山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

陸の孤島と化したカモメラン 黒岳 令和6年6月11日

2024年06月15日 | 山に咲く花
 黒岳のカモメランを見に行くのは3年ぶりくらいになるのではないだろうか。保護柵がどうなっているかが心配ではあるが、カモメランもおそらく安泰ではないだろうと思う。午後からスズランの森のバス停に行ってみると、ちょうど良く午後2時半のツインテラス行きバスが出発するところだったのでこれに乗ってツインテラス経由で黒岳に登ることにする。

    整備されたのは良いが・・・ここにあったレンゲショウマやアザミ類、ジャコウソウなどは消滅してしまった。

    ツインテラスからの眺望。本日の富士山はご機嫌斜め。

    白い花がたくさん咲いている。

    これはカマツカであろう。

    ヤマツツジがもうすぐ満開。富士山が見えておらず残念。

    十二ヶ岳側の眺望

    グミの花が咲いていた。

    さて、これは何グミ??
    花筒には鱗状毛が付いている。時期的にもハコネグミでは無い。

    葉の表側。これは星状毛であろう。葉の質は柔らかい。

    葉の裏側は鱗状毛がいっぱい。これはトウグミではないかと思うが全く自信無し。

    スズラン峠

    黒岳山頂への登り。しばらくぶりに来るとだいぶ違和感がある。

    山頂直下の登り。草がほとんど無くなっていて山肌が露出している。かつて生えていたキンポウゲやヤマタイミンガサはいずこへ??

    もうすぐ咲きそうなクサタチバナ

    辛うじて1株だけキンポウゲ。たぶんグンナイキンポウゲであろう。

    山頂付近にはヤマタイミンガサが生えていた。しかし、食害を受けている。

    黒岳山頂

    黒岳展望台はガスっていて何も景色は見えず。

    保護柵を見に行ってみる。誰かが手直ししてくれているのだろう。意外としっかり立っていた。しかし、柵の外は何も生えていない。

    カモメランはなんとか咲いてくれているが、花数、葉数とも激減している。

    鹿や人が入り込んだ感じではない。


    これは自然遷移によるもので、ラン菌の活性が落ちているためだと思う。周辺の環境が悪過ぎる。

    次の保護柵。ここも柵の外は何も生えておらず、陸の孤島と化している。

    カニコウモリなどが生えているが、カモメランは葉数、花数ともかなり減少している。

    辛うじて咲いている感じのカモメラン

    黒岳特有のカモメラン。

    3つ目の保護柵。こちらも周辺の草があまり生えていない。保護柵はだいぶ痛んでしまっている。


    柵の中を覗き込んでみると、カモメランの花はひとつも見当たらない。

    葉は少しだけ残っているが、花を咲かせる元気はとても無さそうである。

    これはコゴメウツギであろう。

    コゴメウツギ。これよりもひとまわり大きな花を付けるカナウツギを探していたが見つからなかった。

 心配していたほどに保護柵は破損していなかったが、保護柵周辺の環境は大きく変わっており、山肌の乾燥が大きく進んで下草が著しく減少しており、ヤマタイミンガサすらも減少している。保護柵の外ではカモメランはひとつも見当たらない。柵の中も安泰では無く、花数、葉数とも大きく減少している。周辺の環境の変化によりラン菌の活性が落ちてしまっているのではないかと思う。あと何年持つのか?そんな気さえする黒岳のカモメランである。


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