Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

途上国の水事情

2024-06-26 16:23:19 | モザンビーク

モザンビークで農作業に従事するときには、飲料水を持っていくことにしておりました。自分で飲む水はもちろん用意しますが、重要なのは一緒に働く農家の分です。空のペットボトルに水道水を詰めて、作業に参加する農家の人数にもよりますが多い時で20リットルくらいの量をクルマに積み込みます。

農家が普段飲む水は村内に掘られた浅井戸から汲む水で、薄く土色に濁っているのが常でした。言うまでもないことですが、深い井戸から汲む水ほど純度が増して透明となり、衛生的となります。だからと言って、深い井戸を掘るのはそのぶん労力がかかりますし、掘ったら掘ったで毎日重い水桶を地下深いところから汲み上げなくてはならなくなり、相当な重労働となってしまいます。というわけで、村の共同井戸は自然と浅くなり、村民が毎日飲む水は濁った不衛生な水。
ろ過する装置なんて作れません。沸騰させれば雑菌は死滅するはずですが薪は貴重な資源なので、常用の飲料水を更に安全にするために消費するのは惜しい。とりあえず飲める水はすでに確保できているんだし。先祖代々愛飲してきた濁り水ですが。

そういった背景から、町の水道水は大人気です。私がキリマネから運ぶ水は透明にきらめいて清潔感にあふれ、無味無臭。農家の面々は作業の合間に回し飲みし、余った分は作業後に奪い合いになるほどです。

しかし私自身が愛飲していたのはキリマネの水道水ではなくて、店で買ったミネラルウォーター。きれいに見えるとはいえ、水道の消毒程度はあまり信用できなかったんです。

村の浅井戸(ポリタンクを棒の先に括り付けた長柄杓で、女性が水を汲んでいる)

コメント
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