晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

<希望的観測>や<個人的願望>を、<事実>と混同してしまう傾向が多い日本人気質

2010-03-15 00:01:05 | 日本人の意識と精神構造
パリに居ると、町の<都市工学的>美しさに、何年住んでいようとも、常に日々新たな感動を呼び起こされます。


ましてや旅行者に取っては、パリの歴史的建造物を適度に取り混ぜての、街全体の<家並>の持つ景観の美しさは、他に類を見ない物として、心をとらえる様です。


そういった日本人旅行者から、必ず言われる一言が有ります。
「フランスは地震が無いから良いですねえ」


その度に、私はわざと意地悪く聞き返すのです。
「地震が無いって、誰に聞いて何処でどう確認して来たのですか?」

そう聞き返されると、意味が分からず全員変な顔をします。



とかく日本人は、自分が思い込んだ事を、<事実>と思い込んでしまう傾向にある。

フランスは、プレートの継ぎ目の上に架かっているのです。
地震計は、年に何千回も<ゆれて>居ます。

幸いに、<体感地震>がほとんど無いだけ。

『アルザス』と『ブルターニュ』と『ピレネー』と『コート・ダジュール』では、数十年に一回は結構な規模の地震が起こります。


ガイドブックには、「パリには<流し>のタクシーは無いので、<タクシー乗り場>に行って乗る事」と書き続けている。

流しのタクシーは<ウジャウジャ>走っておりますが。


「パリでは<生水>を飲んではいけない」とも書いてある。

誰が一体<水質>を調べたのだろう?
日本より遥か以前から<バクテリア>に依る<有機処理>すらしており、あらゆるフィルター処理と相まって、へたな<ミネラル・ウオーター>より遥かに美味しいし、全く安全なのにです。



つまり、<思い込み>が一人歩きして、それを<事実>と思い込んでしまうのが、日本人の癖。


それが、自分たちの<ミエ>や<メンツ>や<地位>や<責任>やらが絡んでしまうと、絶対に自説を曲げずに押し通してしまう事が、往々にしてみられる。

特にそれが、国の厚生行政等の場合、「問題ない」と言い張る役人や担当者には、名前と写真を曝して言ってもらいたい、と思う事が(腹立たしい事に)往々にしてみられる。



▶核燃施設周辺の「活断層」否定する原燃(毎日コラム見出し)

>青森県六ケ所村の日本原燃核燃料サイクル施設の周辺や太平洋沿岸で、活断層の存在を示す地殻変動跡があるとの調査結果を、大学教授らが08年以降、相次いで発表している。施設直下に活断層がある可能性も指摘しているが、事業者の原燃は活断層の存在を否定し、「国が審査中。(教授らと)直接議論する考えはない」とにべもない。安全性を審査する国の検討会議で指摘自体は取り上げられたが、こちらも直接聞くまでには至っていない。教授らは「真実は一つ。自然(地震)が証明した時は遅い」と疑問視する。核燃料サイクルは国の重要施策であり、事故や災害が起きれば被害は甚大だ。国や原燃は異論にもっと積極的に向き合うべきではないか。

~中略~

>施設直下の活断層を指摘したのは、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)と広島工大の中田高教授(地形学)ら。08年5月、逆断層が動くとできる地表の特異な傾きが、再処理工場の東端から太平洋側へ約1キロ以上の幅で南北に走っていると発表した。太平洋沿岸には「大陸棚外縁(がいえん)断層」が南北に走っており、渡辺教授らは外縁断層と特異な傾きが関連していればマグニチュード(M)8級の大地震を起こす恐れがあるとしている。

>それだけではない。渡辺教授は09年11月、施設周辺2カ所で活断層の存在を示す地層を発見したと発表。千葉大大学院の宮内崇裕教授(変動地形学)も同年5月、海底隆起による「海成段丘」が下北半島海岸部で波状に変形しているとし、外縁断層は少なくとも長さ数十キロに及ぶ活断層の可能性が高いと指摘した。

>再処理工場の耐震安全性は、経済産業省の審議会と内閣府の安全委員会が、原燃など事業者側の調査データを基に二重チェックする。経産省は、国の新耐震指針に基づく原燃の安全性評価報告書を審議会に諮り、09年6月、「妥当」と結論付けた。だが、このやり方による評価は「お手盛り」との批判を免れない。

>渡辺・中田説も09年4月、同審議会で取り上げられたが、議事録によると、事務局の経産省が一通り紹介して「議論は尽くされている」と結び、委員から意見は出なかった。これで審議が尽くされたと言えるだろうか。審議会で主査を務めた東京工大大学院の翠川(みどりかわ)三郎教授(地震工学)は「意見がなかったということはある程度満足していること。妥当だったと思う」と話す。経産省も「審議には指摘部分が含まれ、結果的に渡辺説も見ている」と繰り返した。

>内閣府の安全委でも、国の担当者や委員は昨年12月までの取材に「(異論は)事業者のデータをフォローしていない印象だ」などとして後ろ向きだった。ただ、今年1月下旬の会合で委員の1人が「無視するわけにもいかない」と提案、議論の俎上(そじょう)に載った。詳細説明を求められた原燃は2月24日の会合で新資料を出し、委員は「納得できた」として渡辺説を退けた。安全委の主査を務める首都大学東京大学院の山崎晴雄教授(地震地質学)は「資料で検討できた。本人を呼ぶ必要はない」と言う。

>新資料を見た渡辺教授は「おかしな点がいっぱいある」と唇をかむ。委員に突っ込まれて資料を出す原燃の後ろ向きな姿勢と、その資料もあいまいだと指摘する専門家。異論をいくらかでも取り上げたことで議論が深まった部分もあるとは思うが、両者が直接向き合う機会がないため消化不良のままだ。「国の指針に基づき認可をもらうのが基本。個別学説に答える必要はない」が原燃の立場だが、私の取材には「我々が把握している活断層は耐震性に影響のないもので、渡辺教授が指摘する断層は存在しない」と否定した。ならばそれを教授らに伝え、不安を残さぬよう議論を尽くすべきではないか。

>07年7月の新潟県中越沖地震では、東電柏崎刈羽原発で、瞬間的な揺れの強さを示す加速度が原発では過去最高とみられる2058ガルと、設計上の想定(834ガル)を大幅に上回った現実もある。持論を展開し合うだけの現状は、安全性を追求する姿とほど遠い。議論せずに平行線をたどるのではなく、むしろ進んで働きかける姿勢が、危険を伴う巨大事業を進める国と事業者に求められると思う。
【毎日新聞コラム:記者の目】


原発等と言う、一つ間違えれば<この世の終わり>を引き起こす様な施設を運営管理する立場の者は、専門家による<疑問点>が出されたならば、徹底的に調査研究をするのがその立場における責任であろう。

ひとたび事が動き出している事柄に関しては、かたくなに<変えようとしない>か、<変える事を恐れる>か、<変えなければならなくなりそうな事に反発する>事例ばかりが溢れている。

そして、自分の<地位>が与える権威を持って、反証を黙殺したり、一件に幕引きをしたりする。
あたかも、総て自分のミスにされる、とでも思い込んでいるかの如くに。

その地位が求める<義務>に思いが至る事は決して無い。


このような<クソ役人根性>が、日本社会の<物心>両面でのここまでの汚染を引き起こし、延々と垂れ流し続けて来たのでありました。


「小沢は角栄の直系だから悪い事をやっている(に違いない)!」
「叩けば証拠は必ず出て来る(はずだ)!」
「有罪(の筈)だ!」

同じ線上の出来事ですね。


思い込んでも良いが、確認するまでは事実として扱うな。


遅すぎる事は無い。

役人達や、それに準じる立場に有る者共には、<素直>で<謙虚>に過ちは過ちとして認める事の出来る性格を、採用基準の第一に定めてはどんな物だろう?



居ないか、エリートにそんなやつ。。。


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2 コメント

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エリートの定義をどうするか。 (はじめまして通りすがり)
2010-03-21 21:28:04
『2009世界大学ランキング』200位以内に入った日本の大学
アジアNO.1をキープした東京大学。しかし、総合順位は下降傾向にある。
22位 東京大学 (前回19位↓)
25位 京都大学 (前回25位―)
理系は健闘しているようですが。文系学部の比較では、もっと下がります。文系理系がはっきり分かれてる日本の大学制度も変だし、文系では、エリートといっても世界に通用せず、いったい何の秀才なのか分からん人材を輩出中。
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通りすがり様 (時々パリ)
2010-03-22 02:54:48
コメありがとう御座います。
東大がアジアで1位ですか?中国やシンガポールの大学に抜かれていたと、思っておりました。どんな機関が創ったランキングでしょうね。
いずれにしろ、本物の秀才を徹底的に育て上げるフランスのシステムから言えば、日本の大学なんて、ちょろい物です。
東大と言っても、何年でも受験出来て、学生数2800程居る訳ですから。
フランスの超難関校は、受験機会2年しか認められず、1学年300名なんてのがざらですから。。。
日本のエリートとは、<偏差値>と言う回答の決まっている命題に対し、如何に早く回答にたどり着くか、の能力です。
実社会では、回答の存在する命題と言う物がそもそも少ない。
ですから、日本のエリートは、前例のない事には対処出来ないのですね。
時々お寄りください。
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