山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南アルプスの林道を探索  令和4年9月21日

2022年09月22日 | 山に咲く花
 台風が去った直後で林道に入れるかどうかが心配だったが、通行止めにはなっていないようである。まだ歩いたことが無い南アルプスの林道に花仲間とともに探索に入ってみる。


    ママコナの仲間が咲いている。


    花を見てみると下唇の基部寄りに黄色い斑点が付いている。これはシコクママコナであろう。


    群生していたシコクママコナ


    林道脇に群生して紫色に彩っていたセキヤノアキチョウジ


    セキヤノアキチョウジの花


    同じく紫色に彩っていたこの花


    コウシンヤマハッカであろう。イヌヤマハッカとの区別が難しい。


    薄紫色の清楚な花ノコンギク


    林道脇の岩壁にたくさんぶら下がっていたこの花


    イワシャジン。葉が細くて萼片が細くて反り返っており、ホウオウシャジンにそっくりである。


    この林道では普通に見かけたこのピンク色の花


    コシオガマ。半寄生植物らしいが、何に寄生しているのだろうか?


    大きく口を開いているコシオガマの花


    ピンク色鮮やかなゲンノショウコの花


    この林道では普通に見かけるこのアザミ


    ホウキアザミと思われる。ホソエノアザミとの区別が難しい。


    ヤクシソウと思われるが、葉の形がちょっと感じが違う。


    葉の切れ込みが大きく、ハナヤクシソウと呼ばれるタイプではないかと思う。


    ダイモンジソウが満開になっていた。


    似ているがちょっと違う花が咲いている。


    こちらはジンジソウ。


    ほとんどがイワアカバナだったがそれとは違うアカバナが生えていた。葉が細くて花が小さい。これはトダイアカバナであろう。


    結実して紅葉しているトダイアカバナ


    赤い実を付けているヤマホロシ。たくさんあった。


    こんなツルが生えているとは驚き。まだ咲いていないがこれはホソバツルリンドウであろう。


    もうすぐ咲きそうなホソバツルリンドウ


    探していたのはこの花である。もうほとんど結実していて先端に少し花が残っているだけである。


    クワガタソウに似たこの花は滅多にお目にかかれないキタダケトラノオである。


    結実した実


    葉は対生し、形は二等辺三角形状で鋸歯があり、短い葉柄がある。


    林道脇を探しながら歩いてみると他にも生育していた。


    花は終わりかけだが見られただけでもラッキーである。


    感動の出合いだったキタダケトラノオ

 5時間ほど林道を歩いたが、様々な花に出会えて素晴らしい探索が出来たと思う。キタダケトラノオだけでなく驚きのホソバツルリンドウやトダイハハコにも出会えた。このような花が咲くのはおそらく石灰岩が混じった地層なのではないかと思う。来年は満開のキタダケトラノオに会いに来てみたい。

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ミズオオバコを再訪 そこにはチョウジタデも咲いていた  令和4年9月17日

2022年09月19日 | 里に咲く花
 日没までには時間があったので、南部町の帰りにミズオオバコの咲く場所を再訪してみた。もうすぐ稲刈りが始まってしまうであろうが、そうすると田の水が抜かれてしまい観察できなくなってしまう。まだ大丈夫だと思う。


    まだ水が抜かれずに咲き残っていたミズオオバコ


    ピンク色の花が咲いているがデジタルカメラで撮影すると上品なピンク色が消えてしまう。


    ミズオオバコの花と葉。水中に生えている藻はホッスモないしはイトトリゲモではないかと思う。


    水中に沈んだミズオオバコの葉


    良く見てみると結実した種が付いていた。


    水が抜かれてミズオオバコの全体が露出している場所があった。


    葉が露出したミズオオバコ


    こんなにたくさん生育しているとは、感激である。


    キジカクシが咲き残っていた。


    田んぼの畔にはこんな花が咲いていた。


    何ヶ所かで見てきたウスゲチョウジタデに比べるとひと回り花が小さい。


    花弁の隙間が広く花が小さい。これはなかなか見つからなかったチョウジタデであろう。


    マクロ接写しトリーミング。花床が見えにくいが毛は生えて無さそうである。


    別株を角度を変えて撮影。やはり毛は見えない。


    決定的なのは花が散った後の花床であろう。毛が生えておらずツルツルである。


    結実した鞘を見てみると、中の種の凹凸がはっきりと見えてデコボコしている。これはチョウジタデで間違いない。


    別の場所には見慣れているウスゲチョウジタデと思わしき花が咲いていた。


    幸運なことに花が残っている。花の大きさは先ほどのチョウジタデよりひと回り大きい。


    花弁が円形で幅広く、花弁どおしの隙間が狭い。


    花床を見てみると毛が生えている。


    花弁が散った後の花床を見ても明らかに毛が生えている。


    結実した鞘を見てみると、種の凹凸がわずかであまりデコボコしていない。これはウスゲチョウジタデで間違いないだろう。

 ミズオオバコがたくさん咲いているのに感動したが、まさかのチョウジタデとウスゲチョウジタデの両方が観察できるとは思ってもいなかった。今シーズンでなんとか片付けたいと思っていた2種類の区別であるが、これでほぼ決着である。花の大きさがだいぶ違うことと結実した鞘の凹凸の違いがあるので、今後はおそらく容易に見分けられるのではないかと思う。ウスゲチョウジタデは山梨県絶滅危惧DD(調査不足)種になっているが、意外とたくさんあるのではないかと思えてきた。


    何だか分からなかったこの草はウチワゼニクサ(セリ科チドメグサ属)という植物のようだ。7月ごろにセリのような花を咲かせるらしい。

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南部町の渓谷に咲くスルガジョウロウホトトギス探索  令和4年9月17日

2022年09月18日 | 渓谷
 9月の3連休後半は台風が通過しそうなので、その前に毎年恒例のスルガジョウロウホトトギスを見に行ってみる。今回訪問するのは昨年発見されたいつもとは違う渓谷の中に咲くスルガジョウロウホトトギスである。ルートが無い急峻な谷で人が入らないためにずっと生育が知られていなかったようである。念のためザイルを携帯し、細心の注意を払って谷に入ってみる。


    登山道脇に生えていたヒカゲノカズラ


    昨年発見した時はエゾヒカゲノカズラだと思ったのだが、今回見ると胞子穂に柄が付いており、ヒカゲノカズラと思われる。


    流れ落ちる滝の下に到着。


    岩壁を念入りに探すと、黄色い花がぶら下がっている。


    スルガジョウロウホトトギス発見


    昨年よりも花付きが悪く、個体数も少ないように見える。


    核心部の谷に入る。まだ蕾のスルガジョウロウホトトギス。夏の暑さに負けたか、葉が傷んでいる個体が多い。


    こちらは満開の花


    岩壁からぶら下がる姿がなんとも谷の雰囲気にマッチしていて美しい。


    登山道に戻ってさらに上部を探索してみる。


    標高1,000mを越える谷ではスルガジョウロウホトトギスは見つからない。


    渓谷に咲いていたホトトギス


    イワシャジンは咲き始めたばかりだった。

 こちらの谷に生育するスルガジョウロウホトトギスは個体数が少なく群生している岩壁は見当たらず、点々と咲いている感じである。急峻な谷だけにあまり安定している岩壁とは言い難く、脱落してしまった個体もあるようである。今後も咲き続けて欲しい貴重な花である。

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ミズアオイがピンチ!  令和4年9月16日

2022年09月18日 | 番外編
 本日は1日甲府市の某事業所に出張であるが、1時間ほど昼休みがあったため近傍の河川敷を見に行ってみた。するとその場所は数日前に散策したばかりの濁川河川敷で、草刈りされて何も無い場所だった。別ルートから来たので同じ場所に来ているとは思わなかった。ちょうどウキアゼナと思わしき水草をもう一度観察しておきたいと思っていたのでちょうど良い。田んぼの中の湿地に行ってみる。


    道路脇にスミレの葉がたくさん。これはヒカゲスミレか?


    側溝からあふれ出ているガマ


    ウスゲチョウジタデらしき花をもう一度調べてみる。


    しっかり花が咲いている。


    花床のところには毛が生えている。


    別の花


    花が散った後の花床にもしっかりと毛が生えている。


    結実した鞘は少し毛が生えていて種の突出が目立たない。これはウスゲチョウジタデで間違いない。


    シャジクモであろう。胞子嚢が見える。


    ウキアゼナと思わしき花
    

    一部を採取して調べる。葉に切れ込みが無い。


    裏側に浮き袋があると思ったのだがはっきりしない。葉全体が肉厚で空気を含んでいるように見える。

 もう少し観察したいところだったがあっという間に昼休みは終わってしまい、仕事に戻る。午後4時ごろに仕事が終わり、日没まで少し時間があったのでミズアオイを再訪してみる。現地に行ってあっとびっくりである。あれほど茂っていたミズアオイが無くなっているではないか。


    ミズアオイとヒシがたくさん生えていた河川だが、大規模な河川清掃が行われて何も無くなってしまっていた。


    対岸にあったミズアオイがほとんど無くなっている。


    わずかに残っていたミズアオイの葉


    咲き残った花


    わずかに残ったミズアオイとヒシ


    生き残ったヒシ。花が咲いている。


    昨年河川清掃が行われた場所は今年は行われていないようである。


    こちらにはあまりミズアオイは多くは生育していない。


    来年はどうなってしまうのだろうか?

 ミズアオイとヒシはいずれも1年草で、前年に結実した種で花を咲かせる。今回の様子から見るとおそらく結実して種を飛ばす前に河川清掃が行われたようである。これは2種類の植物にとっては大打撃になるであろう。来年しっかりと咲いてくれることを祈るばかりである。

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甲府市濁川および近傍を探索  令和4年9月14日

2022年09月17日 | 水辺に咲く花
 本日は午後から甲府市内で仕事だったのだが、想定外に早く仕事が終わった。先日チョウジタデを探しに行ったが河川敷清掃が行われて発見出来なかった濁川およびその周辺の再探索に行ってみる。


    まずは前回訪問した河川の1本隣の河川敷を散策してみる。ここは草が刈られていない。


    ガマがたくさん茂っている。


    チョウジタデを探すが生えていたのはアメリカミズキンバイ


    黄色い花を見かけるがこのコセンダングサばかり。


    オナモミの仲間が生えていた。山中湖の湖畔で見るものよりもだいぶ大きく葉が切れ込んでいる。これはオオオナモミであろう。


    果胞は細長い。

 草が刈られていないこの河川敷ならばチョウジタデが生えているだろうと思ったのだが、残念ながら発見出来なかった。隣の濁川に移動して今度は前回よりも下流部を探索してみる。


    曼珠沙華が咲いている。前回探索したのは向こうに見える橋よりも上流部だった。


    今回は下流部を探索してみるが、同じように河川敷清掃が行われていて何も残っていない。


    川の中に群生していたホテイアオイ。花は見当たらない。


    ずっと下流まで刈られていて期待できそうもない。綺麗になったのは良いが、何か虚しさを感じる。

 河川敷は綺麗に草刈りが施され過ぎており植物は期待できない。堰堤から下りて田んぼの周辺を散策してみると、溜池のようになったところに水草が茂っていた。


    田んぼの脇の溜池のような場所に水草がたくさん茂っている。花は咲いていないがたぶんこれはコナギであろう。


    コナギの群生


    その隙間に小さな白い花を付けた水草がある。


    トチカガミかと思ったのだが葉に切れ込みが無くちょっと違う。ネットで調べてみると、これはウキアゼナではないかと思う。


    その周辺に生えていた藻を採取して調べてみる。


    小さな種(胞子嚢)がたくさん付いている。これはシャジクモであろう。


    田んぼの草むらに生えているチョウジタデらしきものを発見。


    もう夕方なので花は散ってしまっている。


    位置が悪くて接写できないため、一部を採取して調べてみる。花床に毛が生えているようである。


    やはりしっかりと毛が生えている。


    結実したものを調べてみると、表面に短毛があり種の凹凸が目立たない。これはウスゲチョウジタデであろう。

 チョウジタデを期待していたのだが今回発見したものもおそらくウスゲチョウジタデであろう。意外と見つからないチョウジタデは観察に難航している。トチカガミに似た花は外来種のアマゾントチカガミかと思ったのだが、どうやらウキアゼナ(ゴマノハグサ科)という植物のようである。あまり良く知らない花だったので観察が不十分だったことは否めない。

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河口湖の湖畔を探索  令和4年9月13日

2022年09月17日 | 水辺に咲く花
 富士吉田市に出張があり、午前中で仕事を終えた。午後からあまり歩いたことが無い河口湖の西側を探索してみることにする。


    最初の湖畔。草地の中を歩いてみる。


    湖のほとりでは普通に見かけるイヌゴマ


    ミヤコグサも結構見かける。


    メドハギと思われる。


    ナンバンハコベが固まって咲いていた。


    結実しかけたナンバンハコベの花


    次の場所は釣り人が多く訪れる場所のようだ。3~4人の釣り人と出会った。


    これは水草なのか?


    色が真っ赤で葉が見当たらない。ネットで調べたが正体不明。


    3ヶ所目は船着き場になっていてやや急深の場所。


    水草が打ち上がっている。


    ほぐして調べてみる。上からナガホノフサモ、エビモ、イバラモであろう。おそらく湖ではポピュラーな水草たち。


    4ヶ所目はやや急深になっている入り江。


    水草が見えるが反射して見えにくい。


    水面に花穂が出ており、これはナガエノフサモであろう。


    5ヶ所目はやや遠浅になって草地が広がっている穏やかな入り江


    葦が茂っている。渇水期にはこの場所でスジヌマハリイやサンカクイを見ているが水没していて見えない。


    この場所にはマメダオシが生育していた。


    草にからみ付いたマメダオシ


    まだ若い花が咲き残っていた。


    結実した頃に中央に窪みがあるのがマメダオシの特徴らしい。

 期待していたのは最後の場所で見つかったマメダオシと、もうひとつはミソハギだったのだが、ミソハギは見つからなかった。自生のミソハギはかなり少ないのではないかと思う。マメダオシは草地の場所を好むのだが、多くは緩くて穏やかな入り江に生育しているようである。この植物は湖の流れに乗って拡散して穏やかな入り江に漂着して増殖しているのではないかと推察している。

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月と木星が接近した夕富士 朝霧高原  令和4年9月11日

2022年09月16日 | 月富士
 未明から1日中あちらこちらを散策して歩き、いよいよ本日の最後の目的地となる朝霧高原である。日中の一時だけ雲に隠れたが、朝から富士山が見えており、この日は絶好の撮影日和となった。夕暮れの頃には雲が晴れて夕映えの富士山が姿を現してくれた。本日は十六夜の月と木星が接近して東の空に昇って来る日である。少し変わった写真を撮ってやろうと、富士山剣ヶ峰から月を昇らせて割れる月光ダイヤモンド富士と木星を撮影しようと目論んだ。GPSに4ヶ所座標を登録しておいてその場所に向かうのだが、木が邪魔して展望が無かったり、私有地で立ち入りが禁止されていたり、夜間立ち入り禁止だったりと、いずれの場所も撮影可能な場所では無かった。あきらめてカメラマンがたくさん集まっている富士宮道路沿いでカメラを構えることにする。1時間以上時間をロスしてしまい、月の出のギリギリの時間となってしまったが、撮影スペースは十分に空いていた。カメラ2台を持って行ったのだが、1台をセットして試し撮りしているうちに月が現れてしまい、1台しかセットが間に合わなかった。


    朝霧高原の県境付近で日没を迎える。夕焼けの赤富士が姿を見せてくれた。


    残照の富士山


    撮影場所を探して1時間以上時間をロスしてしまった。1台セットして試し撮り。


    木星のトリーミング画像。木星の衛星が4つ見えている。


    数カット試し撮りしたところで月が現れてしまう。なんとか撮影には間に合った。


    富士山頂に現れた十六夜の月と木星


    あっという間に明る過ぎる月が昇って来る。


    十六夜の月は明る過ぎて富士山の形が消えてしまう。


    明るさを月に合わせると富士山は全く見えない。


    十六夜の月は昇り始める時間が日没の約2時間後になるため、どうしても富士山との輝度の差が大きくこのような写真になってしまう。

 狙っていたのは山頂に月が昇り始める一瞬の月光ダイヤモンド富士である。カメラのセットがまだ不十分なうちに月が現れてしまったが、それなりの狙っていた画像が撮れたかと思う。長い1日はこれにて終了、眠気と闘いながら自宅に帰った。

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西湖の草地を探索  令和4年9月11日

2022年09月15日 | 里に咲く花
 西湖は周辺の大部分が崖のような土と岩の斜面か、あるいは護岸工事が施されていて草地になっている場所が少ない。そのため湖畔にはあまり目ぼしい植物が見当たらないのだが、1ヶ所だけ大きな草むらがあり以前から探索に入ってみようと注目していた場所がある。ひょっとしてその草地にはミソハギが生育しているのではないかと思っている。日没までにはまだ時間があったので立ち寄ってみることにする。


    大きな草地が広がっている西湖のほとり


    コウヤワラビの群落がある。


    胞子穂を出しているコウヤワラビ


    これはハッカか?


    草地の中に下りてみる。ススキと葦の草むらが広がる。


    西湖のほとりに下り立ってみる。環境的にはミソハギがあってもおかしくないところだが、残念ながら生育していなかった。


    水草が生えているが近付けない。


    こっちにはコイル状の茎(?)を伸ばしている水草が生えている。何だか分からない。


    これはコカナダモか?


    花穂が水面に飛び出している。


    トリーミング画像。これはエビモの花穂か?


    水際に生えていた水草


    抜いて調べてみる。たぶんこれはエビモであろう。


    オオイヌタデの群生


    触ってみると茎に稜があり、これはスジヌマハリイと思われる。

 期待していた西湖の草地であったが、残念ながら目ぼしい植物は発見出来なかった。もう1ヶ所川が合流して来る草地があるはずだ。機会があれば探索してみたいと思う。

 さて、夕方まであちらこちらを巡り歩いてだいぶ疲れたが、最後の仕上げがこれから向かう朝霧高原である。朝は富士山に沈む月だったが、今度は富士山に昇って来る月である。今度の月は木星とかなり接近していて狙い目である。本日最後の目的地に向かう。

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忍野に咲くタカアザミ  令和4年9月11日

2022年09月15日 | 里に咲く花
 未明からパール富士を追いかけ、さらに山中湖湖畔の2ヶ所を散策して巡り、時刻はやっとお昼の12時過ぎである。木陰のある駐車場に車を止めて軽く昼食をとった後に1時間ほど昼寝する。今度はそろそろ見ごろを迎えているであろう忍野の湿地に咲くタカアザミを見に行ってみる。その前に、コオニビシがあるのではないかと目を付けていた用水路に立ち寄ってみる。


    橋の上から用水路を見下ろしてみる。やや流れが強く、目的のコオニビシは生育していない。


    川の流れに漂っているのはササバモと思われる。


    やや幅広の葉がゆらゆらと揺れている。


    良く見てみるとたくさんの花穂が出ていた。


    他にも何種類か生育しているようである。葉が輪生しているのはコカナダモか?細いのはイトモ?採取して調べないと同定は難しい。


    忍野の湿地に移動する。オグルマとヒエガエリの群生。


    ハッカの花が咲いている。


    ヘラオモダカだと思うが、だいぶ大型で別物かも知れない。


    アカバナが咲いている。


    花も葉も大きくてトダイアカバナとはだいぶ趣が違う。


    茶色く色付いているマツカサススキ


    花は散っているがまだ青いタコノアシ


    少し色付き始めたタコノアシ


    これがいちばんの目的だったタカアザミ


    満開に近いが、まだ花は開いていない。タカアザミは下を向いて花を咲かせるのが特徴だが、結実すると上を向くようになる。

 満開前の良い状態のタカアザミに出会うことが出来た。タコノアシは一部刈り払われてしまっていたがまだ個体数は十分にある。これから赤く紅葉して来るのであろう。


    用水路の中ではヤナギモと思わしき水草が大増殖していた。残念ながら花は見られず。

 未明から活動を開始すると1日は長い。疲れたので帰ろうかとも思ったのだが、富士山が見えているので夕暮れまでもう少し辛抱することにする。もう1ヶ所立ち寄ってみよう。

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山中湖湖畔探索 ナガエノフサモとコオニビシ発見  令和4年9月11日

2022年09月15日 | 水辺に咲く花
 山中湖きららから別の場所に移動して湖畔を探索してみる。以前にも一度歩いたことがあるが、その際にフトイがたくさん茂っているのを観察した場所である。


    湖畔に茂るフトイ


    花はもう終わってしまっているようだ。


    ガマに混じって1本だけ倒れたミクリが生えていた。この1個しか発見出来なかった。


    泥沼のような場所に茂っているこの水草はスブタだろうか?その中に花穂が出ている。


    最初はこのスブタと思わしき葉の花かと思ったが違うようである。


    別株。花穂の下のほうに羽根のような葉が付いている。


    湖面を見てみると同じような穂がたくさん顔を出している。


    これでもかというくらいにたくさんある。


    さて、この花は何?上部が雄花で下に雌花が付いているようである。


    近距離で観察できる場所があった。羽根のような葉が付いている藻で、きららの浜に打ち上がっていたものと同じである。


    これはナガエノフサモというアリノトウグサ科の水草であろう。


    開花した雌花。上部がまだ開花していない雄花である。


    ナガエノフサモに混じって白い花が浮かんでいる。


    ヒシの花のようである。


    分布域から見て、これはコオニビシではないかと思う。


    紅葉した赤い葉が浮いている。ヒシの仲間で間違いない。


    さらに岸の近くに生えているのを発見。ヒシに比べて小型で葉の切れ込みが深いように見える。


    たくさん生えているテンツキの仲間


    たぶんヒデリコだと思う。


    エゾミソハギはあちらこちらで見かける。


    オグルマは普通に生えている。


    イヌゴマは湖畔ではごく普通に見かける。


    群生していたイヌコウジュ


    オトコエシの群生


    雲のかかり始めた富士山

 きららで打ち上げられていた藻のひとつは水面に飛び出した花穂の性状からホザキノフサモであることが判明した。この場所にはかなりたくさん生えており、今が花盛りのようである。コオニビシを発見したのは全くの偶然である。山中湖周辺の用水路に生えているのかと思っていたが意外なところでお目にかかることが出来た。最終的には種の性状を調べないと確定できないのだが、分布域と葉が小さいことからコオニビシの可能性が高いと思う。想定していた以上の良い探索が出来た。

 まだ時刻は12時を回ったばかりである。食事して少し昼寝して、次の場所に行ってみたいと思う。


    駐車場の片隅に生えていたアカハナワラビ

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山中湖きらら周辺を散策  令和4年9月11日

2022年09月14日 | 水辺に咲く花
 未明から中秋の名月を追いかけ、6時過ぎに山中湖ほとりのきらら駐車場に到着した。駐車場で少し昼寝(朝寝?)しようと思ったのだが、何かイベントが催されるらしくきららの駐車場は終日貸し切りになっていて入れない。止む無し、あまり好きではないが近くの路上に駐車して昼寝しないで湖畔の散策に出かける。主に見たいのはマツカサススキを中心としたカヤツリグサ科の植物と、そろそろ見ごろになっているであろうオナモミである。


    きららの浜から見る富士山。少し霞が入っているが綺麗な夏富士が現れた。


    これはカヤツリグサであろう。


    球形の花序が付いている。これはカワラスガナであろう。


    朝焼けのカワラスガナと富士山


    固まって生えているカワラスガナ


    たぶんタマガヤツリ


    茎の頂部に球形の花序を1個付けており、これはヒメクグと思われる。


    たぶんメアゼテンツキ。茎に毛が無く、小穂の鱗片は反り返っていない。


    ホタルイに似ているが小型である。たぶんヒメホタルイ。


    元気に茂っているマツカサススキ


    マツカサススキと富士山


    オナモミと富士山


    エゾミソハギと富士山


    水辺には藻類がいくつか漂着していた。


    これはイバラモであろう。種らしきものが付いている。


    採取して撮影してみる。葉には棘状突起が多数付いている。


    イバラモと一緒に多く漂着していたのがこの羽根が付いたような藻。フサモ、ないしはホザキノフサモではないかと思う。


    これも多く見かける。たぶんエビモ。


    何だか分からない藻。普通にありそうだ。


    先端部


    漂着した数が少なかった藻


    イバラモ科の植物だと思う。


    葉には小さな尖った突起がある。毛は生えておらずこれはイトイバラモではないかと思うのだが全く自信無し。


    スッキリと見えている富士山

 水草は図鑑を持ち合わせておらずネットの記事を見ての同定のため間違いだらけであろうと思われる。いちばん多く漂着していたのがイバラモと思わしき藻であり、たぶん間違いないと思う。だとすれば、北杜市の池で見てイバラモであろうと同定した藻はこれとはだいぶ異なっている。向こうにあったのはイバラモでは無くて別のものではないかと思えてきた。また悪戦苦闘の日々である。

 時刻はまだ8時半である。別の場所を探索してみよう。


    
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中秋の名月パール富士 鉄砲木の頭  令和4年9月11日

2022年09月13日 | 月富士
 中秋の名月が前夜から昇り始めこの日の朝に西の空に沈んで行く。前日の夕方は雲が多くて富士山はあまり良く見えてくれなかったが、深夜から晴れて富士山がスッキリと姿を現した。丹沢の大山か三ノ塔あたりに行けば遠距離からの大きな月のパール富士が見られたであろうが前日は夕方まで仕事でとてもではないが丹沢まで遠征する元気は出なかった。未明1時半に起床して山中湖の上にある鉄砲木の頭に登ってみる。途中のパノラマ台から三国峠にかけての道沿いはもう駐車スペースが無いほどに車がたくさん止まっていて、多くのカメラマンたちが押し寄せていた。三国峠の駐車場にも7~8台の車が止まっている。未明4時から鉄砲木の頭山頂を目指して登るが、途中から霧に巻かれて富士山が見えなくなってしまう。どうやら山の上には雲がかかっているようである。


    三国峠駐車場。オリオン座と冬の大三角形が昇って来ている。スッキリと晴れた空である。


    鉄砲木の頭山頂では霧に巻かれて富士山が見えない。山の上には雲がかかっているようである。


    一瞬の晴れ間から見えた月と富士山。月の上には木星が輝く。

 山頂は霧が多いため中腹まで下りてカメラを構えることにする。斜面のススキを入れて秋らしい雰囲気の場所を探して2台のカメラを構えるが、やはり霧が多くて富士山は見え隠れしている。


    秋らしくススキを前景にカメラをセット。霧が多くてなかなかスッキリと姿を見せてくれない富士山。


    月が山頂に来た頃から富士山が見えるようになってきた。


    もう1台のカメラ。霧でやや霞んではいるものの秀逸な輝きを放った中秋の名月。


    月が山頂を越えて行く。






    富士山の斜面に沈んで行く中秋の名月


    その後は再び霧に隠れた富士山。夜明けの赤富士は見られなかった。


    登山口近くまで下りてくると富士山が良く見えた。

 霧に巻かれてなかなか富士山が姿を見せてくれず、撮影には苦労したが、霧の切れ間から見える中秋の名月は綺麗な輝きを放っていた。上に登らずに下から撮ればきっとスッキリした富士山と月が見られたのであろうが、これはこれで良かったと思っている。6時に下山し、山中湖きららに移動すると富士山は綺麗に見えており、振り返って見る鉄砲木の頭の山頂あたりにはまだ雲がかかっていた。

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チョウジタデ?いや、これもたぶん・・・ 甲府市荒川河川敷散策  令和4年9月8日

2022年09月12日 | 里に咲く花
 この日も暑くてあまり歩く気がしない。しかも夕立が来そうな空模様である。まだチョウジタデとウスゲチョウジタデの違いが検証できていないのだが、たぶん近場の荒川河川敷あたりにも生育しているのではないかと散策に出かけてみる。うまくすればまだ見たことが無いハマスゲが生えているかも知れない。


    雨の後で増水していて河原には下りられず、一段上の遊歩道沿いを散策する。


    これは普通に生えているカヤツリグサ科の植物


    たぶんカヤツリグサ。


    河原にはこのカヤツリグサ科の植物がたくさん生えている。


    これはヌマガヤツリと思われる。


    水辺にはこのカヤツリグサの仲間が群生していた。


    カヤツリグサに似ているがちょっと違う。小穂の先端部が丸っこい。これはコゴメガヤツリであろう。


    あまり見かけないカヤツリグサの仲間が生えていた。


    たぶんこれはハタガヤであろう。海岸沿いを好むようだが、河川敷の砂地に生えていた。


    イネ科のシナダレスズメガヤはコンクリートの隙間を好んでどこにでも生えている。


    オオイヌタデの群生


    花が下向きに付いており、これはアスパラガス(オランダキジカクシ)か?


    増殖力旺盛なアレチヌスビトハギ。種は服にくっついて取れにくい。


    こっちはちょっと珍しいイヌハギではないかと思う。


    ヘクソカズラ。綺麗な花なのに可哀そうな名前である。


    ガガイモであろう。


    水辺にコゴメガヤツリと一緒に黄色い花が咲いている。


    今度こそチョウジタデ、と思ったのだが・・・


    花の形は先日見てきたウスゲチョウジタデにそっくりである。


    昨年見てきたチョウジタデの花の形を見てみると、花弁が少し細いように見えるが、これは花弁が幅広く円形に近い。


    トリーミングして花床を見てみると、思った通り毛が生えている。


    別株。やはり毛が生えている。たぶんこれはウスゲチョウジタデ。

 数が多いはずのチョウジタデ探索でこれほど苦労するとは思わなかった。その気で探してみると意外と見つからないものである。あるいは判別方法が間違っているのかも知れないという疑問も出て来る。この場所は簡単に訪問できるので、結実した頃に実の様子を見に来てみたいと思う。種を見たほうが判別し易いかも知れない。ハマスゲは見つからなかった。


    
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もう1ヶ所のヒシが茂る池 北杜市  令和4年9月6日

2022年09月09日 | 水辺に咲く花
 北杜市のヒシが茂る溜池を散策してまだ時間があったのでもう1ヶ所立ち寄ってみることにする。以前にも一度訪問したことがある池で、池の中にカンガレイと思わしき草が生えていたが、池の水面には何も浮かんでいなかったように記憶している。しかし、このあたりに探しているススキの仲間が生育しているのではないかと思っている。


    池の中に水草がたくさん浮かんでいる。


    ひとつはこのヒルムシロの仲間。


    花穂が水面に立ち上がっている。


    この水草は何だろうか?


    水辺近くにあったものを1本抜いて調べさせてもらう。沈水葉は線形で、これはオヒルムシロではないかと思う。


    別の水草が浮いており、白い花が点々と咲いている。


    ここにもまたヒシの花が咲いていた。しかも花数が多い。


    1株に2輪咲いているものもある。ここは生育条件が良いのであろう。


    水草が池の中に生えている。


    一部をすくい上げて調べてみる。


    葉には棘のような突起が付いている。これはイバラモであろう。初めて見る水草である。


    池の周辺にはいろいろな水草が生育している。


    果胞に柄が無い。これはカンガレイであろう。


    少し離れた場所には似ているが別のものが生えていた。


    こちらは果胞に柄が付いている。サンカクイであろう。


    ワサワサと茂っているこのカヤツリグサの仲間


    アゼガヤツリと思われる。


    小型で放射状に広がる水草、マツバイと思われる。


    これはひょっとして・・・ほとんど見かけないアワガエリではないかと期待したのだが・・・


    小穂の形を調べてみると先端部が2裂していない。これはヌメリグサというイネ科の植物と思われる。これもあまり多く見かける植物ではない。


    アブラガヤは湿地帯で普通に見かけるカヤツリグサ科の植物。


    ふとその手前を見ると変わった草が生えている。


    これこそが探していたコマツカサススキである。


    生えていたのは2本だけ、1本は倒れていた。コマツカサススキの花序はあまりたくさん付かない。


    形の変わった薄ピンク色の花が咲いていた。


    キジカクシであろう。身延町の田園地帯に続いてここでも出会うことが出来た。


    白い花の群生


    これはシラタマ(ホシクサ科)であろう。


    別の白い花の群落


    これはイヌノヒゲ(ホシクサ科)と思われる。

 2時間ほど池のほとりを散策したが、全く時間が足りないほどに多くの水辺に生える草に出会うことが出来た。まだ見ていない草がたくさん眠っているであろう。いちばんの目的だったコマツカサススキに出会えたが、2本しか発見出来なかった。探せばまだあるのではないかと思う。しかし、それ以上に水面にたくさん花を咲かせていたヒシや大群落を形成しているカンガレイ、白い花の群落を形成しているホシクサやイヌノヒゲなど、他の植物たちに感動した。またお気に入りの水辺がひとつ増えた。

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ヒシの茂る池を訪問 北杜市井富溜池  令和4年9月6日

2022年09月08日 | 水辺に咲く花
 イワウサギシダの鑑定のため師匠のところを訪れた際に、ヒシの咲いている池があるとの情報をいただいた。ヒシの生育地は山梨県では1ヶ所しか無いと思っていたのだが、北杜市の池や湖では生育している場所があるそうだ。さっそく訪問してみる。


    池一面にたくさん水草が茂っている。


    これは全てヒシの葉。こんなところがあったとは知らなかった。見事な群生に感動する。


    ビッシリと葉を広げているヒシ。やはり花の数は少ない。


    ポツポツと小さな白い花を咲かせている。


    ヒシの花


    葉の中心部に一つだけ白い花を咲かせる。


    超望遠で撮影。


    池の対岸にあるヒメバラモミ。下向きに実をたくさん付けている。


    望遠レンズの調子が悪く、フォーカスが合わない。テレコンバーターの調整を行ったが修復できず。


    木に近付いて下から見上げてみる。


    思った通り、下から見上げたのでは実が見えない。


    樹皮はアカマツの樹皮に似ているがやや灰色を帯びている。


    池のほとりに生えていたメタカラコウ


    アカハナワラビ

 春にヒメバラモミの観察に訪れている溜池だが、その際には池の中には何も浮いていなかった。この季節になるとヒシがびっしりと水面を埋め尽くしていて見事である。師匠には良い場所を紹介していただき、感謝である。

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