淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

トム・ハンクス主演、「ジェイソン・ボーン」シリーズのポール・グリーングラス監督による、映画「この茫漠たる荒野で」を観る。

2021年02月23日 | Weblog
 映画館に直接出掛けて行って、そこでチケットを買い求め、館内に入って映画の幕が上がるのをじっと待ち、やがて場内が暗くなり、観たい新作映画が静かに始まってゆく・・・もうそういう時代は終わってしまったのだろうか?

 最近は、映画館に行かずともほやほやの新作映画を家の中でゆっくり観ることが出来る時代になった。
もちろん、封切られた新作映画のすべてじゃないけれど、たとえば、「ネットフリックス」に加入していると、映画館で上映される前の新作映画を、そのまま家のテレビで観ることが出来たりする。

 実際に、アカデミー賞を受賞した「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督によるモノクロ映画「ROME」も、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが共演した「アイリッシュマン」も、今年のアカデミー賞有力候補作「マンク」も、映画館での上映前に「ネットフリックス」が早々と独占配信していた。
 そりゃそうだ、これらは「ネットフリックス」が制作したオリジナル・映画だからだ。何とでもなる。

 僕はその当時、まだ「ネットフリックス」に加入していなかったので、アカデミー賞を獲ったと知って、わざわざ青森市内のシネコンで数週間の限定上映していた「ROME」を観に行ったし、逆に、「ネットフリックス」に加入してからは、「アイリッシュマン」も話題の「シカゴ7裁判」も映画館での上映前に、ゆっくりと家のテレビで独占的に堪能した。

 今更ながらのことではあるけど、「ネットフリックス」が一本の映画製作に投入する予算は半端ない規模で、それにオリジナルのテレビ・シリーズやドキュメンタリーや既存の映画まで取り込むから、はっきり言って「ネットフリックス」の独り勝ち状態なのだ。
 そう言う状況が映画の世界にいいなんて決して思わないが、観たい映画を次々に創るのだから仕方ない、「ネットフリックス」に加入しないという選択肢は中々生まれない。

 そんな「ネットフリックス」、今回またしてもオリジナル映画を配信した。2月10日から世界一斉配信された。
 映画「この茫漠たる荒野で」である。
 「キャプテン・フィリップス」のポール・グリーングラス監督とトム・ハンクスが再びタッグを組んだのだ。

 映画の舞台は南北戦争後のアメリカ。
 退役軍人のキッド(トム・ハンクス)は、広大なアメリカを転々としながら国内外で起こっている様々なニュースやトピックスを町から町へと読み伝えるという仕事をして暮らしている。
 そんなある日、キッドはジョハンナという10歳になる少女が賊に襲われ、独りぼっち隠れているところを発見する。彼女はもっと幼い頃、ネイティブアメリカンに連れ去られという過去を持ち、そこで育てられたらしく、まったく会話すら出来ず、ほかの誰にも心を開こうとしない。
 少女を不憫に思ったキッドは、彼女を親族のもとへと送り届ける役目を引き受け、様々な危険が待ち構える荒野を旅することを決心する・・・。
 
 原作は、全米図書賞の最終候補に選出されたベストセラー小説らしいけれど、読んだことはない。
 それにしても、哀愁と静けさが漂う西部劇だ。
 二人を繋ぐ儚い「絆」や「愛」や「反発」などが描かれる「静」の部分と、アメリカの広大な荒野で繰り広げられる「銃撃戦」や「対立」や「困難」などが描かれる「動」の部分が、ちょうどいい温度で交じり合う。
 一気に観てしまった。

 トム・ハンクスとポール・グリーングラス監督による、映画「この茫漠たる荒野で」。
 いいです。
 最新の「ゴールデン・グローブ」賞にも2部門でノミネートされた。

 でもこの良作、映画館じゃ観れないもんね。
 アメリカでは劇場公開されたようだけど・・・。








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