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成功にすがる

2005-01-25 02:27:38 | 
【写真】上から、初代テラノ(1986年)、2代目、販売中止直前モデル。2代目以降は恐ろしくトヨタのハイラックスサーフに似ている。

 人間だれしも、うまくいくことを望んでいる。特に仕事の場合、ライバルや同僚、同期の存在などもあり、「うまくいく」ことを客観的に図り知ることが出来るのでより成功へのこだわりが強くなる。しかし、これがともすると、「失敗しないこと」へつながる場合がある。つまり「冒険しない」「挑戦しない」というようにである。

 働く女性の方が元気だと言われる場合が多いが、それはどちらかといえば、「おとなしい男性」がおとなしさで目立つが、「おとなしい女性」は普通と変わりないと認識され、「元気な女性」は元気さで目立つが、「元気な男性」は比較的普通と見なされる今の働く環境の影響がある場合がおおい。客観的に見て、「男性、女性」での違いよりも、「元気かおとなしいか」での仕事への取り組みの違いがあるように思える。

 さて、この挑戦しない、おとなしい、冒険しないがさらにエスカレートすると、勝ち馬に乗ることになってしまうこともある。つまりすでにうまくいっている仕事や成功した事業に、「自分も関わっていた」ということを周囲に吹聴してしまうような場合だ。例えば「・・・あの製品の原案は本当は僕のアイディアをもとにしていたんだ・・・」「・・・わたしがあのときこんな提案をしていなかったら、きっとうまくいっていなかったわ・・・」などだ。おそらく事実関係の確認ができない人たちに、自分が成功したストーリー、いわゆる勝ち組に属していると思わせて自分自身の価値を誇示したがる典型的な例である。

 この手の話は多かれ少なかれあるので、注意したいものだ。

 この「勝ち組」に属したい人たちは、昔の日産自動車にも沢山いた。有名な話だが、日産に人気車が少なかった頃、久しぶりにヒット車に「テラノ」という車があった。いまでいうオフロード車で、トヨタのハイラックスサーフに対抗する車だった。デザインはたしか日産アメリカのカリフォルニアのデザインチームが担当して、2ドアで、後部座席の窓が三角形だったのがそのデザインの特長だった。

 ところがこの車がモデルチェンジした結果、なんともまあ情けないほとんどハイラックスサーフと同じような4ドアのオフロード車になってしまい、デザイン的に特長のあった、三角形の窓は、普通の四角い開閉ができる窓になってしまった。なんでこんな事になってしまったのか。これには結局こんな憶測が流れていたがあながち間違いではないと思う。

 当時の日産は、ヒット車が少なく、負け組意識が蔓延していた。重役も管理職も”成功”という文字にこれまでにない渇望を感じていた。そこに「テラノ」のヒット。多くの重役が、自分が”成功”に関わっていたいから、「テラノ」の周りに寄ってきた。その結果2台目はそれら重役の「助言・意見」が反映されて、とんでもない普通の車に変わり果てたというものだ。

 みんなでよってたかってヒット車を潰したのである。成功する為の挑戦を忘れ、なんの冒険もせずに、成功という名声だけを手に入れたい、「成功亡者」がせっかくの車を潰したのだ。成功したければ、挑戦するという原則、お金が欲しいならば働くという当たり前のことを忘れた、亡者を反面教師として、1つ1つの努力を積み重ねてゆくことを忘れないで居たいと思う。





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