淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」、ICE「THIS IS ICE」、HALLEY「From Dusk Till Dawn」、ジャンクフジヤマ「憧憬都市 City Pop Covers」。263

2024年04月02日 | Weblog
 今でも、東京のJR中央線に乗ると、切なくなってきて胸がギュッと締めつけられる。
 この沿線には若い頃の色んな思い出がたくさん詰まっていて、新宿方面から中央線に乗り込み、中野を過ぎて高円寺辺りまで来ると、もう青春時代の輝いていた想い出の数々が走馬灯のように流れ出してきて収拾がつかなくなってしまうのだ。
 東中野駅前に住んでいた同郷の友人が、駅のプラットホームから見えるそのアパートの道路沿いから、こっちに向かって大きく別れの手を振ってくれた春のこと。その友人はそれから数年後、沖縄のダイビング中に亡くなった・・・。
 それから、高円寺のJR高架下を、二十歳になった誕生日の夏の夜、友人と二人、へべれけに酔ったまま全速力で走ってバカな競争をしたこと。その友人もまた、大学を終えて青森市内に戻って社労士事務所をずっと経営していたけれど、今から数年前、病気で亡くなってしまった・・・。
 阿佐ヶ谷にも、横断する環状七号線沿いにも、吉祥寺にも、ちっちゃいけれど、いっぱいの甘酸っぱい想い出が詰まっていて、それはもう二度とは戻らない淡い記憶の断片たちだ・・・。
 もうそんな、辛いことだってたくさんあったあの頃へは帰れない。

 そして今日もまた、幾つかの音楽アルバムを聴きながら、ふと中央線の高架橋から見たあの頃の東京の街並みと友人たちのことを想い出す。
 ここ数日聴いたのは、阿佐ヶ谷ロマンティクスの「街の色」、ICEの「THIS IS ICE」、HALLEYの「From Dusk Till Dawn」、ジャンクフジヤマの「憧憬都市 City Pop Covers」、4枚のアルバムだ。
 どれも東京の匂いがする。



 阿佐ヶ谷ロマンティクスは男女5名からなるバンドで、阿佐ヶ谷にあるビアガーデン「阿佐谷ビール工房」がバンド名の由来だという。70年代を思わせるフォーク・ロックテイストの抒情的な作風で、聴くとほんわかする。
 少し女性ヴォーカルの線が弱いような感じもするが、最新アルバム「大人幻想」を聴くと進化しているスピードがよく理解できる。

 

 そしてICEの「THIS IS ICE」。
 実質たった一人のメンバー国岡真由美が責任編集するベスト盤で、ICEがこれまでリリースしてきたシングル曲、アルバム収録曲、配信限定楽曲の中から30曲をセレクトしている。
 正直に言っちゃうと、ヒットした往年の曲ではなくて、いわゆる隠れた名曲を選んだベスト盤ということなので、イマイチ線は細い。
 でもこれらの洗練された楽曲たちもまた、都市を喚起させ、あの頃の街を思い出させてくれる。



 
 新世代ソウル・R&BバンドのHALLEYの処女作「From Dusk Till Dawn」は、雑誌ミュージックマガジンで初めて知って、即、聴いてみた。
 メロウで洗練された音が、なぜか懐かしく感じられる。ネオ・ソウルと呼んだらいいんだろうか。この空気感は独特だ。
 このアルバムを聴くと、中央線といっても、四谷とか東京駅周辺のイメージを喚起させる。もちろん、この辺りにも個人的な想い出って色々詰まっている。



 そして、極めつけはジャンク・フジヤマ。
 彼のカヴァー・アルバム、「憧憬都市 City Pop Covers」だ。
 「WINDY SUMMER /杏里 1983年」、「夏の終りのハーモニー/井上陽水 & 安全地帯 1986年」、「雨のステイション/荒井由実 1975年」、「真夜中のドア~stay with me/松原みき 1979年」・・・と、70年代・80年代のシティ・ポップスの名曲をピックアップしている。
 これもまた、前段のICE同様、ほかのアーティストたちによるこれまでのカヴァー・アルバムを凌ぐ素晴らしさとまではいかない気がしないでもないけれど、何度聴いても懐かしさは確実に蘇って来て、心は激しく揺れてゆく。

 ああ・・・。
 東京に行きたいなあ。








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