山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

社会的包摂戦略の必要性

2012年04月30日 | 地域福祉
 昨日、旧村の鎮守様のお祭りが終わった。天気に恵まれ、28度まで気温が上がった。
 子どもみこしが村内を巡った。子どもたちの元気な声が村内に響いた。最近はこうした光景も年一回になった。
 そして、本日早朝は、神社の幟旗棒の片づけ作業。
 村内の男どもが集合して総がかりの仕事。若い衆はごくわずか。あとは結構の年齢にいった人たち。
 棒だって5・6メートルもある。
 無事30分程度の時間で作業終了。
 なかなか手際の良い仕事である。

さて、政府「一人ひとりを包摂する社会」特命チームがまとめた「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)について、今までは「概要版」を紹介してきたが、これから本編を取り上げる。

 今後の社会のあり方について重要な指摘が多い。
 今までの繰り返しにもなるが、育成会としての理念のベースにもなる考え方なのでしっかりと理解する必要がある。

 まず、前文において、特命チームとして取り組む中味が説明されている。
 その第1段落を次に引用する。

********************************************************

【引用始め】

社会的包摂政策を進めるための基本的考え方(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)

              平成23年5月31日
   「一人ひとりを包摂する社会」特命チーム

 「孤立化」、「無縁社会」、「弧族」などと称されるように、地域や職場、家庭での「つながり」が薄れ、社会的に孤立し生活困難に陥る問題が、新たな社会的リスクとなっている。こうした日本社会の構造的変化への対応に必要な「社会的包摂」を推進するための戦略(「社会的包摂戦略(仮称)」)策定を目的にして、内閣総理大臣の指示に基づき、平成23年1月18日に「一人ひとりを包摂する社会」特命チームが設置された。本特命チームではこれまで、主に現場で実践的な取組を行っている有識者の方々から、計4回ヒアリングを行うなど、課題の把握に努めるとともに、必要な社会的包摂政策について検討を行ってきた。
  
【引用終わり】

********************************************************

 日本社会が抱えている「無縁社会」といったリスクに対応する「社会的包摂」を推進する必要性を訴えている。
 「社会的包摂」といった新たな理念により、実践家の取組を政府として政策に反映しようとしている。
 地域において知的しょうがい者が積極的に生活できることを目指している育成会としては、「社会的包摂」を日本国中に拡大することを望む。
 「社会的包摂」といった言葉も十分浸透していない。
 多くの人々が「社会的包摂」を理解し、具体的活動に協力してもらえるようにしたい。
 特命チームがその足掛かりをつくろうと懸命になってもらっている。
 (ケー)


◆ドキュメンタリー映画紹介「大丈夫。」

2012年04月29日 | 日記
映画のご紹介をします。

映画のタイトルは『大丈夫。~小児科医・細谷亮太のコトバ~』
障がい者が主人公ではありません。
40年来小児ガン治療の最前線で「いのち」とむきあっている
小児科医 細谷亮太先生の12年間をつづったドキュメンタリー映画です。

大丈夫。~小児科医・細谷亮太のコトバ~
細谷先生は現在聖路加国際病院の副院長をやっておられるのですが
山形県河北町の出身で、今現在も週末は河北町に戻り
患者さんを診ておられる大変お忙しい方です。

この映画が5月19日よりフォーラム山形で上映されることになりました。

初日の19日(土)13時からは監督の伊勢真一さんと細谷亮太医師
トークイベントも開催されるようです。

フォーラム山形

私も河北町出身なのですが、亮太先生のお父様に
子どもの頃大変お世話になりました。

私の母の話によると・・・
医院の中に入ると、激しく大泣きするような赤ちゃんだった私は
診察室にいる先生が「あいつうるさいから早く診て返そう」
と言うくらいの泣き方だったようで
待合室で順番待ちをしている人たちを尻目に
早く診察してもらっていたということでした

私のお母さん仲間でダウン症のお子さんを持つ方は
亮太先生が河北町にいらっしゃる時にお子さんを
診ていただいていたようです。
とっても有名な先生だから、とっても混むのだけれど
とっても良い先生なのと彼女は言っていました。

題名にもなっている「大丈夫。」は亮太先生が
診察の後、必ずいう口癖のようなものだそうです。

でも、「大丈夫。」とお医者さんから言ってもらえると
それだけで本当に大丈夫なような気がしますよね。

この機会に是非ご覧になってはいかがでしょうか(F)






誰も排除しない社会づくり

2012年04月29日 | 地域福祉
 本日は、昭和の日。
 かつては昭和天皇の誕生日だった。あれから、24年も経過した。
 昨日は、暑かった。いい天気で、山形市内、桜満開。スイセン、こぶし、チューリップが一斉に咲き誇っている。
 冬寒かった分、花も咲くのが遅い分咲く時期が一緒になった。
 もう、全てが満開である。

さて、政府「一人ひとりを包摂する社会」特命チームがまとめた「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)について、平成24年4月28日(日)のブログに引き続き、次に引用する。

 「誰も排除しない社会を目指した全国的な推進体制」の構築に関する項目である。

********************************************************

【引用始め】

  2 社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた取組

  (3) 誰も排除しない社会の構築を目指した全国的な推進体制の構築

   ○様々な機関による支援の輪が拡がっている今日においても、それら取組の狭間で、様々な支援にたどり着くことができず、生活困難が深刻化し、自ら命を絶つまでの事態に追い込まれる人が後を絶たないのも事実。

   ○誰も排除しない社会を構築していくためには、一人ひとりが支援に辿り着けるよう、それぞれの分野や対象ごとに発展してきた取組が、分野や対象ごとの縦割りを克服し、社会的排除に関する調査分析や情報発信、人材育成、取組が弱い地域へのフォローへと働きかけなどを行っていくことが必要。

   ○総理から指示のあった電話相談(コールセンター)事業は、誰も排除しない社会の構築を目指した全国的な推進体制の構築の第一歩として位置づけられるもの。こうした観点に立ち、事業化に向けて、さらに検討を深める。

 出典=社会福祉法人 全国社会福祉協議会・全国社会福祉施設経営者協議会「社会福祉関係施策資料集2011」(平成24年2月28日発行)p.3~p.4

【引用終わり】

********************************************************

 社会とのつながりが不十分なために、孤立死、孤独死といったことを聞かされる。
 これだって社会的排除である。
 いろんなサインを発しているのにうまく行政や地域が受けとってない。
 そうしたミスマッチの繰り返しにより、自らを社会から断絶してしまう。
 そして、周囲から隔絶した形で餓死するといった最悪の孤立死にいたったケースも、何度か報道されている。
 SOSの発信に直ちに対応できる体制が必要である。
 体の急変に救急車が出動するように、生活の困りごと等に直ちに対応する体制である。

 こうした問題に対して、育成会はどんな役割を果たせるのだろうか。
 今の状況では、なにか心許ない。
 困りごとに寄り添える体制をどうつくっていくか。
 即応体制には難点がある。でも、育成会なりに少しでも社会的排除に陥らない方法論が必要である。
 例えば、家族支援プロジェクト、障害認識プロジェクトといったワークショップ形式の研修会は、育成会としての一つの試みである。
 (ケー)


社会的排除のリスクを止める対策

2012年04月28日 | 地域福祉
 早朝5時より、地域の氏神様「八幡神社」祭典準備のための幟旗棒設置作業があった。何年かに1回当番が回ってくる。地域で昔から守ってきた氏神様のお祭りを盛り上げる共同作業である。
 あうんの呼吸で打ち合わせなくても自分のできる役割をこなして1時間もすると、あっという間にできてしまう。
 わたしなんか大した仕事することもなく、大して役立っていない。
 ここは生まれも育ちも何代もという人たちが実力発揮。そういう人たちが中心で仕事を段取りよく進める。
 地域社会のつながりを守るというのは、こういうことなのかなあとつくづく思う。
 明日はお祭り。子どもみこしが出る。屋台が一軒出る。昔から続いてきた小っちゃな村のお祭りである。神社の敷地に住んでいた宮司が亡くなって、跡継ぎがいない。よそから宮司を呼んでお祓いをしてもらうことになっている。

 神社境内の桜は葉桜状態になっていた。

さて、政府「一人ひとりを包摂する社会」特命チームがまとめた「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)について、平成24年4月25日(水)のブログに引き続き、次に引用する。

 「社会的排除のリスクを止めるプロジェクト」の取組に関する項目である。

********************************************************

【引用始め】

  2 社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた取組

  (2) 先導的なプロジェクトの実施

   ○社会的に排除された人や各種制度から漏れた人、特にいくつもの領域に重なって連携が難しい、あるいは、いずれの領域からも十分なアプローチができていない対象に対しては、複数の領域を組み合わせた、また、フォーマル、インフォーマル両面からの適切な支援を行っていくことが必要。

   ○その際には、次のような観点が重要。
    
    ・社会的排除のリスクの連鎖・累積を止めるための包括的・予防的な対応

    ・アウトリーチの手法や、居場所づくりの機能

    ・関係機関や地域住民等を含めた真に実効性ある実質的な連携体制の構築

    ・コーディネイト役を担う専門家の育成や、地域住民の理解の促進のための学習・研修機能

   ○こうした観点に立って、先導的なプロジェクトとして以下の取組を進め、こうした取組から得られた情報を戦略策定に活かすアプローチをとることが重要。

    ・パーソナル・サポート・サービスのモデル・プロジェクトを継続発展させ、その制度化に向けた検討を進めること。

    ・稼働年齢外の人、稼働能力を有しない人も含め、複数領域を組み合わせた支援が求められる分野において、既存の制度等を補完する仕組みや、実効性のある連携体制の構築、人材育成等に取り組むモデル事業の検討。

   ○また、被災地においては社会的排除の問題が凝縮されており、今後のわが国の社会的包摂に向けた取組姿勢を問う試金石として、被災者の多様なニーズに寄り添い、老若男女全ての者の社会参加の促進と潜在能力の発揮につなげていくという視点に立った、包括的な支援機能の構築に取り組むことが必要。

 出典=社会福祉法人 全国社会福祉協議会・全国社会福祉施設経営者協議会「社会福祉関係施策資料集2011」(平成24年2月28日発行)p.3

【引用終わり】

********************************************************

 社会的排除は、被災地に凝縮されている。弱者は弱者のままで取り残され、ますます格差が広がる結果となりかねない。
 全ての人たちの社会参加が促進され、潜在能力を発揮できるような支援策が求められている。
 社会的排除のリスクを回避するための個別・具体的な適切な支援体制を構築していく必要性が訴えられている。

 (ケー)


#地震発生から1年と48日目「大災害時の障害者支援を議論」

2012年04月27日 | 災害
 平成23年(2011年)3月11日(金)14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)から1年と48日目(平成24年4月27日、金曜日)。
 また、大震災発生から1年と48日目の新しい朝を迎えた。

日本財団ブログ・マガジン「大災害時の障害者支援を議論 東京で国連専門家会議開催 [2012年04月26日(Thu)]」を次に引用する。
     
************************************************************

【引用始め】

 http://blog.canpan.info/koho/archive/1734

大災害時の障害者支援を議論 東京で国連専門家会議開催 [2012年04月26日(Thu)]

東日本大震災で犠牲になった障害者の割合が高かったことが各種調査で明らかになった。こうした大災害など緊急事態が発生した際の障害者支援や障害者の社会参加のためにICT(情報通信技術)をいかに活用するかを考える国連専門家会議が19日から21日までの3日間、東京の日本財団で開催された。日本財団、国連経済社会局、国連広報センターが共催した会議には日本をはじめ世界14カ国からら31人の専門家が参加した。このうち2日目の20日は、自然災害・緊急事態への対応について話し合われ、東日本大震災で障害者が多数犠牲になった実態が報告された。

NHKチーフディレクター(医療・社会福祉担当)の迫田朋子さん、日本障害者フォーラム(JDF)幹事会議長の藤井克徳さん、宮城教育大准教授(聴覚障害児教育・支援)の松崎丈准さん、米国危機管理局のマルシー・ロスさんらがそれぞれの立場から報告した2日目は、インターネット電話サービス・スカイプを使ってハイチやパナマ、ロシアなどからも意見が寄せられた。

 日本の3人はいずれも東日本大震災で障害者の死亡割合が高かったことを報告。迫田さんは被災地(岩手、宮城、福島)3県42の市町村で実施したアンケート調査で、一般の人が亡くなった割合が総人口の1・16%だったのに対し、障害者は2・08%に達し、特に宮城県石巻市では一般人が1・96%、障害者5・03%と、障害者が高い確率で死亡したことを紹介。避難所や仮設住宅でも障害者対策が不十分だったことを問題点として提示した。藤井さんは、被災した障害者の実態が詳らかにされていないこと、高い死亡率の背景には「障害者ゆえに」という人災の要素もあり、援護者が来てくれず、個人情報保護法が壁になって安否確認や生活支援ができなかったケースが続出したことなどを指摘し、被災した障害者の正確な把握、生活実態の調査、障害者の防災政策の有効性の洗い直しが必要と強調した。

 聴覚障害者として仙台市で被災した松崎准教授は、聴覚障害者や難聴者が津波発生の情報にアクセスすることができずに犠牲になったと述べ、停電しても使え、耐水性がある持ち歩きができる1CTツールを政府と民間が協力して開発すること、災害時の手話通訳のサポートの充実などを提言した。

 2010年1月12日にM7の地震が起き、死者が31万6000人という大きな被害が出たハイチのジェラルド・オリオール障害局長は、スカイプを通じて障害者の被災状況などを報告。「障害者施設の90%以上が破壊され、現在も多くの人がトラウマに悩まされているが、聴覚障害者に対し携帯電話を使って収入増を図るプログラムを提供している」ことを明らかにした。初日、あいさつに立った笹川陽平日本財団会長は、障害者に対するICTの活用に触れ、今回の大震災では十分に活用されなかったことも踏まえ、今後のICTの普及活動の重要性を訴えた。(石井克則)


 日本財団は2011年9月11日より、被災地の聴覚障害者向けの代理電話、遠隔手話・文字通訳サービスを無料で実施している。
 日本財団遠隔情報・コミュニケーション支援センターの連絡先は次の通り。

電話:0120-522-499 FAX:0120-522-899
メール:nf-support@plusvoice.jp
ホームページ:http://plusvoice.jp/nf-support/
    
【引用終わり】

************************************************************
 
 知的障がい者にとって災害時の問題は、支援者の的確な判断があるかどうかである。
 身近に支援者がいれば、避難することそのものに問題はない。
 ただ、一人でいるときに自ら判断できない心配がある。見知らぬ人に支援を求められるよう常日ごろから練習しておく必要がある。お助けカードを常時携帯するなどである。
 避難所での対応が心配である。福祉避難所の設置が重要である。

 日本財団の活動は東日本大震災に際して、目をみはるものがあった。
 被災地や被災者のニーズに応じて、スピーディーに的確な支援を行ってきた。
 被災者に対して、5万円ずつの現金を災後直ちに配ったことは、他の団体ができなかったことである。
 着の身着のままで避難した人たちにとっては、とてもありがたい現金だった。
 学生はじめ、志のあるいろんなボランティアを集めて、被災地の泥片づけ、また、足湯サービス。
 原発事故に関する正確な情報提供のため、現地での国際会議の開催。
 多方面にわたって、大がかりできめ細かな活動は他を圧倒するものだった。

 それも、今までの被災者支援によるノウハウが蓄積されていたからである。阪神・淡路大震災等の経験である。

 日本財団のような活動があってればこそ、「明けない夜はない」と被災者も前向きに活動ができたはずだ。
 日本財団の活動に今後も注目していきたい。
 (ケー)

社会的排除のリスクが連鎖する問題

2012年04月26日 | 地域福祉
 北国山形にもようやく桜の花が咲く季節がやってきた。
 ポカポカ陽気で華やいだ気持ちになれる。
 桜は人を和ませる。
 東京電力福島第一原子力発電所事故で、避難地域になった町にも桜が咲いている報道があった。そこらを白い防護服で身を固めた一時帰宅の人たちがいる。
 異様な光景である。
 でも、桜だって放射能でやられそうだが、自然の力はそれをものともせずいつもどおりの花を咲かせた。
 野生化した家畜たちも人にビックリしたりするが元気に町中を歩き回っているそうだ。
 放射能汚染ってどうなっているのだろう。素朴に自然が全滅するって思いがちだが、どう考えればいいのだろう。これからじんわり影響が出てくるのかなあ。
 60数年前の広島、長崎はどうなっていたのか。
 原爆投下1年後はどうなっていたのだろうか。
 いやいや勝手な想像たくましくすることこそ、風評被害を増大する。
 まずは事実を客観的に時間かけてみることだ。 

 さて、昨日(平成23年4月25日)に引き続き、政府「一人ひとりを包摂する社会」特命チームがまとめた「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)を次に引用する。

 「社会的包摂戦略」策定に向けた取組の項目である。

********************************************************

【引用始め】

  2 社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた取組

  (1) 社会的排除のリスクについての実態調査(大震災による影響を含めて)
  
  ○社会的包摂戦略(仮称)の策定に向けて、個人の積み重なったリスクや、その社会的広がりを把握するための調査を実施し、社会的排除のリスクが連鎖していく経路について分析整理するとともに、現在のセーフティネットがどのような点で対応できていないのかを明らかにすることが必要。

  ○加えて、今回の大震災の直接的・間接的な影響によって、社会的排除のリスクが国民全体の間でどのように高まり、これに対してどのような対応ができているのか、できていないのかを調査し把握することが重要。
 
 出典=社会福祉法人 全国社会福祉協議会・全国社会福祉施設経営者協議会「社会福祉関係施策資料集2011」(平成24年2月28日発行)p.3

【引用終わり】

********************************************************

 社会的排除のリスクが連鎖するとの指摘は重要である。それを調査把握するというのだ。
 東日本大震災による社会的排除の影響も調査し、その対策をうつ。うっているのだろうか。大震災から1年と1か月以上が経過した。まだまだ復興にはほど遠い地域が多い。時間が経てば経つほど問題が複雑になり、格差が大きくなる。
 社会的包摂から離れていくことになる。
 一人ひとりが社会的排除でなく、社会的包摂とは何かを理解することが必要である。
 (ケー)


◆「共生社会」への地域づくり

2012年04月25日 | 研修会
ようやく山形市内の桜も開花してきました

三分咲きというところでしょうか


この辺りはだいぶ咲いています


今年の2月11日~12日に名古屋で行われた
第1回全日本手をつなぐ育成会
 事業所協議会全国研修大会

研修テーマ
「新たな時代のスタートをきろう!事業所協議会の役割と展望」
の報告書を読んでいましたら、以前に故守谷理事長がおっしゃっていた
事と同じような事を指す文章が載っていました。

全日本手をつなぐ育成会の副理事長で
地域づくり委員会 委員長の久保厚子さんの報告です。

久保副理事長は滋賀県育成会の会長でもあり
福祉施設の理事長もやっていらっしゃる方です。

  一部引用します       

「地域づくり」の一つとして、障がいのあるわが子の幸せを願い
様々な施策や制度の整備と充実を求めて
親どおしが集まり関係者や市民に呼び掛けて
発足した「育成会活動」があり、
もう一つはわが子の幸せを願う気持ちからできた
「事業所活動」があります。

それぞれに相対する立場の部分もありますが
障がいのある本人の幸せや、あたりまえの生活を求めること
充実した生活を思う気持ちは同じ方向を目指しています。

全日本育成会の強みは「育成会活動」と「事業所活動」の
両方が存在することにあると言えます。

今後、地域での「共生社会」を構築していくためには
この両方が車の両輪のように連携をとり、
協力しあいながら、共生社会への「地域づくり」を
始める必要があります。


  引用終わり      

大会趣旨から抜粋
育成会の活動も、制度政策実現の要求運動から
「共生社会」実現のための地域づくり運動(社会貢献活動)へ
育成会活動が変わっていかなればならない。
その運動の先導役を障害者事業所、事業所協議会が
担っていくべきであると考えています。

小規模作業所時代から、事業所活動を通して
地域と共に生きてきた歴史と伝統が私たちにはあり
それが育成会活動の原点であるという事を考えると
むしろ必然ではないでしょうか。

今回の全国研修大会は育成会にとっても、事業所協議会にとっても
新しい時代をつくっていくスタートです。
また、親の会の育成会本体と事業所協議会が
連携を深める絶好の機会であります。

         


障がいのある本人を車に乗せるとします。
両輪がバランスよく動かない車では
乗っている本人は、安心して車(地域生活)
に乗っている事(あたりまえの生活)ができませんし、
私たち親も安心して車に乗せる事はできません。

故守谷理事長は、山形県手をつなぐ育成会は
山形県知的障害者福祉協会と連携を強め
車の両輪のごとく協力していかなければならない

と何度もおっしゃっていました。

山形県でも育成会と福祉協会、事業所協議会が
益々協力しあい「共生社会」を目指して
活動をしていかなくてはなりませんね(F)








◆セミナーのお知らせ

2012年04月24日 | 研修会
PandA―J2012≪障害者虐待防止セミナー≫

障害者防止センターを
どう作り活かすか

―2012年10月実施をめざして―
良い取り組み実践事例を通して

■□東京(5/13)・大阪(6/3)の2会場□■
共通テーマ


テーマ1「障害者虐待防止法 市町村障害者虐待防止センターへの期待と課題」
    曽根直樹(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部虐待防止専門官)
    野沢和弘(NPO法人PanaA―J、毎日新聞論説委員)

テーマ2「市町村の相談窓口が虐待を相談されたときどう対応すればいいか
     知っておきたい聞き取りの基本と虐待事態への対応、司法面接法」
    仲真紀子(北海道大学)、堀江まゆみ(白梅学園大学)

テーマ3「全国市町村で進めている障害者虐待防止センターの取り組み
     市町村と相談機関の連携の在り方、抱える虐待事例への対応」
     「良い取り組み」実践5事例の紹介と検討を通して
 
 シンポ聞き手 野沢和弘、又村あおい(全日本手をつなぐ育成会編集委員)
        村上利男(社福 北摂杉の子会統括施設長)

 日時・会場案内    

東京会場 日時:2012年5月13日(日) 定員180名
          10:00~16:30(受付開始9:30~)
    「会議室ベルサール神保町」
    東京都千代田区西神田3-2-1住友不動産千代田ファーストビル南館2-3F
    「九段駅下車」7番出口徒歩3分(東西線)

大阪会場 日時:2012年6月3日(日) 定員300名
          10:00~16:30(受付開始9:30~)
    「大阪府立中央図書館 ライティホール」
    大阪府東大阪市荒本北1-2-1
    「荒本駅」(近鉄けいはんな線)から400メートル

申込み方法 費用2000円(参加費1000円+冊子資料1000円)
    申込み PandA-J事務局にメールかFAXでお申込みください。
    メール:info-panda-j@shiraume.ac.jp
    FAX:03-6380-8403・042-344-1889
    参加ご希望の方は、所属と氏名、連絡方法をお書きの上
    申込みをお願いします。

障害者虐待防止法が10月からの実施を前に、全国市町村の「良い取り組み事例」を通して今後の虐待防止センター設置に向けての情報の共有と課題の検討を行っていきます。

参加対象は、市町村担当者、支援者、親、関係者です。
  皆様多くの参加をお待ちしております。
     

一人ひとりを包摂する社会

2012年04月24日 | 地域福祉
 社会的包摂政策を進めるための特命チームがあるのをご存じだろうか。
 政府内に、「一人ひとりを包摂する社会」特命チームが、平成23年1月に設置されている。
 その経緯を次に引用する。

********************************************************

【引用始め】

 概要版「社会的包摂政策進めるための基本的考え方」(社会的包摂戦略(仮称)策定に向けた基本方針)

 内閣総理大臣の指示に基づき、平成23年1月18日に「一人ひとり包摂する社会」特命チームが設置されて以降、同チームにおいて検討を進め、今般、社会的包摂政策に関する基本認識及びそれに基づく今後の取組方針となる「基本方針」をとりまとめた。本基本方針に沿ってさらに検討を進め、今後1か月以内を目途に、緊急に着手することが必要な施策を中心に、「緊急政策提言」をとりまとめることとする。

出典=社会福祉法人 全国社会福祉協議会・全国社会福祉施設経営者協議会「社会福祉関係施策資料集2011」(平成24年2月28日発行)p.2

【引用終わり】

********************************************************

 以上のような特命チームによってとりまとめらた緊急政策提言が今どんな形で具体化されているのだろうか。
 東日本大震災(平成23.3.11)以前に設置されていて、その後それどころではなくなってしまったなんてことになっていないか。ちょっと心配。
 平成23年5月31日に「一人ひとりを包摂する社会」特命チームから、「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」が提言されているので、それなりのものはできあがった。
 東日本大震災の内容も盛り込んだ内容になっている。
 それを受けて、補正予算も組み込んでいるに違いない。そう信じたい。

 社会的包摂ということばは聞き慣れない。
 障がい者分野ではインクルージョンということばを使う。
 障がいのある人も障がいのない人も普通に暮らす共生社会と理解しておこう。
 社会的包摂というのは、障がい者だけでなくもっと対象は広い概念として捉えている。

◆家族支援ワークショップ開催のお知らせ(酒田育成会)

2012年04月23日 | 研修会
酒田手をつなぐ育成会では、昨年に引き続き
赤い羽根共同募金の支援を受けて
「家族支援ワークショップ」を実施します

今回は、酒田特別支援学校のPTAの方を対象に
案内を出しています。

日 時:平成24年5月12日(土) PM1:15~3:30
場 所:酒田市社会福祉協議会 2階会議室
    酒田市新橋2丁目1-19
対象者:知的な障がい者がいる家族(支援学校関係者)30名
参加費:無料
申込み:別紙 締切5月7日(月)

以上のようになっています。

主催は酒田市手をつなぐ育成会ですので
お問合せは、酒田市育成会の横山事務局長へお願いいたします。

         


昨年は6月に会員を対象に開催されたワークショップです。
今回は酒田特別支援学校の保護者の方が主な参加者だそうです。
私もファシリテーターとして参加させていただきますので
よろしくお願いします(F)

◆浮上!

2012年04月23日 | 日記
以前にこのブログにも載せたのですが

重~い悩みを抱えて沈み込んでいた友人から

方向性が決まって、そちらに歩き出した
ようやく水面に浮上しました

と連絡が来ました良かったです

随分と長い間(4~5ヶ月)悩んでいたようでした。
人に話せるまでに整理ができて来たのだと言って
私に悩みを打ち明けてくれましたが
それからでも、1ヶ月くらい経っています。

本当に色々な葛藤があったのだと思います。
悩みを解決する。何かを決定する。というのは
他人が決める事ではありません。
悩んでいる本人が納得できてこそ解決だと思います。

私は、家族支援・障害認識のワークショップの
ファシリテーターをやらせていただいておりますが
その養成講座の時に講師の先生から教えていただいた事の中で
話し合いで、自分とは違う考えを持つ人がいても決して否定はしない事。
それはその人の考えなのだと受け止める事。
アドバイスは自分の考えを押し付ける事にもなるので、
1つの事例として話す事。

という教えがありました。

友人から悩みを打ち明けられた時はワークショップではありませんが
なんだか、共通するものを感じていました。
ですので、私は自分の経験談は話しましたが、
「だからこうやってみれば?」
というアドバイス的なものは一切言わずに
「充分に考えて一番良い方法をゆっくり考えれば?」
とだけ伝えるようにしました。

今回、彼女が出した答えは彼女が家族と話し合って決めたようです。
ですが、私からしてみれば
「それを選んじゃったのか・・・」というものでした。
なぜなら、彼女にかかる負担がとても大きいものだったからです。

でも、悩みぬいて出した答えに私がとやかく言えるものではありません。
ですから、結論がでた事を喜び、
私にまで報告してくれた事に感謝をしました。

そして、最後に
「でも、それがだんだん辛くなってきたら無理して頑張りすぎないで
次の段階に行けるように準備だけはして置いた方が良いんじゃないの?
どうしても母親だけが背負っちゃう事になるし・・・」
とだけ伝えました。

彼女は「うん。そうだね。辛く感じたら無理しないで次に進む!」
と言ってくれました。

それから彼女がくれるメールは
以前と同じように明るいものになりました。

彼女は言ってました。
人よりひと月遅いけど、やっと春が来た感じ

私も現在、水中から口だけパクパク出している
金魚みたいな状態なので、
早く身体全部が水面に浮かび上がるようになりたいな~(F)












3月から5月にかけての仕事(多忙?)

2012年04月23日 | 業務
 多忙の一言。
 始めからして愚痴ぽい話になりそう。
 3月・4月・5月の年度終わりから年度初めは、多忙は恒例の行事と分かってはいるが、今年は殊の外忙しく感じる。
 なんて、毎年思いながら仕事しているのかもしれない。

 3月7日(水)は、本育成会の第7回理事会。予算上大きな見込み違いで、決算は赤字となった。理事の方々より基本財産を繰り入れて、今後会計の縮減に努めるようご指摘があった。

 3月15日(木)は、平成23年度山形県手をつなぐ育成会支部会長・事務担当者合同研修会を開催。米沢市栄光園の吉池道夫園長の講演。
 県育成会の今までの歴史をさかのぼり、社会福祉法人から一般社団法人に移行した意義について語ってもらった。
 特に、各地域において施設と育成会の連携協力を推進する必要性が指摘された。

 4月10日(火)「平成23年度社会福祉振興助成事業に係る自己評価」を提出。80万円の助成金をもらって、第51回手をつなぐ東北ブロック大会・(併催)第23回山形県知的しょうがい者福祉大会(平成23年10月15日~16日)開催。その事業会計報告と事業に関する評価資料の提出。詳細な事業報告を求められた。公金による助成だから当然である。

 4月12日(木)本育成会の平成23年度会計監査。会計に関する諸帳簿を会計事務所の指導を受けて超スピードで整えた。決算の赤字については、東北ブロック大会開催において、こちらで考えた見積もりが甘かったことの指摘を受けた。

 同日、「山形県NPO活動促進補助事業状況調書」を県庁担当課に提出。山形市手をつなぐ育成会を中心に実施した「本人たちによる防災会議」の事業報告書を提出した。40万円の助成をもらって、9回の防災会議、「本人のための本人による防災ポスター」作成することができた。会計にかかる書類等、結構な事務作業であった。

 4月18日(木)第8回理事会を開催。当然、平成23年度の決算の問題を受けて、平成24年度の事業のあり方についていかなる経費縮減を図るかが協議された。人件費見直し、会議の効率化、会員増等による収入増による運営に努めることになった。

 連休明けの5月7日(月)は、故守谷俊雄理事長の本葬がある。北原守全日本手をつなぐ育成会理事長が遠路お越しいただき、参列してくれる。

 5月17日(木)は、総会がある。それに向けて資料作成に励む必要がある。各支部会長等あて、案内状を5月20日付けで発送した。

 以上、毎年多少の違いはあっても同様の内容について実施している。
 特に、今年は決算に穴開けたり、守谷理事長が亡くなったりといつもの年にはないようなことがあった。
 それが気持ちを重苦しくしている。
 ただ、それ以上に、東日本大震災があって昨年の3月に計画していた行事のほとんど中止にせざるを得なかったことにくらべると、ましなはずである。
 人って勝手である。
 その時その時で、感情がうつろに動く。
 困った動物である。

 でも、明るくするニュースもある。
 山形県出身、女子ゴルフの大江香織(22)選手が「第31回フジサンケイレディスクラシック」で初優勝。賞金ランク5位である。今後の活躍を期待しよう。

 J2のモンテディオ山形が、2位まで浮上してきている。J1復帰目指してがんばっている。

 (ケー)

#地震発生から1年と43日目「震災が気づかせてくれたこと」

2012年04月22日 | 災害
 平成23年(2011年)3月11日(金)14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)から1年と43日目(平成24年4月22日、日曜日)。
 また、大震災発生から1年と43日目の新しい朝を迎えた。

まだ、早朝5時ちょっと前。東の空が朱色に染まり始めたばかりである。空全体は薄青味がかったグレイ状態。キジの叫び声がやかましい。
 山形市内もこの時間でも寒さを感じなくなった。春が来たんだなあと実感できる。

さて、「YOMIURI ONLINE 読売新聞」に、「青山学院スタイル2011」という広告版として掲載してある対談が興味深い。
 震災後の若者たちの活動は頼もしく期待できるという内容だ。
 次に引用する。
     
************************************************************

【引用始め】

http://www.yomiuri.co.jp/adv/agu2011/talk/vol6/

「ポスト震災世代」に期待 日本社会の新しい形

平澤典男(青山学院大学経済学部経済学科教授)×青山彰久(読売新聞東京本社編集医員)

震災が気づかせてくれたこと

青山 3・11の震災から1年が経ちましたね。

平澤 亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

青山 何度も被災地に足を運びましたが、阪神大震災や関東大震災のように大都市をピンポイントで直撃したものとは、まったく性格が違うということを強く感じています。大きな被害を受けたのは、海岸線にして500キロあまり、それぞれに豊かな個性を持ちながら、人口減少・高齢化といった悩みを抱える地方都市や町村です。復興計画を立てるうえでも、全く異なる発想が必要だと思うのですが、先生はあの震災をどう捉えていらっしゃいますか。

平澤 私は震災が、むしろ現代社会のシステム全体を直撃した点、システムの脆弱さを露わにした点に注目すべきではないかと考えています。

 家・村あるいは宗教的共同体といったかつての地域コミュニティは、労働力を必要とする産業化の過程でどんどん個人という単位に分解されていきました。そして、それらは「貧困からの脱出」という共通の目標を通り越して、金融化の過程では他を顧みない価値観が広がり、情報化の時代ではひとはさらに分断、バーチャルな空間に逃げ込む若者さえ出てきたように思われます。

青山 戦後は、農村部の共同体について、個人の自由を束縛する封建的なもの、前近代的なものとして否定した歴史もありました。

平澤 共同体を解体していった結果失われた機能、たとえば保育、老人介護といったものを、かろうじて自治体や国といった政府・行政が拾いあげるというのが現代の日本社会のシステムでした。地震対策も政府の役割だったはずです。

 ところがあのような災害が起こってみると、個人ではもちろん生き残れない、かといって頼みの綱であった政府もあてにはできないということが露呈した。機能しない自助・公助に代わって力を発揮したのが、かつて地域共同体が担っていた、いわゆる「共助」です。

青山 具体的にはボランティア、NPOといった市民同士の助け合いですね。十分ではないかもしれませんが、これまでの災害に比べると、動きが速くしかも効率的・効果的でした。

平澤 人は進化の過程で協力する行動あるいは利他的な行動をとるという資質を進化させてきたという見方がありますが、私もその説を信じたいと思っています。震災当日、青山学院大学は記念館や青学講堂を開放し9000人の帰宅困難者を受け入れましたが、その中に交じっていた修学旅行中の高校生たちが、自発的に水や物資の配布を手伝う姿を目のあたりにしましたからです。

青山 忘れていた自分たちの力に、震災が気づかせてくれた。とくに感受性の強い若者たちの間でそれが起こっていたとすると、それは今後の大きな希望につながりますね。  
     
【引用終わり】

************************************************************

 東日本大震災は甚大な被害をもたらし、戦後日本が築いてきた効率的なシステムの問題点があらわになった。

 それを平澤氏は次のように述べた。
 「機能しない自助・公助に代わって力を発揮したのが、かつて地域共同体が担っていた、いわゆる「共助」です。」
 地域における助け合いを取り戻していかなければならないと言うことである。

 それが災後にどんな形になっていたか。
 青山氏は次のように述べた。
 「具体的にはボランティア、NPOといった市民同士の助け合いですね。十分ではないかもしれませんが、これまでの災害に比べると、動きが速くしかも効率的・効果的でした。」
 日本国中が被災地の人々に心を寄せ、ボランティアを買ってでた。日本人全体ができる範囲の支援を行ったと言っても過言でない。

 さらに、平澤氏は人間のすばらしい資質が発揮されたとして次のようにも述べる。
 「人は進化の過程で協力する行動あるいは利他的な行動をとるという資質を進化させてきた。」
 今まで「利他的な行動をとる」機会に恵まれなかったともいえる。
 大震災がきっかけで「利他的行動」をすなおに表すことができた。

 その一つの事実を平澤氏はあげる。
 「震災当日、青山学院大学は記念館や青学講堂を開放し9000人の帰宅困難者を受け入れましたが、その中に交じっていた修学旅行中の高校生たちが、自発的に水や物資の配布を手伝う姿を目のあたりにしましたからです。」
 高校生たちが自ら買ってでて、みんなを助ける。こうしたことをなにげなくできたことは明るい将来を感じさせる。

 青山氏は若者に対して希望をあるなあと次のようにも語る。
 「忘れていた自分たちの力に、震災が気づかせてくれた。とくに感受性の強い若者たちの間でそれが起こっていたとすると、それは今後の大きな希望につながりますね。」

 わが「手をつなぐ育成会」は呼称からして、みんなで助け合う組織である。
 知的しょうがい者のいる家族や当事者たちが、地域で普通の暮らしができるよう力あわせて問題解決に取り組んできた。
 しかし最近、会員の減少といった組織の弱体化がみられる。
 若い人たちにとって魅力ある組織でなくなってきている。
 ニーズをうまくすくい取っていないことも一因である。
 そもそも自ら汗かくことが少なくなってきている。
 知的しょうがい者を支援する制度やサービス提供を公的機関がやってくれると思ってしまっている。
 でも、それだってみんなで力あわせて世の中に訴えたからこそ実現できたのである。
 今回の大震災でも、全日本手をつなぐ育成会があったことで的確な支援もなされた。
 自助、公助で限界があるところを、共助という育成会組織が機能することが今求められている。

 いざという時「明けない夜はない」と前向きな活動ができるような組織になっていかなければ。
 (ケー)

#地震発生から1年と42日目「地域再生の補正予算」

2012年04月21日 | 災害
 平成23年(2011年)3月11日(金)14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)から1年と42日目(平成24年4月21日、土曜日)。
 また、大震災発生から1年と42日目の新しい朝を迎えた。


○ 厚生労働省/社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長 土生(はぶ)栄二氏は「障害保健福祉施策の動向」の中で、「障害保健福祉部 平成23年度第三次補正予算」について述べた。

 地域における暮らしの再生に向けて、医療・福祉サービス・コミュニティの再生、被災者の健康確保に関する第三次補正予算の内容である。
     
************************************************************

【引用始め】

 障害保健福祉部 平成23年度第三次補正予算予算

 Ⅰ 東日本大震災における暮らしの再生 

 第1 地域における暮らしの再生

 【医療・福祉サービス・コミュニティの再生】

  被災地域の暮らしを再生し、少子高齢社会のモデルとなるよう、医療・福祉サービスの提供体制と地域コミュ二ティを再構築する。

  障害福祉サービスの再構築(障害者自立支援対策臨時特例基金の積み増し(被災3県)) 20億円

   被災地の障害福祉サービス事業所において、引き続き安定したサービスの提供を行うことができるよう、以下の事業に対して財政支援を行う。

   ①障害福祉サービス復興支援拠点(仮称)を整備し、以下の支援等を実施

    ・ 障害者就労支援事業所の業務受注の確保及び流通経路の再建の取組
    ・ 障害者自立支援法・児童福祉法に基づく新体系サービスへの移行
    ・ 発達障害児・者のニーズに応じたサービス等の提供

   ②居宅介護事業所等の事業再開に向けた施設整備 など

 【被災者の健康確保】

  被災者の方々の心とからだの健康を確保する。

  被災者の心のケア(障害者自立支援対策臨時特例期間の積み増し(被災3県)等) 28億円

   被災者の方々に対して中長期的な心のケアを行うため、以下の事業に対して財政支援を行う。

  ①被災者の支援

   ・ 心のケアの必要な方に対する保健所等を中心とした相談対応
   ・ 看護師等による仮設住宅等へのアウトリーチ(訪問支援)など

  ②心のケアを支援するための拠点整備

   ・ 心のケアセンター(仮称)(心のケアの支援拠点)の設置(被災県)
   ・ 全国的な拠点としての「災害時の心のケア研究・支援センター(仮称)」の設置     
     
【引用終わり】

************************************************************

 地域の再生のためには、医療・福祉サービス・コミュニティが再生しなければならない。さらに、被災者の健康確保が求められる。
 そのための復興支援拠点づくりを最優先し、その財政支援がこの補正予算でなされる。
 また、被災者が被った精神的ダメージをケアする拠点づくりの補正予算が計上された。 これを活用して、被災地の被災者に希望がみえるようになってほしい。
 「明けない夜はない」と前向きな活動ができると信ずる。
 (ケー)

◆勉強になりました(天童市育成会茶話会)

2012年04月20日 | 日記
昨晩、恒例の天童市手をつなぐ育成会の
茶話会が天童市総合福祉センターで行われました。




今回は、相談支援事業所「ゆあーず」
二関郁子所長をお迎えして開かれました。

二関所長は、仕事で真室川まで行かれた後に
おいでくださったようでした。

お疲れの所ありがとうございました。

ひとりひとり、簡単な自己紹介をした後、
相談支援事業所とはどんな事をやっている所なのかを
お話いただいたり、

今年度から相談支援が強化されることを受けて
どんな事が変わるのか、福祉サービスの利用計画書を
1件作成することで、事業所にいくらの報酬があるのか
その後のフォロー1件ではどれくらいの報酬があるのか
ということまでも、どんどん教えてくださいました。

相談を受ける立場として、山形市や天童市、上山市などが
それぞれ違う判断で、「ゆあーず」に相談の指定をしている事なども
教えてくださいました。

昨日茶話会に参加した方は、
相談支援を利用した事が無い方ばかりで
相談するのに料金が発生するのかを心配していた人や
「ジョブサポート ぱる」とは何が違うのかなどを
質問している方もおりました。

その後、使えるサービスの話しから、
何種類もある受給者証の事になったり

障害者年金の申請方法の話しになったり
障害程度区分や、移動支援、行動援護などの
話しもでていました。


初めて聴くことや、目からうろこの話を聞くと、みなさんの反応は
え~知らなかった」「へ~そうだったの」
と驚いていました。

それから、それぞれいつもの茶話会のように自由におしゃべりをして
話しが弾んでいました。

先日発行された「サンデータイムス」の記事から
天童市に村山特別支援学校の分校を求めている話になりました。

みなさんの反応としては・・・

出来てくれれば、それはありがたいが
西村山地区に学校がないので
人によっては鶴岡の養護学校まで通っている方もいる
それを後回しにして
天童に新たに学校は難しいと思う。

分教室なら比較的難しくないのかもしれないが
小学生までなら分教室でも構わないとおもうが
作業学習や、現場実習が始まる中学部からは
分教室では無理があると思う。

とにかく、いま学校がなくて不便な思いをしている
西村山と西置賜に学校が出来てからでないと
天童市民どんだけなんだ
思われるんじゃないの

などという声もあがっていました。
みなさん、静かになりゆきを見るという姿勢でいるようでした。


それから、二関所長にはみなさんから色々な質問があったのですが
二関所長は、「ゆあーず」だけでなく、「ぱる」の所長でもあり
「地域生活定着支援センター」の所長としての仕事もありますので

「すみません。私より高橋(私も大変お世話になった方です)の方が
詳しく知っているかもしれません」
などとおっしゃるような質問もあったようです。

今度は、高橋さんにも是非茶話会においでいただきたいです。



茶話会のあと、皆さんの感想としては
知らない事をたくさん教えていただいて良かった~
との感想がたいへん多く聞かれました。


意味はありませんが春らしく


とっても充実した茶話会になりました

二関所長からは
天童の方は良いですね~
こんな風に集まって話しできる場があって

と言っていただきました。
確かに、他の育成会では若いお母さん方が集まる機会もない
という話しも聞こえています。

このブログで天童育成会で茶話会がある事を知り
とてもうらやましがっている方も多いようです。

このような地域ごとの活動がもっと活発になってくれると良いですね(F)