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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

「家族のエゴイズム」『恋と革命 評伝・太宰治』(著)

2006年04月05日 | reflexion
昔太宰治は、「諸悪の根源は家族」と言ったそうです(『恋と革命 評伝・太宰治』堤重久(著))。正確には「家族のエゴイズム」という意味だと思います。

この本を読んだのは高校生のときだったので、どういう意味かよくわかりませんでした。その後いろいろな人を見ていくうちに、なんとなくこういう意味かなぁと感じることもありました。

有り体に言うと、家族・子供のいる人で、普段周りの人をよく攻撃する人ほど、自分の家族・子供に対しては偏愛の情を示していたということです。

それを見ていてわたしが嫌だなぁと思ったのは、おそらくその人の言動から、その人が内と外、家族とそれ以外、と分けていて、自分と家族以外の人間を足蹴にするように扱いながら、自分の家族は特別視するように見えたからです。

太宰はそこに「家族のエゴイズム」というものを見たのだと思います。「家族」というものがあることにより、自分=内とそれ以外の人という区別ができてしまい、社会は自分にとって敵でありどうでもいいものという観念ができてしまう、そう太宰は考えたのだと思います。

そこには、太宰自身が周りの人に見捨てられているという感情を強く持っていたことが想像できます。

涼風


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