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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

満州開拓事業として送りこまれた農民8万人の慰霊碑・・・われわれは決して忘れない

2013年05月08日 | 日記・エッセイ・コラム

満州の開拓を推進するための国策として昭和7年より延べ30万人の農民が開拓義勇隊として送り込まれたのです。

そして昭和20年8の月の突如としたソ連軍の侵攻によって、8万人の開拓義勇隊の農民が満州の土になったのです。

お墓はありません。線香も花も供えることが出来ません。

生きて祖国の土を踏んだ人々と犠牲者の遺族が中心になって犠牲者の霊を祀る記念碑を作ったのです。

多摩川をはるかに見下ろす丘の上に「拓魂」と彫られた慰霊碑です。

そしてそれを取り囲んで全国の地方ごとの開拓義勇隊の慰霊碑がずらりと並んでいるのです。

今日、桜ヶ丘公園を散策しているとき偶然に発見しました。

国策として満蒙開拓に送られ、ソ連軍のために死んだ日本の農民8万人のことを、私は決して忘れませんでした。

ですから、そのお墓に代わる慰霊碑を発見し、私の心は動揺しました。

非業の死を遂げた8万人の悲痛な叫びが聞こえるようです。しかしその慰霊碑が存在し、碑の前には花と水が供えてあったのです。かすかに安堵しました。

この開拓民の慰霊墓苑は東京都の公園関連予算で綺麗に管理しているようです。

丁度、都立桜ヶ丘公園管理事務所と書いた軽トラックが来ていて、植木職人が境内の樹木の剪定作業をしていました。

われわれ日本人は、満蒙開拓のため鍬だけを背負って日本を出発し、紅い夕陽の荒野に散ってしまった人々のことを決して忘れません。

靖国神社だけに参拝する偉い政治家が、たまにはこの「拓魂碑」の前に来て頭を下げて頂きたいと思いながら、下に示す写真を撮って来ました。合掌。

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国策として満蒙開拓に送らた農民8万人の慰霊苑の全体です。奥に「拓魂」と刻んだ慰霊碑があり、その両脇に全国の開拓農民の出身地別の慰霊碑がずらりと並んでいます。

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上は東京都知事だった安井 謙 氏による説明文です。

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上は拓魂と刻んだ慰霊碑です。花と水が供えてあります。

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上が全国の地方ごとの開拓義勇隊の慰霊碑です。

この慰霊苑の存在を皆様に知って頂きたいと思い、ご紹介した次第です。

詳しくは、http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/0815-manmou-sakuragaoka.htmをご覧下さい。

なお満蒙開拓国策事業については、http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/0815-manmou-his.htmをご覧ください。


国際関係で正義を主張する愚かさと不幸・・・正しい歴史認識とは?

2013年05月08日 | 日記・エッセイ・コラム

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韓国の朴大統領は繰り返して「日本政府は正しい歴史認識を持ちなさい」と主張しています。

歴史認識とは 過去に起きた国際関係をどのように理解し、自分を正当化するか、または反省するかと定義してみましょう。それは個人個人の受けた教育や職業や家族関係などが深く影響している想念なので一人一人違うのが普通です。

ですから以下の文章を読んで感情的な反発の心が起きたなら、上の風景写真をみて心を静めて下さい。

日本が朝鮮という異文化を持った国を領有し日本の領土にしたことは紛れもない歴史的事実です。それは1910年から1945年までの35年間続きました。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BD%B5%E5%90%88

この朝鮮併合が正しかったか、あるいは悪かったか、あなたはどのように感じていますか?感じ方を問題にしていますので、個人個人によって千差万別の答えになるのが自然です。

いきなり私の感じ方を書く前に、過去500年にわたる欧米諸国の植民地支配の歴史を考えてみましょう。

それはスペイン、ポルトガルによるアジア進出と植民地獲得競争から始まりました。

スペイン、ポルトガルは南米を、英国とフランスは北米を、そしてオランダはインドネシアをフランスはベトナム、ラオス、カンボジアを植民地にしました。

そして極めつけはイギリスです。ボルネオ、マレー半島、シンガポール、香港、そしてインド全域を自国の植民地にし、過酷な収奪をしたのです。それは紛れもない歴史的な事実です。

その欧米の植民地支配の悪に敢然として立ち上がったのが大日本帝国なのです。アジアを植民地支配から解放するという正義の戦争、大東亜戦争を起こしたのです。日本は戦争に完膚なきまでに敗れましたが、アジア諸国の独立のキッカケを作ったことは正しい歴史的事実です。

さて韓国の朴大統領が問題にしている「正しい歴史認識」とは何でしょうか?

それは1910年に大日本帝国が大韓帝国を併合して、35年間領有したことは悪行だったと認識しなさいと求めているのです。謝罪しろとか賠償をくれと言ってはいないようです。

それに対して多くの日本人はアジアの解放という大きな善行をしたのだから小さな悪は許すのが当たり前だ。それをいつまでもクドクドと日本を非難する韓国人が憎いと感じています。

強大な欧米と戦うのですから朝鮮を併合して国力をつけなければアジア全域の解放は出来ません。ですから日本には正義があったのです。

その上、朝鮮併合によって朝鮮半島の人々の生活が格段に良くなったではありませんか。だから日本は感謝されなければなりません。日本は正しかったのです。

このような議論があることを私は充分過ぎるくらい知っています。

しかしまず基本的な問題ですが、「正義」というものは、それを主張する人の立場によって変わるものなのです。ですから国際関係を論ずるとき正義を問題にしてはいけません。それはまったく愚かなことなのです。

そして自分の国の正義を主張すれば相手の国が悪になります。

正義の主張は悪を滅ぼしたいという誘惑につながりやすいのです。

戦争や争いの原因になりやすいのです。

正義を主張している人の心はイライラしています。何せ相手が自分の正義を認めないのですから、イライラします。

心が平穏になりません。平和な気持ちになりません。それは不幸な状態です。

ヨーロッパ人が世界中を植民地にするという大きな悪をしたのだから、日本が小さな朝鮮半島くらいを併合しても良いという主張を知っています。

しかしそれは間違っていると私は感じています。勿論、植民地主義のヨロッパ人は全て悪ですがそれで朝鮮併合は正当化されないのです。

謝罪するか否かは別問題です。

こういう感じ方を私個人は大切にしたいと思っています。

朴大統領の発言を注意深く見ていると、彼女は決して「朝鮮人の強制連行」や「独立運動弾圧」や「従軍慰安婦」のような見方によってはどうにでもなる具体的な問題に言及しません。賢いのです。日本にとって手強い相手です。昨日の朴大統領とオバマ大統領の共同記者会見を見て感じたことを記しました。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)