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この世界の片隅に

2017-03-26 18:26:00 | 映画
アニメ映画「君の名は。」の大ヒットに隠れてはいるが、この作品は、純文学を読むような素晴らしい映画作品。



アニメでありながら、映像表現に頼ってない。なによりもこれが一番大きい。



アニメならではといえばそうなるのだろうけども、映像を自由に操れるのが特徴だ。アングルからデフォルメ、隕石を落とすのもあり、短いスカートの女子高生を動き回らせるのも自由。グラフィカルな色彩構成もどんどんやるのがアニメ。

でも、そういうアニメって食傷気味なんだよな。気づいてなかったけど、「この世界の片隅に」を観てそう感じた。

映画として、これでもか!と押してくるアニメって人の感性が少々鈍くても「分かる」ようになる。伝える力があるから。

でも、こんなソフトタッチなアニメーションは、いうなれば激辛で戦い合ってるアニメ映画同士の横で、熱々のごはんにダシの聞いた鯛茶漬けを頂くようなもの。ほっとするし、味わい深いし、繊細だし。みんなが注目するのは当然だと思う。

日本人の感性に響く、アニメ映画の代表作だと思う。いや、唯一無二かもしれない。




もし、まだ観てませんという方がいらっしゃったら、ぜひぜひ観てください。




さて、この映画は、戦中戦後の広島を舞台に、ちいさな一人の少女が嫁ぎ先でおりなす人間物語である。さりげなく、やさしく、いとおしい。人と人のふれあいやつながりが何を人にもたらすのかを丁寧に丁寧に描いている。



主人公の声を、のん(能年玲奈)さんが担当しているが、この映画にぴったりのトーン。最近のアニメ声優たちでは決して演じられない領域である。ゴリゴリ押してこない、こんなトーンの演技ができる若手声優なんておそらくいないだろう。それくらい繊細である。




全ての先入観を捨てて、観てほしい。
生身の人間が出ない映画ってあまり興味がないという人にもお勧めする一本です。


監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代
主演:のん
   

公式サイト:この世界の片隅に




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