あるひとつのメッセージは、メディアによって、どのように報道されるか。
大江健三郎らの記者会見報道をいくつかのメディアから引用。
注目は、大江健三郎の<倫理>という言葉。
この言葉自体を報じたメディアと報じないメディアがある、ということ。
しかもこの<倫理>という言葉が、各メディアによって異なった“表現”として報じられていることについて。
ずっと<倫理>という言葉自体が、うさんくさい、居丈高な言葉であり、たとえば<モラル>という言葉とはちがったニュアンスをもつようになった日本語であることについて。
★ 毎日新聞 2012年2月9日 東京朝刊
<脱原発:大江氏ら10万人集会 「今、決断しなければ」--東京で7月>
脱原発運動を呼びかけている作家の大江健三郎さんらが8日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見し、停止中の原発を再稼働しないよう立地自治体の首長に要請することや、7月に10万人規模の脱原発集会を開くことを発表した。大江さんは「倫理的に考えて、今、原発の廃止を決断しなければならない」と呼びかけた。
大江さんは脱原発の署名運動「さようなら原発1000万人アクション」の呼びかけ人の一人として、ルポライターの鎌田慧さんらと会見した。7月16日に、昨年9月の約6万人を上回る10万人規模の集会を代々木公園(渋谷区)で開くという。【池田知広】
★ 愛媛新聞 2012年02月09日(木)
<再稼働反対を要請へ 大江健三郎さんら>
脱原発を求めて活動する作家の大江健三郎さん(内子町出身)らが8日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、停止中の原発の再稼働を認めないよう求める、愛媛県知事や伊方町長など全国の原発立地自治体首長宛ての要請文を発表した。
要請文は、原発の運転期間を例外的に60年まで認める原子炉等規制法改正案の提出などを挙げて、政府対応を「無反省に事故前の状況に回帰しようとしている」と指摘。「福島原発事故で明白になったことは安全な原子力発電などあり得ないという事実」とし、再稼働を容認しないよう主張している。
会見で大江さんは「原発を全廃すると決意しようではないか。貧困や混乱が生じても明日の日本の子どもたちの生活はある。それが大切にしなくてはいけない唯一の倫理だ」と訴えた。
★共同通信 2012/02/08 17:22
<大江健三郎さんら脱原発を要請 立地首長に、夏10万人集会>
脱原発を目指し活動している作家の大江健三郎さんらが8日、東京都内で、停止中の原発を再稼働しないよう立地自治体の首長らに求める要請文を発表した。今後、全原発の立地自治体首長らに手渡す予定。7月16日に東京・代々木公園で10万人規模の集会を開くことも明らかにした。
要請文は「福島原発の事故から明白になったことは『安全な原子力発電』などあり得ないという厳然たる事実です。核と人類は共存できない」と指摘。「再稼働を認めず、代替エネルギーの道をともに考え、原発のない社会へ向かいましょう」と訴えている。
★ 読売新聞 2012年2月9日10時44分
<大江健三郎さんら「原発廃止、決断を」>
作家の大江健三郎さんら、原発廃止を求めて署名活動などを行っている市民団体のメンバーが8日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、原発が立地する自治体の首長に対し、停止中の原発の再稼働を認めないよう要請することを明らかにした。
各地の団体などを通じ、近く各首長に要請文を提出するという。
この日、会見したのは、「さようなら原発一千万人署名市民の会」。会の呼びかけ人を務める大江さんは、「原発事故がもう起こらないとする根拠はない。将来の子供たちのために原発廃止を決断しなければならない」と語った。
★ 朝日新聞 2012年2月9日11時43分
<大江健三郎さんら「原発再稼働やめて」 首長に要請文>
脱原発をめざす作家の大江健三郎さんらが8日、東京都内で会見を開き、全国各地の原発立地自治体の首長にあてて、停止中の原発を再稼働させないよう求める要請文を発表した。7月16日には都内で10万人規模の集会を予定していることも明らかにした。今月11日には東京・代々木公園で集会が開かれる。昨年9月、東京・明治公園での集会には約6万人が参加した。
会見で大江さんは「倫理という言葉を、日本人は新しい意味で使い始めた。倫理に責任をとろうとするなら、今、原発を廃止するという決断を示さなければならない」と語った。
大江さんは「さようなら原発一千万人署名市民の会」の呼びかけ人の一人。呼びかけ人はほかに作家の落合恵子さん、ルポライターの鎌田慧さん、音楽家の坂本龍一さん、詩人・作家の辻井喬さんら。
★ 東京新聞 2012年2月9日 朝刊
<脱原発 7月に10万人集会>
脱原発を訴え、昨年九月に東京・明治公園で「さようなら原発五万人集会」を開いた作家の大江健三郎さんらが八日、都内で記者会見し、七月十六日にも東京・代々木公園で十万人規模の「さようなら原発集会」を開催すると発表した。また、既存の原発の計画的廃止などを求める要請文を、立地自治体の首長らに近く届ける。
呼び掛け人は他に、ルポライターの鎌田慧さんや作家の落合恵子さんら。要請文では「福島原発事故から明白になったことは、『安全な原子力発電』などないという厳然たる事実。核と人類は共存できない」「決して再稼働を認めることなく、代替エネルギーの道をともに考え、原発のない社会へ向かいましょう」と訴えている。
現在、全国の原発のうち五十一基が停止中。鎌田さんは「原発がなくても困らない現実があるのに、政府はなんとかして再稼働させようとしている」と指摘。大江さんは「事故はまた起きると思う。明日の子どもたちに倫理的な責任を取ろうと思うなら、原発を今廃止するという決意しかない」と述べた。
昨年九月の集会には約六万人(主催者発表)が参加。メンバーは脱原発を求める一千万人分の署名も呼び掛けており、既に約五百万人分が集まった。今月十一日にも代々木公園で署名活動を行う。
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