ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

リディアードの「ランニングバイブル」

2009年01月11日 | ブック

 昨年末にアマゾンで注文し、新年早々到着しサラッと読んでみた。

 どうやらリディアード氏は毎週160kmを走れる競技者を主な対象者としてこの本を書いているようだ。いみじくも「手抜きをしよう」としなそばさんは言っていたけれども、一般市民ランナーは、この本のエッセンスを崩さない程度に、自分の能力に応じてピックアップして活用する道を探さなければならないだろう。

 そうは言ってもこの本のエッセンスを理解するのは容易ではない。トレーニングの種類が多いことと、名前を聞いただけでその内容をイメージできるものではないことなどから、しっかりとノートをとって整理し、じっくりと吟味してみる必要がありそうだ。ただそもそもその気になるかどうかが怪しい。

 一読後の私の漠然とした感想は、練習時にはいつも自分が今どんな目的でこのトレーニングをしているのかを自覚してしなければ意味がないようだということ。誰かに勧められて同じトレーニングを漫然と繰り返したり、誰かのマネをして根拠薄弱のままトレーニングを変更したりするのではなく、自分の弱点や長所を理解した上で、自分の全体的なパフォーマンスを最大限に引き上げられるようなトレーニングを工夫しなければならないということ。確かにそうだと思うけど、私には難しいな。

 訳し方にもよるのだろうけれども、この本を読んでいると、リディアード氏のランニング方法論に関する自信の程がビシビシと伝わってくる。何人もの競技者をコーチとして育てた経験の中で、繰り返され蓄積された練習と結果の集積からそれらの本質的関連を見抜いていく能力が非常に高い人だったのだろう。現在の生理学理論から見ればもはや古くて妥当しないと思われる説明部分もあるが、我々にとって参考になるのは、線形的な理論よりも多くの事実の集積である。事実の集積の中にこそ真実が埋もれているのだ。

 自分に見合った真実の原石がどこに転がっているのか、それを発見するのもこの本を読む楽しみ方の一つなのかもしれない。なんてったってバイブルなんだから。