後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「埼玉県、野火止の森の新緑風景をお楽しみ下さい」

2019年05月06日 | 写真
埼玉県の新座市には野火止という不思議な名前の土地があります。平林寺という古刹がある場所ですが、その周囲は畑作の田園です。その畑の所々に大きな森が散在しております。
新緑が綺麗な大木が沢山繁っております。
今日は曇り日ですが写真を撮って来ました。
どうぞ野火止の森の新緑風景をお楽しみ下さい。









安倍総理は憲法改正が出来るか否か?

2019年05月06日 | 日記・エッセイ・コラム
安倍総理が2012年に総理大臣に就任してからもう7年になります。
頻繁に外国に行って各国の大統領や首相と会談してよく働いていることは偉いです。
しかし北朝鮮の拉致問題は一向に解決しない上、ロシアからの北方4島返還も全く不可能です。ロシアとの平和条約も出来ません。
残念ながら外交上の大きな成果を挙げていないのです。
それでは国内政治で大きな功績を挙げたでしょうか?

今日は安倍総理が就任以来、何度も繰り返し主張している憲法改正の問題を取り上げてみようと思います。
結論を先に言えば意外に強い世論の抵抗にあい、憲法改正が遅々として進んでいないのです。
憲法改正を早急に進めれば自民党の議員数が次の選挙で減ることを示唆する世論調査の結果が出ているのです。これでは安倍総理が逡巡せざるを得ません。
それでは最近のNHKによる世論調査の結果を少し詳しく見てみましょう。
NHKは、2019年1月12日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは2166人で、56%にあたる1206人から回答を得ました。
調査結果の詳細は、 https://www3.nhk.or.jp/news/special/kenpou70/yoron-ent.html に出ています。以下はその抜粋です。

1番目の図は2019年の調査結果です。
安倍総理大臣は、2020年を新しい憲法が施行される年にしたいとして、憲法改正に意欲を示しています。国会での憲法改正に向けた議論について、「早く進めるべき」が23%、「急いで進める必要はない」が50%、「憲法改正の議論をする必要はない」が14%でした。

2番目の図は2018年の調査結果です。
国会で憲法改正に向けた議論を早く進めるべきかどうか聞いたところ、 「早く進めるべき」が17%、「急いで進める必要はない」が50%、「どちらともいえない」が24%でした。
2018年の調査では「早く進めるべき」が17%でしたが、2019年には23%と増加しています。
しかし2018年も2019年も「急いで進める必要はない」が同じ50%もあったのです。その上2019年には「急いで進める必要はない」の50%と「憲法改正の議論をする必要はない」の14%を合計すると64%になるのです。
世論は明確に急ぐなと言っているのです。

3番目の図は臨時国会に自民党の憲法改正案を提出すべきか否かを聞いた結果です。
安倍総理大臣は国会に自民党の憲法改正案を提出できるよう党内議論を加速させたい考えを示しています。これについて聞いたところ、「提出すべき」が17%、「提出する必要はない」が36%、「どちらともいえない」が38%でした。「提出する必要はない」が36%もあったのです。

4番目の図は安倍内閣が、今後、最も力を入れて取り組むべき課題を示しています。
結果は「社会保障」が28%、「経済政策」が20%、「地方活性化」が14%、「外交・安全保障」と「防災対策」が11%、「憲法改正」が6%で最下位なのです。世論は明確に急ぐなと言っているのです。

5番目の図は2018年9月の政治意識月例調査の結果です。
3番目の調査結果とほぼ同じ結果です。世論は明確に急ぐなと言っているのです。

安倍総理が急いでいるのに世論は急ぐなと言っているのは何故でしょうか?
理由は憲法改正で憲法9条が削除され平和憲法でなくなる恐れがあるからです。
憲法9条を示します。
第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
  国の交戦権は、これを認めない。

日本が戦後74年間平和だったのはこの9条のお陰だと信じている国民が多いのです。
ですから憲法改正で戦争が起きる可能性が増大すると考える人が多いのです。世論調査結果はこのことを示唆しています。
一方、日本が戦後74年間平和だったのはアメリカ軍が日本の各地に基地を持ち日本全土を守っていたからだと考える人も多いのです。
この9条に関する世論調査結果は次のようになっています。
憲法9条への自衛隊の明記について、どうすべきだと思うか聞いたところ、◇「9条2項を維持して、自衛隊の存在を追記する」が16%、◇「9条2項を削除して、自衛隊の目的などを明確にする」が30%、◇「憲法9条を変える必要はない」が38%でした。
驚くべきことに「憲法9条を変える必要はない」が38%もあったのです。
強力な自衛隊の存在は明らかに「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」に矛盾しているのです。
矛盾しているのにこの2項を永久に保持しようとしているのは日本人の言霊信仰にあると思います。
現実に合致していなくても「祈りの言葉」として保存したいのです。戦争中の「神州不滅」という言葉と同じです。祈りの言葉なのです。これも言霊信仰の一つなのでしょう。

私の改正案です。
第九条【戦争放棄と自衛のための軍備】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。ただし自衛のための武力行使はこの限りではない。
2 前項の自衛のための武力行使目的を達するため、陸海空軍その他の戦力を保持する。
  
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)