山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

「合理的配慮」が可能な「基礎的環境整備」

2013年04月04日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第9回目。
 各自治体の教育環境整備が、障がいのある子どもに対する「合理的配慮」を提供する。次にその説明を引用する。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備

(1)「合理的配慮」について

•障害のある子どもに対する支援については、
 法令に基づき又は財政措置により、国は全国規模で、
 都道府県は各都道府県内で、市町村は各市町村内で、
 教育環境の整備をそれぞれ行う。
 これらは、「合理的配慮」の基礎となる環境整備であり、
 それを「基礎的環境整備」と呼ぶこととする。
 これらの環境整備は、その整備の状況により異なるところではあるが、
 これらを基に、設置者及び学校が、各学校において、
 障害のある子どもに対し、その状況に応じて、「合理的配慮」を提供する。

【引用終わり】

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 「合理的配慮」が各学校で行われるためには、各自治体において「基礎的環境整備」がなされる必要がある。
 障がいのある子どもの状況に応じて、バリアフリー化を含め、さまざまな対策をこうずることが求められる。
 特に、知的障がいのある子どもには、わかりやすい情報提供のあり方を工夫することである。
 (ケー)

◆障害のある人は不幸か?警察官向けハンドブック

2013年04月03日 | 日記
昨日に引き続き、PandA-Jからいただいた
冊子のご紹介です。

今日は警察官向けに作られた
障害者を理解してもらうためのハンドブックです。




目次





最初のページをご紹介します。

  引用します 

1知ってください

知的障害や発達障害のある人が犯罪の被害者になったり、
事故やトラブルで誤解されたり傷ついたりすることが
とても多くあります。
障害者は傷つけられながらも、助けを求めたり、
被害を訴えたりすることができないのです。

一方、何らかの事件で容疑をかけられることもあります。
取り調べで何を聞かれても「はい」と答えてしまう
特性などからいくつもの冤罪事件が起きています。
本当は反省しているのに、誤解される発言をしたり
態度をとったりするために厳罰を求められることもあります。
検察庁が「知的障害者」を検察改革の柱のひとつとしているのは
そのためです。

いま、たくさんの障害者が街の中で家族と暮らしたり、
グループホームやアパートで暮らしたりしています。
福祉を受けるだけでなく、会社や工場や店で働いていて
税金を納める障害者も増えています。
かつて障害者は家族や施設のなかで保護されるべき人と
思われてきましたが、もっと自分の意思で自由に生き、
さまざまな権利を認められるよう、法律も変わってきました。

ものごとを理解し表現する力が弱い面はありますが、
彼らは心の中に豊かなものをたくさんもっています。
いろいろな才能があり、さまざまな形で社会にも
貢献しています。
家族や仲間にとってはとても大切な存在です。
そして、もちろんどんな人も人間として尊重され
犯罪被害や差別・誤解をされずに幸福に暮らす
権利があります。

知的障害や発達障害のある人が街で安全に暮らすために、
彼らがどんな人たちなのか、どんな被害にあっているのか、
どのような誤解をされているのかを知ってください。

 ここまで 

中身をパラパラとめくってみましたら
何だか恐ろしいことも書いてありました。
しかし、このハンドブックに取り上げられているのですから
現実に多く起こっている事なのでしょう。

5どんな被害にあっているのか
殺人
住み込みで働いていた知的障害者に経営者が
保険金をかけ、焼死させた。
身寄りのなくなった知的障害者を親せきの人が
引取り、保険金をかけ殺害した。

リンチ・恐喝
誘拐・監禁
性的犯罪
詐欺、経済的搾取
職場や施設での暴力・性的虐待

以上のようなものが書いてありました。
内容を読むと、知的障害者の弱い部分につけこんだ
卑劣な犯罪ばかりで、吐き気がしてきます。

それに加え、被害を受けている本人は
被害を訴える事が出来ない人が多い・・・

このハンドブックは何も警察官にだけ読んでもらいたいものではなく
たくさんの人たちに読んでいただきたいと思えるものでした。
本当に1人でも多くの理解者が増えることを願います(F)


学校における「合理的配慮」とは

2013年04月03日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第8回目。

 学校における「合理的配慮」について、次で述べている。
 個別の対応の必要性を強調するものである。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備

(1)「合理的配慮」について

•条約の定義に照らし、本特別委員会における「合理的配慮」とは、
 「障害のある子どもが、
 他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を
 享有・行使することを確保するために、
 学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、
 障害のある子どもに対し、その状況に応じて、
 学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、
 「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、
 均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」、と定義した。
 なお、障害者の権利に関する条約において、
 「合理的配慮」の否定は、
 障害を理由とする差別に含まれるとされていることに留意する必要がある。

【引用終わり】

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 障がいのある子どもは教育を受けるに際して、適切な配慮が必要である。
 能力を最大限発揮できるようにするため、個々の実情に即した対応がなされるようにする。ヒト・モノ・カネがかかるわけだし、納得のいく範囲内の工夫と負担となる。
 障がいのある子どもも、障がいのない子どもも、互いにハッピーになるようにしたい。
 障がいのある子どもが一歩でも自立につながる配慮は、障がいのない子どもにもいい配慮になるはずだ。
 (ケー)

◆小さなピカソたちの夢

2013年04月02日 | 日記
全日本手をつなぐ育成会とも関係が深い
NPO法人PandA-J(プロテクション・アンド・アボガドシ―J)
代表 堀江まゆみ(白梅学園大学教授)さんから
障害理解絵本と、警察官向け障害理解ハンドブックの
見本誌を送っていただきました。
今日は、障害理解絵本「小さなピカソたちの夢」を
ご紹介します。


小さなピカソたちの夢-本当にあった話だよ-


 引用します 

勝利の女神だね

小さな女の子だった。
生まれてからずっと寝たきりである。
お母さんは一生懸命に女の子の世話をするけれど
ときどき疲れ果ててしまう。
車いすを押して歩いていると、
ジロジロ見られる。
「愛情が足りないから
子どもの障害がなかなか良くならない」
と親せきに言われる。
もう、私も娘もこの世から消えてなくなりたい・・・・
そんな思いが脳裏をかすめていくことが何度かあった。
誰にも知られないようにしていたけれど。

お兄ちゃんはやさしくて、
思い詰めたお母さんの背中をさすってくれた。
「だいじょうぶだよ。お母さん。僕がついている」
その優しさに何とかお母さんは支えられて、
重い障害のある娘を抱えてここまで生きてきた。

そのお兄ちゃんが時々、小さな声でお願いをする。
「学校にだけは(妹を)連れてこないでね」

いじめによる子どもの自殺も各地で相次いでいる。
学校という子ども社会で生きていくのは大変だ。
もしも重い障害の妹を見られたら、
いじめや冷やかしの対象になるかもしれないと
心配だったのだろうか。

お母さんはお兄ちゃんの気持ちが痛いほどわかる。
「そうだね。連れていかないから安心して」
そう言いながらお母さんは、
娘がお兄ちゃんの学校ではいないことにされている、
ということにさみしさを感じていた。
お母さんは、その気持ちをお兄ちゃんに
気づかれないように必死だった。

お母さんは妹が不憫でしかたがなかった。
たしかに重い障害はある。だけど、この子は生きている。
存在していないことにしなくたっていいじゃないか。

ある日、六年生になったお兄ちゃんが
ソフトボールの選手に選ばれた。
もうそろそろ大丈夫じゃないかと思い、
妹に兄の活躍する姿を見せたくて、
お母さんは決心を固めた。

車いすに妹を乗せて学校へと応援に行った。
お兄ちゃんの気持ちを考えて、
隠れるようにして応援していたのだけれど。
そんなお母さんの気持ちが天に届いたのか、
お兄ちゃんのチームは勝った。

「お兄ちゃんがんばったね」
お母さんが妹の車いすを押して帰ろうとしたときだった。
チームメイトのざわめきが聞こえてきた。

「あの車いすの女の子はいったい誰だ?」
「一緒にいる人はあいつのお母さんじゃないか?」
「あれ?あいつに妹なんていたのか?」
子どもたちはだんだん近づいてくる。
気がついたときには、
おかあさんと妹は子どもたちに囲まれていた。

車いすの中の小さな女の子に、
お兄ちゃんの同級生たちの視線が注がれる。
お母さんの心臓の鼓動が聞こえてきそうだ。
「学校にだけはつれてこないでね」と言われていたのに・・・・

そのとき、じーっと見ていた子どもたちの何人かが
手をのばして、妹の頭を撫でて言ったという。

「勝利の女神だね」
「ぼくたちはこの子が応援してくれたから勝てたんだよね」
「そうだよ、そうだよ」
「勝利の女神だよ。ありがとう」

なんで子どもたちはそんなことをしたのだろうか。
妹を隠さなければいけないと思っている
お兄ちゃんの気持ちが、まわりの子どもたちに伝わり、
なんとかしてあげなきゃと思ったにちがいない。

しかし、どうやって「大丈夫だよ」という気持ちを
伝えていいのかわからず、妹を見に来たんだ、きっと。
そして、直感的に頭を撫でて「勝利の女神だね」なんて
言葉がでてきたのかもしれない。

今の子どもたちは「生きる力が希薄だ」と言われている。
いじめによる自殺が相次いでいる。
不登校、引きこもり、リストカット、ニート・・・・、
息苦しい現実の中でもがいている
子どもたちの姿が思い浮かぶようだ。

いったい、生きる力とは何なのだろうか。

同じ時代、同じ地域で生きている仲間同士が、
痛みや悲しみに触れ合って、心の中の鐘が響き合い、
そういう中で自分の存在感をしっかりつかんでいく。
相手の存在感も認める。

そうやってお互いに自分自身を肯定し、
愛していくことができるのではないだろうか。
そういう体験が子どもたちの生きる力をはぐくんでいく
栄養分になるのではないのだろうか。

その時、お兄ちゃんがどこにいて、
どんな顔をしていたのか、お母さんはおぼえていない。
涙でかすんで見えなかったから。

 ここまで 

このお話を私は数年前に、読んだことがあります。
友人が貸してくれた本の中に書いてありました。
当時は、この絵本の試作段階だったのかも知れません。
読んだあとに書く、アンケートもありましたから。

その本の中にはもっとたくさんのエピソードが書いてあり
書かれているお話のひとつヒトツが当事者家族である
私の気持ちと重なったりするので、なんとも表現しにくい
気持ちになった覚えがあります。
お話の全ては最後にハッピーエンドを迎えるのですが
私の気持ちは「あー良かった良かったすっきりした!」
とはならず、なにか拭っても拭いきれない負の気持ちが
残った記憶があり、アンケートにもそのような事を
書いた覚えがあります。

ですが、今回の冊子ではエピソードだけではなく
ちょっとした説明(解説)が書き加えられていたからか、
私自身が成長したからか(うっそーとか言わないでね)
あまり引っかかりは感じなくなっていました。
まあ、ひとつのお話ししか載っていませんでしたしね。


この絵本の挿絵に使われている作品たちです


こういう絵本を利用して障害を理解してくれる人が
少しでも増えるのであれば、どんどん利用して欲しいと思います。

次回は警察官向けに作られたハンドブックのご紹介をします(F)






就学相談のモデル的な取組の共有化

2013年04月02日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第7回目。

 就学先決定については、市町村に100パーセント任されているの現状だ。
 ここでの指摘は、その際相談・助言を都道府県教育委員会も強化する必要性について述べている。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

2.就学相談・就学先決定の在り方について

(4)就学先相談、就学先決定に係る国・都道府県教育委員会の役割

•都道府県教育委員会の就学先決定に関わる
 相談・助言機能を強化する必要がある。

•就学相談については、
 それぞれの自治体の努力に任せるだけでは限界があることから、
 国において、何らかのモデル的な取組を示すとともに、
 具体例の共有化を進めることが必要である。

【引用終わり】

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 就学相談で本人・保護者と学校等が合意形成できない難しいケースもまれにはある。
 そうした場合、本人・保護者の意見が最大限尊重されることになっている。
 時間をかけて、本人・保護者が納得できるように継続的な相談・助言が行われる体制こそ必要である。
 (ケー)

◆知る見るプログラム・ファシリテーター用冊子が届きました!

2013年04月01日 | 本人活動
全日本手をつなぐ育成会の本人向けワークショップ
みんなで知る見るプログラム開発委員会から
2月に仙台市で行われた「ファシリテーター養成講座」に
参加した人へ、ファシリテーター用の冊子が届きました。



山形県から参加してくれた本人さん3名にもモチロン、
支援者として参加した3名にも届きましたよ


詳しい内容は出せませんが
本人さんが読んでも解りやすいですし
慣れていないファシリテーターさんのために
読むことで進行できるように工夫されています。
とっても楽しく学べるようなワークが
たくさん入っています。


最後の方には実際にワークショップに参加した人の
写真と感想が紹介されています。
これは、仙台市で行われた時の様子でした。




山形から参加した方々も写っていましたよ


一番後ろには、ワークショップをやるために必要な
資料が収録されているCDが付いています。


今後、本人活動が重要視されていきますので
福祉協会さんや、サポート協会さんとの連携をとり
このワークショップを広めていきたいと思います(F)

早期から成人に至るまでの一貫した支援の仕組み

2013年04月01日 | 特別支援教育
 平成25年4月1日、本日より平成25年度のスタート。
 特に、役所や学校等の公的な機関では人事異動による新しい体制が始まる。
 組織が大幅に変わるところもあって、慌ただしさも格別である。
 新体制による人事異動によって辞令交付が行われる。
 関係部署へ挨拶回りにとびまわって、名刺交換も忙しいだろう。
 山形県手をつなぐ育成会の事務局スタッフは3人体制で、人員も同じに引き続く。

 ということで、今年度もよろしくご協力をお願いします。

 平成25年度も、本育成会の事業をいかに活性化し、若い会員を増やすか大きな課題を抱えての新年度となる。
 市町村支部活動の支えがあっての県育成会である。
 支部活動がいかになされているか、県事務局にも報告してもらいたい。

 さて、インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第6回目。
 早期から成人に至るまでの子どもに関する情報について、各関係機関が共有できるような仕組みの必要性を、以下で指摘している。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

2.就学相談・就学先決定の在り方について

(3)一貫した支援の仕組み

•可能な限り早期から成人に至るまでの一貫した指導・支援ができるように、
 子どもの成長記録や指導内容等に関する情報を、
 その扱いに留意しつつ、必要に応じて関係機関が共有し活用することが必要である。

【引用終わり】

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 関係機関同士が障がいのある子どもの情報を共有し活用することがどのようになされているだろうか。
 どうも心許ない。
 各機関同士で情報交換なんかできない。個人情報保護法が隠れ蓑になっている。
 必要な情報まで隠したがる。ある種のサボタージュと思ってしまうことさえある。
 保護者の「生活支援ノート」がその場合威力を発揮することになる。
 医療、保健、教育、福祉、労働機関等において、相談・支援に際して、同様のことを何度も聞かれる。
 記憶があいまいでその場その場で異なることをしゃべったりすることもある。
 子どもの成長に関する備忘録としての「生活支援ノート」に記録し、そのデータに基づいて通り一遍のことは正確に答えることができる。
 大事な子どもの成長記録は、「生活支援ノート」に書き記すことが重要だ。
 (ケー)