『光源氏になってはいけない』

2011年12月04日 | 音楽と読書の日記
助川幸逸郎先生の『光源氏になってはいけない』を読み終えた。

とても読みやすくて、面白い本であるなぁ、と思う。ただ、一般向けの入門書と違い、本編のストーリーを追ったり、ハイライトなのではなく、重要なところだけ抜き取っているので、巻末に「あらすじ」めいたものが付いていると雖も、国文科の人間としては、少々物足りない気がしないでもない。

しかし、『源氏物語』だけを読んでいては、こういう考えというか、読みというのには、そうそうたどり着くようなものではないと思う。いや、だからこそ、『源氏物語』を読んだことのある人は、こういう読みは、新鮮に感じられ、もう一回源氏を読んでみるか、という思いをさせられるのである。

それに、語り口も堅苦しくなく、古典はちょっと、という人も読みやすいと思われる。だから、『源氏物語』を読んでみたいけれど、敷居が高くてねぇ、と感じているのなら、手に取ってみるとよいように思う。
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