やっと「ミモザ」が咲き始めたニースに行って来た。
世は正に冬たけなわである。
大企業と宗主国の利益のみを考えた政治しか行われない、歪んだニッポン…等と言うウンザリさせられる現実の話ではなく、実際の気候の事です。
キリスト教世界の国々では、この冬の最中に大騒ぎの祭りを行う所がある。
いわゆる『カーニヴァル』であります。
キリストが悟りを極め、ユダヤ教の世界の中で「新たな」教えを広め始める直前に、砂漠で40日間の断食をしたこと。
さらに、原始キリスト教の時代に置いては、キリスト教に帰依し洗礼を受けるまでに、この世の悪しき習慣に別れを遂げる為に、散々「よからぬ事共」をやらかして40日間を費やした。
そこから翻って、イエスが捕まり処刑され、復活した事を祝う『復活祭』から遡って40日間、信者達は断食(肉断ち、贅沢絶ち)をする事となった。
その断食の期間に突入する最後に、肉をたらふく喰って「喰い納めにしよう」として『謝肉祭』という習慣が生まれたらしい。
世界中で「カーニヴァル」で名高い町は、リオとヴェネチアであろうか。
リオは、地元の人々が「一年の稼ぎを総てつぎ込んで」その覇を競う、大掛かりで最も敢行的にも有名になっている。
ヴェネチアは、古の時代の貴族達が豪華な仮面にその身分を隠して、庶民に混じって無礼講で遊びに耽る、淫微で華麗な習慣であったようだ。
地中海岸の華やかなリゾートの街「ニース」でも、世界に名高い海岸通り『プロムナード・デ・ザングレ』でお花の交換を始めた19世紀後半から
、今日まで地中海世界最大のカーニヴァルとして、名高い物になっている。
残念な事に、今回は天候にはまったく恵まれず、小雨混じりの寒風吹き付ける日々と相成った。
しかし、それにもめげず、ニースの街はすっかり「その気に」なっていた。
『マッセナ広場』に展示されている山車の一部
パレードがスタートし、夜間のパレードも行われる『マッセナ広場』には、観客席が組み立てられ、ジャイアント山車の一部が展示されている。
そして。
裏通りの至る所に「変な奴ら」がゴロゴロ。
教会の鐘楼の下にも
街角のレストランの庇の下にも
裏通りの歩道にも
レストランの庇の上にも
赤いヤツも
当然ニース観光局のビルにも
カジノの玄関の番人
何故か「怪我した」ジャック・シラク元大統領まで
アンパンマンならぬ、サッカーボールマンも
今年のテーマは「五大陸の王達」という。
火曜日、水曜日、土曜日、日曜日の週に四日間の巨大な山車が二十台が、練り歩く。
宇宙を制する世界の王。。。アメリカ大陸
押しも押されもせぬ世界の帝王は。。。アジア大陸
しかしまだまだ石油王。。。中東ユーラシア大陸
石油王2
その前後は、ありとあらゆる民族の踊りや、アクロバットが彩りを添える。
市民のヴォランティアが総出で参加
そして夜はライティングの妙を競った「夜間パレード」へと、突入する。
昼間とはまたひと味違った見え方が
ところで、今回は「ニースのカーニバル」ならではのイヴェント『花合戦』をご紹介しようと思う。
時は1876年、あの「イギリス人の散歩道」と名付けられた、名高い海岸道路で始まった『 Bataille des fleures 』(花合戦)は、他に類を見ない地中海世界ならではの、パレードである。
様々な国や地方を代表する山車が20台ほど、お花で飾り立てられて練り歩き、沿道の観衆達に「花を投げる」のだ。
この地中海世界で最初に咲く花が『ミモザ』である。
そのミモザを大量に、惜しげも無く。
その内、投げ与えるミモザが底をつくと、山車の花自体を外して投げ与えてくれる。
夫々の山車に乗った「ミス◯◯」達が自らの手で。
当日は生憎の小雨模様であった。
14時半開始の数時間前から道路は封鎖され、準備が始まる。
要所要所に「ミモザ」の束を置いて回っているトラック
徐々に山車も定位置に到着し始める。
スタート地点から並べられる山車
そして、このようなケースでは珍しく、ほぼ定刻にパレードはスタートした。
今回は、夫々趣向を凝らした、花で飾り立てた全21台の花山車が練り歩いた。
まず、仮装した「露払い」が山車を先導する。
これはエジプトの山車の先導隊
以下、順不同。
時折コース全体を走り回って観客席を盛り上げてる「遊撃隊」がm山車の中にまで乱入。
車の先頭は足元を固定されてぐらぐら揺れる人間、後は全部人形
カリブの山車の先導は巨大な「婆さま」「爺さま」「息子」「嫁」「ひ孫を抱いた孫娘」の4世代が登場。
突き出したお尻に片手を乗せた婆さま
アメリカの山車
ニースのカーニヴァルの「ミス・アメリカ」
中国隊が持ち出した巨大風船の龍
上半身は仏陀? 胴体はサソリ?
カーニヴァルと言えばやっぱりブラジル
ミス・ブラジル
アンダルシアの娘達も
煙を吐く「骸骨の龍」も
超長いとんがり帽子の旋舞派集団
なんと、大会運営の係は「セグウエイ」で走り回っていた。
セグウエイで走り回る運営係
フィレンツェの「旗ふり隊」も
フランスの山車
ミス・フランス
高下駄に乗った不気味な連中も
途中途中で、運営側が山車にお花を次々と届けます。
でも、終わりに近づくと、皆に投げるミモザも底を付いて来る。
後は山車本体の花を引き抜いては、沿道に投げる。
バラや、蘭や南洋の珍しい花々も、次々と。
どこか「八代亜紀」に似てたどこかのミス
かくして、山車は徐々に骨組みだけになって行くのです。。。
くるくる回る「オートマット少女」を押す少年が後ろの大道芸に急きょ参戦
シックなピエロ
トルコの山車もほぼスケルトン状態に
山車の花が減って来ると、主役はやっぱりリオ!
美しい曲線もあらわな参加者の女性を映す現地マスコミのカメラマン。
やはりカーニヴァルはこうでなくちゃ!
花合戦終了後は、参加者も観衆も入り交じって町中に練り出す。
普通の山車のパレードの中央会場を引き返す「フィレンツェ旗ふり隊」の面々。
そして、その後街中に受け止めた花を持って散策する人々が、溢れかえっていた。
皆それぞれ、手にしたミモザを束にして、嬉しそうでした。
この「ニースのカーニヴァル」は、今年は2月15日から3月6日まで、繰り広げられる。
開幕日プラス火曜水曜土曜日曜で、計13回のパレードと夜のパレード。
但し「花合戦」は水曜日と土曜日のみ。
このも催しに使われるお花の90%は、地元で栽培荒れた物だそうです。
今後【日曜フォトの旅】では、ニースとその近郊のご紹介を続けようと思います。
世は正に冬たけなわである。
大企業と宗主国の利益のみを考えた政治しか行われない、歪んだニッポン…等と言うウンザリさせられる現実の話ではなく、実際の気候の事です。
キリスト教世界の国々では、この冬の最中に大騒ぎの祭りを行う所がある。
いわゆる『カーニヴァル』であります。
キリストが悟りを極め、ユダヤ教の世界の中で「新たな」教えを広め始める直前に、砂漠で40日間の断食をしたこと。
さらに、原始キリスト教の時代に置いては、キリスト教に帰依し洗礼を受けるまでに、この世の悪しき習慣に別れを遂げる為に、散々「よからぬ事共」をやらかして40日間を費やした。
そこから翻って、イエスが捕まり処刑され、復活した事を祝う『復活祭』から遡って40日間、信者達は断食(肉断ち、贅沢絶ち)をする事となった。
その断食の期間に突入する最後に、肉をたらふく喰って「喰い納めにしよう」として『謝肉祭』という習慣が生まれたらしい。
世界中で「カーニヴァル」で名高い町は、リオとヴェネチアであろうか。
リオは、地元の人々が「一年の稼ぎを総てつぎ込んで」その覇を競う、大掛かりで最も敢行的にも有名になっている。
ヴェネチアは、古の時代の貴族達が豪華な仮面にその身分を隠して、庶民に混じって無礼講で遊びに耽る、淫微で華麗な習慣であったようだ。
地中海岸の華やかなリゾートの街「ニース」でも、世界に名高い海岸通り『プロムナード・デ・ザングレ』でお花の交換を始めた19世紀後半から
、今日まで地中海世界最大のカーニヴァルとして、名高い物になっている。
残念な事に、今回は天候にはまったく恵まれず、小雨混じりの寒風吹き付ける日々と相成った。
しかし、それにもめげず、ニースの街はすっかり「その気に」なっていた。
『マッセナ広場』に展示されている山車の一部
パレードがスタートし、夜間のパレードも行われる『マッセナ広場』には、観客席が組み立てられ、ジャイアント山車の一部が展示されている。
そして。
裏通りの至る所に「変な奴ら」がゴロゴロ。
教会の鐘楼の下にも
街角のレストランの庇の下にも
裏通りの歩道にも
レストランの庇の上にも
赤いヤツも
当然ニース観光局のビルにも
カジノの玄関の番人
何故か「怪我した」ジャック・シラク元大統領まで
アンパンマンならぬ、サッカーボールマンも
今年のテーマは「五大陸の王達」という。
火曜日、水曜日、土曜日、日曜日の週に四日間の巨大な山車が二十台が、練り歩く。
宇宙を制する世界の王。。。アメリカ大陸
押しも押されもせぬ世界の帝王は。。。アジア大陸
しかしまだまだ石油王。。。中東ユーラシア大陸
石油王2
その前後は、ありとあらゆる民族の踊りや、アクロバットが彩りを添える。
市民のヴォランティアが総出で参加
そして夜はライティングの妙を競った「夜間パレード」へと、突入する。
昼間とはまたひと味違った見え方が
ところで、今回は「ニースのカーニバル」ならではのイヴェント『花合戦』をご紹介しようと思う。
時は1876年、あの「イギリス人の散歩道」と名付けられた、名高い海岸道路で始まった『 Bataille des fleures 』(花合戦)は、他に類を見ない地中海世界ならではの、パレードである。
様々な国や地方を代表する山車が20台ほど、お花で飾り立てられて練り歩き、沿道の観衆達に「花を投げる」のだ。
この地中海世界で最初に咲く花が『ミモザ』である。
そのミモザを大量に、惜しげも無く。
その内、投げ与えるミモザが底をつくと、山車の花自体を外して投げ与えてくれる。
夫々の山車に乗った「ミス◯◯」達が自らの手で。
当日は生憎の小雨模様であった。
14時半開始の数時間前から道路は封鎖され、準備が始まる。
要所要所に「ミモザ」の束を置いて回っているトラック
徐々に山車も定位置に到着し始める。
スタート地点から並べられる山車
そして、このようなケースでは珍しく、ほぼ定刻にパレードはスタートした。
今回は、夫々趣向を凝らした、花で飾り立てた全21台の花山車が練り歩いた。
まず、仮装した「露払い」が山車を先導する。
これはエジプトの山車の先導隊
以下、順不同。
時折コース全体を走り回って観客席を盛り上げてる「遊撃隊」がm山車の中にまで乱入。
車の先頭は足元を固定されてぐらぐら揺れる人間、後は全部人形
カリブの山車の先導は巨大な「婆さま」「爺さま」「息子」「嫁」「ひ孫を抱いた孫娘」の4世代が登場。
突き出したお尻に片手を乗せた婆さま
アメリカの山車
ニースのカーニヴァルの「ミス・アメリカ」
中国隊が持ち出した巨大風船の龍
上半身は仏陀? 胴体はサソリ?
カーニヴァルと言えばやっぱりブラジル
ミス・ブラジル
アンダルシアの娘達も
煙を吐く「骸骨の龍」も
超長いとんがり帽子の旋舞派集団
なんと、大会運営の係は「セグウエイ」で走り回っていた。
セグウエイで走り回る運営係
フィレンツェの「旗ふり隊」も
フランスの山車
ミス・フランス
高下駄に乗った不気味な連中も
途中途中で、運営側が山車にお花を次々と届けます。
でも、終わりに近づくと、皆に投げるミモザも底を付いて来る。
後は山車本体の花を引き抜いては、沿道に投げる。
バラや、蘭や南洋の珍しい花々も、次々と。
どこか「八代亜紀」に似てたどこかのミス
かくして、山車は徐々に骨組みだけになって行くのです。。。
くるくる回る「オートマット少女」を押す少年が後ろの大道芸に急きょ参戦
シックなピエロ
トルコの山車もほぼスケルトン状態に
山車の花が減って来ると、主役はやっぱりリオ!
美しい曲線もあらわな参加者の女性を映す現地マスコミのカメラマン。
やはりカーニヴァルはこうでなくちゃ!
花合戦終了後は、参加者も観衆も入り交じって町中に練り出す。
普通の山車のパレードの中央会場を引き返す「フィレンツェ旗ふり隊」の面々。
そして、その後街中に受け止めた花を持って散策する人々が、溢れかえっていた。
皆それぞれ、手にしたミモザを束にして、嬉しそうでした。
この「ニースのカーニヴァル」は、今年は2月15日から3月6日まで、繰り広げられる。
開幕日プラス火曜水曜土曜日曜で、計13回のパレードと夜のパレード。
但し「花合戦」は水曜日と土曜日のみ。
このも催しに使われるお花の90%は、地元で栽培荒れた物だそうです。
今後【日曜フォトの旅】では、ニースとその近郊のご紹介を続けようと思います。
首を長くして、お待ちして居りました。^^カーニヴァルの意味も、分かりました。こちらでは、灰の水曜日の前日までがカーニヴァルで前日の火曜日には、お店の店員さんなどが趣向を凝らしたお化粧などをし、幼稚園では夫々決められたテーマで仮装して行き、お祭りを〆ております。これとは、日にちもずれて居りますね。こちらとは、違う意味が有るのでしょうか。宗教の意味合いは難しいですね。
お天気には恵まれなかった様ですが、これを目の前でご覧に成られたら、迫力が有ったでしょうね。お花、これが圧巻です。何時も思うのですが、ヨーロッパの催し物は、お花が主役の時が多いと思いませんか?こちらのオペラ座でやる大舞踏会のデコレも、お花、お花、です。素晴らしい習慣だと思いませんか?
来週が、又楽しみです。(*^_^*)
今週も有難うございました。
キリスト教徒の断食前の、いわば「喰いだめ」だったカーニヴァルが、いつの間にか住民達にとってかけがえの無い楽しみとなり、それが町おこしの観光の対象となって行った場所が有る、ってことですか。
目の前で見ると凄いですが、寒そうでしたよ。
可哀想でもありました。
観衆の中には、最後の方の「バラ」や「欄」等を狙ってる人も居ましたが、やはりミモザを一抱え集めて嬉しそうでした。