ここに書こうかどうかずいぶん悩みました。
書くこともなかなか難しいことでした。
それでも、同じような子がいると悪いから
名前を出さなければ、今回のことをみんなに教えてもいいよ。
と言ってくださった親御さんの思いもありましたので、
思い切って書くことにしました。
障がいが重ければ思いなりの悩みがあり、
軽ければ軽いなりの深刻な悩みがあります。
私の次男のように重度の子を持っている親にとっての悩みは
おおざっぱに言えば、本人の辛さをどう理解してどう軽減することができるか
ということだったりします。
でも、障がいが軽い子の親御さんの悩みはまた違いました。
恋愛や結婚に興味や憧れを持っている。
携帯電話やタブレットの操作をいとも簡単に(親よりも詳しい)覚えてしまう。
興味のあるアプリを入手して、親の行動範囲よりも広範囲の人と繋がってしまう。
先日、私に相談の電話をくれた方のお子さんもまたそんな軽い障がいの子でした。
「知る見る」で知り合った。
タブレットのアプリで友達になった。
「知る見る」で友達になった少しお姉さんに紹介してもらった。
こんな風に3通りにとれる理由がありましたが、
知り合った男性に会いに行くことにしたということです。
近くに住んでいるわけではありません。
電車で〇市までいく。
車で近くまで迎えに来てくれる。
2人で会うというと、親にダメと言われると考えたのか
親が知っている女の子の名前が何人か出てきています。
泊まってくるかもしれない、とも言っています。
つじつまが合わない話もぽろぽろ出てくるようでした。
お母さんも気が気ではなくなってしまったようです。
人を好きになる気持ちや結婚にあこがれる気持ちは尊重したい。
でも、その気持ちを利用されて騙されてしまうことも心配だ。
それに女の子です。悪い事件に巻き込まれてしまうことも心配。
そんな悶々とした気持ちの時に私に電話をくれました。
「知る見る」で知り合ったとしたら私が相手を知ってるかもしれない、
誰でもかれにも相談できる内容ではないと、私を思い出してくれたようでした。
私も大したお役には立てなかったのですが、
急きょ、知的障害者福祉協会さんにもご協力をお願いしました。
とりあえず「知る見る」に参加した人の中で車の運転ができる人は限られていましたし、
聞いた名前は参加メンバーにはいない事と、その人が住んでいる地域では
まだ「知る見る」はそれほど浸透していないということから、
どうも障がいのある人ではないかもしれない、という感じでした。
その事実をお母さんに伝えました。
どう対処するかを電話ではなしましたが、
わが子の気持ちをなるべく傷つけること無く
わが子を守らなくてはならないと腹をくくったお母さんの行動
さすがに親ならではのことだったと思います。
(どんな方法だったかをここに書くことはご勘弁ください)
そして、なんとかお子さんを納得させることができて
その男性と会うことをあきらめてもらったようでした。
先日の本人のお金のリスクの研修会の中でも出てきましたが、
知的に障がいがあることを利用して、だまして金を巻き上げようとする
「デート商法」なるものがあります。
本人がその人に会いたい、お金をあげたい、
何かを買ってその人のためになりたい、と本人が言っているのだから、と、
本人の希望なのだから支援する、というような事が意思決定支援なのか?
というように「苦笑」してしまう話もでておりました。
今回のことがこれだったのかどうかは解りませんが、
こんな犯罪に巻き込まれないように本人を守ることも親がいなくなったら
どうすればいいんだろう、という思いが頭をよぎってしまった出来事でした。
親としては子どもが傷ついてしまわないように気を付けたいと思うできごとです。
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