晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

ただ無心に頑張って名誉を勝ち取ったサッカー・チームと、ふんぞり返って国力を貶める菅直人。

2011-01-30 19:07:44 | 世界に置ける日本
『ダボス』と『ドーハ』。


どちらも、一応『日本代表」が出かけて行った。
結果は、言わずもがな。


1998年、『ワールド・カップ、フランス大会』の際には、日本のチームがここまでに強くなれるとは、想像も出来なかった。

体格も、体力も、戦術も、技術も、モチヴェーションも、何もかもが「世界基準」からすれば、遥かに劣っていた物だった。

世界を相手に、勝てる等とは考える事すら不謹慎とすら言える程の、大きな差があった。


しかし。
あの時、日本中は勝手に沸き返っていた。

マスコミも、国民も、日本が決勝リーグに進出する事が当然の様に、語っていた。
何の根拠も無く。

日本人の特徴である、「願望と実際」とを混同して、怪しみもしなかった。

ヨーロッパに暮らす身として、日夜現地のサッカーのレベルに察していた故、日本で「何故あそこまで」日本が勝てると、信じ込めるのか、不思議で仕方なかった事を思い出す。

エース・ストライカー城彰二が、ル・ブルジェ湖畔の合宿地で、シュート練習の際、20本に1本しか「枠を捕らえない」事を見ていて唖然とした。
実践ででは無い。
練習で。
インタヴューに応える彼が、「入りませんねえ~」と悪びれずに笑いながらしゃべるのに接して、一気に落ち込んだものだった。


アレから13年。

体力的ハンデも、闘争心のハンデも、歴史的ハンデも乗り越えて、ワールド・カップの決勝リーグに進む所まで、進化した。

昨日、アジア・カップで優勝した。

感無量であった。
その試合ぶりに。

中東ジャッジも、韓国の敵愾心も、OGの体格差も、結果としては乗り越えた。

長友のクロス・パスも、李のボレー・シュートも、「もう一度やれ」と言っても絶対に不可能な程、見事にシンクロした。


振り返ってみるに。
小さな一歩であったが、確実に何かを日本チームに残してくれた『トルシエ』。
それからの『オシム』『ジーコ』と続いた流れは、『ザッケローニ』に至って、見事に育った。

勿論『岡ちゃん』の功績を否定する者では無い。

しかし、元来肉食人種で<狩猟民族>の為のスポーツは、やはり<農耕民族>の行動神経では、追いつけない部分が有ると思う。

ヨーロッパで活躍する第一線の選手達の、<ここ>と言う時の突進力や、決定力は、練習して得られる者では無い。

しかし、連携力と作戦と、そして純粋な「勝利への欲求」とで、最後まで勝ち残った。

現在言われる、「草食系」に至ってしまった日本の青年達が。
闘争心も、ハングリー精神も、執着心も、希薄になった現代の日本の若者達が。

ここまでに案レルとは、想像もできなかった。

しかし、期待は裏切られた。
結果として、彼等は、世界(少なくともアジア)に於いて、どの分野に於いても引けを取らないスポーツ選手に成長していた。



今回の優勝と言う事実を前に、彼等は「日本の為に」等とは、考えてもいなかったと思う。

彼等は、ただ「プロのアスリート」としての、自分の可能性を信じて、本能に従って闘っただけの筈である。

そして、その「自分への挑戦」が、結果として、日本に大きな名誉をもたらしてくれた。


しかるに。
我らが総理大臣は。


風説に依ると、経費1億円を掛けて、『ダボス会議』へと、お出まし遊ばした。


ある国の属国状態にある日本が、「開国する」とわめく為に。

開国?

そもそも、菅直人が『環太平洋パートナー・シップ』の意味を理解しているとは、到底考えられない。

ただ、「首相として」「首相専用機で」「外国での首脳会議に」出席したいからだけの目的としか、思えない。

さらには、自分を総理大臣にしてくれた『アメリカ合衆国』への忠誠心を更に伝え、自分の地位の長からん事をひたすら願っての事、としか思えない。

そこに有るのは、今現在の「自分の栄達」のみ。

子々孫々、末代までに残して行く「祖国」の在り方についての理論的考察も、精神的感情すら無いとしか、思えない。

丸っきり、国家のリーダーとしての姿勢とは、完全に逆の姿勢しか感じられない。

情けない人間が、首相になったものだ。


今や日本には、かってほんのわずかな期間であったにせよ、存在した「大国」としての存在意義等、雲散霧消してしまってる。

正解の目は、中国に向けられている。
工業製品やハイテク製品は、韓国産にその地位を奪われてしまった。

世界各地での、日本の影響力や、存在感は、今や大変希薄な物になりつつ有る。

すでに、20世紀末にS屡次期の様なウエイトは、無くなってしまった日本である。

この現実を、受け入れる事から、これからの日本の採るべき道筋が考えられると言う物だ。


そんな現状に有っては。

「第3の開国が必要」
「開国の後の孤立や格差是正も必要」

これらのスローガンの、聞こえは確かに素晴らしい。


日本は、世界に向けて、国内規制解除、特に東アジアとの強調は不可欠であるにも拘らず、それらに取り組むにはかなり臆病である。

鳩山前首相の「東アジア共同体構想」も、かなりの危機感を持って受け止められた。

小沢氏の、対中国、対韓国に置ける、多様にして広範囲にわたる協力関係の構築の主張も、相当の層からの批判に曝されている。

しかし、日本のありのままの姿を見つめて、自分達の置かれた状況を正しく把握出来るならば、『孤高に徹する』事等、もはや不可能である事が、分かる筈である。


だからと言って、世界に向けて日本の内向きの傾向から、広く外向きに変えて行くと言う事は、アメリカに全てを売り渡す、と言う事では決して無い。

ましてや、これまでの霞ヶ関と自民党政権と経団連都マスコミとの感覚は、「売り渡す」のですらもなく、ただ単に「総てを捧げ尽くす」事に他ならない物であった。

見返りは無い。

精々「官僚」「政治家」「経営者」「マスコミ人」に、一般大衆より優遇される事を認められるだけ、似過ぎない関係であった。

そのような、一方敵な対米関係を、更に踏み込んで、菅直人は総てを与えてしまおうと、思い立ったらしい。


関税を撤廃する事は、一国の主権に関わる微妙な困難さを伴うのだ。

しかし、ただ自国の産業を「関税で保護する」という前時代的発想だけでは、最早生き延びては行けない事は、EUの動きを見ていると、良く判る。

関税も、各種規制も、総て撤廃して、始めて「未来を見据える」大きな共同体としての経済圏が生まれるのであろう。

EU は、正にそこを目指している。

しかし、それをやり通すには「自国の産業」にそれなりに『抵抗力』が備わっていなければ、結果は無残な物になる。

その為には、手間とヒマとを賭けて、地場産業の基礎を固め、盤石な経営基盤を造り出して行かねばならない。

これは、何も工業に限った事では無く、農業にも、金融にも、サービス業にも、同等に作用する原則である。

しかるに、今回菅直人が「突如として言い出した」TPP なる機構は、アメリカ主導で、対アメリカ関係の固定化に過ぎない。


その中で、アメリカが「日本に求めている」条件が、一番脆弱にして一番重要な<農産物>を含む、総ての関税の撤廃から始まって、郵貯簡保の資金の凍結解除、云々カンヌン、正に「アメリカが植民地ニッポン」に求める「上意」以外の何物でもない。

巨大財政赤字に悩むアメリカ合衆国の、税制援助を行い、アメリカのの異形の発展に寄与し、アメリカの金融業の再生に、「日本が尽くす」為の協定である。

この事を、菅直人は分かって、「6月までにメドを」等と言っているのであろうか。

理解して発言しているとしたら、『積極的売国奴』である。
もし、例に依って何も知りもぜづ、ただフィーリングで発言しているのだとしたら、『消極的売国奴』である。

いずれにせよ、あの男には「国家百年の計」等、微塵も無いらしい。

ただひたすら、自分の地位の継続を飲み願っているとしか、見えない。

岡田くん。
枝野くん。
前原くん。
玄蕃くん。
蓮舫くん。
野田くん。
江田くん。

その他大勢の「仙谷菅直人一味」の諸君。

この様な政策とも呼べない様な代物に、うつつを抜かしていて、本当に日本の事を考えて「政をおこなっていいる」と、胸を張って言えるのか。

「自分達が正しい」
願望と現実とを混同する菅直人一味。


歩行さえ困難な程にまで消耗しながら、日本に『アジア・チャンピオン』をもたらした「我らが誇るアスリート達」に比べて、なんとまあ、情けないまでに「非愛国的」な事か。

比べる事すら、ドーハの彼等に申し訳ないとは分かっていても、余りの違いに、如何しても比べずにはいられない出来事では有った。

サッカー界に置ける、日本の地位は確実に上がった。

政治外交の分野で、日本はどんどん自滅して行く。


いっその事、アメリカ人以外の「外国人首相」でも、連れて来るか。
そうでもしない事には、日本の凋落傾向に、歯止めはかからないだろう。

いや、まて。
一人居る!

彼に、早く活躍してもらわなければならない。


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6 コメント

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安政の大獄 (岩下俊三)
2011-01-31 10:43:21
安政の大獄が144年後に訪れるとは思っても見ませんでした。たった四隻の蒸気船の代わりに、たった1隻の漁船に脅されて、関税を放棄する不平等条約を結ばされることになりそうです。

吉田松蔭を幽閉せんと必死になる忠邦も間違っているし、攘夷テロも間違っています。敵は幕府でも攘夷でもありません。国内を二分してはいけません。

国内であらそっているばあいじゃないのです。

「今にニッポンはのうなってしまうじゃがぞ」

列強の思惑に堂々と対向すること、国内がまとまることが第一と龍馬は言いいます。だから森ゆうこさんも早まって桜田門外へ行かないで!それこそ外国の思う壷。日本がまとまることが一番怖いのですから。

「上(士)も下(士)ものうなるがや。みんながわろうてくらせる世の中にならんといかん」

司馬遼も龍馬もただ盲目的に信じているわけではありませんが、現代における龍馬や西郷とは「国民の生活が第一」と考えているヒトと、相似していると思います。

また束になっても井伊直弼の智慧には及ばないけれど、それでも現内閣の粛清はまさに「安政の大獄」の相似形だとおもいます。
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心で統率するザック代表監督 (scotti)
2011-01-31 12:40:53
日本の文化を学び、心で選手を統率する外国人代表監督に畏敬の念を覚えます。
人種なんて関係ありません。
その人がどうか?だと思っています。
ダボスで、強欲主義仲間入り挨拶と、近い将来のための再就職探し、これを税金でされては困ります。
政権交代で、誰が売国派か明白になったことは政権交代の果実としましょう。
次は、その勢力を淘汰するだけです。
天に唾する与謝野氏を三顧の礼で迎える不条理首相、お天道様は観ている。
菅直人、裏切りだけの人生さ。(笑)
日本のサッカーはスピードあるパス回しと高精度で世界へ挑戦できると感じました。
日本国はオール国内製造製品ブランド(徹底的な付加価値)でこそ、世界で勝ち抜いて、利益を得て、社会を守れる方法だと思います。
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大手マスコミ終焉への裁判 (sun45)
2011-01-31 23:46:40
強制起訴と言う言葉が適切とは思いませんがマスゴミの偏向報道が結果暴かれることになりそうです♪
そういえばウソばかりの大本営で敗戦に突っ走った戦前と同じかも!

その結果こそが真の開国かも(^-^)
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岩下俊三様。 (時々パリ)
2011-02-01 04:47:38
コメントありがとう御座いました。
私も、御ブログにコメントさせて頂こうかと思うのですが、拙ブログと違って、コメントで大にぎわいなので、つい遠慮してしまいます。
しかしまあ、ここ数日はやたら「懐古趣味」で、若い人は見た事も無い言葉が溢れて居りますね(^^)
安政の大獄もさておき、民主党執行部は、権力を失う事をのみ恐れる、無能な小心者の独裁者、と言った感じです。
強制起訴も決まり、これで<闇>を暴き出せた時こそ、『第三の開国』名のでは無いでしょうか。
森裕子議員の事は、マジに心配です。
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scotti様。 (時々パリ)
2011-02-01 04:51:30
コメントありがとう御座いました。
>政権交代で、誰が売国派か明白になったことは政権交代の果実としましょう。
これだけだとしたら、悲しい程情けないですね。
民主党Aで、再度の日本改革を目指して欲しいと、切に望みます。
それにしても、ワン・ポイント首相として、カルロス・ゴーン氏か、ネルソン・マンデラ氏にでもご登場願いたいくらいの心境です。
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sun45様。 (時々パリ)
2011-02-01 04:53:07
コメントありがとう御座いました。
>マスゴミの偏向報道が結果暴かれることになりそうです♪
正にその通りです。
>その結果こそが真の開国かも(^-^)
正にその通り!
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