goo blog サービス終了のお知らせ 

後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

荒々しくて圧倒的な森の写真です。

2013年05月25日 | 写真

山梨県の西端の甲斐駒山麓の小屋に行くたびに、その周りの森が荒々しく圧倒的なので人間の小ささや弱さを強く感じます。

そしてその森に押しつぶされそうになっている白い小さな小屋に泊まっていると森の精霊たちが遊びに来るような気分になります。

木々はすべて植物なのでその精霊たちはやさしく、大らかな感じです。

そんな感じを写真に撮ろうとしたのが以下の写真です。森の偉大さをご想像して頂ければ嬉しく思います。

Img_7052

Img_7056

Img_7067

Img_7083


総合文芸誌、「岩漿」第21号のご紹介です

2013年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 小生の友人に木内光夫さんという人がいます。伊豆の伊東市に住んでいて、岩漿文学会のお世話をしています。筆名は馬場 駿といいます。毎号、力作の小説を掲載しています。

今年、発行の21号では、短編「雪積む樒」という小説を発表しています。

貧困だった生い立ちを自分の母を主人公にした感動的な話でした。

昨夜、読み始めましたが、面白くなってつい最後まで読んでしまいました。

母親の深い情愛と破天荒な生き方が描き出されていて、しかもストーリー展開が面白いのです。小説はやっぱりストーリーが面白いことが一番重要だと改めて知りました。

それも含めて、「岩漿」第21号の目次を以下に示します。

この案内の出典は、http://www.geocities.jp/hiwaki1/doujin/kakushi/gansyou.htmです。

ご覧頂ければ幸いです。

 がんしょう

第21号 平成25年04月30日発行
      巻頭詩「明日」小山修一
      評論「茂吉と忠」桜井祥行
      巻頭小説「八重桜」椎葉乙虫
ひろば「地震の話」桜井祥行
          「今時」近藤満丸
          「運が悪いドラマ」岩越孝治
          「ばぁばの」高橋孝子
        埋め草「ジイソブ」(ム)
          「何故か、の姿勢」馬場駿
          「あとのまつり」日吉睦子
      詩・えびね蘭坊の世界
         「いなくなる」・「蚊と人間と創造主の関係」
         「ふつう」・「大工の話」
エッセイ「巣立ち」高橋孝子
詩「未来を食らう」小山修一
        「富士山と大室山」小山修一

=================

岩漿文学会について、

主な活動地域:静岡県伊東市を中心にほぼ全国に会員が散らばっています。

掲載ジャンル:小説を中心にして、詩、随筆、はては童話まで取り込んでいます。小説部門の総頁に対する割合は80~90%。

創刊年月日:平成9年7月16日

発行:年1回。

団体名 岩漿文学会

会員数:最高会員数50名、会員数32名(2012年7月現在)
     発行部数は各号300部

事務局:深水一翠・桂川ほたる

発行所:岩漿文学会

発行人:小山修一

連絡先:〒414-0031 静岡県伊東市湯田町7-12リバーサイドヒグチ306 木内方
       岩漿文学会編集部
      電話・FAX 0557-38-7526
      メールはこちらへ

参加方法:年会費3000円
       自作掲載時に頁割負担金1ページ当り1000円・投稿1ページ当り2000円。
       ただし編集部が「招待作品」とした場合は無料。

定価:1冊600円 (印刷製本単価平均1200円ほど)

入手方法:編集部へのメールまたは文書での注文
       伊東市のサガミヤ書店各支店で取扱いあります。

124551023_141n1

この岩漿の写真の出典は、http://www.google.co.jp/search?q=%E5%B2%A9%E6%BC%BF&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=1ESgUfvGEcfMkwWZ-YGQCA&ved=0CEAQsAQ&biw=831&bih=495 です。

随筆「茶色い迷いわんこ」桂川ほたる
短編「雪積む樒」馬場駿
        埋め草「雑感」(い)
      岩漿ライブラリー 編集部
      小説・小品「ルーツ」・小さな遺品 深水一翠
        埋め草「或る子猫の死」(み)
      小説「姉貴気取り」岩越孝治

      「作家と作品紹介」編集部
      編集後記 深水一翠
      規程

      題字/秋藤俊
      表紙・扉・目次カット/近藤満丸


透明で、そして淋しい須賀敦子の文章世界

2013年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_7069

先日の夜、上の写真のような森の中の小屋で文芸春秋、6月号を読んでいました。その340ページに高樹のぶ子という作家が須賀敦子のことを書いていました。

1998年に亡くなってから15年になりますが、私は須賀敦子の「コルシア書店の仲間たち」という本を読んだ時の感動を絶対に忘れません。

そんな思い出があったので、高樹のぶ子の批評を丁寧に読みました。

須賀敦子の文章は「心の旅路」を辿っていて、読む人に穏やかな諦観を感じさせると評しています。そして彼女が自信を失ったとき須賀敦子の「トリエステの坂道」の中の文章を読むそうです。すると感謝の気持ちがわいてきて静かな呼吸に戻ることが出来るそうです。

私は15年前に「コルシア書店の仲間たち」を読んで以来、その文章の透明感と淋しさを時々思い出しています。その他の作品も読みましたが清冽な文章と孤独な雰囲気はみな同じでした。作品には淋しいとは一切書いてありません。しかし何故か読者に寂しさを感じさせるのです。ヒョッとしたら作者自身が孤独で淋しい人生を送ったのでしょうか。

しかし須賀敦子は芦屋の裕福な家で育ち、聖心女子大に学び、パリへ留学し、イタリアの神学に興味を持ち、ミラノに定住し、ペッピーノというイタリア人と結婚したのです。そのミラノにあったコルシア書店で多くの仲間と知り合って、その事を書いたのが「コルシア書店の仲間たち」だったのです。

夫、ペッピーノは若くして亡くなったので日本に戻り、いろいろな大学でイタリア語やイタリア文学を教えていました。晩年になってから書いた「コルシア書店の仲間たち」が評判になり数々の作品が出版されました。そして69歳で亡くなります。

彼女の人生は華やかで知的に輝いていたのです。決して淋しい人生ではないのです。

私は彼女の作品にある特徴を考えています。

カトリックの信者だったのにキリスト教のことは一切書いてありません。

イタリアで結婚したのに新婚生活の楽しさもあまり見当たりません。

不思議な人です。

日本では大学の講師をしながら、何時もイタリア製の高級な洋服を着て、高価な車に乗っていたそうです。そして若い男性達を引き連れて遊んでいたそうです。心が満たされなっかのでしょうか?淋しかったのでしょうか?

しかし須賀敦子の文章にはそんな遊びの話は一切書いていません。

知的に輝けば輝くほど淋しかったのです。遊べば遊ぶほど淋しかったのです。

彼女はその淋しさを描きませんでした。ただ読む人が感じるだけです。

須賀敦子はただ一つ、「こうちゃん」という童話を書きました。それは暗くて悲しいような童話です。彼女の心象風景を書いたものと私は感じています。

彼女が亡くなってから15年。もう忘れられた作家と思っていましたら文芸春秋、6月号に高樹のぶ子さんがその文章の魅力を書いていました。同感です。嬉しくなって私の感じ方も書いてみました。

下に、夫と共にイタリアの古い建物の前に立っている彼女の写真を示します。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

Sugabep1

出典は、http://www.google.co.jp/search?q=%E9%A0%88%E8%B3%80%E6%95%A6%E5%AD%90&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=OfifUcakFOeoiAfvr4HoCg&sqi=2&ved=0CEEQsAQ&biw=831&bih=495#facrc=_&imgrc=yu_rB17u83KNdM%3A%3BIIAEW3aXIkVxCM%3Bhttp%253A%252F%252Fpweb.sophia.ac.jp%252Fs-yamaoka%252Fsuga-bep.jpg%3Bhttp%253A%252F%252Fpweb.sophia.ac.jp%252Fs-yamaoka%252Fsub16.htm%3B389%3B393です。