淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

スガシカオの新作『PARADE』は、とてもポジティブで、未来に対して素直に開かれている。

2006年09月27日 | Weblog
 村上春樹って、スガシカオが好きらしい。
 彼の音楽エッセイ「意味がなければスイングはない」の中でも語っているように、スガシカオの音楽に流れている「黒っぽさ」は、誰が何と言おうとやはり捨て難い独特の味がある。

 ただ、僕は個人的に、スガシカオのアルバムが出たら全てを買い求めるというほどではなく、その都度、出来るだけ聴いてきたという程度の好きさ加減だった。
 スガシカオの魅力の一つは、あのちょっとハスキーな嗄れ声から繰り出される、ソウルフルでファンキーなメロディラインだろう。
 
 SMAPの名曲、「夜空ノムコウ」も彼による作品だけれど、単にファンキーで黒人音楽をベースにした楽曲だけではメジャーで売り続けてゆくことなど不可能だし、大衆性を常に意識するということはマーケティング上においても必要なことだと思う。

 彼は、一時期、サラリーマンも経験している。
 かなり優秀な社員だったらしく、将来を嘱望された人材だったらしい。それを振り切って音楽の道に進むということは、それなりの覚悟があったに違いない。
 まったく売れなかった不遇時代、三食のご飯もろくに食べられなかったという話を聞いたことがあるけれど、スガシカオがブレイクし始めた年齢はかなり遅く、ある意味遅咲きの部類に入るだろう。
 でも、彼は自分の信じる夢のために、絶対妥協しなかった(何処かの誰かさんとはまるで違う)。

 そして今作「PARADE」である。
 これまでの少しダークで重いリズムや、ファンクなテイストは勿論消えていない。消えてはいないけれど、随分前向きな音の群れである。
 先行シングルの「19才」も2曲目にちゃんと入っているし、アップテンポとスローなナンバーの配置もいい。

 そして。
 今回の超目玉は、なんと言っても「午後のパレード」という必殺の名曲だ!
 この曲は本当に素晴らしい。当然、シングルカットされ、現在オリコンでもチャート・イン!
 もう、毎日狂ったように聴きまくっている。
 アップテンポで、まるで70年代ソウルの世界。歌詞もいい。物凄くポジティブ。メロディが素敵だから、朝の憂鬱もこれで奇麗に洗い流せる。

 村上春樹の「意味がなければスイングはない」の本の帯に書かれた文句ではないけれど、『月が消え、恋人に去られ、犬に笑われても、なにがあろうと音楽だけはなくすわけにはいかない』。

 しっかし、元気が出て来る!
 もう「午後のパレード」を聴くだけでも、このアルバム買う価値がある。
 うん。

 


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