ベトナムで弁当売りのおばちゃんに、ぼられるの巻

いや～この前の台風、ほんと大変でしたね。
私は夕方のフライトでベトナムに行くのでしたが、飛ぶかどうか、
空港にたどり着かるかどうかと、ハラハラドキドキでした。
Ｎ線は止まるは、ひとつ先の駅まで歩くは、Ｔ線は遅れるは、
Ｓ線は止まるはしたので、私鉄で行くことになりました。
空港にやっと着き、飛ぶとこのこと、ようやくほっとしました。
ちなみに、その日のベトナム行きは午前便、正午便が欠航でした。
あ～、夕方便を取ってたので、なんてラッキーなのでしょう。

ああ、そうそう、ベトナムのぼったくりおばちゃんですよね。
なにせベトナム通貨のドンは、インフレのあまり桁がすご～いんですよ。
空港で１０、０００円両替したら、１、９７０、１００ドンです。
ちなみに、バス初乗りが３、０００ドン。ラーメンは２０、０００ドン。
安ホテルが３００、０００ドンであります。（１、０００ドン≒６円）

サイゴンから南下して、メコンデルタを目指してバスに乗ってたのです、私は。
お昼どきになって停留所に止まったら、物売りが乗り込んで来ました。
いろんな物売りがいたのですが、そのなかにいた弁当売りの話です。
大声で声をかけながら私の前まで来ました……。

私　　　　　　「お弁当、いくら？」
おばちゃん　「どうのこうの、どうのこうの」
私　　　　　　「はっ？」
おばちゃん　「ああだこうだ、ああだこうだ」

なぜか、値段を言ってこない。
私が１０、０００ドンを渡そうとしたら、違うしぐさを見せた。
しかたないので、札束を出しトランプみたいに広げて見せた。（マズイやり方）
そしたら、おばちゃんがこの札この札と選んではしまいだした。
それを見た私は、なんか高い感じがするけど……変ね、と思ってた。
おばちゃんが取ったのは、全部で１００、０００ドンであった。
いぶかった私は確かめようとした……。

私　　　　　　「１０、０００ドンよね？」
おばちゃん　「そう、１０、０００ドン」

そう言いながら、まわりの人にも見えるように５、０００ドン札２枚を振り出した。
さっき、私の掌からは１００、０００ドン取っておきながら、である。

要は、こう言うことである。
まわりの人には、１０倍取ったなどと思わせなくしたのである。
その場は煙にまかれたみたいになり、ぼったくりおばちゃんは降りていった。
振り向いたその目には、偽りのカケラもなかった。

あとで、ほかの乗客に聞くと１０、０００ドンだった。
日本円でいうと、６０円の弁当に６００円払ってしまったわい。
５４０円の損かと思いきや、まずくて食べられず捨てるはめに。
実害、６００円なり。

弁当さど弁当、１０倍のぼられよう、痛し。
桁の多い札束を使っている国は要注意である。
あのエリアはまた旅行するので、ぼったくりおばちゃんよ、
今度会ったら、「月にかわってお仕置きよ」。