山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

障がい者福祉の論述をふりかえる

2013年09月15日 | 福祉用語
 浅井浩氏のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用してきた。
 通算、昨日(平成25年9月13日(金))までで99回目となった。
 ここで区切りとする。

 障がい者に係る広範囲にわたる論述が展開されていた。
 医療・教育・福祉・労働、そして地域における生活についてである。
 現状に対する氏の危惧の念がひしひし伝わる内容であった。
 それだけ現状への問題をなんとかしなければならないという訴えであった。
 障害者総合支援法の施行が障がい者福祉を改善するものになるのか。
 それを関係者たちが見守っていく。
 声をあげて問題を指摘していく。
 それが改善を促す。
 関係者の訴えがなければ問題の解決はなし得ない。
 まとまった取り組みが必要なのだ。

 特に、浅井氏は、「障害者自立支援法違憲訴訟に係る基本合意」の重要性を繰り返し指摘している。
 「障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国(厚生労働省)との基本合意文書」(平成22年1月7日)は、障がい者福祉制度推進にとって大きな影響を与えた。
 障害者総合支援法成立もそれを踏まえている部分がある。
 ただ、原告団にはまだまだ不満が残る。

 しかし、この合意文書の五項目は、「履行確保のための検証」となっている。
 検証は次のような内容である。

 「以上の基本合意につき、今後の適正な履行状況等の確認のため、原告団・弁護団と国(厚生労働省)との定期協議を実施する。」

 定期協議の実施によって、原告団の要望が伝えられる。
 要望が直接、国に対して届く。
 国はその要望に何らかの回答をしなければならない。
 その回答を踏まえて、要望に対する施策を行うことになる。

 以上、浅井氏の論述を通じて、障がい者福祉の現状と課題をいろんな切り口から学んだ。
 これから、障がい者福祉はいかなる方向付けをすべきかも知ることができた。
 
 もう一度、振り返って論述を読んでみるといい。
  
 (ケー)

障害者施策の関係法律の整備に関する附帯決議→参議院の決議

2013年09月14日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第99回目。

 衆議院の附帯決議と同様に参議院でも以下のような附帯決議を行った。
 今の福祉施策では十分対応できない部分について、配慮することを求めている。
 きめ細かな対応があってこそ、障がい者の一人一人の生活が充実したものになる。
   
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
地域社会における共生の実現に向けて
新たな障害保健福祉施策を講ずるための
関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議

平成24年4月18日 参議院厚生労働委員会  

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 意思疎通支援を行う者の派遣及び養成については、
 利用者が支援を受けやすくする観点から、窓口は市町村を基本としつつ、
 適切な役割分担がなされるよう
 市町村及び都道府県の行う事業を具体的に定めるなど、
 地域生活支援事業について、市町村及び都道府県に対し、
 必要なサービスが十分に提供されるための支援を行うこと。
 また、意思疎通支援を行う者の派遣については、個人利用にとどまらず、
 複数市町村の居住者が集まる会議での利用など、
 障害者のニーズに適切に対応できるよう、派遣を行う市町村等への支援を行うこと。

二 障害者福祉計画の策定に当たっては、中長期的なビジョンを持ちつつ、
 障害者の地域生活に対する総合的な支援が計画的に行われるよう配慮すること。

三 障害者の高齢化・重度化や 「親亡き後」 も見据えつつ、
 障害児・者の地域生活支援をさらに推進する観点から、
 ケアホームと統合した後のグループホーム、小規模入所施設等を含め、
 地域における居住の支援等の在り方について、早急に検討を行うこと。

四 難病患者に対する医療、保健、研究、福祉、就労等の総合的な支援施策について、
 法整備も含め早急に検討し確立すること。

五 精神障害者の地域生活を支えるため、住まいの場の整備、医療、福祉を
 包括したサービスの在り方、精神障害者やその家族が行う相談の在り方等の
 支援施策について早急に検討を行うこと。

六 障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の
 利用促進の在り方の検討と併せて、成年被後見人の政治参加の在り方について、
 検討を行うこと。

七 障害者の就労の支援の在り方については、
 障害者の一般就労をさらに促進するため、就労移行だけでなく、
 就労定着への支援を着実に行えるようなサービスの在り方について
 検討するとともに、一般就労する障害者を受け入れる企業への
 雇用率達成に向けた厳正な指導を引き続き行うこと。

八 障害児・者に対する福祉サービスにかかる地方税や
 都市計画制度の取り扱いについて、社会福祉事業の円滑で
 安定的な運営に資するべく所要の配慮が行われるよう、
 地方自治体に対し周知する等の措置を講ずること。

九 常時介護を要する障害者等に対する支援その他の障害福祉サービスの
 在り方等の検討に当たっては、国と地方公共団体との役割分担も考慮しつつ、
 重度訪問介護等、長時間サービスを必要とする者に対して
 適切な支給決定がなされるよう、市町村に対する支援の在り方についても、
 十分に検討を行い、その結果に基づいて、所要の措置を講ずること。

十 障害者政策委員会の運営にあたっては、関係行政機関の間で
 十分調整するとともに、障害者政策を幅広い国民の理解を
 得ながら進めていくという観点から、
 広く国民各層の声を障害者政策に反映できるよう、公平・中立を旨とすること。

【引用終わり】

*************************************************

 以上、10項目にわたる参議院の附帯決議は、重要な内容を多く含む。
 障害者総合支援法が十分機能するためにも必要なことである。

 まとめれば、次のようなことが今後検討すべきこととしている。
 1 意思疎通支援がスムーズ行われるようにすること。
 2 中長期ビジョンにより、計画的な支援が行われるようにすること。
 3 障がい者の高齢化・重度化の問題への取り組みを行うこと。
 4 難病患者に対する法整備。
 5 精神障がい者に対する包括的な支援。
 6 成年後見制度の利用促進。
 7 障がい者の就労支援。
 8 地方自治体の福祉サービス費用の適切な措置。
 9 重度障がい者に対する適切な支援。
 10 障害者政策の幅広い理解。

 障がい者の実情に応じた支援がきめ細かに実施されることが期待されている。
 障がい者にとって谷間のない、持続可能な支援である。
 (ケー)

障害者施策の関係法律に関する附帯決議=衆議院の決議

2013年09月13日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第98回目。

 障害保健福祉施策の関係法律の整備に関する附帯決議が出されている。
 衆参においてそれぞれなされた。
 以下は、衆議院における付帯決議である。
   
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
地域社会における共生の実現に向けて
新たな障害保健福祉施策を講ずるための
関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議

平成24年4月18日 衆議院厚生労働委員会

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一、意思疎通支援を行う者の派遣及び養成については、
 利用者が支援を受けやすくする観点から、窓口は市町村を基本としつつ、
 市町村及び都道府県の必須事業については、支援が抜け落ちることなく、
 適切な役割分担がなされるようそれぞれの行う事業を具体的に定めること。

二、意思疎通支援を行う者の派遣については、個人利用にとどまらず、
 複数市町村の居住者が集まる会議での利用など、
 障害者のニーズに適切に対応できるよう、派遣を行う市町村等への支援を行うこと。

三、障害者福祉計画の策定に当たっては、中長期的なビジョンを持ちつつ、
 障害者の地域生活に対する総合的な支援が計画的に行われるよう配慮すること。

四、障害者の高齢化・重度化や 「親亡き後」 も見据えつつ、
 障害児・者の地域生活支援をさらに推進する観点から、
 ケアホームと統合した後のグループホーム、小規模入所施設等を含め、
 地域における居住の支援等の在り方について、早急に検討を行うこと。

五、難病患者に対する医療、保健、研究、福祉、就労等の
 総合的な支援施策について、法整備も含め早急に検討し確立すること。

六、精神障害者の地域生活を支えるため、住まいの場の整備、
 医療、福祉を包括したサービスの在り方、
 精神障害者やその家族が行う相談の在り方等の
 支援施策について早急に検討を行うこと。

七、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の
 利用促進の在り方の検討と併せて、
 成年被後見人の政治参加の在り方について、検討を行うこと。

八、障害者の就労の支援の在り方については、
 障害者の一般就労をさらに促進するため、就労移行だけでなく、
 就労定着への支援を着実に行えるような
 サービスの在り方について検討するとともに、
 一般就労する障害者を受け入れる企業への雇用率達成に向けた
 厳正な指導を引き続き行うこと。

九、障害児・者に対する福祉サービスにかかる
 地方税や都市計画制度の取扱いについて、
 社会福祉事業の円滑で安定的な運営に資するべく所要の配慮が行われるよう、
 地方自治体に対し周知する等の措置を講ずること。

十、常時介護を要する障害者等に対する支援その他の
 障害福祉サービスの在り方等の検討に当たっては、
 国と地方公共団体との役割分担も考慮しつつ、
 重度訪問介護等、長時間サービスを必要とする者に対して
 適切な支給決定がなされるよう、市町村に対する支援の在り方についても、
 十分に検討を行い、その結果に基づいて、所要の措置を講ずること。

【引用終わり】

*************************************************

 平成25年4月から障害者総合支援法が施行されている。
 本法がうまく機能するためにも、10項目にわたる附帯事項に配慮することは重要だ。
 個々の障がい者に対して必要とする福祉サービスを適切に実施できる体制を整備しなければならない。
 地域における住まいの場、働く場といった安定した生活がおくることができるようにする。
 障がいの実情に応じて、年齢にあったサービス提供が受けられるようにする。
 それが附帯事項の意図である。
 (ケー)

これからの障害者総合支援法を検討する内容

2013年09月12日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第97回目。

 障害者総合支援法における今後の検討する内容は引用のとおり。
 そして、働くこと、障害認定区分、成年後見制度、意思疎通支援、高齢者支援といったことをいかに見直すかに注目することだ。
   
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

障害者総合支援法の検討規定について

 検討するというこれらの内容は、
 現状の障害者支援においてはむろん大切なことです。
 言い換えれば、当然大切で必要なことが
 ようやく検討段階に入ったということになります。

 ①の障害者の就労の支援の在り方についていえば、
 「就労移行支援事業」 「就労継続支援事業(A型・B型)」 
 は実情に即しているとは言い難く、やはり見直しが必要だと思います。
 特に特別支援学校を毎年度卒業する生徒の実態を
 踏まえた支援でなければならないと思います。
 なお工賃の倍増計画などは、そうした努力はすべきだとは思いますが、
 単に工賃を倍増すればよいという問題ではないということも認識すべきだと思います。

 ②の障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方とは、
 これまでの障害程度区分を障害支援区分に改めるということですが、
 そもそもの障害程度区分の認定自体に無理があったわけです。
 事前の段階で意見の言える専門家は誰もかかわってはいなかったのでしょうか。

 ③の成年後見制度利用促進の在り方については、
 措置制度から契約制度への移行時点からの問題です。

 ④意思疎通を図ることに障害がある障害者等に対する支援などは、
 支援の対象が発達障害や難病等も含むものであればいうまでもないことです。

 ⑤の高齢の障害者に対する支援の在り方は、
 いわゆる「親亡き後」とも関連する古くからの問題です。

 はたして以上のようなことも含めて、法に基づく施策が
 今後どのように展開していくのか、まずは期待したいと思います。
 なお法に対する附帯決議も注目しておくべきことだと思います。

【引用終わり】

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 以上のことが、障がい者の意見を踏まえてとことん検討してゆくことによって、より一層の福祉施策向上につながる。
 今それぞれが抱えている問題に対して、あきらめず訴えかけていく。
 ただ単に批判に終始するだけでなく、代案を示すことも必要だ。
 また、自助努力ができるところは当然それをおしまない。
 個人だけではできそうもないところをお願いしてゆく。
 多くが経費を伴う。
 税金だって限界がある。
 どこまでなら税でまかなえるか、一般の人々も納得できる答えがなければ施策は進展しない。
 障がい者問題は、いずれ誰にも多かれ少なかれ関係してくることを知らしめることだ。 それが、障がい者問題に関心を向け、重要な問題という理解を進めることになる。
 (ケー)

障害者総合支援法の検討規定

2013年09月11日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第96回目。

障害者総合支援法は、今年(平成25年4月)から施行している。
 その法の附則には、3年を目途に検討すると記されている。
 その内容は以下のとおり。
   
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

障害者総合支援法の検討規定について

 2013(平成25)年4月から施行(法の一部を除く)された障害者総合支援法は、
 附則に 「障害者施策を段階的に講じるため、
 法の施行後3年を目途に検討する」 として、
 次のことを規定しています。

① 常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移行の支援、
 障害者の就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方

② 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方

③ 障害者の意思決定支援の在り方、
 障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の利用促進の在り方

④ 手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他
 の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方

⑤ 精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方

 ※政府は、前項の検討に当たっては、障害者やその家族
 その他の関係者の意見を反映させる措置を講ずるものとする。

【引用終わり】

*************************************************

 以上、5項目にわたる検討内容が規定された。
 こうした規定を設けたのは、総合支援法における弱点を解決しようする姿を示した。
 障がい者等の意見を聞いて対応することも明記されている。
 個々の具体的な問題をまず明確にすることだ。
 それを検討材料として問題提起してゆく。
 障がい者にとってより満足のゆく法律にしていくことである。

 (ケー)

障がい者の卒業後の福祉施策の問題

2013年09月10日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第95回目。

 障がい児の教育は確実に整備されてきた。
 その割には、卒業後の障がい者の生活は十分と言えない。
 以下では、障がい者の一生を見据えた施策が十分でなかったことが原因と指摘している。
    
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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障害児教育の義務制の実施と障害者福祉

 戦後日本の教育・福祉はそれなりに充実発展し、
 障害児の学校教育も義務制となりました。
 しかし学校を卒業後の就労や生活、
 さらにその老後に至る「親亡き後」の暮らしを概観すれば、
 その道筋は依然として未整備のままの状況が続いています。
 それは障害の有無にかかわらず人の一生をどのように考えるか
 という視点が欠けているからだと思います。

 障害をどのように受容し、学校卒業後の生活をどのように見据え、
 そのための教育をどのように考えるかが大切なわけですが、
 そこに教育施策と福祉施策の連携の重要性があり、
 そのための問題・課題があると思います。

【引用終わり】

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 障がい者の一生といった視点で、障がい者施策を見直す必要がある。
 幼児期、就学期、卒後の就労期、そして終末期とライフステージにそった節目のある施策が求められる。
 その時々に訪れる課題へしっかり対応できる態勢を創り上げていくことである。
 障害者総合支援法は、その課題解決に役立つ法律でなければならない。
 障がい者の一生の生活に役立つものにする必要がある。
 (ケー)

障がい者を総合的に支援するとは

2013年09月09日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第94回目。

 新法「障害者総合支援法」とは、障がい者の生活を総合的に支援することである。
 障がい者の一生をいかに支援するかが問われる。
 そうしたことができる法律になっているか。
 その危惧が以下に述べられている。
    
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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障害者の生活を総合的に支援するということは

 「自立支援法を総合支援法という法律名に変えて、
 基本理念を新たに掲げたので、自立支援法は廃止になる」
 という言い分は子供だましのようです。
 基本理念を新たに掲げたということは、
 障害者自立支援法は理念なき法律だったということになると思います。

 新たに掲げた基本理念とは、「日常生活又は社会生活の支援は、
 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、
 相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、
 障害児者が生活を営む上で障壁となるものの除去に資することを旨とし、
 総合的かつ計画的に行わなければならない」 というような内容です。

 うがった解釈をすれば、確たる理念もないままに法律名に
 「自立」 や 「福祉」 ということばを使用するのはやめて、
 共生社会の実現に向けて障害者の生活を総合的に支援する
 法律に改正したということを強調しているようです。

 しかし障害の有無にかかわらず人それぞれの人生があるわけですから、
 それがかけがいのないものとして尊重されなければ
 共生社会の実現などありえません。
 重要なことは一体どのように尊重するのかということです。

 障害児者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するというのであれば、
 その日その時の目先の支援だけでなく、
 その大前提として、人の一生をどのように考えるか
 ということがなければなりませんし、それが重要です。

【引用終わり】

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 以上の論述において、今回の総合支援法に対する危惧の念を述べている。
 障がい者一人一人が尊重される社会づくりに貢献するものになるのか。
 障がい者に対する一生をみすえた支援のあり方がこの法律で可能であるか。
 こうした心配は直ぐ明確になるものでない。
 それよりも、この法律を実際にどう活用してゆくかである。
 活用してゆくことで、使い勝手が悪いとなればそれを具体的に指摘することだ。
 共生社会づくりといっても、法律だけで解決できるものでない。
 日々の生活が障がい者にとっていかに満足のゆくものにするのかといったことからはじめるしかない。
 (ケー)

障害者自立支援法違憲訴訟に係る基本合意

2013年09月08日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第93回目。

障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国(厚生労働省)との基本合意文書が、取り交わされた。
 平成22年1月である。
 原告団にとっては、その合意文書にそった新法を期待していた。
 ところが、障害者総合支援法はその意にそってないと、原告団は主張している。
 以下は、その経緯が述べられている。
    
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

障害者自立支援法違憲訴訟に係る基本合意について
 
 平成22年1月7日に、障害者自立支援法違憲訴訟の原告団・弁護団と
 厚生労働省が基本合意文書を取り交わしましたので、お知らせいたします。

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基本合意文書 平成22年1月7日

障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と
国(厚生労働省)との基本合意文書

 障害者自立支援法違憲訴訟の原告ら71名は、
 国(厚生労働省)による話し合い解決の呼びかけに応じ、
 これまで協議を重ねてきたが、今般、本訴訟を提起した目的・意義に照らし、
 国(厚生労働省)がその趣旨を理解し、
 今後の障害福祉施策を、障害のある当事者が
 社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために
 最善を尽くすことを約束したため、
 次のとおり、国(厚生労働省)と本基本合意に至ったものである。

一 障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定

 国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、
 遅くとも平成25年8月までに、障害者自立支援法を廃止し
 新たな総合的な福祉法制を実施する。
 そこにおいては、障害福祉施策の充実は、
 憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。

二 障害者自立支援法制定の総括と反省

 1 国(厚生労働省)は、憲法第13条、第14条、第25条、
 ノーマライゼーションの理念等に基づき、
 違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感し、これを真摯に受け止める。

 2 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を、
 立法過程において十分な実態調査の実施や、
 障害者の意見を十分に踏まえることなく、
 拙速に制度を施行するとともに、
 応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、
 障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、
 障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、
 原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、
 この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。

 3 今後の新たな障害者制度全般の改革のため、
 障害者を中心とした「障がい者制度改革推進本部」を速やかに設置し、
 そこにおいて新たな総合的福祉制度を策定することとしたことを、
 原告らは評価するとともに、新たな総合的福祉制度を制定するに当たって、
 国(厚生労働省)は、今後推進本部において、
 上記の反省に立ち、原告団・弁護団提出の本日付要望書を考慮の上、
 障害者の参画の下に十分な議論を行う。

三 新法制定に当たっての論点

 原告団・弁護団からは、利用者負担のあり方等に関して、以下の指摘がされた。

 ① 支援費制度の時点及び現在の障害者自立支援法の軽減措置が
 講じられた時点の負担額を上回らないこと。

 ② 少なくとも市町村民税非課税世帯には利用者負担をさせないこと。

 ③ 収入認定は、配偶者を含む家族の収入を除外し、
 障害児者本人だけで認定すること。

 ④ 介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、
 障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。

 ⑤ 実費負担については、厚生労働省実施の
 「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」 (平成21年11月26日公表)の結果を踏まえ、早急に見直すこと。

 ⑥ どんなに重い障害を持っていても障害者が安心して暮らせる支給量を保障し、
 個々の支援の必要性に即した決定がなされるように、
 支給決定の過程に障害者が参画する協議の場を設置するなど、
 その意向が十分に反映される制度とすること。
 そのために国庫負担基準制度、障害程度区分制度の廃止を含めた
 抜本的な検討を行うこと。

 国(厚生労働省)は、「障がい者制度改革推進本部」の下に設置された
 「障がい者制度改革推進会議」や「部会」における
 新たな福祉制度の構築に当たっては、
 現行の介護保険制度との統合を前提とはせず、
 上記に示した本訴訟における原告らから指摘された
 障害者自立支援法の問題点を踏まえ、
 次の事項について、障害者の現在の生活実態やニーズなどに十分配慮した上で、
 権利条約の批准に向けた障害者の権利に関する議論や、
 「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」 (平成21年11月26日公表)の結果も考慮し、しっかり検討を行い、対応していく。

 ① 利用者負担のあり方
 ② 支給決定のあり方
 ③ 報酬支払い方式
 ④ 制度の谷間のない「障害」の範囲
 ⑤ 権利条約批准の実現のための国内法整備と同権利条約批准
 ⑥ 障害関係予算の国際水準に見合う額への増額

四 利用者負担における当面の措置

 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法廃止までの間、
 応益負担(定率負担)制度の速やかな廃止のため、
 平成22年4月から、低所得(市町村民税非課税)の障害者及び
 障害児の保護者につき、障害者自立支援法及び児童福祉法による
 障害福祉サービス及び補装具に係る利用者負担を無料とする措置を講じる。
 なお、自立支援医療に係る利用者負担の措置については、当面の重要な課題とする。

五 履行確保のための検証

 以上の基本合意につき、今後の適正な履行状況等の確認のため、
 原告団・弁護団と国(厚生労働省)との定期協議を実施する。

【引用終わり】

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 原告団が唱える主張にそった国側の努力はどんなことかを明らかにする。
 その努力は認める必要がある。
 しかし、どうしても果たせなかった内容は何か、「五 履行確保のための検証」の項目があるので、定期的な国との協議の中で、お互いの理解を図っていく。
 そうなれば、互いの利害が一致する。
 一気に主張どおりに福祉施策が推進できない現実がある。
 時間をかけた方がいいものもある。
 法の改正と共に、関係者の理解推進、そして社会全体が福祉へもっと関心を持つ施策が必要である。
 障がい者だけに任せておく風潮を少しでもふりはらうことである。
 (ケー)

「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」 へ

2013年09月07日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第92回目。

「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」になっても、集団訴訟の原告である障害者には満足するものでない。
 政府ととりかわした和解合意文書の趣旨が十分くみ取られていない。
 新法にかかる骨格提言の趣旨にもそうものでない。
 以下、そうした事情が述べられている。
     
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

障害者自立支援法は改正され、法律名は「障害者総合支援法」に変更し、
2013(平成25)年4月から施行されることになりました。

※障害者総合支援法の正式名称は、
 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」です。

「障害者自立支援法」 から 「障害者総合支援法」 へ

 厚生労働省は、「障害者自立支援法は違憲」とする
 集団訴訟の原告である障害者らとの和解の合意文書で
 自立支援法を廃止して新しい法律を制定するとの確約をしました。
 障害者自立支援法違憲訴訟原告団と国との基本合意文書

 その後、障害当事者等(55名)で構成される制度改革推進会議の部会によって、
 和解の合意文書及び障害者権利条約を指針に
 障害者自立支援法に代わる新法の骨格に関する提言が
 平成23年8月末にまとめられました。
 この提言の内容は、政府が障害者権利条約の批准に向けて
 法整備を進めていることとも関連するわけで重要だったはずです。

 ところが新しい法律案として示されたのは提言を尊重したものではなく、
 現在の自立支援法の一部を見直し法律名を
 「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」に変更し、
 制度の本格的見直しは先送りにする法の改正案でしかない
 ということから批判が相次ぎました。

 しかし法案は、2012(平成24)年3月13日に国会に提出され、
 翌月の4月26日に衆議院を通過し、翌々月の6月20日の参議院本会議で、
 民主、自民、公明各党の賛成多数により可決、成立しました。
 成立した法の施行は、一部を除き、2013(平成25)年4月からです。


 報道等によれば、厚生労働大臣は、法案の趣旨について、
 「地域社会での共生の実現に向けて
 新たな障害保健福祉施策を講ずるためである」との説明を行い、
 自立支援法の廃止の約束に関する質問には、
 「法律の名称を自立支援法から総合支援法に変えて、
 基本理念を新たに掲げ、法の根幹を変えたので廃止になる」とし、
 法の問題点の先送りについての質問には
 「一度にはやれないので、計画的に進めたい」と説明したそうです。

 新法だとする法律の内容が提言を尊重したものでなく、
 問題点を先送りにするようなものであれば、
 それは新法の制定ということにはならないわけで、
 国との約束を交わした訴訟団が、
 「国は約束を守らなくてよいのか」と憤慨するのは
 至極当然のことだといってよいでしょう。

【引用終わり】

*************************************************

 障害者総合支援法は完璧なものでないとする主張はある。
 でも、法が成立した限り、その法の趣旨が実現されるようにしていく。
 総合支援法の執行でやはり問題があれば、問題を指摘していかなければならない。
 法の範囲内で解決の道を探ってみる。
 それでも無理であれば、法そのものが問題である。
 法の改正を提言していく。
 障がい者が普通の生活をする共生社会の実現目指す取り組みである。
 (ケー)

障害者総合支援法成立までの紆余曲折

2013年09月06日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第91回目。

 障がい者が「自立支援法は違憲」だとする訴訟の和解を行った政府は、新法を作ることを期待された。
 しかし、「障害者総合支援法」は障がい者側すると期待に反するものだった。
 その経緯が以下に述べられている。
     
*************************************************

【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

◆自立支援法に代わる新法の原案を厚生労働省が示す
 2012(平成24)年2月7日 

 2012(平成24)年2月7日、
 障害者自立支援法に代わる新法の原案が厚生労働省より示されました。
 法案は3月中旬に国会に提出する予定とのことです。
 新聞の報道では詳細は不明ですが、新しい法案ではなく、法の改正案です。
 障害者が起こした「自立支援法は違憲」だとする訴訟の和解協議で
 政府は自立支援法の廃止を約束したにもかかわらず、
 廃止ではなく法の改正で対応する内容のようです。
 また新法に関する骨格提言を尊重したものでもないようです。
 当然批判が噴出することになると思います。今後を注視したいと思います。

◆自立支援法の廃止見送り 民主、厚労省案を一部修正
 2012(平成24)年2月22日 朝日新聞

 新法に向けた提言を受け、厚労省がこれをもとに
 現行法の改正案を示したものの、自立支援法を廃止し、
 新法にするのではなく法の改正案であることと、
 提言内容が反映されていないことから障害者らの反発を受け、
 新しい障害者福祉サービスを議論している民主党の作業チームは21日、
 将来の見直し規定を盛り込むなど、
 厚労省案に一部修正を加えた障害者自立支援法改正案をまとめたが、
 法改正で対応する方針は維持し、公約した同法の廃止は見送る形になった。
 また、「提言実現を目指す観点から、引き続き段階的・計画的に取り組む」
 との内容を、法の付則に明記するか、国会で付帯決議する方向だ。
 厚労省は「法の名称や理念も変えるので事実上の廃止だ」と説明している。
 野田政権は自立支援法改正案を3月中旬に閣議決定し、通常国会での成立をめざす。
 同法を与党として制定した自民・公明両党は、同法の廃止には反対の立場。
 民主党は、廃止でなく法改正手続きで対応することで、
 国会審議で自公の協力を引き出したい考えだ。

 ※法の名称は「障害者総合福祉法」ではなく、
 「障害者生活総合支援法」となるようだ。

◆障害者自立支援法改正案を閣議決定 公約の「廃止」見送り
 2012(平成24)年3月13日 朝日新聞夕刊

 野田内閣は13日、障害者福祉サービスを定めた今の障害者自立支援法を改正し、
 名称も変える「障害者総合支援法」を閣議決定した。
 新たに障害者の範囲に難病患者を加えることなどが柱。今国会での成立を目指す。
 法案は基本理念として、
 障害者がどこでだれと生活するかを選択する機会を保障することを明記。
 対象に難病患者を追加した。
 今の障害程度に応じた区分など、
 福祉サービス支給決定の仕組みや障害者支援のあり方を、
 施行後3年をめどに見直すことにしている。
 今の障害者自立支援法をめぐっては、
 サービス利用者に1割の定率負担を求める「応益負担」とした点に、
 障害者らから強い反発が起き、各地で訴訟も起きた。
 民主党は同法廃止を公約し、政権交代後も新法について検討を進めた。
 ただ、「応益負担」はすでに見直されているうえ、
 現行法を廃止した場合、自治体が支給手続きをやり直す必要があり、
 現場が混乱するなどの理由から、廃止を断念した。

 ※法案の基本理念に「障害者がどこでだれと生活するかを
 選択する機会を確保することを明記」とあるが、
 一見もっともらしく思われることであっても、
 こうした内容を法に盛り込むことは、
 判断能力に問題のある障害を有する場合を考えると、
 むしろ弊害もありうることを考慮する必要がある。

【引用終わり】

*************************************************

 障がい者側からすると、負担の解消を望んでいたが今回の法律でも不十分と見える。
 応益負担(サービスの利用量に応じた負担)から応能負担(支払い能力に応じた負担)とした改正自立支援法の考えかたはそのままになっているからだ。
 障がい者にはそれでも負担は大きい。
 小手先の改正でしかないと総合支援法も見えている。
 でも、まずこの法律により今後どんな福祉サービスが行われるかである。
 しっかり見極めて新たな問題に対してしっかりと提言していく必要がある。
 (ケー)

障害者の権利条約締結に向けた国内法の整備

2013年09月05日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第90回目。

 国連総会で障害者の権利に関する条約が採択された。
 その締結には国内法の整備が必要である。
 そのあたりの事情が以下に説明されている。
     
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

 2006(平成18)年12月、第61回国連総会において
 障害を理由とするあらゆる分野における差別を禁止し、
 障害者の権利を保障する「障害者の権利に関する条約(障害者の権利条約)」が
 採択されました。

 日本もこの条約の締結に向けて必要な国内法の整備を行っているところであり、
 障害者基本法が改正されたことも、
 障害者自立支援法に代わる新しい法律をどのようなものにするか
 ということもそれと関連しているわけです。

 その意味で、新法に関する骨格提言の内容は、きわめて重要なことだと思います。
 
 どのような法律であっても、
 その法律は確かな理念に裏打ちされたものでなければなりませんが、
 障害者自立支援法は、その点が不十分であったといっても過言ではありません。

             (2011.11.30)
【引用終わり】

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 国連における障害者の権利条約が採択されて、それの批准に向けて国内法の整備がずっと続いている。
 日本として条約がきっちり履行されるように、障がい者制度の抜本的な改革に集中的に取り組んでいる。
 日本の誠実な取り組みは、評価されるべきである。
 批准まで時間はかかっているが、国内の合意を得る作業は必要である。
 そのために、障害者総合支援法や虐待防止法、差別解消法の成立をみた。
 こうした法の執行によって、より良い障がい者福祉の向上を図っていく。
 障がい者が地域でごく当たり前の普通の暮らしができる社会を目指す。
 (ケー)

障がい者のニーズに即した生活権の確保

2013年09月04日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第89回目。

 障害者自立支援法を改正して、障害者総合福祉法(仮称)への成立に向けた骨格提言では次のような内容が示されていた。
 その注目点についてふれている。
      
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
-------------------------------------------------

新法の骨格に関する提言で注目すべき点

 ① 支援の対象となる障害(者)の範囲を、
  支援を必要とするすべての人としている。

 ② 介護保険制度との関係については、
  別個の制度とすべきであるとし、
  介護保険の対象年齢になった場合でも
  従来から受けている支援を継続できるものとするとしている。

 ③ 障害福祉サービス利用の際に受ける障害程度の認定には、
  介護保険制度の要介護認定に用いる調査項目をベースにした
  6段階の「障害程度区分」は使わないとしている。

 ④ サービスの利用者負担については原則無償とし、
  施設経営にかかわる利用者支援の報酬は原則日払いで、
  人件費等事業運営にかかる報酬は原則月払いとするとしている。
  そして人材の確保と養成についても提言していることです。

 これらのことは当初から問題にされてきたことであり、
 特に障害程度区分の認定に関する問題は、
 障害の実態に即したものではなく、
 障害の程度を6段階の区分に認定し、
 その区分により利用するサービスの内容や利用期間などを
 制限するのは利用者本位のサービスではない。
 自由に選べるサービスがあり、支援の継続があってこそ、
 障害者のニーズに即した生活権が確保されるということだと思います。

【引用終わり】

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 以上のように、利用者本位の福祉サービスを追求しているのが、障害者制度改革の骨格提言であった。
 新たに成立した障害者総合支援法においては、それがどの程度実現しているかといったことを問う必要がある。
 利用者がサービスを使うとどんな問題が生じているか。
 その実情を明らかにして新たな改善に結びつけていく。
 そしてより良いものにしてゆく。
 ただ、サービス提供の地域間格差が大きくなっている。
 福祉サービスを利用しようにもそれを提供する事業所が近くになかったりして、実質利用することができないといった例もある。
 例えば、児童デイサービスを提供する事業所が開設された。
 でも、放課後それを利用できるのは送迎サービスをやっていないため、ごく限られた家庭だけだったりする。
 なんのためのサービスかということになる。
 全ての条件を整えることは人材確保や経費上難しいかもしれない。
 サービス提供側も、利用者のニーズに即した対応をきめ細かにやってこそ信頼が得られる。
 (ケー)

障害者制度に係る改革の集中期間

2013年09月03日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第88回目。

 平成24年度までの10か年における障害者基本計画の策定、障がい者制度改革推進本部の設置といった改革に向けた集中的な取り組みがなされてきた。
 今までの経緯が以下に述べられている。
      
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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国の障害者施策の総合的な推進計画
    
    - 基本的枠組み -

 国は、「障害者基本法」に基づき、
 障害者施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
 「障害者基本計画」を定めています。
 現行の障害者基本計画は、
 平成15年度から平成24年度までの10年間に講ずべき
 障害者施策の基本的方向について定めています。
 この基本計画の後期5年間における諸施策の着実な推進を図るため、
 平成20年度からの5年間に重点的に取り組むべき課題について、
 120の施策項目、57の数値目標とその達成期間等を内容とする
 「重点施策実施5か年計画」を定めています。

 また、内閣に障がい者制度改革推進本部を設置し、
 平成21年12月から当面5年間を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置付け、
 「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」
 (平成22年6月29日閣議決定)等に基づいて、
 障害者の権利に関する条約(仮称)の締結に必要な
 国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る
 制度の集中的な改革の推進を図っています。

【引用終わり】

*************************************************

 障害者基本計画は、国、都道府県、市町村と策定することが義務付けられている。
 山形県でも今後10年間の障害者施策に係る計画づくりが行われている。
 その策定にあたっては、今までの障害者計画の達成状況を総括している。
 障害者施策の推進には基本計画があって、短期・中期の目標に関する定期的な評価はぜひ必要だ。
 そして、修正を図りながら計画達成に向けての取り組みを絶えず実施する。
 こうすることで、障害者施策を推進していくことになる。
(ケー)

改革への新しい一歩

2013年09月02日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第87回目。

 「障害者総合福祉法」(仮称)という新法成立に向けて、骨格提言をいかにまとめたかついて、次に説明している。
      
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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<改革への新しい一歩として>

 わが国の障害者福祉もすでに長い歴史を有しておりますが、
 障害者を同じ人格を有する人と捉えるよりも、
 保護が必要な無力な存在、社会のお荷物、治安の対象とすべき
 危険な存在などと受け止める考え方が依然として根強く残っています。

 わが国の社会が、障害の有無にかかわらず、個人として尊重され、
 真の意味で社会の一員として暮らせる共生社会に至るには、
 まだまだ遠い道のりであるかもしれません。
 そのような中で総合福祉部会に参集したわたしたちは、
 障害者本人をはじめ、障害者に関わる様々な立場から、
 違いを認め合いながらも、それでも共通する思いをここにまとめました。
 
 ここに示された改革の完成には時間を要するかもしれません。
 協議・調整による支給決定や就労系事業等、試行事業の必要な事項もあります。
 また、骨格提言に基づく法の策定、実施にあたっては、
 さらに市町村及び都道府県をはじめとする幅広い関係者の
 意見を踏まえることが必要です。

 わたしたちのこうした思いが、国民の世論の理解と共感を得て、
 それが政治を突き動かし、障害者一人ひとりが自身の存在を実感し、
 様々な人と共に支えあいながら生きていくことの喜びを
 分かち合える社会への一歩になることを信じて、ここに骨格提言をまとめました。
 今、新法への一歩を踏み出すことが必要です。

【引用終わり】

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 以上において、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において、骨格提言をまとめるにあたっての願いが述べられた。
 障がい者を一人の人間として認める社会になっていないことを訴えている。
 しかし、障がいのあるなしにかかわらず、それぞれの違いを認める共生社会がいずれ実現できるという希望をもっている。
 そうした共生社会の実現は、国民全体の協力がなにより重要になる。
 新法はその取り組みを支える一歩なのだという捉えである。
 (ケー)

「障害者総合福祉法」(仮称)の骨格提言はどうなっていたか

2013年09月01日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第86回目。

 民主党政権時に、「障害者総合福祉法」(仮称)制定に備えて骨格提言がまとめられた。以下のとおりである。
     
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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◆新法「障害者総合福祉法(仮称)」の骨格に関する提言
  
 平成23年8月30日、障害者自立支援法に代わる
 新法の骨格に関する提言がまとめられました。

 平成23年8月30日に、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第18回)が開催され、
 障害者自立支援法に代わる新しい法律の素案となる
 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言
  ―新法の制定を目指して― 」が、
 部会構成員の合意によりまとめられ、9月5日に公表されました。

  ― 提言の趣旨 ― 

 提言の「はじめに」、提言をまとめるにあたっては、
 2つの文書を指針に検討作業を行ってきたということが記されています。

 その1つが、平成18(2006)年に国連が採択した障害者の権利条約で、
 もう1つは、平成22(2010)年1月に国(厚生労働省)と
 障害者自立支援法訴訟原告ら(71名)との間で結ばれた基本合意文書であり、
 これらの文書は、障害者総合福祉法(仮称)の骨格に関する提言をまとめるに際し、
 基本的な方向を指し示す重要な役割を果たしたということです。

 そして提言では、新しい法律が目指すべきこととして
 次の6つの目標を最初に掲げています。

<障害者総合福祉法が目指すべき6つのポイント>
 
(1)障害のない市民との平等と公平
 障害は誰にでも起こりうるという前提に立ち、
 障害があっても市民として尊重され、誇りを持って社会に参加するためには、
 平等性と公平性の確保が何よりの条件となります。
 障害者総合福祉法がこれを裏打ちし、障害者にとって、
 そして障害のない市民にとっても新たな社会の到来を実感できるものとします。

(2)谷間や空白の解消
 障害の種類によっては、障害者福祉施策を受けられない人がたくさんいます。
 また制度間の空白は、学齢期での学校生活と放課後、卒業後と就労、
 退院後と地域での生活、働く場と住まい、家庭での子育てや親の介助、
 消費生活など、いろいろな場面で発生しています。
 障害の種別間の谷間や制度間の空白の解消を図っていきます。

(3)格差の是正
 障害者のための住まいや働く場、人による支えなどの環境は、
 地方自治体の財政事情などによって、質量ともに大きく異なっています。
 また、障害種別間の制度水準についても大きな隔たりがあります。
 どこで暮らしを築いても一定の水準の支援を受けられるよう、
 地方自治体間の限度を超えた合理性を欠くような格差についての是正を目指します。

(4)放置できない社会問題の解決
 世界でノーマライゼーションが進むなか、わが国では依然として
 多くの精神障害者が「社会的入院」を続け、
 知的や重複の障害者等が地域での支援不足による
 長期施設入所を余儀なくされています。
 また、公的サービスの一定の広がりにもかかわらず
 障害者への介助の大部分を家族に依存している状況が続いています。
 これらを解決するために地域での支援体制を確立するとともに、
 効果的な地域移行プログラムを実施します。

(5)本人のニーズにあった支援サービス
 障害の種類や程度、年齢、性別等によって、
 個々のニーズや支援の水準は一様ではありません。
 個々の障害とニーズが尊重されるような
 新たな支援サービスの決定システムを開発していきます。
 また、支援サービスを決定するときに、本人の希望や意思が表明でき、
 それが尊重される仕組みにします。

(6)安定した予算の確保
 制度を実質化していくためには財政面の裏打ちが絶対的な条件となります。
 現在の国・地方の財政状況はきわめて深刻であるため、
 障害者福祉予算を確保するためには、給付・負担の透明性、
 納得性、優先順位を明らかにしながら、
 財源確保について広く国民からの共感を得ることは不可欠です。

 障害者福祉予算の水準を考えていく上での
 重要な指標となるのが、国際的な比較です。
 この際に、経済協力開発機構(OECD)各国の社会保障給付体系
 の中における障害者福祉の位置づけの相違を丁寧に検証し、
 また高齢化などの要因を考慮した上での国民負担率など、
 財政状況の比較も行われなければなりません。
 当面の課題としては、OECD加盟国における平均並みを確保することです。
 これによって、現状よりはるかに安定した財政基盤を図ることができます。

【引用終わり】

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 以上のように、「障害者総合福祉法(仮称)が目指すべき6つのポイント」は、重要なことを指摘したものである。
 それも、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会構成員の合意のもとでなされた提言であった。
 この趣旨が、今回の「障害者総合支援法」に盛り込まれている。
 共生社会に向けた取り組みを図っていく。
 難病に対する理解も進んだ。
 地域移行をさらに推進していく。
 厳しい財政事情の中でも財源の確保に努める。
 法の理念を実現するのは、あくまでもそれに関係する人々の努力と工夫によるところが大きい。
 障がいにあった、地域の事情に合わせたきめ細かな対策は、そのつどうっていかなければならない。
 (ケー)