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東京国際映画祭 ロード・ムービー

2009-10-23 23:44:00 | 映画
インド映画としては異例(?)の本編90分の映画。

しがない整髪オイルを売る父親を持つ主人公が、1942年製のシボレートラックを引き渡しに行く途中に出会うさまざまな出来事を中心に映画の魅力、力、面白さ、なぜ映画が必要なのかを描いた映画。


アメリカ人が描くともっと出来上がった脚本になってしまって説教くさかったりするのだろうが、ここはインド映画。味付けは確かにインド映画。
インド人らしい笑いがあるのがなんともいいし、さらに、1942年ということは67年前に作られた超ポンコツのトラックがとても存在感があり映画のなかでとてもいいキャラクターとなってくれているし、このポンコツがゆえに起きる出来事も多々あり、うまく仕上がっている。



私たちが普段「映画」を観ると、その時間だけは、別の世界に旅立てるし、現実に起きていることを忘れて没頭できるが、それをこの映画の中でうまく表現していてとても好感が持てる。




ところで実はこのトラック「移動映画館」なのだ。


今の日本で屋外で映画を見ることはほとんど無いだろう。自分もかつて小学生ぐらいのころに住んでいた団地の広場に出かけて屋外で上映される映画をみたような記憶があるぐらい。




本当になにもない野っぱらにスクリーンを立てて、そして映画を上映する。そうするとそこに徐々に人が集まり、お祭り広場にまでなってしまうシーンがあるのだが、それが映画の魅力をとても象徴している。





主人公たちが、朝目覚めると、そんなことが無かったかのように周囲にはまた何も無い風景が広がる。






実は、これは監督が実際にムンバイから車で6時間ぐらいはなれたところにまで、移動映画館をやっている若者について行って実際に経験したことに基づいているのだそうだ。




インド人の映画好きは有名だが、今でも移動映画館は健在で、その時にも実際に3000人もの観客が集まったのだそうだ。





こんな映画が大好きなインド人監督が作った、少しボリウッド映画っぽさを抜いた、おしゃれな、ファンタジー色をつけた楽しい映画でした。


日本で上映されるかどうか分かりませんが、そのときは是非観てください。



インド映画に特有の、突然ダンスしだしたり、歌を熱唱することがないので、そういう味付けのインド映画が大好きな人には、物足りないかもしれません。




▲インタビュアーに近いほうから、監督のデーウ・ベネガル、共同プロデューサーのフレッド・ベルガー





監督:デーウ・ベネガル
主演:アバイ・デオル
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