淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

矢沢あいの漫画「NANA」のコミック第16巻が出た。この恋愛模様ってかなり屈折しているね。

2006年09月22日 | Weblog
 その昔、友達に「お前は慢性恋愛病だ!」と言われた事があってちょっとショックだった。
 恋愛依存症という言葉もあるけれど、夢中になるとほかの事は一切顧みないくせに、それを表面に出さず冷静を装いガードしまくる。当然、相手にはクールに見える。
 ところがである。恋愛バランスがきちんと取れていて上手く機能している時はいい。とても心地よい。しかし。それが一旦崩れるとどうなるか?
 心の中は、もう沸騰寸前なのに、それを隠し続け、奇妙な均衡のもとで恋愛しているわけだから、相手側に主導権を取られるものなら、雪崩のように一気に加速してしまう。
 これはキツイ。
 っていうか、もうどうしようもなくなってしまう。
 これまでの堪えていたもの、抑圧していたもの、それらが一気に爆発するわけだから。

 矢沢あいの漫画「NANA」は、二人のナナ・奈々の物語だ。
 もう映画にもなったし、アニメも日本テレビ系で毎週水曜日23時25分からオンエアされているから、詳細は省くけれど、この漫画の主人公ナナの恋愛感もかなり屈折している。

 漫画「NANA」は、少女コミックにおけるこれまでの世界観を踏襲していて、女性ロックバンドを巡る男女の青春群像というかたちで進行するのだけれど、奈々の独白はいつも、誰かの別れや死までを予感させるものだし、その基底には絶えず「無常観」が漂っているのである。

 今回も、ナナは、急遽タクミと婚姻届を出してあえて一緒になった親友の奈々の幸せな状況に対して、言いようのない空虚感を感じ、パニックに陥ってしまう。
 精神的も不安定な奈々を含めて、この漫画に登場する人物は、誰もが孤独と傷と葛藤を抱いている。そこに笑いや、バンド活動や、恋愛関係が絡まってくるから、この漫画は大多数の支持を受けているのだろう。

 そして、映画も遂に「NANA2」が12月9日から全国ロードショー開始となる。前作は個人的には凄く物足りなかった。確かに音楽だけはよかったけれど。
 余り、NANAファンに媚びることはしなくていいんじゃないかなあ。
 この漫画の隠し味ともなっている、どこかヒヤッとした感覚、屈折している人間関係と愛、これらがちらっとでも見えたら成功なんだけどね。


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