前日は台風20号から温帯低気圧に変わった雨雲が通過しかなりの雨が降った。低気圧が過ぎてスッキリ晴れるだろうと思っていたのだが朝の空を見るとどんよりと曇っておりいつ降り出してもおかしくないような空である。低い山の上にも雲がかかっており、おそらく少し高度を上げると霧の中に入ってしまうのだろう。さて、どうしましょうか?本日は低山の散策にしたいと思うが沢筋は増水していて歩き難そうである。ロープウェイを使って羅漢寺山周辺を散策することにする。目的はシダの仲間であるがどんなものが生育しているのかは全く情報が無い。2018山梨県レッドデータブックの情報を見るとかつてエビラシダというものがこの山域にあったらしいが最近は確認されていないようだ。おそらく見つからないであろうが山の上のシダがどんな様子なのか見ておくことは必要だろう。
ロープウェイ山頂。まだハイシーズンではないがロープウェイは満車だった。
まずは白砂山に向かう。道はしっかりしているがあまり歩かれている様子は無い。
白砂山分岐は倒木がある。
白砂山の展望地。左の岩が鎧岩、羅漢寺山山頂には雲がかかっている。
さらにその先の展望地。ここが山頂だろう。道の分岐部が分かりにくい。
誰も来ないだろうと思っていたら手前の展望地で若者3人組と出会った。何度か来ているらしいが山頂への分岐が分からずどこにあるか聞かれたので、木の枝に覆われた分岐場所を教えてあげた。分岐部に戻ってさらに先に進む。
時期的なものもあるのか、草はほとんど生えていない。オシダくらい茂っていそうなものだがシダ類も少ない。
白山展望台。向こうには甲斐駒ケ岳が雲の中に浮かんでいる。ここで昼食をとり、来た道を戻る。
羅漢寺山展望台の直登ルートを登る。途中の展望岩からの眺め。向こうに見える岩山が先ほど登った白砂山。
羅漢寺山展望台。空模様悪く眺望いまいち。
羅漢寺山山頂はここからすぐであるが、そちらに向かう人の姿がたくさん見かけられかなり混雑しているようなので止めてロープウェイ山頂駅に戻ることにする。しかしそこも来た時以上に混雑しており団体客の姿も何組かあった。これはロープウェイを使って下りるのも激混みである。
さて、目的のシダ類はあまり無かったがちょっと珍しいシダ(だと思う)も見かけることが出来た。
まだ若いクジャクシダ。夏緑生のシダだと思っていたのだがそうでは無いのかも知れない。
これは?
胞子嚢群配列を見るとどうやらオウレンシダのようだ。
岩に付着していたミツデウラボシ
成熟した胞子嚢が付着していた。
ちょっと珍しいシダというのがこれ。
やや大き目の最下下向き羽片、一番下の葉には葉軸がある。
胞子嚢群は羽片の中央、ないしは小羽片の辺縁に沿って配列している。おそらくこれはウサギシダだろう。
ウサギシダは山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダである。北岳の中腹にもあるらしいので探しながら歩いたが発見できなかった。もしこれが本物だとすれば、レッドデータブックのメッシュの外で発見されたことになる。もう少し調べてみないとはっきりしないが、ウサギシダである確率70%と見ている。
さて、時刻は午後2時、ロープウェイ山頂駅から歩いて下山するにも十分な時間がある。ならばまだ歩いたことが無い林道を歩こうと思って道を進むとその先に下山道の看板が立っていた。こんな道があるとは知らなかった。下りてみることにする。
山頂駅の向こう側に下山する道があった。
薄暗い植林帯の中に良い道が通っていた。
沢にかかる橋は朽ちており通行不能。小沢を渡る。
中腹はかつての畑と思われる石積が斜面の上のほうまで築かれていた。
稜線とは打って変わって沢筋はシダがたくさん。石積の周辺にはイワトラノオがたくさん生育していた。
イノデのような大き目のシダ。暗くてカメラ手持ちではきっちり撮れていなかったのが残念。
細長いソーラス。イノデでは無い。
根元の部分を見てみると白い毛が生えている。おそらくはハクモウイノデ(イワデンダ科オオシケシダ属)と思われるが、それにしては中軸の毛が少ない。
これも何だか良く分からないが普通にある。
葉の先端寄りに、小羽片中央に沿って円形のソーラスが配列。おそらくはベニシダと思われる。
同じもの。七面山で多く見かけたオオベニシダと思われるものに良く似ているがこちらは根元に近付くにつれて葉が小さくなっている点が違う。おそらくはあちらがオオベニシダ、こちらがベニシダではないかと思う。
下山途中でどこかに三脚を置き忘れてきたのに気付き戻って探すがなかなか見つからず、疑わしき場所を2周ほど廻り歩いてやっと回収した。下山は4時半になった。
想定していた通りにエビラシダは見つからず、そもそもが石灰岩地を好むシダなのでそう簡単には見つからないだろうと思っている。見てきたシダのうち、本物のウサギシダだとすれば新産地の発見ということになるのだろう。花ならばそれなりに嬉しいのだがシダだとそれほど嬉しく無いのはシダに失礼かも知れない。
ロープウェイ山頂。まだハイシーズンではないがロープウェイは満車だった。
まずは白砂山に向かう。道はしっかりしているがあまり歩かれている様子は無い。
白砂山分岐は倒木がある。
白砂山の展望地。左の岩が鎧岩、羅漢寺山山頂には雲がかかっている。
さらにその先の展望地。ここが山頂だろう。道の分岐部が分かりにくい。
誰も来ないだろうと思っていたら手前の展望地で若者3人組と出会った。何度か来ているらしいが山頂への分岐が分からずどこにあるか聞かれたので、木の枝に覆われた分岐場所を教えてあげた。分岐部に戻ってさらに先に進む。
時期的なものもあるのか、草はほとんど生えていない。オシダくらい茂っていそうなものだがシダ類も少ない。
白山展望台。向こうには甲斐駒ケ岳が雲の中に浮かんでいる。ここで昼食をとり、来た道を戻る。
羅漢寺山展望台の直登ルートを登る。途中の展望岩からの眺め。向こうに見える岩山が先ほど登った白砂山。
羅漢寺山展望台。空模様悪く眺望いまいち。
羅漢寺山山頂はここからすぐであるが、そちらに向かう人の姿がたくさん見かけられかなり混雑しているようなので止めてロープウェイ山頂駅に戻ることにする。しかしそこも来た時以上に混雑しており団体客の姿も何組かあった。これはロープウェイを使って下りるのも激混みである。
さて、目的のシダ類はあまり無かったがちょっと珍しいシダ(だと思う)も見かけることが出来た。
まだ若いクジャクシダ。夏緑生のシダだと思っていたのだがそうでは無いのかも知れない。
これは?
胞子嚢群配列を見るとどうやらオウレンシダのようだ。
岩に付着していたミツデウラボシ
成熟した胞子嚢が付着していた。
ちょっと珍しいシダというのがこれ。
やや大き目の最下下向き羽片、一番下の葉には葉軸がある。
胞子嚢群は羽片の中央、ないしは小羽片の辺縁に沿って配列している。おそらくこれはウサギシダだろう。
ウサギシダは山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダである。北岳の中腹にもあるらしいので探しながら歩いたが発見できなかった。もしこれが本物だとすれば、レッドデータブックのメッシュの外で発見されたことになる。もう少し調べてみないとはっきりしないが、ウサギシダである確率70%と見ている。
さて、時刻は午後2時、ロープウェイ山頂駅から歩いて下山するにも十分な時間がある。ならばまだ歩いたことが無い林道を歩こうと思って道を進むとその先に下山道の看板が立っていた。こんな道があるとは知らなかった。下りてみることにする。
山頂駅の向こう側に下山する道があった。
薄暗い植林帯の中に良い道が通っていた。
沢にかかる橋は朽ちており通行不能。小沢を渡る。
中腹はかつての畑と思われる石積が斜面の上のほうまで築かれていた。
稜線とは打って変わって沢筋はシダがたくさん。石積の周辺にはイワトラノオがたくさん生育していた。
イノデのような大き目のシダ。暗くてカメラ手持ちではきっちり撮れていなかったのが残念。
細長いソーラス。イノデでは無い。
根元の部分を見てみると白い毛が生えている。おそらくはハクモウイノデ(イワデンダ科オオシケシダ属)と思われるが、それにしては中軸の毛が少ない。
これも何だか良く分からないが普通にある。
葉の先端寄りに、小羽片中央に沿って円形のソーラスが配列。おそらくはベニシダと思われる。
同じもの。七面山で多く見かけたオオベニシダと思われるものに良く似ているがこちらは根元に近付くにつれて葉が小さくなっている点が違う。おそらくはあちらがオオベニシダ、こちらがベニシダではないかと思う。
下山途中でどこかに三脚を置き忘れてきたのに気付き戻って探すがなかなか見つからず、疑わしき場所を2周ほど廻り歩いてやっと回収した。下山は4時半になった。
想定していた通りにエビラシダは見つからず、そもそもが石灰岩地を好むシダなのでそう簡単には見つからないだろうと思っている。見てきたシダのうち、本物のウサギシダだとすれば新産地の発見ということになるのだろう。花ならばそれなりに嬉しいのだがシダだとそれほど嬉しく無いのはシダに失礼かも知れない。