「熱闘」のあとでひといき

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第7節(10/21)の試合予定&みどころ

2012-10-20 11:07:55 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
○第7節の試合予定

 10月 21日(日) 大東文化 vs 流通経済 12:00 ケーズデンキスタジアム(水戸)
 10月 21日(日) 拓殖大学 vs 日本大学 14:30 キャノングランド

東海大と流経大の2強による覇権争いもさることながら、熾烈を極める様相を呈してきた中位グループの凌ぎ合いも大きなみどころとなっている今シーズンのリーグ戦グループ。第7節ではそのオープニングに相応しい注目のカードが組まれています。キャノングランドでの拓大と日大の戦いは、勝敗がその後の両チームの運命を決める可能性が高い重要な戦いとなることは必至。ここまで2勝1敗の拓大は、勝てば上位グループ進出に大きく前進するのに対し、1勝2敗の日大は負ければ上位グループ争いから一歩後退となってしまいます。

現在中位グループを形成する4チームにとっては、5位以上となって大学選手権への出場切符を獲得することはもちろんのこと、上位と下位では来シーズンのチーム作りにも違いが出てくることを考えれば、とくに日大にとってこの試合は負けられない戦いとなります。また、水戸では連覇を狙う流経大が大東大のチャレンジを受けます。流経大は開幕から3連勝中で好調を維持しているとは言え、法政戦では終了間際のトライ+GK成功の1点差で辛くも逆転勝利を収めるといった具合に、着実に仕上がりつつある東海大に比べれば安定感を欠いているとも言えそう。この試合でチームを完成させることが出来るかが注目ポイントとなります。

【大東大文化大学 vs 流通経済大学】

前節で4連敗となってしまった関東学院だけでなく、目下3連敗中の大東大にも元気が観られないのがリーグ戦Gファンとしては気になるところ。何とかひとつ勝って自信を取り戻して欲しいところです。しかしながら、対戦相手の流経大はチームがまだ完成していないとは言え、強豪であることは間違いありません。大東大は、FW戦で完敗してしまうと大量失点負けも覚悟しなければなりません。ただ、流経大はこの試合もSOの先発は1年生選手なので、法政の闘いぶりが参考になると思います。流経大がオープンに展開した段階でしっかりプレッシャーをかける。FW戦に切り替えてきたら身体を張ってアタックを止めると言った形で戦術はシンプルになると思います。あとは、力負けしないこと。言うや易しで現実は厳しいと思いますが、大東大はテビタやフィリペが復帰する前にチームの形をしっかり整えておきたい所です。

現時点ではまだBKのフォーメーションをテストしている段階に見える流経大ですが、やはりSO合谷(1年生)、WTBリリダムがファーストチョイスのようです。ただ、法政戦の苦戦の原因のひとつはここにあったようで、しばらくは実戦を通じてルーキー選手に経験を積ませることになると思います。個人的には1stセットをオペティにして試合を落ち着かせ、ゲームが動いてきたところで合谷の起用がいいように思いますが、それはチームの判断なので。あと、気になるのはまだWTBリリダムが爆発する形が作れていないように感じられること。他チームにとっては羨ましい様々な選手の選択が可能な流経大ですが、LOのシオネは外せないのでしばらく首脳陣の(贅沢な)悩みは続くかも知れません。WTBがトライの山を築くラグビーが観たいと思う半面、FWでじっくり組み立ててから展開する流経大のラグビーも捨てがたい魅力があります。辻、高森らのFW3列が決定的な仕事ができるトリオだけにそんなことも思ってしまいます。

【拓殖大学 vs 日本大学】

中盤戦屈指の好カードだと思います。力関係は日大6に対し拓大4と言った感じで日大が優位にあるとは思うものの、それは選手個々を比較してのこと。最後はウヴェで決めるというゲームプランが明確なことと、チームの纏まりの面では拓大の方に軍配を挙げたくなります。その拓大ですが、4戦目を迎えてもリザーブも含めて先発メンバーが完全固定の状態が続いています。激戦を経ているだけに負傷者が何人かでても不思議はない状況だけに、これは特筆に値することだと思います。いかに選手個々もチームもいい状態にあるかがわかります。この試合はおそらく日大が最初からオープン展開で攻勢に出ることが予想されます。拓大としてはまずここをしっかり止めたいところ。日大が手詰まりになって「小川頼み」の状態になったマークすべき相手がはっきりするのでしめたものです。とにかく粘り強いディフェンスがキーワード。小粒ながらしぶといFWの頑張りも見どころです。

前段でも書いたように、日大はオープン展開勝負で来ると思います。バックスリーは日大のエースに成長した瀧水に加えWTB早川とFB富樫の1年生コンビも自信を付けてきているだけに、マイケルを活かす形でWTB勝負ができれば拓大は苦しくなります。逆にBK攻撃で拓大の抵抗に遭い、手詰まりになったら日大はピンチです。展開を意識しているSH小川が個人能力で打開しなければならない状況になると拓大に勝機が訪れます。FW周辺での戦いは拓大の得意としているとこで、多くの得点もここから生まれているから。そう、拓大には頼りになるウヴェが居ることが大きく、また、彼をフィニッシャーにすることで拓大は意思統一が図られていることは日大も十分に警戒すべきところ。事実、東海大戦でもウヴェがフリーになってしまう場面が散見され、堅守の東海大らしからぬ形で2トライを奪われています。FW戦に巻き込まれてしまいウヴェを見失うのが日大にとって最悪のパターン。タイプが違うチーム同士戦いは見どころ満載です。

[閑話休題] 拓大vs日大の私的見どころはSH対決!

拓大と日大が好調なのは、HB団コンビがどちらも安定しているから。もちろん、華麗さの面では日大の小川~下地に軍配が挙がりますが、地味ながら堅実な岩谷~ステイリンのコンビも捨てがたい。とくに注目したいのはSH対決で、経歴やプレースタイルは異なりますが、小川も岩谷もまずSOを経験してからSHに転向したという共通点があります。さて、この2人を比べたら、どうしても注目は小川の方に集まると思います。個人技はもとより、ラインを動かすことも巧みで大学生では「もっとも華麗にトライを演出できる選手」と言っても過言ではない。もちろんリーグ戦G屈指のスーパーブーツのひとりでもあります。相手陣スクラムからの8→9によるトライは芸術品の域に達していると思います。

そんな「華麗さ」が似合う小川に比べたら、岩谷はどうしても地味に見えてしまいます。ただ、副将ながらゲームキャプテンを務める彼の存在、そしてキック力も含めてSOとしての過去の経験が現在の拓大のラグビーに活かされているようにも思うのです。バックスリーに高速ランナーを揃えた以前の拓大なら、求められたのは球捌きのいいSHで、現チームにも好選手がいます。が、敢えて岩谷を起用しているのは、SHながらSO的な感覚でゲームを作れるからではないかと。スクラムでのNo.8からのアメフトスタイルのボールの出し方にしても、岩谷を攻撃の起点としてSO的に使うという発想から来ているのかも知れません。もちろん、後ろにはCTBとしても機能する安定したステイリンが居るからそんなことが可能になる。

ネームバリューもタイプもまったく違う2人ですが、ゲームキャプテンを務め、しかもSOを経験している点では共通している。BKへのパスの供給はもちろんのこと、FWをコントロールしなければならないし、SOとしてラインを動かす起点にもなる場合があるSHの重要度を考えてみる上でも、なかなか楽しみな「対決」になるのではないかと期待しています。
コメント
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