8月、9月の練習量不足をなんとか埋め合わせようと、姑息的なエネルギー補給作戦を展開した私だったが、別海パイロットマラソンの結果はまさに「走った距離は裏切らない」の証明であった。結局5分35秒/kmでフルを走り通す身体ができていないということが全てだった。いくらガソリンを補給しても肝心のエンジン性能が悪ければクルマは走らないのである。
エンジン性能を高めるにはどうしたら良いのか。それを考える資料として、「燃え尽きるまで」に倣って今年の自分の3レース(5月20日の洞爺湖マラソン、6月3日の千歳JAL国際マラソン、10月7日の別海パイロットマラソン)のデータをグラフ化してじっと眺めてみた。
まず、5kmごとの平均ペースの推移の比較である。
①前半の平均ペースが速いほど30km以降のペースダウンの度合いが大きい。
②前半を6分/km前後の平均ペースで走れば、後半もそのペースが維持できる。
もしフルマラソンを一定のペースで走り切る能力の限界値があるとするならば、現在の私の場合の限界ペースは、平均5分35秒/kmから6分/kmの間にあるということになろうか。ただ6分/kmでは残念ながらサブ4には達しない。
次に5kmごとの平均心拍数の推移を示すが、上のグラフと比較してみる。
③ペースと心拍数との間にはなんらかの相関関係があるように見える。
これが直ちに「筋肉疲労→心拍数の減少」あるいは「心機能の低下→ペースの低下」といった因果関係を示している証拠とはならない。体感的には、筋肉疲労の結果としてペースが落ち、それと平衡して心拍数が低下したと考えるのが自然であろう。もし心機能の低下が先だとしたらもっと急激に心拍数が低下し多彩な症状が出てくるように思われる。ただゴールしてしばらく休んだ後にマネージャーに顔色が悪いと言われたことが微妙に引っ掛かるが、これはおそらく急速な水分補給による循環血液量の急激な増加の結果、心負荷が増大したことの影響と推測される。いずれにしても、心拍数とペースはそれぞれ互いの程度の大まかな指標として代用できるのかもしれない。
最後に平均心拍数の推移に注目してみる。
④連続的に維持できる最大平均心拍数は157回/分である。
⑤平均心拍数が150回/分を切ると平均ペースが極端に低下してくる。
ということは、平均心拍数を150~156回/分で維持することが、極端な平均ペースの低下がなくフルマラソンを走り切れる条件なのかもしれない。
これらを総合して自分に都合良くまとめてみると、平均心拍数を150~156回/分で維持しながら平均ペース5分40秒/分で走り切れれば、今の私でもフルマラソンでサブ4が達成できる余地がある、という推測になる。まあ抱腹絶倒といったところ。
やはりまっとうに考えれば、次の三つに尽きることになる。
⑥スピードトレーニングをして平均ペースを上げられるようにすること。
⑦LSDや筋トレをして、長い距離を長時間走れるようなスタミナを養うこと。
⑧終盤に簡単に諦めてしまわないような強い精神力を養うこと。
ただし最後のヤツはとても苦手だ。なぜなら私は根性なしだから…。