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他の人と違うということ(3)

2004-10-22 01:40:24 | 
「他の人と違うということ」が、特に子育てでは顕著にマイナス扱いされているが、こと芸能界やショービジネスにおいては全く逆であることはあえて説明はいらないだろう。

芸能界では、「他の人と違わないと」やれ二番煎じだとかと言われてしまうし、うまく生き残るのも難しいのが現実だ。世襲制度や襲名などの伝統を持つ古典芸能の世界の代表である歌舞伎の世界でさえも「初代と二代目」を比べて違いを楽しんだりするのだ。やはり「個性」や「人と違う」ことは大変貴重なのだ。芸能界で大成功しているのは大抵、前例がない場合が殆どだ。歌手でいえば浜崎あゆみ、美空ひばり、山口百恵、もう亡くなった人も引退した人も、現役で活躍中の人も、その人と同じような2匹目をねらってデビューした人は多いが、その本人はだれにも似ていないし、だれとも違っている。

例えば、遺伝子がいわゆる有性生殖により生物を誕生させるという手法をとる前は、単純な細胞分裂により生物を増殖させる方法をとっていた。つまり単純なコピーによる増殖である。自分と同じものをもうひとつ作るといった方法だったが、それには問題があった。以前と同じもののコピーだと、環境の変化に適合できなくなった場合に、その生物は死滅することになるからだ。

極端な低温化や高温化といった自然環境の変化に適合できずに種が死滅してしまう。種は自身を遺す為に、人の叡智では考えられない方法を思いついた。 そこで"遺伝子"が知恵をしぼったかどうだかはわからないが、考え出したのが、有性生殖である。つまり雌雄それぞれから遺伝子情報を出し合って別の一つの生命を誕生させるという方法である。

 さまざまな雌雄の組み合わせやそもそも雌雄それぞれが提供する遺伝子情報のわずかな違いなどにより生まれてくる生命にはそれこそ天文学的な種類の違いが期待できるようになる。もちろん組み合わせによっては生命そのものとしてなりたたない場合があるが、そういう場合は"自然の摂理"で途中でその生命の成長をやめるメカニズムも組み込まれている。
そんな、ほんとうに"神"の存在を認めざるを得ないような、遺伝子の仕組みによって、昆虫や植物などあらゆる生命が生まれているのである。ある本によると、トンボは古生代から生き長らえてきているらしく、記憶がただしければその種類は8000種類以上もあるのだそうだ。

 こんな工夫の上で他の人と違うように生まれてくることになっている人類に、よこならびを強制したり、他の子供と同じでないと許さないなどというのは、大自然の知恵に対してあまりにもこざかしい抵抗にしか見えない。 いったい何を考えてそんなことを言ってるのか?と忠告の一つもしたくなるというものだ。ちっぽけなヒトが考えたこざかしい「みんなと同じでなければならない。」という意味のないことに強いられて、またそれが絶対守らなければならない社会のルールであるかのような錯覚に陥ると人はどうなるか?すでに社会問題になっているとおり、いわゆる"引きこもり"や"社会不適合"、"将来を悲観しての自殺や無理心中"などなどである。

 人は、他の人と違うべく生まれてくる。であるのにもかかわらず、同じになることを良しとされる。よくよく考えるべきである。ただし、だからといって短絡的に考えて、社会のルールさえ守らなくてもいいというものではない。社会のルールとはいわば自然の摂理であるから。



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