昼頃何の気なしにテレビを見ていたら、グッチ裕三が担々麺のルーツを求めて四川省をふらつき歩くというのをやっていました。四川省と言えば辛い料理が世界的に有名ですが、グッチ曰く辛いのではなく痛いらしいです。もちろん口の中がの話。
担々麺発祥の四川省では日本で言う担々麺は普通の店にはないらしく、高級レストランのコース料理の〆に出される伝統料理的な色彩が強いと宣っておりました。似たような料理はあってもそれは「小麺」などと呼び、「担々麺」と言うことはないようです。
その番組を見ていたら無性に四川料理が食べたくなり、日本の一般的な中華料理屋で提供されるものではなくそれを上回るものを体が欲していました。そこで今日行ってきたのは北新地のRAKUSUI DINING&BAR A DAYです。
先月会社の歓送迎会がここで催されまして、コース料理の中の一品として出てきた麻婆豆腐の完成度があまりに美しすぎたので再び伺った次第です。店名から分かるようにここは中華料理の食べられるバーで、バーらしく間接照明がオシャレで椅子も座り心地がよいです。
お店の人と「以前来た時の麻婆豆腐があまりに素敵で…また来ました」などとしゃべっているうちに、待ちこがれたあの麻婆豆腐が供されました。やっぱりおいしい。おいしいものっていつ食べてもおいしいもんですな。
舌の上で豆腐を転がしながら香りを味わい至福の時間を味わっていると、まだ早い時間ということもありシェフ自らしゃべりにきてくれました。聞けばまだボクと同年代なのに人生の半分を麻婆豆腐にかけてきたとか。ボクらがファミコンやってる年代に、彼は麻婆豆腐の研究をしていたようです。
それだけ長期に渡って麻婆豆腐にかかわってきたので思い入れもひとしおらしく、ボクの質問に全て答えてくれました。普通料理人に作り方を聞けばケチ臭い顔をして「企業秘密です」などと答えるのが常ですが、シェフの佐藤さんは作り方から味噌の種類まであらゆることを教えてくれました。
ホンマモンの料理人はレシピを出し惜しみしたりしません。素人に教えたところで1年や2年で同じ味が出せるわけがないという確固たる自信があるからです。これは関西中華料理界の重鎮・程一彦シェフも同じことを言っていたのでこれはおそらく当たっているでしょう。
そして帰り際に特製手作り味噌を小分けにしてくれました、ヤッター。家に帰ってさっそく味見。豆豉をベースに作っているような気はしますが詳しいことは分かりません。辛さだけが飛び抜けているわけでもなく、塩気や豆由来の旨味もうまい具合に前に出てきていて、さすがはホンマモンの料理人ですなぁ。
今日はバイクで行ったのでお酒は飲めませんでしたが、ここは梅酒がおいしいので次回は梅酒と麻婆豆腐をいただきたいと思います。北新地という立地の割に価格設定がリーズナブルな良心的なお店なので気になった方はどうぞ。