県秩父市
崇神天皇11年 小田井縣神社 兵庫県豊岡市
崇神天皇12年 大和神社 奈良県天理市
崇神天皇30年 養父神社 兵庫県養父市
崇神天皇65年 熊野本宮大社 和歌山県田辺市
崇神天皇年間 積川神社 大阪府岸和田市
崇神天皇年間 大山阿夫利神社 神奈川県伊勢原市
崇神天皇年間 鵜戸神宮 宮崎県日南市
崇神天皇年間 氣多大社 石川県羽咋市
崇神天皇年間 南宮大社 岐阜県不破郡垂井町
崇神天皇年間 神部神社 静岡県静岡市葵区
崇神天皇年間 天日陰比咩神社 石川県鹿島郡中能登町
崇神天皇年間 白山比咩神社 石川県白山市三宮町
崇神天皇年間 龍田大社 奈良県生駒郡三郷町
垂仁天皇元年 鷲宮神社 埼玉県久喜市
垂仁天皇3年 倭文神社 群馬県伊勢崎市
垂仁天皇3年 富士山本宮浅間大社 静岡県富士宮市
垂仁天皇8年 浅間神社 山梨県笛吹市
垂仁天皇26年 神宮 三重県伊勢市
垂仁天皇27年 椿大神社 三重県鈴鹿市
垂仁天皇27年 大縣神社 愛知県犬山市
垂仁天皇年間 川勾神社 神奈川県中郡二宮町
景行天皇以降
景行天皇年間以前 小物忌神社 山形県酒田市
景行天皇14年 伊奈波神社 岐阜県岐阜市
景行天皇40年 姉埼神社 千葉県市原市
景行天皇40年 橘樹神社 千葉県茂原市
景行天皇41年 宝登山神社 埼玉県秩父郡
景行天皇41年 大國魂神社 東京都府中市


以下省略して明治時代へとびます。
中間は、http://www.buccyake-kojiki.com/archives/1022563363.html に出ています。

明治時代以降
明治元年 新潟縣護國神社 新潟県新潟市中央区
明治元年 広島護国神社 広島県広島市中区
明治元年 白峯神宮 京都府京都市上京区
明治2年 靖国神社 東京都千代田区
明治2年 北海道神宮 北海道札幌市中央区
明治2年 鎌倉宮 神奈川県鎌倉市
明治3年 伊勢山皇大神宮 神奈川県横浜市
明治4年 加藤神社 熊本県熊本市
明治5年 湊川神社 兵庫県神戸市中央区
明治5年 井伊谷宮 静岡県浜松市北区
明治6年 尾山神社 石川県金沢市
明治8年 大分縣護國神社 大分県大分市
明治13年 東京大神宮 東京都千代田区
明治17年 八代宮 熊本県八代市
明治23年 橿原神宮 奈良県橿原市
明治23年 金崎宮 福井県敦賀市
明治25年 吉野神宮 奈良県吉野郡吉野町
明治27年 報徳二宮神社 神奈川県小田原市
明治28年 平安神宮 京都府京都市左京区
大正9年 明治神宮 東京都渋谷区
昭和15年 橘神社 長崎県雲仙市
昭和15年 近江神宮 滋賀県大津市
昭和15年 南洋神社 パラオ共和国コロール町アルミズ高地