「熱闘」のあとでひといき

「闘い」に明け暮れているような毎日ですが、面白いスポーツや楽しい音楽の話題でひといき入れてみませんか?

関東大学ラグビー・リーグ戦グループ2017(1部)第3節の試合結果

2017-09-28 23:46:13 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


関東大学ラグビー・リーグ戦Gの第3節は、9月24日に秩父宮と上柚木の2会場に分かれて熱戦が繰り広げられた。ひとつくらいはあるかと思われていた波乱もなく、昨年度上位の4校が2連勝、同下位の4校が2連敗と順当な結果。しかしながら、戦闘態勢が整いつつあるチームがある一方で、まだエンジンがかかっていないチームがあると言った印象。

さて、今回はまだ生観戦していない4チームを観るために秩父宮に足を運んだ。中央と日大の対戦は、日大が幸先良く先制したものの波に乗れずに中央の逆襲を許す展開。中央大のここ一番の集中力は見事だったが、日大も手応えを掴めたと思う。東海大と法政の戦いは法政の超攻撃的ラグビー復活を予感させるスピーディな展開に観客席が沸いた。ミスをことごとく東海大につけ込まれて失点を重ねたことが響き、法政は涙を呑んだが、リーグ戦G活性化の起爆剤になりそうな戦いだった。

上柚木の2試合はまだチェックできていないが、大東大の強力FWは今後対戦するチームにとって脅威になることは間違いなさそう。関東学院は流経大を相手に一時リードを奪うものの勝利はお預け。だが、後半戦の勝負に向けて着実に戦力を上げていくことだろう。拓大と流経大は出遅れ感があり心配。東海大が頭ひとつ以上抜けて後に大東大が続く展開だが、中央大が不気味な存在になりそう。また、2連敗でも法政の攻撃力復活は明るい材料。1週休んでの3ラウンド目がますます楽しみになってきた。

■第3節(9月24日)の試合結果

09/24(日) ●日本大学 14-33 ○中央大学 秩父宮
09/24(日) ○東海大学 76- 7 ●法政大学 秩父宮
09/24(日) ●拓殖大学  7-47 ○大東文化 上柚木
09/24(日) ○流通経済 35-26 ●関東学院 上柚木

■第4節(10/8,9)の試合予定

10/08(日) 流通経済 vs 拓殖大学 11:30 秩父宮
10/08(日) 関東学院 vs 東海大学 14:00 秩父宮
10/09(月) 中央大学 vs 法政大学 11:30 上柚木
10/09(月) 大東文化 vs 日本大学 14:00 上柚木











ラグビーマガジン 2017年 11 月号 [雑誌]
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大東文化大学 vs 関東学院大学(関東大学リーグ戦G1部-2017.09.17)の感想

2017-09-21 01:58:01 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


日本開催のラグビーW杯まであと2年となった。その会場のひとつ、熊谷ラグビー場は改装工事が最盛期を迎え、昨シーズンはまだ基礎工事の段階にあった東側のスタンドが姿を現した。改装前は芝生席であり、Bグランドの最高のビューポイントだった場所。スタンド全体の高さといい傾斜、そしてゆったりとした奥行きの深さが魅力の旧メインスタンドとの対比。まだ完成途上ではあるものの、日本でも指折りのラグビー専門競技場誕生の予感がする。

台風18号の接近で一時は開催も危ぶまれた本日の試合。開幕戦となった先週は浜川(高崎)に足を運べなかったので、今日が今シーズンの私的観戦始めとなる。メインスタンドの屋根の下は既に観客で埋まっているのでバックスタンドへ。このBグランドで観戦する都度に思うことは、ベンチシートでもいいので、メインスタンドに座席を設けられないかということ。3000人と言わず、収容人数が1000人でもたちまち立派なラグビー専用競技場になると思うから。「目的外」だから無理だとは承知しつつ、Aグランドが完成したらBグランドの整備もお願いしたいところ。

それはさておき、降りしきる雨の中で本日試合を行うのは大東大と関東学院。大東大は4年間ほぼ固定だった黄金のBKメンバーが揃って卒業し、今季からは強力FWのチームとして再スタートとなる。一段と逞しくなったツインタワーでありツインズのタラウとアマトのファカタヴァ兄弟の他にもサイズの大きな選手達が揃っている。一方の関東学院は1部復帰から2シーズン目となり、真の意味での復活が問われる。しかし、両チームのFWだけを見比べてみても(例えは悪いが)大学生と高校生くらいの体格差がある。8人の平均体重が108kgの大東大に対し、同93kgの関東学院。両チームの選手達がピッチに登場した段階でも勝敗の行方は明らかなような印象を受けた。

果たして関東学院の選手達の身体は最後まで保つのだろうかと端から見ていても心配になってしまう状況。しかし、関東学院の選手達の表情からは相手に対する畏れは感じられない。むしろ活発に声を出すなどして闘志を掻き立てている選手が多い。確かに身体は小さいが、ひ弱な選手達ではないことも体型からわかる。果たして、ファカタヴァ兄弟のような大型でパワフルな選手達にどう立ち向かっていくのか? ゲームはそんな期待を裏切らない白熱したものとなった。



◆前半の戦い/関東学院の闘魂の前に空回り気味だった大東大

キックオフから大東大はFWの体格差を活かす形でどんどんボールを前に運ぶ。関東学院は持ち前の組織ディフェンスで抵抗するものの後ずさりを余儀なくされ、あっという間に自陣ゴール前で釘付けの状況となる。オフサイドなどの反則も多く、いつ失点してもおかしくない状況。もし、大東大がここであっさりと先制点を奪っていれば、試合は一方的なものになった可能性が高い。

しかし、大東大も緒戦であり、天候は雨ということもあってかミスが多い。確実にボールを繋ぐかブレイクダウンでいいところでも、オフロードや片手でのパスなど「軽い」とみられがちなプレーでチャンスを活かせない。大東大はパスラグビーを指向するチームなので、奔放に見えるパスでも軽いプレーではないのだが、雨の日に選択するプレーでもない。アドバンテージをもらった場面でありがちなキックパスの不成功はまだいいとして、ゴール目前で転がっていたボールを強めに蹴ってしまったプレーは残念。ボールは無情にもグラウンディングする前にデッドボールラインをオーバーしてしまった。丁寧に蹴れば確実にトライだった場面。制空権を握っているはずのラインアウトでも、ミスで関東学院にボールを渡してしまうことが目立った。

関東学院の粘り強いディフェンスを褒めるべきでもあるのだが、大東大は圧倒的に攻めながらも丁寧さに欠けるプレーが禍したこともあり得点を挙げられないまま時間が過ぎていく。やはり、取れる時に確実に取っておくことはラグビーの鉄則。ただ、手こずってはいても大東大の絶対的な優位は動かない。17分、ゴール前での関東学院ボールスクラムを強力に押し込んでターンオーバーに成功し、SH南からタラウにラストパスが渡る。

ただ、関東学院はスクラムで圧倒されたものの、芸術的とも言えるダイレクトフッキングでマイボールスクラムのボールは失わなかったことが特筆に値する。SHからのボールはフッカーを経てNo.8の手にすっぽりと収まり、大東大がプッシュをかけた頃にはNo.8が難なくボールを持ち出す正に一瞬芸。僅かでもタイミングが狂ったらボール確保どころかスクラムも崩壊する。関東学院らしいと言ってしまえばそれまでだが、必要なことを確実に練習していることがよくわかるプレー。関東学院がボールを失ったのは大東大先制トライの場面を含めて数えるほどだったし、そもそも、ここまで安定したダイレクトフッキングを観たのは初めてだった。



さて、リスタートのキックオフで関東学院にアクシデント。22mラインを越えたあたりでボールを確保したアマトがまず第1タックラーのLO川崎を弾き飛ばす。そのまま動けない川崎(結局、救急車で病院に運ばれた)を尻目に、アマトはパワフルかつスピーディーに前進を続けて2人目のタックラーもハンドオフで弾きそのままインゴールへ。70m以上の迫力満点のランは大学生レベルではまず止められない。対策はファーストタックルを3人がかりにして完全に抑え込むしかなさそうだ。1対1になってしまったら失点7を覚悟しなければならない。結果的にアマトはこの日4トライを挙げたが、どちらかというとパッサーに徹していた感があるので驚異的な決定力と言える。

しかし、関東学院もひるむことなくチャンスをうかがう。マイボールスクラムはほぼ確実に確保出でき、ラインアウトでも大東大にミスが多いことからチャンスが生まれる。個で突破出来る選手はWTBの佐々木主将くらいだが、巧みなライン攻撃で大東大のディエンスの穴を突き、しばしば観客席を沸かせる。次第に大型選手に対するコンタクトに慣れてきたこともプラスに作用した模様。大東大はまだFWのアタックが整備されておらず、ボールをキープしても遅攻にならざるを得なかったことも関東学院にとっては救いだったように見えた。関東学院はどうしてもタックルに人をかけざるを得ないので、テンポよくボールを動かされたら厳しかったと思う。

14-0の膠着状態で時計は29分まで進む。降りしきる雨の中での蹴り合いが多い展開。大東大は自陣からのカウンターアタックで強力にボールをゴール前まで運び、ラックからHO平田がトライ。FWに大型選手が揃う大東大だが、機動力があるフロントローが揃うのも強み。得点は21-0となり、このまま大東大が突っ走るかと思われた。しかしながら、関東学院もワンチャンスを得点に繋げる。ゴール前のラインアウトからFWでサイドアタックを繰り返し、ついにインゴールに到達。大東大とは違ってブレイクダウンで時間をかけずにテンポよく球出しが出来るのが関東学院の強み。SHの球捌きもさることながら、FWが無駄なく動けることも練習の賜だ。

5-21と関東学院が一矢報いたところでアマトが点火する。HWL付近のスクラムから8単でボールを持ち出すとタックラーを弾き飛ばしながら前進し意表を突くチップキック。ゴール前で関東学院の選手がボール処理をミスしスクラムとなる。このスクラムでもアマトが8単で抜けだし力強くトライ。いざとなれば決めてくれるエースの存在は心強い。26-5と大東大のリードが21点に拡がったところで前半が終了。大東大にミスが多かったとは言え、関東学院の闘志が試合を引き締めたと言える。



◆後半の戦い/序盤戦は手こずるも地力に勝る大東大が粘る関東学院を圧倒

大東大が確実に取れるところで取れなかったことで、序盤は拮抗した展開となってしまった前半。しかし、後半は関東学院が攻勢に出たことで得点板が動かずに20分近くまで時計が進むまさかの展開に関東学院応援席も盛り上がる。FW戦では苦戦を強いられるも、スクラムでのダイレクトフッキングが威力を発揮してマイボールを失わないことが大きい。自陣からはボックスキックで前に出て、ボールを確保したらBKラインに展開。ゴール前までボールを運べたらFWでテンポよく攻めて大東大ゴールを脅かす。

しかし、大東大も後半はしっかり修正。FW戦なら圧倒的な優位なのは明らか。だからこそ、雨にも拘わらず前半から(FWでゴリゴリではなく)BKにボールを回す場面が多かった大東大。関東学院をお手本にしたわけではないと思うが、明らかにSHからの球出しのテンポが上がってきた。ラインアウトでも関東学院は前半ほどはボールが確保出来ない。ファカタヴァ・ツインズの高さはやはり相手にとって脅威で、関東学院がスティールに遭ってマイボールを失う場面が増える。

攻守にわたる両チームの奮闘で拮抗した状況となる中で、またも起爆剤になったのはアマト。19分だった。自陣22m付近からのカウンターアタックで一気にインゴールまでボールを運んだ。とにかく自陣でゴールラインを背負いたくない関東学院だが、FW戦での劣勢を強いられる中で苦しい時間帯が続く。アマトは26分にもゴール前での反則(関東学院のスクラムのコラプシング)でタップキックから難なくトライ。大東大は畳みかける。32分には関東学院ゴール前のスクラムから8→9が決まりルーキーのSH南が嬉しい初トライ。どうしても小山と比較されてしまうのが辛いところだが、積極果敢に仕掛ける強気なところは負けていない。タイプは違うが、中央大の成田と共に楽しみな新人SHだと思う。



得点差は絶望的な状況だが、関東学院の闘志は最後まで衰えない。ピッチから絶えず声が上がるのも関東学院の方。圧巻は組織的に前に出るディフェンスで、パワフルな大東大の選手達の前進を簡単には許さない。関東学院のこの日の2トライ目はそんな積極的なディフェンスから生まれた。試合も終盤に近づいた34分、関東学院は大東大陣でSO横田がチャージダウンに成功し、大東大陣のインゴールに転がったボールを途中出場の今井がグラウンディング。かつての関東学院だったら、この場面ではゴール裏から「もういっぽーん!」というチビッコラガー達の声援が飛んだことだろう。

大東大も最後まで攻勢を緩めない。終了間際の40分、ゴール前スクラムを起点としたアタックでSO大矢がインゴール右サイドに向けてキック。タイミング良く走り込んだFL湯川がグラウンディングに成功しダメ押しの5点を追加して試合終了となった。ということでファイナルスコアは50-12の大東大の圧勝は順当な結果と言える。しかし、圧倒的な体格差をものともせず、最後まで闘志を前面に戦い続けた関東学院が荒れた展開になりがちの試合を引き締めたと言える。強く感じた事はダイレクトフッキングに象徴されるように(正しい)練習はウソをつかないということ。せっかくの闘志も確かな鍛錬の裏付けがなければ空回りに終わる。ポンチョから滴り落ちる雨水で身体も濡れるような状態だったが、そんなことには気付かないくらいの好ゲームだった。



◆試合後の雑感/対照的なチームの作り方に想うこと

冒頭で書いたとおり、黄金のBK陣が揃って卒業した大東大は新チーム元年の状態。ここで戦力低下は避けられないことから「2017年問題」などと書いたりもした。しかし、このゲームを観ると、随分と失礼なことを書いてしまったなと反省している。そんなこと(戦力低下)はチーム関係者がよくわかっていることだし、手を打たない訳がない。今更だが、昨シーズンに布石はちゃんと打たれていたと感じる。象徴的だったのはファカタヴァ兄弟が揃って欠場した試合。戦前の「FW劣勢」の予想を翻し、U20代表に選ばれた佐々木(この試合は欠場)らのFWが奮起して手応えを感じさせたのだった。

去年までの4年間のチームは観ていて本当に楽しかった。しかし、「一歩間違えば」のリスクを抱えていたことも事実。そう考えると、強力なFWを持つことで安定した形でゲームを進めることを指向しても不思議はない。かつての関東学院もそんな形で盤石のチームを作り上げ、黄金時代を迎えた。BK陣でもWTBの中川がFBとして残り、WTBには昨シーズンは出場機会が少なくてストレスが溜まったであろう岡がいるのも強み。齊藤と岩下の両CTBは突破力があり楽しみだ。いろいろとマジックを見せてくれた青柳監督が強力FWをベースにどんなチームを作り上げていくのかに注目していきたい。

昨シーズンの1部昇格から再び優勝争いが出来るチームとしての復活を期する関東学院。戦力的にはまだまだ厳しいが、ラグビーの内容では復活を遂げたと言っていいと思う。個々のパワーが上がっていけば優勝戦線に加わることができるレベルまで来ているように感じられた。正直のところ2部に降格する前の数年間、チームが壊されていく状況を目の当たりにするのが辛かった。だからこそ、闘志溢れる元気いっぱいのチームとして復活してくれたことが何よりも嬉しい。

関東学院のラグビーのキーワードとなっていたのが「エンジョイ・ラグビー」。しかし、このエンジョイは多分に誤解を招いていたように思われる。関東学院のラグビーは、ピッチのどこからでも(たとえそれがインゴールであったり、相手ボールであっても)常にゴールまでボールを運ぶことをを目指していた。そのために選手個々がピッチの上でアイデアを出し、かつそのアイデアをチーム全体で共有して実現する創造性があった。これがエンジョイが意味するところだったと思う。

この試合の場合は、サイズがありパワフルな相手に対して、局面局面でどう立ち向かうかがひとつの見所だった。それを観客も一緒になって考えることができる。エンジョイにはそういった意味あいもあると思うし、こんなラグビーができるのが関東学院の強みだった。今後も厳しい戦いが続くが、真の復活への道程をしっかりと見届けていきたい。

新・ラグビーの逆襲: 日本ラグビーが「世界」をとる日
永田 洋光
言視舎
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関東大学ラグビー・リーグ戦G(1部)第2節の試合結果

2017-09-18 17:29:27 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
関東大学ラグビー・リーグ戦Gの第2節は、台風18号の接近による雨の中、大東文化大学対関東学院大学(熊谷ラグビー場Bグランド)と日本大学対東海大学(キヤノングランド)の2試合が行われ、大東大と東海大が順当に勝利。

しかしながら、関東学院は歴然とした体格差(FWの平均体重でマイナス15kg)をものともせず、果敢なチャレンジを見せて復活に向けた確かな手応えを感じさせた。また、日大も前半の30分までだったが東海大と五分の勝負を挑む希望を持たせる戦いぶりで観客席を沸かせた模様。

■第2節(9/17)の試合結果

09/17(日) ○大東文化 50-12 ●関東学院 熊谷B
09/17(日) ●日本大学 17-66 ○東海大学 キヤノンG








■第3節(9月24日)の試合予定

09/24(日) 日本大学 vs 中央大学 12:30 秩父宮
09/24(日) 東海大学 vs 法政大学 15:00 秩父宮
09/24(日) 拓殖大学 vs 大東文化 12:30 上柚木
09/24(日) 流通経済 vs 関東学院 15:00 上柚木  

各チームの第1ラウンドは1試合(熊谷B)が生観戦であとの3試合はJスポーツのオンデマンドで視聴。緒戦ということもあるが、各チームともに今後への不安と期待が複雑に交錯したような状況で、今シーズンも(次が読めないと言う意味で)波瀾万丈になりそうな印象を持った。とくに第1節の2試合は派手な撃ち合いの様相を呈した内容だったのでその想いを強くする。

ただ、第2節の2試合の結果を見ても、上下間の格差は縮まりそうな予感がある。願わくば各チーム共にレベルアップして最後は笑顔でリーグの最終戦を迎えたいところ。悲観的な材料よりも、期待したい部分、期待出来る部分の方が多く見えたので、各チームの第2ラウンドとなる第3節ではその辺りを見極めたい。秩父宮、上柚木ともに注目カードが2試合ずつ。さて、どちらに行くか。試合前日まで思い悩みそうだ。


友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」
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関東大学ラグビー・リーグ戦G(1部)第1節の試合結果

2017-09-13 02:14:34 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
今年の関東大学ラグビー・リーグ戦Gは、9月10日に高崎の浜川陸上競技場で開幕。11月末までの3ヶ月間の熱戦の火蓋が切って落とされた。ここ数シーズンは上位チームがほぼ固定される状態となっている。確実に進行しつつある格差社会化に歯止めをかけるためにも、下位チームの頑張りが求められる。そうでなければ、リーグ全体のレベルアップも望めない。

そんな想いを胸にJスポーツのオンデマンドで中央大vs拓殖大、法政大vs流通経済大の2試合をライブ試聴。いずれも最後まで勝敗の行方がわからない手に汗握る攻防が繰り広げられ、各校のファンにとってはハラハラドキドキの連続。しかしながら、ファイナルスコアが物語るように実際はガードの甘い点の取り合いという印象。4チームともにまだチームが出来上がっていないように見え、波瀾万丈というよりは前途多難の幕開けとなってしまった感がある。

■第1節(9/10)の試合結果

09/10(日) ◯中央大学 45-36 🌑拓殖大学 高崎浜川
09/10(日) 🌑法政大学 49-52 ◯流通経済 高崎浜川 



■第2節(9月17日)の試合予定

09/17(日) 大東文化 vs 関東学院 15:00 熊谷B
09/17(日) 日本大学 vs 東海大学 15:00 キヤノンG


【第1節の試合レビュー】



中央大は4年間チームを引っ張ったHB団(SO浜岸、SH長谷川と住吉)揃って卒業し、再構築のシーズン。さらに、春には部員のはしか感染により対外試合を自粛したことから、どうしても出遅れ感が否めない。一方の拓殖大は1部復帰から2シーズン目。拘りを持つスクラムをベースにした展開ラグビーで飛躍の年にしたいところ。FWの要のシオネ・ラベマイの欠場は痛いがここはチームの結束力で乗り切りたい。キックオフ前は、どちらかというと中央大がチャレンジャーのイメージだった。

開始から6分で早くも拓大がFWのタテ攻撃を活かして先制トライを挙げ幸先良いスタート(GKは失敗)。中央大も拓大陣ゴール前でのラインアウトから得意のモールで11分にトライ。GKも決まり逆転に成功する。しかし、拓大は16分と33分に連続トライを挙げて17-7とリード。中央大も負けじと2連続トライ(36分、41分)を挙げ19-17で再逆転に成功して前半が終了した。

得点経過からは手に汗握る展開。拓大はFW主体で攻め、中央大はBKに展開して前進し、ゴール前は得意のモールで得点とお互いの特徴を活かした攻防。と書きたいところだが、どちらもミスが多い。さながら「攻対攻」で両チームともに肝心の「防」が薄い。とくに拓大はタックルが甘く、相手を捕まえても差し込まれる場面が目立つ。中央大もディフェンスが足りない状態ではないのに不思議と抜かれてしまう。

後半もディフェンスに改善は観られず、とくに終盤は得点が決まる毎にリードする側が入れ替わる典型的なシーソーゲームとなった。得点場面が重なれば試合は盛り上がるが、取られ方が取られ方だけに観ている方は溜息が増えていくといった感じ。攻撃の組立では中央大に分があり、拓大は中央大ゴール前まで迫るものの最後はミスで終わるパターンが多く、応援席ではさぞかしストレスが溜まったに違いない。

拓大にとって痛かったのは、得点を挙げてもすぐに取り返されてしまうことが都合3回。集中力を欠いていて、これでは勝てないと言われても仕方ない。両チーム共に前途多難を思わせる船出となってしまったが、ディフェンスが整備されれば中央大は面白い存在になりそう。心配されたHB団も、球裁きがよくFWもコンロールできるルーキー成田の加入で課題はクリアされそう。昨年度までと比べても、新HCの方針からか、アタックにも工夫が観られる。一方、拓大の課題はメンタル面(集中力)にある。ミスを減らして得点機を逸しないためにも、プレーに我慢と丁寧さが必要なように思われる。



第1試合はノーガードの撃ち合いで冷や汗が一杯のシーソーゲーム。第2試合こそは落ち着いて観られる試合になって欲しい。そんな願いも空しく、まるで第1試合の内容がそのまま伝染したかのように、より高得点の派手な撃ち合いになってしまった。

キックオフから2分、法政のBK展開の局面で流経大がインターセプトに成功し、あっさり先制。しかし、直後の5分に法政のWTB北島がカウンターアタックからすんなりとウラに抜けてトライ。この僅か5分あまりの攻防(こちらも「攻対攻」が正しい)の中に、早くも試合の行方が見て取れた。FW主体で時間をかけて攻める流経大に対し、HB団にWTBやFBが絡む短いパスが主体で巧みにボールを動かす法政。ワイドな展開は減らして近場を攻める法政のアタックが功を奏す一方で、流経大はナエアタやヴィリー(タカヤワ)を中心とした強力なアタックで対抗。大味ながらも見どころはある。

法政が14分に連続トライを挙げた後は、お互いがトライを取り合う展開で前半は35-26と法政リードで終了。法政のアタックの場面では、流経大はBKが速いテンポでショートパスを使ってタテを突くアタックに対応出来ずあっさりと失点してしまう。一方の流経大のアタックはFW主体でスローテンポ。ボールを動かすのに時間がかかれば相手(法政)も対応しやすい。テンポアップするとミスがでてしまい、ボールを持っている時間が長くても得点に結びつかないもどかしい展開が続く。前半を追えた段階では、法政がこのまま突っ走るように感じられ、流経大は選手の気持ちがバラバラで建て直しは難しいように思われた。

後半の序盤戦は両者とも決め手を欠き、14分に流経大がトライを挙げるまでは得点板が動かない拮抗した展開。流経大が17分にトライを重ねて逆転に成功したところで、試合の流れは流経大に傾くかに思われた。しかしながら、流経大は波に乗れず法政の逆襲を許す。26分に法政がトライを挙げて再度逆転に成功してからは完全なシーソーゲームとなる。得点板が動く毎に両校のファンは一喜一憂を繰り返す心臓によくない展開。終盤の40分に法政が得点を挙げて49-47と逆転したところで勝負ありかと思われたが、法政は勝ちきれない。土壇場に流経大がヴィリーのトライで撃ち合いに止めを刺す形で試合が終了。

といった形で、第1試合と同様に乱戦模様となった試合に終止符が打たれた。両チーム共に反省点多々だったが、光明が見いだされたのは法政の方。BK陣が短いパスの交換でタテを突くアタックは相手も対応しづらく有効だった。ナエアタを一撃でなぎ倒したFL吉永の強力なタックル、そして7本のゴールキックをすべて成功させたFB萩原など、選手個々の活躍による見せ場が多かったことも大きい。

ここ数シーズンの流経大で気になっているのは、相手によって選手のメンタリティが変わってしまうように見えること。少なくとも、この試合では昨シーズンのラストゲームで東海大を追い詰めたときのような気迫は感じられなかった。相変わらず肝心なところでプレーが軽くなってしまうことも気になる。東海大と共にリーグ戦Gの2強として君臨するためにもメンタル面の成長が必要なように思われる。


身になる練習法 ラグビー チーム力アップドリル
吉岡 肇
ベースボール・マガジン社
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関東大学リーグ戦グループ2017、間もなく開幕!

2017-09-09 06:21:05 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
スーパーラグビー最終戦でサンウルブズが劇的な勝利を収めた7月15日からもうすぐ2ヶ月。8月18日には「トップリーグ2017-2018」が開幕し、その後も「女子W杯」でのサクラ・フィフティーン(アイルランド)、「セブンズ・アジアシリーズ」(香港から3戦)、ワールドラグビーU20トロフィー大会(ウルグアイ)と日本代表チームの海外での活躍が続く。

サクラフィフティーンは12チーム中11位の結果に終わったものの、世界で戦う足がかりを掴んだと言える。ようやくメンバーが固定されて体制が整ったセブンズ代表は、W杯出場とコアチーム復帰に向けて負けられない戦いが続く。U20代表はナミビアなどの難敵が揃った1次リーグを全勝で終え、9月10日の決勝戦でポルトガルを破れば世界のトップチームが揃う「チャンピオンシップ」に復帰できるところまで来た。

「サンウルブズ効果」もあり、ラグビーの話題が途切れなくなった中で大学ラグビーも開幕。9月10日からは一足早く関東大学ラグビーのリーグ戦グループから今シーズンの熱き戦いが始まる。

■関東大学ラグビー・リーグ戦グループ2017(1部)試合日程

09/10(日) 中央大学 vs 拓殖大学 12:30 高崎浜川
09/10(日) 法政大学 vs 流通経済 15:00 高崎浜川

09/17(日) 大東文化 vs 関東学院 15:00 熊谷B
09/17(日) 日本大学 vs 東海大学 15:00 キヤノンG

09/24(日) 日本大学 vs 中央大学 12:30 秩父宮
09/24(日) 東海大学 vs 法政大学 15:00 秩父宮
09/24(日) 拓殖大学 vs 大東文化 12:30 上柚木
09/24(日) 流通経済 vs 関東学院 15:00 上柚木

10/08(日) 流通経済 vs 拓殖大学 11:30 秩父宮
10/08(日) 関東学院 vs 東海大学 14:00 秩父宮
10/09(月) 中央大学 vs 法政大学 11:30 上柚木
10/09(月) 大東文化 vs 日本大学 14:00 上柚木

10/21(土) 中央大学 vs 関東学院 11:30 町 田
10/21(土) 東海大学 vs 拓殖大学 14:00 町 田
10/22(日) 法政大学 vs 大東文化 11:30 しらこばと
10/22(日) 日本大学 vs 流通経済 14:00 しらこばと

10/29(日) 流通経済 vs 大東文化 11:30 秩父宮
10/29(日) 東海大学 vs 中央大学 14:00 秩父宮

11/03(金) 法政大学 vs 関東学院 11:30 上柚木
11/03(金) 拓殖大学 vs 日本大学 14:00 上柚木

11/18(土) 中央大学 vs 流通経済 11:30 江戸川
11/18(土) 東海大学 vs 大東文化 14:00 江戸川
11/18(土) 関東学院 vs 日本大学 11:30 御勅使南
11/18(土) 拓殖大学 vs 法政大学 14:00 御勅使南

11/25(土) 法政大学 vs 日本大学 14:00 江戸川
11/25(土) 関東学院 vs 拓殖大学 14:00 城山陸上
11/25(土) 大東文化 vs 中央大学 14:00 秩父宮
11/26(日) 流通経済 vs 東海大学 14:00 秩父宮

【入替戦】

12/09(土) 1部7位 vs 2部2位 11:30 熊谷B
12/09(土) 1部8位 vs 2部1位 14:00 熊谷B

これは「サンウルブズ逆効果」と言ったらいいのか、秋のシーズン開幕にあたって大学ラグビーへの注目度が相対的に下がってきて居るような気がする。スーパーラグビーでラグビーの面白さを知った新たなファン層がトップリーグに流れていくのは自然の流れだと思う。また、そうあって欲しい。日本のラグビーを取り巻く(ある意味重苦しかった)環境を変える力を持っている人達がどんどんスタジアムに足を運ぶことの効果は計り知れない。これは、サンウルブズの試合を観戦した「オールドファン」の率直な感想。

一方で、サンウルブズでラグビーの魅力を知り、スーパーラグビーのレベルに馴染んだ人達が大学ラグビーに目を向けてくれるだろうか?という懸念もある。仮に足を運んでみても、レベルはさておき、大学ラグビーを取り巻く独特の環境にすんなり入っていけるかどうか。リピーターになってもらうのは難しいように思える。ここがとても残念なところ。

だからといって、大学ラグビーに魅力がないかというと、そんなことはないと思う。1997シーズンを「原点」として、今年で21シーズン、このグループをずっと追いかけてきた1ファンの率直な感想でもある。毎年この時期になるとワクワク、ドキドキになるのは今年も同じ。1997の頃の選手達も現役を引退し、コーチとして第2のラグビー人生を歩んでいる人達が多い。もうそんな年になってしまったのだなぁと思うとちょっと寂しくあるけれど。

手前味噌になるが、関東リーグ戦グループで選手として活躍し、その後にはトップリーグから日本代表にまで上り詰めた選手も多い。サンウルブズでも多くのOB達が活躍していることは嬉しいし、そのことをみても、このグループで実際にプレーを観た選手達の成長を見届けることは大きな楽しみのひとつだ。チームは関係なく、より高いレベルを目指して頑張っている「原石たち」を見つけることも楽しい。「幸いにも」と言うと叱られそうだが、どちらかと言えばゆったりとした雰囲気で試合観戦に集中できることも魅力。

過去20年間をふりかえってみて、どうしても実現出来なかった夢がある。それはリーグ全28試合の生観戦。まぁ、これは身体が2つ以上ないと無理だから永遠に不可能なのだが、今はJスポーツのオンデマンドで全試合の観戦が可能。ここ数年はせっかく生観戦してもレビューできずに終わった試合が多く、このブログを熱心に見ていただいている方々には大変申し訳なく思っている。過去20シーズンの蓄積から見えてくるものもあるので、今シーズンはしっかりフォローしていきたいと考えている。日々向上を目指して頑張っている志の高いチームや選手達のためにも。

ラグビーマガジン 2017年 10 月号 [雑誌]
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ベースボール・マガジン社
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